総務職は、ライフワークバランスがとりやすいため人気の職種です。
人気なため応募数が多いのに、採用数は少ない傾向があります。
「未経験者歓迎」「未経験OK」と記載していても、経験者のほうが優遇されることが多いです。
しかし経験者のほうが有利といっても、未経験者が採用されないわけではありません。
自分の実績を正しくアピールできれば、未経験でも総務への転職は可能です!
そのために、押さえておくべきポイントを紹介いたします。
未経験者では総務に転職が難しいイメージがある
先程も述べましたが、未経験では総務に転職できないというわけではなく、ただ求人数が少ないだけです。
総務事務は会社全体のサポートを行いますので、会社のことを詳しい人のほうが的確なサポートができます。
そのため、他の部署から総務へ異動させて対応するケースが多いです。
総務職を中途採用するという考え自体が少ない実情があります。
しかし、未経験でもバックオフィスに貢献した経験があれば優遇されます。
未経験でもアピールするために、総務職に求められる人物像を知っておきましょう。
総務職に求められる人物像4選
総務職に求められているのは、以下の4つです。
- マルチタスクをこなせる人
- どんな仕事も前向きに取り組める人
- エクセルやワードなどパソコンのスキルがある人
- コミュニケーション能力がある人
以上の4つをアピールできれば、採用の可能性が上がります。
それぞれ詳しく紹介していきます。
マルチタスクをこなせる人
総務職は会社全体のサポート役です。
仕事は幅広く、備品や設備の発注・管理、電話・来客対応、郵便物の発送・仕分けなどがあります。
会社によっては経理や人事など専門職がおこなうような業務を担当することもあります。
まったく違う仕事を並行してこなしていく必要があるので、スケジュール管理などマルチタスクをこなす力が必要です。
具体的には、複数の仕事をこなす要領のよさ、さまざまな依頼にも対応する柔軟性、新しい仕事にも挑戦しようとする成長意欲などが求められます。
店舗管理をしていた人は、接客だけではなく売り上げ管理や在庫管理もおこなっていたというアピールをするなど、複数の業務をこなしていた経験を活かしましょう。
どんな仕事も前向きに取り組める人
総務職は会社全体のサポートをおこなっているので、さまざまな依頼がきます。
そのため、どんな依頼でも快く受け入れ、前向きに取り組めるかが重要です。
接客業であれば他人に物事を依頼されること、笑顔で明るく対応することが身に付いていますよね。
ニーズをくみ取る力や、感謝されることに喜びを感じる人に向いている仕事です。
エクセルやワードなどパソコンのスキルがある人
事務職はパソコンを使う機会が多いです。
業務のほとんどはパソコンを使っています。
経理の仕事はエクセルの関数を多く用いますし、会社のソフトを使用することもあります。
エンジニアほどの知識はなくてもいいですが、パソコン業務に抵抗感はないほうがいいです。
パソコンを使った仕事の経験がなければ、勉強をしておきましょう。
最低限のスキルがないと働いてから、苦労しますし、採用も厳しいです。
勉強やスキルのアピールには、MOS(Micro Office Specialist)をおすすめします。
資格については後ほど詳しく説明していきます!
