起業や独立のきっかけは?
子どもの頃から車やバイクが大好きで、大人になるにつれて「本格的に車のレースをやりたい!」と思うようになりました。ですがレースにはすごくお金がかかるので、どうやったら早く稼げるかを考えたんです。
そこで当時、一番早く稼げるのは鳶職だと聞いて、この仕事を始めて独立を目指しました。18歳からこの業界に入ったんですが、レースというはっきりした目標があったからこそ真剣に頑張ることができました。
経営者になってよかった事
独立して一番良かったのは、やっぱり自分の力でしっかり稼げるようになったことです。それで長年の夢だったレースができるようになったのは、本当に嬉しかったです。
でも、それ以上に良かったのは、仕事そのものがめちゃくちゃ面白くなったことですね。夢のために始めた仕事だったんですけど、真剣に取り組んでいくうちに、鳶職の奥深さや面白さに気づいて、今ではこの仕事自体が僕の情熱になっています。
経営者になって大変だった事
独立して一番大変だったのは、やっぱり人間関係です。社員として働いていた時は気づかなかった、人の採用や育てることの難しさに直面しました。時間や手間をかけて一人前に育てた従業員が辞めてしまうこともあって、そのたびに「どうしたらいいんだろう」って悩みました。でも、僕はもともと人と話したりするのが好きなので、この経験を通じて、社員一人ひとりと本気で向き合うことの大切さを学びました。その思いは、うちの会社の「塾」という言葉にも込めています。

建設業で起業するメリット
業種ならではの話になりますが、建設業をしている方は「仕事が目に見える形に残ることがメリット」と仰る方も多いですが、僕たちがやっている鳶職は、「形に残らない仕事」なんです。逆にそれがメリットにもなると思っています。
大工さんとかは自分が作ったものがずっと残りますけど、僕らが組む足場は工事が終われば全部撤去されます。だから、他の職種みたいに「10年保証」みたいな責任を負うことがないのが大きな利点ですね。正直、手を抜こうと思えばいくらでも抜けてしまう。でもそこをこだわっていいものを提供して喜んで貰う、これが一番楽しいところじゃないかなって思います。
一方で、お客さんからは「最高の足場を組んでくれてありがとう」と直接感謝の言葉をもらえることが多くて、それがすごくやりがいになります。形には残らないけど、人の記憶には残る仕事。それが鳶職の魅力です。
独立を目指す人(若者)に一言
これから独立したいと思っている皆さんへ。この業界で成功するには、まず現場での経験と信頼をしっかり築くことが一番大事です。
うちの会社は、やる気のある人には、そのノウハウを全部教えます。独立後に必要になる資材を貸し出したり、資格を取るための費用をサポートしたりと、独立に向けて必要なことを手伝います。会社の名前にある「塾」は、ただの会社じゃなくて、独立という夢に向かって成長できる場所にしたいという、僕の思いが込められています。
もし一緒に頑張ってくれるという方がいましたら、ぜひその夢を応援したいと思います。