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ゆとり世代がすぐ転職するのは「我慢できないから」なのか?

ゆとり世代がすぐ転職するのは「我慢できないから」なのか? 20代の転職

現代日本社会は、空前の「転職ブーム」です。

総務省の発表によると、2016年の転職者は合計306万人。

前年度より8万人増えた結果となっています。

この流れはとどまらず、今後も転職者は増えていくと思われます。

これほど転職者が多くなったのは2009年の320万人以来、リーマンショック以前の転職市場「346万人」へと着々と近づいていることになります。

転職市場の主役は「ゆとり世代」

転職市場の年齢層

年齢層
出典:総務省統計局「労働力調査」

転職市場の年齢層を見ると、「25歳~34歳」の世代が77万人と最も大きい割合を占めています。

その割合の大きさは、転職者全体の4分の1を占めるほど。

転職市場の主役は現在アラサー世代の「ゆとり世代」。

ゆとり世代の存在感は、以前に増して大きくなっています。

ゆとり世代の転職がどうして盛り上がっているのか。

その理由を多角的に探っていきましょう。

非正規雇用増加も「ゆとり転職の一端」

若年層の非正規雇用者の増加も、ゆとり世代の転職が多い一端を担っているでしょう。

非正規雇用の方が、離職や転職がしやすいという背景があります。

非正規雇用が増えれば増えるほど、労働市場の流動性は増していくのです。

しかし私は、非正規雇用の増加はゆとり世代の転職増加の大きな要因ではないと思っています。

「一社で定年まで勤め上げる」価値観は消え失せた

厚生労働省の調査によると、「初めて勤務した会社で現在も勤務しているか?」の質問に、20年前までは「現在は違う会社に勤務している」という返答が「28.2%」でした。

しかし最近の調査では「違う会社で働いている」という同じ返答の割合が「47.3%」にまで増えているそうです。

一昔前までは、「新卒で入った会社に定年まで勤め上げる」ことが良いとされていました。

しかし最近は、若者の間でも、自分のキャリア形成を優先し、早めに転職する人が多くなっています。

最近は「とりあえず3年」もあまり言われなくなりました。

自分が転職したいと思った時が、若者にとって転職する時なのです。

どうして若者が転職するのか

もう少し詳しく、ゆとり世代と呼ばれる若者がどうして転職したいと考えるのか?

そこにはゆとり世代が情報に触れやすくなったという、環境の違いも挙げられるでしょう。

自分の勤務環境が良いのか悪いのか、その判断材料が少ない状態では、転職に踏み切るのは難しいでしょう。

しかし現在はインターネット、とりわけSNSで、簡単に違う職種、職場の年収、勤務環境に関する情報を知ることができます。

そんな、「情報リテラシー向上」もゆとり世代の転職が増えている要因の一つです。

ゆとり世代は我慢できないのか?

よく上の世代から言われるのが、「ゆとり世代は我慢できない」ということ。

ゆとり世代は勉強や生活にゆとりをもたせた結果、我慢できなくなったのだ、という印象を勝手に持たれているのです。

年配社員の中には、「長く勤めて下積み時代を経験しないと、大きな実績や結果を残せない」というイメージが根深いです。

若いうちからすぐ転職していくゆとり世代に向けて、「わがまま」で「我慢ができない」と思うというわけです。

我慢や忍耐が美徳…そんな時代に生きていた人たちの勝手な印象押し付けですよね。

ゆとり世代は昔の人間より賢くなっている

はっきり言って、現在のゆとり世代は一昔前の世代より賢くなっています。

情報を通じ、他人の成功、失敗を学び、そこから自分にあった選択肢を選べるようになっているのです。

その選択肢こそ、「キャリア」というものです。

若者が盛んに転職するのは、自分の働き方の正解を見つけるために、PDCAを繰り返すからに他なりません。

ゆとり世代は、若いうちは転職を繰り返すものの、「この会社は自分のキャリア形成のためになる」と考えれば、長い年月働いて、会社に貢献する覚悟もできています。

若者はそんな柔軟性のある考え方も備えているのです。

社会もグローバル化した

グローバル化した社会では、より働き方が自由になっています。

また、企業間競争がグローバル化すると、企業の経営が厳しくなり、人材への投資力が奪われていきます。

人材への投資力がない企業には、若者も長く働きたいとは思いません。

結果、若者の企業定着率が下がる結果となるのです。

若者は「自分探し」を強いる社会

ゆとり世代の若者は、自分の自立したキャリア形成のために「自分探し」します。

しかしその自分探しをはじめるきっかけを作ったのは、社会のキャリア教育のたまもの。

エントリーシートに長々書かされる「志望動機」。
その下に長々書かされる「自己PR」。

これらを書くためには自分の個性を棚卸しした「自己分析」と、応募企業で働く時の「自分の強み」を探すことになります。

結果、若者は自分の将来に強い関心を向ける結果となっているのです。

ゆとり世代は自分のキャリアのために転職する

ゆとり世代は「我慢できない」から転職するのではありません。

ゆとり世代の若者は、インターネットを通してオープンな情報を取り込む能力に秀でています。

そして社会から求められる自己分析もあいまった結果、「自分の理想のキャリア実現」を目指して、早めの転職を繰り返すのです。

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