コミュニケーション能力がある人
総務職は、同じ部署の人だけではなく、他部署と多く関わります。
更に、電話対応や来客対応など会社の窓口となるため、会社内だけではなく他の企業とも関わる機会が多いです。
仕事以外でも普段からコミュニケーションを取るようにして、「あの人に依頼すれば大丈夫」という信頼関係を築きましょう。
自分自身の存在価値を高めることが大切です。
資格を取得すると強みになる!おすすめの資格4選
自分のスキルをアピールするためには、資格の取得が効果的です。
資格を持っていれば、企業からも即戦力があると判断してもらえるので採用の可能性が上がります。
総務職で役に立つおすすめの資格は、4つあります。
- 簿記検定
- 社会保険労務士
- メンタルヘルスマネジメント検定
- MOS
それぞれ詳しく紹介していきます。
簿記検定
この資格は、経理や会計、お金に関わる業務に役立ちます。
帳簿の付け方だけではなく用語がわかるようになるので、社会人としても身に着けておきたい知識です。
簿記の検定にも種類がありますが、日商簿記が一番メジャーでおすすめです。
社会保険労務士
社会保険労務士は、人事、労務管理、年金のスペシャリストです。
組織と人の間に立ち社会保障制度の円滑な活用の手助けをします。
社会保険労務士を持っていれば個人としても活躍できますし、年金、医療、雇用保険などさまざまな分野で活躍できます。
メンタルヘルスマネジメント検定
働く人の健康管理も総務の仕事です。
健康管理では、身体面だけではなく、メンタル面も含まれます。
メンタルヘルスマネジメント検定ストレスを緩和する知識が身に付くので、総務の仕事に役立てることができます。
ストレス社会と呼ばれている現代ではニーズが高まっている資格です。
MOS
ワードやエクセルなど、マイクロソフト製品の利用スキルを客観的に証明できます。
一般レベルのスペシャリストと、上級レベルのエキスパートの2段階あります。
スキルの証明になるだけではなく、マイクロソフト製品の勉強にもなりますので、スキルがない方にもおすすめです。
企業から即戦力として判断してもらえますし、国際資格なので世界で通用します。
総務の仕事は社員が快適に働けるようにサポートする
総務に転職を考えているなら総務の仕事内容を知っておかなくてはいけません。
総務の仕事内容は、企業によって大きく異なるので代表的なものを紹介いたします。
- 受付業務
- 備品管理
- オフィス管理
- イベントの企画、運営
- 冠婚葬祭やトラブルの対応
受付業務
電話や来客対応をおこないます。
来客を応接間へ案内し、お茶出しをするのも総務の仕事です。
会社の顔となるので、ビジネススキルやコミュニケーション能力が必須となります。
備品管理
社内で使用している文具、コピー用紙、オフィス家具の管理を行います。
足りないものを発注したり、新しく発注するものは稟議を通したりします。
使用している機械が故障した場合、交換や修理の手配も必要です。
仕事に関わるすべての備品管理を総務がおこないます。
オフィス管理
清掃業者の手配や管理、メンテナンスを行います。
会社によっては自社で清掃員を雇う場合もあり、その場合にはアルバイトの管理も必要です。
設備に不具合や故障が起きた場合には、業者に修理を依頼します。
オフィスビルに入居している場合には、ビル全体の防災活動やメンテナンスにも協力しなければいけません。
そういったオフィスに関わる業務すべてを総務がおこないます。
イベントの企画、運営
入社式、歓迎会、社員旅行などの企画、運営を総務でおこないます。
社員の意思統一を図る目的や、コミュニケーションの活性化も目的としています。
今まで社内イベントには参加していただけの方も多いと思いますが、準備することはたくさんあります。
予算の作成、会場準備、当日の案内なども総務でおこないます。
冠婚葬祭やトラブルの対応
総務職はイレギュラー対応が多いです。
取引先やお客様に慶弔事があった場合には、お祝いやお悔やみの挨拶など手配をします。
慶弔事に関しては、社内の場合も同様です。
イレギュラー対応は慶弔事だけではありません。
社外からの問い合わせや社内での落とし物、紛失物の管理などもおこないます。
総務職は何でも屋さんのイメージが強いです。
総務未経験者の志望動機例文
志望動機を書くには、自分がなぜ総務を希望しているのか理由を明確にすることが大切です。
理由を明確にして、前職での経験をどう活かせるか考えましょう。
わかりやすく例文を紹介しますので、参考にしてください。
営業事務から総務へ転職する場合の志望動機

