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鳶職の死亡率はどれくらい?事故を防ぐための心構えも解説します

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高いところで颯爽と作業をする鳶職人たち。

「現場の華」と言われるだけあって、高所でも難なく仕事をこなす姿はとてもかっこいいものですよね。

しかし、鳶職の現場には危険がつきものです。

実際に、作業中に尊い命が失われることもあります。

この記事では、そんな鳶職の死亡率について、安全に対する心構えなども交えながら解説していきます。

現在鳶職として活躍している人はもちろん、これから鳶職に挑戦しようと検討している人も、ぜひ参考にしてください。

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鳶職の死亡率は建築業界の中でも高い

鳶職の死亡率は業界内でも高め

建築業界は、全産業の中でも死亡災害の発生率が非常に高く、全産業総死亡者数776人のうち、実に32.6%を占めています。

厚生労働省の報告によると、令和2年の建設業の死亡災害者数は253人となっています。

前年の調査よりも7人減少してはいるものの、実際に尊い命が奪われていることを思えば、決して少ない数字ではありません。

中でも転落や墜落による死亡災害は、全体の40%以上を占めていることから、常に高所で作業に従事する鳶職というお仕事が、いかに危険と隣り合わせかがわかります。

また、平成27年に政府がまとめた報告書では平成23年以降に発生した転落や墜落事故のうち、足場からの転落による死亡事故は18%という結果がでています。

出典:令和3年度における建設業の安全衛生対策の推進について

生命保険から見る鳶職の危険性

次は鳶職の危険性について、「生命保険」という別の視点からみてみましょう。

実は鳶職人たちの中には、生命保険への加入を断られてしまう人もいます。

というのも、保険会社の中には死亡率が高いお仕事に就いている人の加入を制限していることがあるからです。

スタントマン、潜水士など、非常に危険性の高いお仕事の場合には加入を断られることも少なくありません。

鳶職もそんな危険なお仕事の一つと設定され、加入を断られたり、保証してもらえる金額が少なかったりするのです。

そのため、複数の生命保険に同時に加入している鳶職人もいます。

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鳶職の死亡率を下げるために

鳶職人は建築業界、ひいては社会全体にとってもなくてはならない非常に大切なお仕事です。

しかし同時に、上で解説した通り、作業には非常に大きな危険も伴います。

尊い命が犠牲にならないように死亡率を下げるには、どの様な点に気を付けるべきでしょうか。

特に気を付けたい点を3つ下に挙げました。

  • 事前ミーティングの徹底
  • 見習い期間中は今の自分にできる作業を
  • 体調不良の時は無理をしない

順番に解説していきます。

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事前ミーティングの徹底

とび職の現場では、作業の前にその日の作業予定などのミーティングを行いますが、「どの様な作業を行うか」だけでなく、「どの様な危険があり、どの様な点に気を付けるべきか」といった事も必ずディスカッションされます。

