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建設業許可の条件で押さえるべきポイントとは?

建設業許可の条件で押さえるべきポイントとは??

今回は、建設業で取得しなければならない建設業許可について、建設業許可とはどのような許可なのか、取得に必要な要件や取得の流れについて解説します。

建設業許可の条件は、一見難易度が高くまどろっこしいイメージがありますが、ポイントをつかめば一般的には取得しやすいといえます。

この記事では、建設業許可の取得要件を満たすためのコツも紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。

建設業許可とは?

建設業許可とは、建設業を営む企業や個人が、建築物の設計、施工、監理などの業務を行うために必要な許可のこと。

主に建設業者の資格や技能、経験などが適切かどうかを審査し、建設業に関する法令や条例を遵守していることを確認するために行われます。

建設業許可が必要な第一の理由は、建築物の安全性や品質を保証するため。

建設業者が許可を取得すると、顧客がより信頼できる業者を選ぶことができ、不適切な業者が建築物を建てることを防止できるメリットがあります。

また、建設業者自身も技能や知識の向上を促し、建築物の品質向上につながると言えるでしょう。

監修者

minakataさん
建設業許は、許可行政庁へ提出します。許可の手続きの手引きは国土交通省のホームページで確認することが可能です。
申請書は書く地方自治体のホームページなどからダウンロードすることが可能です。

建設業許可が必要な場合と不要な場合

建設業許可は、必ずしも取得しなければならないわけではなく、取得が必要な場合とそうでない場合があります。

建築一式工事では、1件あたりの請負金額が1500万円未満の工事、または請負金額に関わらず木造住宅で延べ床面積が150未満の工事の場合は建設業許可の取得が不要です。

また、建築一式工事以外の場合でも、請負金額が500万円未満であれば取得する必要がありません。

一方で、電気工事業や解体工事業者、浄化槽工事業では、取得が必須など、工事の内容によっては取得が必須です。

その他、金額や内容に関係なく取得が必要・不要なケースに分かれているので、取得するべきかどうかわからない場合は、プロに相談するのをおすすめします。

監修者

minakataさん
新規申請の際には、多くの書類を準備する必要があります。
20種類以上の書類を準備する必要があるので申請が初めての方は、申請代行業者などに相談すると有意義です。

建設業許可の種類

建設業許可を取得する場合には、「知事許可」・「国土交通大臣許可」と、大きく分けて二つの種類が存在します。

ここからは、建設業許可の2つの種類をそれぞれ詳しく解説します。

  • 知事許可
  • 国土交通大臣許可

知事許可

知事許可は、地方自治体の知事が行う許可で、一般建設業許可や特定建設業許可を含め、多くの建設業務に対する許可です。

建設業法に基づき、建設業者が事業遂行上で必要な能力や技術、資金、設備などを有しているかどうかを審査し、法令遵守を確認した上で許可が与えられます。

また、知事許可には有効期限が設けられており、期限が切れた場合には再度申請する必要があります。

監修者

minakataさん
知事許可の取得期間は2ヶ月程度と割と早く取得できます。

国土交通大臣許可

国土交通大臣許可は、一部の大規模な建設業務に対して必要とされる許可で、建設業法に基づき、国土交通大臣が行います。

具体的には、高速道路や空港、ダムや河川改修など、国家的に重要なインフラストラクチャーに関する建設業務が該当します。

監修者

minakataさん
国土交通大臣許可は取得までに3ヶ月以上の期間を要するので、取得までに知事許可よりも時間を要します。

国土交通大臣許可は、知事許可と同様に、建設業者が必要な技術や資金、設備を有しているかどうかを審査するとともに、社会的に責任ある業務を遂行するための基準を満たしているかを確認して許可が与えられるのが一般的です。

