起業のきっかけは?
もともとは営業マンをしていましたが勤めていた会社の経営が厳しくなり、転職を考えていました。その後は若かったので土木系の仕事を選びましたが、バブル崩壊で景気が悪くなってしまいました。「普通の工場勤務やサラリーマンはもうできないな」と感じていた時に、知り合いの社長に「うちで働いてみないか」と誘われたんです。そこで思い切って鉄骨加工の道に進みました。それがきっかけとなり、その会社で4年ほどお世話になった後に独立しました。
独立をした時は、「会社を持ちたい」と強く思っていたわけではなく、当時は「飯が食えたらいいかな」くらいの気持ちでした。今思うと、すべてのタイミングが重なっていいご縁があり、今の自分があると感じています。
経営者になってよかった事
独立して一番良かったのは、家族との時間を持てるようになったことです。会社員時代は朝早くから夜遅くまで働くことが多く、子どもの成長を間近で見ることができませんでした。独立後は、時間の融通が利くようになり、平日の昼間に仕事をして子どもと遊ぶ時間も作れるようになりました。
また、若い頃は体力勝負の仕事をしていたのですが、30代半ばで「このままだと50歳まで続けられないかもしれない」と不安を感じていました。しかし、今の鉄骨加工の仕事は、長く続けられる技術職なので、60歳や70歳になっても続けられるという安心感があります。仕事は長く続けられてこそ意味があると思うので、この選択をして本当に良かったと感じています。
経営者になって大変だった事
独立して大変だったことは、やはり経理や事務作業です。若い頃は事務職をしていましたが、パソコンやネットが普及する前の時代だったので、慣れない作業に苦労しました。
私と同じように、40代や50代になってから初めてパソコンを触るとなると、とても大変だと思います。私の場合は、妻に手伝ってもらいながら商工会などに相談して一つずつ乗り越えてきました。今は妻に任せることが多いですが、大変な部分を補ってくれる存在がいることは、本当にありがたいですね。

建設業で起業するメリット
建設業で起業するメリットは、何といっても人との縁が自分の強みになることです。
ここだけの話ですが、例えば家を建てる際に、知り合いの業者に頼むと融通が利いたり優先的に対応してもらえたりすることがあります。これは建設業ならではの大きなメリットです。また、仕事の有無が天候に左右されることもありますが、その分仕事の単価が多少高めに設定されていることもあります。私の場合、大手企業の下請けとして安定した仕事をもらっているため、収入面でも安定しています。
独立を目指す人(若者)に一言
独立を考えている方は、まず当社でじっくりと技術を磨くことから始めてほしいです。溶接や鉄骨加工の技術は、非常に奥深く、身につけるには時間と経験が必要です。
当社では、未経験の方でも安心して技術を習得できるよう、資格取得にかかる費用は全額負担します。また、仕事で使う道具や作業服も、必要なものはすべて会社が用意します。従業員がいないと会社は成り立ちませんから、皆さんの安全面にも最大限配慮しています。
独立は素晴らしいことですが、まずはしっかりと技術と人間性を磨き、信頼関係を築くことが大切です。その基盤作りを、ぜひ当社で一緒に頑張りましょう。