こうした事前のミーティングは、鳶職の作業中の死亡率を下げるためにも非常に重要です。

あらかじめ危険を仕事仲間全員で共有することで、危険に対する意識を相互に高めあう事ができます。

見習い期間中は今の自分にできる作業を

鳶職のお仕事は専門的な知識や技術が大いに要求されるため、見習い期間中は作業を任せてもらえずに歯がゆい思いをすることもあるでしょう。

しかし、危険な作業を見習い期間中の職人に行わせるわけにはいきませんよね。

もし経験の浅い職人に難しい作業を行わせると、全員の身の安全にも影響しかねません。

どんどんキャリアアップしたい上昇志向の強い人にとって、見習い期間は窮屈なものでしょう。

しかし、安全確保のためにも、経験の浅いうちは先ずは先輩職人の指示をしっかりと守る事に専念してください。

身の丈に合わない作業を勝手に進める事は、絶対にあってはいけません。

体調不良の時は無理をしない

鳶職は非常に体力が要求されるお仕事の為、日頃の体調管理がとても大切です。

もし体調不良の時に高いところでフラフラと作業をしていたら、誰がみても危険ですよね。

具合が悪い日は、すぐに現場の監督に申し出る事が大切です。

また、早寝早起きを心掛けたり、食事のバランスに気を付けたりと、日常生活の中でも健康に気を付ける事がおすすめですよ。

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転落だけではない!鳶職の現場で怖い事故3選

鳶職の転落以外の怖い事故

鳶職の死亡事故の中でも、もっとも多いのが「足場からの転落」です。

高所での作業である以上転落の危険は避けられませんが、「安全帯をしっかりとつける」、「無理なスピードで高所を移動しない」など、少しでもリスクを低減させるための対策を取ることが欠かせません。

しかし、鳶職の現場で怖いのは転落だけではないのです。

下に主なものの例を3つ挙げました。

  • 熱中症
  • 感電事故
  • 資材の運搬や受け渡し

それぞれ見ていきましょう。

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①熱中症

真夏の炎天下の中で重量物の運搬や設置を行う事は、熱中症のリスクを非常に高めます。

熱中症が原因で死亡してしまう事も珍しいことではなく、屋外で作業をする場合には特に注意が必要です。

とくに鳶職の場合、安全の観点から、本袖半ズボンで作業することはありません。

そのうえヘルメットを着用しているので、よりカラダに熱をため込んでしまいやすいのです。

もし高所で熱中症の症状が出てしまうと、そのまま転落して二次災害が発生してしまいかねません。

最近では熱を発散させる構造の作業服も多く流通しているため、それらを活用したり、適度に休憩をとったりと、熱中症対策には万全を期すことが大切です。

②感電事故

じつは感電事故も鳶職の現場でこわい事故の一つです。

足場の資材は、軽くてなおかつ丈夫なアルミ製や鉄製である事が多いです。

これらの材料は非常に電気を通しやすく、落雷などが発生した場合には、足場に立っていた作業員が感電してしまう事があります。

そのため暴風や大雨だけでなく、落雷が発生している場合でも作業を中断する企業もすくなくありません。

さらに、カラダを激しく酷使する鳶職のお仕事は大量に汗をかきます。

カラダが汗で濡れた状態の場合、より感電のリスクを高めてしまう事になるのです。

③資材の運搬や受け渡し

足場に使う鉄パイプや、クレーンでつられた大きな鉄骨の受け渡しにも大きな危険が伴います。

一つ一つの重さも相当なもののため、うっかり落として下の作業員に直撃してしまえば、死亡事故にもつながりかねません。

また、資材の受け渡しは高所から身を乗り出して行う事も日常的にあります。

そういった場合、安全帯がしっかり機能することの確認や、お互いの密な声掛けなどの対策が非常に重要になります。

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鳶職の安全対策の今後

記事の冒頭でもふれたとおり、鳶職の転落による死亡災害の多さから、厚生労働省は「足場からの墜落・転落災害防止総合対策推進要綱の改正について」という文書を、各都道府県の労働局に送りました。

文書の中には鳶職や建築現場での作業の安全を確保するための案なども盛り込まれています。

加えて、建築会社全体でも安全に対する意識が高まってきています。

しかし、死亡事故がゼロになったわけではありません。

たとえ危険な作業であっても、命を失ってしまう事は決してあってはならないため、安全対策の構築を今後も継続していく事が大切です。

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まとめ〜安全対策も重要な仕事の1つ〜

この記事では、鳶職の死亡率について政府の調査結果などもまじえながら、詳しく解説してきました。

産業全体の死亡事故の中でも建築業界は大きな割合を占めており、なかでも足場からの転落事故が非常におおいです。

また転落以外にも、鳶職の現場には、落雷、熱中症など危険がいっぱいです。

鳶職として働く上では、安全対策を行う事も大切な仕事の一つと考えて、決して気を抜かないようにしなければいけません。

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