屋根職人ってどんな仕事?詳しい仕事内容や1日の作業の流れを解説!
最終更新日:2024/06/03
屋根職人は「屋根工」「屋根屋」とも呼ばれます。
瓦葺きや雨漏りの修理などが主な仕事です。
中には日本の伝統建築に携わる熟練の屋根職人も存在します。
今回は屋根職人の仕事内容や、1日の作業の流れについて、詳しく解説します。
屋根職人になるために必要な資格や、屋根職人に向いている人の特徴なども見ていきましょう。
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屋根職人の種類と
仕事内容
屋根職人(屋根工)とは、屋根全般の工事をおこなう専門家です。
新しい建物の屋根を作ったり、古い屋根の修理をしたりします。
一般的な木造住宅だけではなく、鉄筋のマンションやビル、工場、寺院など、様々な建物の屋根工事で活躍する職業です。
屋根職人の仕事内容は、主に次の4つに分けられます。
・屋根の設置・葺き替え
・屋根の修繕
・屋根の断熱工事
・太陽光発電設備の設置
なお勤めている会社によって、屋根職人の仕事内容は異なり、上記すべての業務を担当するとは限りません。
「屋根の修繕を専門的におこなう会社」や、「太陽光発電設備に対応していない会社」などもあります。
就職・転職の際は、自分の興味に沿った会社を選ぶといいでしょう。
屋根の設置・葺き替え
設計図に基づき、新築またはリフォーム・リノベーションされる建物に対して、屋根を設置します。
まず、屋根の野地板の下に「ルーフィング(下葺き材)」と呼ばれる防水シートを敷き、防水性を確保します。
ルーフィングは家を雨から守るうえで、非常に重要です。
屋根の防水性はルーフィングで決まる、と言っても過言ではありません。
ルーフィングには耐用年数が長いもの、遮熱性に優れているものなど、さまざまなタイプがあります。
その後、瓦、スレート(粘板岩を薄い板状にした建築材)、金属板などを使って、外側から見える部分の屋根を作り上げていきます。
また、雨水を抑えたり屋根材を固定したりする役割がある特別な部品、「役物」の設置も屋根職人の仕事です。
屋根の修繕
屋根は経年劣化するので、必要に応じて屋根職人が修繕し、住宅の寿命低下を防ぎます。
屋根に生じる傷みとは、おもに次の通りです。
・雨漏り
・漆喰の剥がれ
・ひび割れ
・さびの発生
屋根の修繕の際は、まず点検をおこないます。
屋根の上や屋根裏に登る場合もありますが、長い専用の棒にカメラをつけて点検したり、ドローンで上空から点検したりすることもあります。
屋根の断熱工事
屋根職人は、屋根の断熱リフォームもおこないます。
屋根の野地板の下や垂木間に、断熱材や遮熱材を施工することで、冷暖房の効きを良くする作業です。
屋根の断熱工事には、屋根を葺替えするタイミングで「屋根の上側」から施行する方法と、「屋根の小屋裏(室内側)」から施行する方法があります。
太陽光発電設備の設置
最近では屋根に太陽光発電を設置している住宅が増えてきました。
太陽光パネルの設置には、専門的な知識・技術が必要であり、これも屋根職人の仕事です。
屋根が破損し、雨漏りの原因になることがないよう、台風や積雪の対策も意識して施行します。
設置後のトラブル対応も必要です。
屋根職人の種類についての
あれこれ
屋根職人の中には、瓦葺きに特化した職人や、金属屋根に特化した職人もいます。
・瓦葺き職人
・金属屋根職人
瓦葺き職人
屋根を瓦で葺くことに特化した専門の職人も存在し、彼らは「瓦葺き職人」と呼ばれます。
なぜ瓦葺きに特化した屋根職人がいるのかというと、この作業には高い技能が要求されるからです。
瓦は屋根に使われる一般的な建材と違って、焼いて作られているため、一枚一枚少しずつ形状が違います。