監修者

minakataさん
建設業許可の申請のほかにも、業種の追加や、更新なども行う必要があり、その他にも廃業届けや譲渡、合併などの手続きも行うことが可能です。

建設業許可の5つの要件

建設業許可は誰でも簡単に取得できるわけではなく、必要な条件や対象に当てはまる内容など、厳しいルールが定められています。

かといって、取得せずに違法に作業を進めてしまうと、懲役や罰金などで罰されることとなるので、慎重かつ正確に行うことが大切です。

ここからは、建設業許可取得に求められる5つの要件を詳しく解説します。

  1. 経営業務の管理責任者
  2. 専任技術者
  3. 誠実性
  4. 財産的基礎・金銭的信用
  5. 欠格要件

①経営業務の管理責任者

建設業許可を取得するためには、経営業務の管理責任者が営業所ごとに在籍していることが要件の一つです。

経営業務の管理責任者とは、個人の場合は「事業主」、法人の場合は「常勤の役員が建設業で5年以上経営業務の管理責任者としての経験がある者」を指します。

経営業務の管理責任者が知っておくべきポイント

経営業務管理責任者の配置について、おさえておくポイントは「常勤役員が建設業経験5年以上である」ということ。

そのため、法人の場合は「個人事業主で建設業経験が5年以上」、「建設業許可を取得していた会社で役員をしていた」これらの人材を自社の役員に配置すれば解決。

また、個人においても事業主または登記された支配人が経営業務管理責任者の要件を満たしていれば、問題なく取得できると言えます。

②専任技術者

建設業許可を取得するためには、営業所ごとに建設業についての専門知識や経験がある専任技術者がいるかどうかも求められます。

建設業者は、建設業務を適正に遂行するために必要な技術力を有していなければなりません。

また、技術面の要件は「10年以上の経験がある」、「資格を保有している」など、業種ごとに異なるのが一般的です。

監修者

minakataさん
中には地方自治体が建設行許可の申請についての相談を受け付けているので、初めての方や疑問がある方は問い合わせしてみましょう。

専任技術者が知っておくべきポイント

建設業で専任技術者の資格を取得するには、実務経験を7年以上積み、技能検定の1級資格を取得するのが最も近道の方法。

もしくは、以前働いていた会社を含めて10年以上の実務経験がある場合は、以前の会社に契約書などの証明書を出してもらえるか聞いてみるのもおすすめです。

③誠実性

建設業許可の要件の一つに、業者の「誠実性」も含まれています。

建設業界において、信用は非常に重要なポイント。

建設業者は、工事を請け負った場合には、予定通りに工事を完了させなければならない任務があります。

しかし、工事が遅れたり、施工不良が発生した場合には、発注者からクレームや損害賠償を求められることも少なくありません。

そのため、建設業者の信用力は、建設業務を適正に行うために欠かせない要素となります。

建設業許可の取得では、信用力の要件として、借入金額、負債総額、支払遅延の有無、破産や倒産の有無、不祥事の有無などが調査されるのが一般的です。

④財産的基礎・金銭的信用

建設業許可を取得するためには、一定の資金力を有している、所定の金額以上の資本金や純資金を有しているということを証明しなければなりません。

建設業務を適正に行うためには一定の資金力が必要です。

建設業務には多大な費用がかかり、材料費や労働費、機械や道具の購入費用、保険料など、多岐にわたる経費がかかります。

また、建設業務では工事が途中で中止された場合や、施工不良によるクレームが発生した場合に備えた、ある程度の資金も持ち備えていなければなりません。

さらには、許可を受けた後も資金面での問題が生じた場合には、建設業務の品質やスケジュールなどに影響を与えることがあるため、さまざまなケースに備えた十分な資金力があることが求められます。

ここで知っておくべき裏ワザ

財産的基礎や金銭的信用で主に求められるのは「自己資本が500万円以上であること」、「500万円以上の資金を調達する能力があるとみなされること」が挙げられます。

資金の証明をする際には、残高証明書を提示するのが一般的ですが、中には残高が条件を満たしていないという方もいるかもしれません。

その場合には、家族や友人に一時的にお金を借り、500万円以上ある残高証明書を提示するのも可能です。

資金が足りず取得できるか不安という方は、この方法を使ってみるのをおすすめします。

監修者

minakataさん
各地方自治体では建設管理課などで問い合わせが可能です。

⑤欠格要件

欠格要件もまた、建設業許可に求められる要件の一つです。

欠格要件とは、法律や規制により「一定の要件を満たさない場合に許可が取得できない要件」のこと。

欠格要件が求められる理由は、建設業に関わる者が社会的責任を持つことが求められるためです。

例えば、建設業法では、反社会的勢力に関与している者や、建設業務に関する犯罪歴のある者は、建設業許可の取得ができないと規定されています。

監修者

minakataさん
警察にて前科照会して調査される可能性もあり、取り消しから5年が経過していないと取得も難しいです。

欠格要件が存在することにより、建設業界における社会的責任の重要性が認識され、建設業者の信頼性が高められます。

また、建設業者が業務を適正に行い、社会的責任を果たすことが求められ、建設業界全体の健全な発展につながるでしょう。

建設業許可申請の流れ

建設業許可の申請は、工事の内容や規模、所有している資金によって異なります。

ここからは、建設業許可申請の一般的な流れを紹介します。

  1. 建設業の種類・要件をチェックする
  2. 許可申請書・添付書類の作成
  3. 申請書の提出

①建設業の種類・要件をチェックする

最初に、申請する建設業の種類(建築工事業、土木工事業など)を確認します。

建設業許可には、業種ごとに異なる要件や申請書が必要となります。

②許可申請書・添付書類の作成

建設業許可申請に必要な書類には、業種や規模によって異なるものがあります。

一般的には、以下の書類が必要となります。

  • 建設業許可申請書
  • 資本金額や従業員数などを証明する書類
  • 代表者の身分証明書や履歴書などの個人情報
  • 建設現場の所有者との契約書
  • 建設工事の計画書や設計図面、施工予定表、安全管理計画書など

③申請書の提出

必要書類を揃えたら、申請書を提出します。

建設業許可の申請窓口は、都道府県庁や市区町村役場の建設業許可課などにあります。

提出後、申請書に不備があれば、訂正を求められることがあるので、指示に従って完成させましょう。

監修者

minakataさん
提出先の所管は国土交通省中部地方整備局建政部建設産業課となります。
大臣許可の申請なども対応しています。

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まとめ~必要な要件を一つずつ正確にクリアさせよう~

今回は、建設業許可の取得をお考えの方に向けて、建設業許可とはどのような許可なのか、取得するための要件や役立つ情報を詳しく解説しました。

建設業許可は、取得難易度が高いとイメージされがちですが、必要な要件を満たすのにそこまで難しい規定が定められているわけではありません。

そのため、一つずつ慎重に要件をクリアさせていくことが大切です。

監修者

minakataさん
許可を適切にもらうためには、不足書類がないようにすべてまとめておきましょう。
毎年の決算届けを提出し、様式が定められている書類に記入する必要があります。

建設業許可の申請を成功させるために、ぜひこの記事も参考にお役立ていただけると幸いです。