起業や独立のきっかけは?
この有限会社新屋敷電設工業所は私の父が創業した会社なのですが、内々では将来的に会社を継ぐという考えもあったものの、高校卒業後は現在のプラント電気工事業界とは異なる非常発電機の会社で約2〜3年働きました。その後、当時の景気の悪さ(就職氷河期)という時代の流れがあり、父の会社の状況も考えて入社しました。
その後、父の跡を継ぐ形となりますが当時は日本経済が最も厳しい時期だったと思います。そんな時期に「この厳しい状況をどう切り開くか」を考え、自ら積極的に情報を集めて事業を発展させていく必要に迫られたことが、本格的に経営者としての道を歩み始めたきっかけです。
経営者になってよかった事
経営者として、売上がどんどん上がっていく時期には、雇われていた時とは比べ物にならないほど稼げるという大きな達成感があります。また、経済の山谷といった苦しい時期を乗り越え、万全の体制を整えて勝負に出ることも、大きなやりがいだなと思います。
そして、人との縁を大切にしてきたことで、人との繋がりが思わぬ形で発展していくことにも喜びを感じています。
経営者になって大変だった事
経営者として一番大変だったのは、日本の経済構造上の波(景気の谷)が長かったことです。利益率が上がらない時期が続き、常に辛抱が求められました。
特に苦労したのは人を集めることです。景気が悪い時代は、数千万円規模の工事を受注することで、様々な業者さん(協力会社)を集めることができましたが、近年は国の社会保険制度の変更などにより、人を社員化したり、協力会社を呼んだりする難しさが増しています。

建設業で起業するメリット
建設業の強みは、IT系とは異なり「人が仕事を作り上げていく」という点にあります。建設業というのは昔から変わらず人が財産であり、技術が活きる業界です。個人の能力が生産性に直結するため、人を育て、チームとして機能させることが重要です。
経営者になると、稼げる可能性はありますが、同時に対人間的な悩みはすべて自分で解決しなければなりません。自分の判断や決断が常に要求されます。現代の建設業は山谷の波が激しいため、経営者にはその谷を乗り切る強い精神力と判断力が必須です。
独立を目指す人(若者)に一言
まず、一言お伝えするならば「人見知りをしていたらダメ」です。この商売は、いろんな人と付き合い、会話を合わせる柔軟さが必須ですね。
入社された方には、業務に必要な資格・講習の費用はすべて会社が負担します。また、当社は社員の独立を積極的に支援したいと思っており、当社の社員として技術を身につけて独立した後は、協力会社として継続的に業務を発注し、仕事の不安を軽減します。
もちろん、当社で一緒に頑張っていただく方には「楽しい」と思っていただきたいので、忘年会や新年会も行っています。和気あいあいとした雰囲気の会社ですよ。
最後に、独立とは自分の判断がすべてになる厳しい道です。腰掛けではなく、最低でも10年近くかけて、一人で仕事を回せるようになることを目指していただきたい。一定期間経験を積み、慣れてきた社員には、私が経験した経営のノウハウや山谷の乗り越え方についても、アドバイスを惜しみません。あなたの熱い思いを、ぜひ当社で実現しませんか。