現職では、営業事務としてデータ入力や資料作成など営業のサポートを行ってきました。
営業のサポートをおこなっていく中で、営業だけではなく、会社全体のサポートをおこないたいと思うようになりました。
前職ではパソコンスキルを身に着け、業務の時間短縮をおこなえるようシートの改善をおこないました。
このパソコンスキルや営業をサポートしてきた経験を活かして、貴社の円滑な経営に貢献していきたいと思っています。
営業事務から総務へ転職する場合の志望動機

私は、現職で飲食業のマネジメントを行っております。
新人教育だけではなく、本部スタッフとして新規店舗立ち上げの手続き業務など、幅広い業務を経験してきました。
その中で、店舗を裏側からサポートする業務に大変やりがいを感じ、企業全体をサポートする役割として力を注ぎたいという気持ちが強くなりました。
貴社は飲食店の経営を行っており、新規店舗の立ち上げが芸隠されているとのことで、私の経験や知識を活かせると思っております。
飲食店の店舗スタッフやお客様と向き合ってきた経験と、コミュニケーション能力で貴社に貢献していきたいと考えています。
総務未経験者の志望動機のポイントは経験やスキルをどう活かすか
事務経験がある場合には、パソコンスキルやサポート業務の経験をアピールできます。
接客の経験は、コミュニケーション能力のアピールにはもってこいです。
総務の仕事は幅広いので、どの職種でも関連付けられる部分は少なからずあります。
具体的なエピソードを交えて、総務を志望したきっかけも伝えましょう。
未経験から総務職に採用されても壁に突き当たることがある
念願の総務職に採用された!と思っても、
「実際に働いてみるとなんか違う…」
「想像していた仕事より難しい…」
とミスマッチが起きることもあります。
転職を成功させるために努力をしたのに、そんな思いはしたくないですよね。
ミスマッチを防ぐためにも、未経験者が総務職に転職した際につまずきやすい点を知っておきましょう。
仕事の成果がわかりづらい
総務の仕事は会社全体のサポートです。
そのため、営業のように利益に直結するわけではあありません。
個別で成果を感じづらいため、出世したい、成績を残したいという人にはやりがいを感じづらいかもしれません。
前職が営業で、成果を上げたら上げただけインセンティブがもらえていた、という場合には余計にミスマッチを感じやすいので注意してください。
社員からクレームがくることがある
会社全体の業務をおこなう総務は、「何でも屋さん」です。
そのため、他部署でおこなうべき雑用も「忙しいから」「なんでやらなければいけないのか」という理由で総務にまわってくることもあります。
他部署からの依頼に応えられないとクレーム対象になりますし、他部署からの圧に押しつぶされてしまうケースも多いです。
何度も言いますが、総務の仕事は会社によって異なります。
入った会社がただの雑用係だった…なんてことのないように、面接時に確認できることはしておきましょう。
マルチタスクをうまくこなせずミスをしやすい
マルチタスクが得意だとしても、慣れない業務を最初からこなしていくのは難しいですよね。
そのため、最初はミスをする確率が高まります。
お金に関する仕事も多いので、責任は重大です。
ミスを繰り返してしまうと、自分に自信をなくしてしまって総務は向いてないと思い込んでしまいます。
前職で、ひとつの仕事に集中して取り組みうまくいっていた場合には、総務職に転職することによって自分の良さを捨ててしまうことになるかもしれません。
つまずきを乗り越えるためには自分の役割を正しく認識する
総務職に転職したあとにも仕事で成功するには、自分の役割を正しく認識することが大切です。
企業の組織運営を円滑にし、他の社員が働きやすい環境を作るのが総務の仕事です。
事業規模が小さい会社では、経理や人事など、通常の総務ではやらない仕事まで行う場合があります。
総務の仕事はこうだ!というイメージを自分で確立してしまうと、違う仕事を任されたときにギャップが起きてしまいます。
自分の中であまり総務としてのポジションを描かずに、任された仕事の中で役割を見つけましょう。
総務未経験者でも転職は可能
未経験だからといって総務に転職できないことはありません。
転職を成功させるためには、総務の仕事を正しく理解し、自分の経験から活かせる部分はあるか考えましょう。
まずはなぜ総務職を志望しているのか、志望動機を明確にすることが重要です。
その後、自分の経験を洗い出して総務職に活かせる経験を探すことで転職の成功確率が上がります。
狭き門だと諦めずに、自分に適性があると思ったら挑戦してみましょう。