また瓦を葺く屋根の形状も、建物によって異なるので、毎回同じように作業すれば良いわけではありません。
一人前の瓦葺き職人になるには、10年はかかると言われています。
なお、寺社仏閣の本葺き瓦を葺くには、瓦葺き職人の中でも熟練の技が必要です。
資格がなくても瓦葺き職人にはなれますが、「かわらぶき技能士1級~3級」という、技能を証明する資格が存在します。
金属屋根職人
金属屋根職人は、金属の屋根を専門的に担当します。
屋根を張る作業だけではなく、材料の金属板を機械で必要な寸法に切断したり折り曲げたりする作業も、金属屋根職人の仕事です。
金属屋根職人として働くために資格は必要ありません。
しかし、「建築板金技能士1級・2級」という資格が存在し、持っていると仕事の幅が広がります。
屋根職人の
1日の流れ
屋根職人は1日をどんなふうに過ごしているのか、詳しく見てみましょう。
勤務先によって異なりますが、よくある1日のスケジュールは次の通りです。
まず朝は、8時頃に現場へ到着します。
他の職人さんとの挨拶を済ませて、使用する材料の準備をしたら、作業に入りましょう。
屋根職人は体力を消耗する仕事なので、午前と午後に1回ずつ、昼休みと別の休憩があります。
この小休憩の時間は15~30分です。
しっかり水分補給をして、体を休めましょう。
なお1日で工事が終わらずに前日の続きから作業を開始する場合もあれば、1日で複数の現場を回る場合もあります。
1日で作業が終わらなかった場合は、退勤前に雨防止のカバーをかけておきましょう。
最後に清掃・片付けをして解散です。
なお、天候が悪い日は仕事が休みになる場合もあります。
屋根職人に
求められる要素・スキル4選
屋根職人の仕事に興味はあっても、自分に務まるのか、不安に感じている人もいるでしょう。
屋根職人になるには、一般的に、屋根屋へ弟子入りして見習いから実務経験を積んでいきます。
最初は材料を運んだり、親方の手伝いをしたり、下働きから始まることが多いです。
高所作業・力仕事を伴う屋根職人は、建築業界の中でもハードな職種で、技術の習得には時間がかかります。
しかし「学校でまったく屋根職人に関する勉強をしてこなかった」「資格を持っていない」という人でも、やる気さえあれば歓迎されやすい職業です。
中でも次の特徴に当てはまる人は、屋根職人に向いています。
① | 高い所が苦手ではない |
---|---|
② | 体力があり暑さ・寒さに強い |
③ | 丁寧な仕事が得意 |
④ | チームワークを大切にできる |
①高い所が苦手ではない
屋根職人は、高所での作業が多い職業です。
そのため、まず高所恐怖症ではないことが求められます。
高い場所でも安全に、かつ確実に作業できるバランス感覚が重要です。
②体力があり暑さ・寒さに強い
屋根工事は重い材料を運んだり、高所でも長時間集中して作業を続けたり、きつい面もあるお仕事です。
体力が求められる仕事なので、もともとスポーツをしていた人や、運動をする習慣がある人、仕事を通じて体を鍛えたい人に向いています。
また、屋外での作業となるため、暑さ・寒さに強いことも大切です。
③丁寧な仕事が得意
屋根工事では精密さが求められます。
屋根職人の仕事がいい加減だと、家の雨漏りに繋がることもあるので、責任重大です。
手先が器用な人や、細部に注意を払いながら作業を進めることができる人に向いています。
④チームワークを大切にできる
屋根職人はチームで仕事をすることも多いです。
職人というと、淡々と目の前の作業を集中してこなすイメージがあるかもしれませんが、他の職人さんとの連携や依頼主さんへの挨拶などが必要となります。
周囲と適切にコミュニケーションを取り、協力して作業できる人に向いている仕事です。
屋根職人って
独立しやすい?
屋根職人は将来的に独立して、個人で仕事を請け負うこともできます。
最初はアルバイトとして入社したとしても、いずれ正社員になり、将来的に独立するというキャリアプランを描くことが可能です。
さまざまな職種がある建設業の中でも、屋根工事は専門業者に修繕を依頼する需要が高く、比較的大手住宅メーカーに仕事を取られにくいと言えます。
ただし独立のしやすさは、個人の努力によります。
独立を目指すまでの流れは、次の通りです。
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屋根職人について調べる
まずは屋根職人の仕事について、情報収集をします。仕事内容、重宝される資格、屋根職人のきつい点・やりがいなど、多くの情報を集めてください。
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屋根職人の求人を探す
屋根職人の仕事について理解が深まったら、求人サイトで屋根職人の仕事を検索します。屋根職人の求人検索におすすめのサイトは、「GATEN職」です。GATEN職は建設業で活躍する現場系の仕事探しに特化しています。全国の屋根職人の求人も取り扱っているので、ぜひ利用してみてください。
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求人に応募する
希望条件に近い屋根職人の求人を見つけたら、早めに応募します。屋根職人の仕事探しでは、資格取得の支援制度はあるか、週休2日制か、などを比較するといいでしょう。
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面接を受ける
応募が完了すると、まず書類選考、次に面接が実施されます。屋根職人の採用選考では、やる気や適性のアピールが重要です。
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内定獲得&業務開始!
無事内定を獲得できたら、入社時期や給料のすり合わせをして、実際の業務を開始します。最初は親方の手伝いや清掃などの補助的な業務を任されることが多く、体力的にも大変ですが、地道な努力を続ければ独立の道も拓けているのが屋根職人の魅力です。
屋根職人の現場で
役立つ資格6つ
続いて、屋根職人に求められる要素やスキルを見ていきましょう。
具体的には以下の通りです。
① | かわらぶき技能士 |
---|---|
② | 瓦屋根工事技士 |
③ | 屋根診断技士 |
④ | 建築板金技能士 |
⑤ | 足場の組立て等作業主任者 |
⑥ | 第二種電気工事士 |
積極的に取得して、屋根職人としての腕を磨いていきましょう!
①かわらぶき技能士
かわらぶき技能士1級・2級は、瓦屋根工事の技術・知識を証明する国家資格です。
これは特に、伝統的な手作業で実際に瓦屋根の工事をする職人になりたい人へおすすめの資格となっています。
1級を取得するには、7年以上の実務経験か、2級合格後に2年以上の実務経験が求められます。
2級を取得するには、2年以上の実務経験が必要です。
なお実務経験がなくても3級は取得でき、3級を持っていると、2級の受検資格が得られます。
早くかわらぶき技能士2級を取りたいなら、3級の受験を検討してみるのもいいでしょう。
②瓦屋根工事技士
瓦屋根工事技士は、一般社団法人全日本瓦工事業連盟が認定する資格です。
瓦屋根工事の管理者に求められる能力を証明します。
難易度は比較的高く、3年以上の実務経験が必要です。
③屋根診断技士
瓦屋根診断技士は、屋根職人の最上位資格です。
この資格を取るには、「かわらぶき技能士の資格を持っていること」と、「瓦屋根工事技士の資格を持っていること」の両方が条件となっています。
瓦屋根工事のエキスパートであることを証明したい人におすすめの資格です。
④建築板金技能士
建築板金技能士1級・2級・3級は、国家資格です。
この資格があると、屋根に使用する金属材料の加工・取付けに関する知識と技術を持っていると証明できます。
特に金属の屋根を専門的に担当する「金属屋根職人」にはおすすめの資格です。
⑤足場の組立て等作業主任者
屋根工事は高所で行われることが多く、時には足場を設置します。
この資格は、足場の組立て・解体作業の安全管理能力がある人材を認定するものです。
自社に「足場の組立て等作業主任者」がいない屋根工事会社は、足場の専門業者に外注する場合もあります。
⑥第二種電気工事士
屋根職人は、太陽光発電システムの設置をおこなう場合もあります。
この資格は、そういった電気工事が安全に行える能力を証明するものです。
なお第二種電気工事士の資格は、「電気工事士」をはじめとした別の職種でも求められます。
将来的に別の仕事を目指したい、と思った場合に応用できる可能性もあるでしょう。
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