厚生労働省のデータによると、令和7年3月卒の中学新卒者の就職者は92.4％となっており、中卒でもほとんどの人が就職できていることがわかります。
「中卒だと稼げる仕事は限られるのでは？」と不安を感じている方もいるでしょうが、学歴よりも経験・技術・継続力が評価され、中卒からでも高収入を目指せる仕事は数多く存在します。
特に建設業・製造業・運送業などの現場系職種では、人手不足を背景に未経験歓迎・正社員採用の求人が豊富です。
本記事では、中卒の収入目安をデータで解説したうえで、中卒でも稼げる仕事を厳選して紹介します。
さらに、就職を成功させるコツや仕事探しに役立つサービスまで詳しく解説します。
- 中卒でもできる仕事
- 中卒でも稼げる仕事への就職を成功させるコツ
自分に合った働き方やキャリアパスを見つけたい方は、ぜひ参考にしてください。
中卒の仕事の収入目安
ここでは、中卒の収入目安について初任給平均額・平均年収について解説します。
中卒の初任給平均額は15万円前後が一般的
中卒者の初任給（入社直後の月収）は、具体的な統計として中卒単独の全国平均の公式データはありませんが、厚生労働省「学 卒 者 の 初 任賃金 」によれば、高校卒の初任給が約17万～18万円台が多く、中卒はこれよりも若干低いと考慮すると約15万円前後と紹介されることが一般的です。
具体的には、職種や企業規模によって幅はありますが、中卒の平均初任給は15万円前後で推移し、高卒・大卒に比べて数千円〜数万円程度低い傾向があります。
これは学歴による会社の賃金設定や配置される業務内容の違いが影響していると考えられています
中卒の平均年収は約250万～260万円程度
中卒者の平均年収についても明確に公表されていません。
こちらに関しても厚労省「賃金構造基本統計調査」から約330万円程度からやや低いと考慮すると、中卒の平均年収は約250〜260万円前後と考えられます。
例えば高卒が平均約264万円前後、大卒はさらに高いとされていますが、中卒は学歴要件の少ない職種や現場系職種に就く割合が高いため、初任給・年収は全体的に低めに出る傾向が確認できます。
年齢や経験、職種によって上下しますが、学歴以外の技能や資格を身につけることで年収を上げることは十分可能です。
中卒でも就職に有利な資格
- フォークリフト
- 介護職員初任者研修
- 電気工事士
- 調理師
- 日商簿記
- 宅建氏
- 登録販売士
- 保育士 など
中卒で稼げる仕事6選
ここでは、中卒からでも比較的採用されやすいおすすめの職業について、年収・未経験からの就職難易度・正社員へのなりやすさ・必須の資格・あると有利な資格・特におすすめな人の特徴についてくわしく紹介します。
中卒からなれる職業のポイント
- 年収
- 中卒からの就職難易度
- 正社員へのなりやすさ
- 必須の資格
- あると有利な資格
- 特におすすめな人の特徴
| 製造業 | 建設作業員 | 介護職 | 警備スタッフ | 営業職 | 配送ドライバー | |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 年収 | 280〜400万円 | 約350〜600万円 | 約330〜450万円 | 約300〜450万円 | 約350〜600万円 | 400〜600万円 |
| 中卒からの就職難易度 | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ | ○ | ○ |
| 正社員へのなりやすさ | ◎ | ◎ | ◎ | ○ | ○ | ◎ |
| 必須の資格 | とくになし | とくになし | とくになし | とくになし | とくになし | 普通免許（中型以上は取得支援あり） |
| あると有利な資格 | フォークリフト免許 | 玉掛け、重機オペレーター、足場作業 | 初任者研修・実務者研修・介護福祉士 | 警備員指導教育責任者・交通誘導警備2級 | 普通免許・FP資格 | 中型・大型免許 |
| 特におすすめな人の特徴 |
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製造業
製造業では、2024年版 ものづくり白書によると、65歳以上の就業者が全体の8.3%を占めており、人手不足がつづいています。
製造業は中卒からもっとも安定して稼げる代表的な仕事です。
たとえばトヨタ・スバル等の期間工のようなところでは寮付きであることも多く、生活費がほとんどかからないため、年間200万円以上の貯金ができるケースもあります。
また教育体制が整っているため、作業工程も覚えやすく、体力さえあれば長く続けやすい点がメリット。
正社員登用制度も手厚く、安定雇用を目指す人にも最適です。
一方で、決められた作業を正確にこなす集中力が求められます。
安定収入・貯金・キャリアの三拍子を求める人に向いています。
製造業の職種
- 企画・開発（研究開発、商品企画）
- 技術・エンジニア（生産技術、機械設計、品質管理）
- 製造・現場（加工、組立、機械オペレーター、検査、塗装）
- 管理・サポート（生産管理、設備保全、物流、営業、事務）
| 特徴 | |
|---|---|
| 年収 | 280〜400万円 |
| 未経験からの就職難易度 | ○ |
| 正社員へのなりやすさ | ◎ |
| 必須の資格 | とくになし |
| あると有利な資格 | フォークリフト免許 |
| 特におすすめな人の特徴 |
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建設作業員
建設業界は人手不足が深刻で、国土交通省でも「若手採用が急務」と発表されています。
ヒューマンリソシアのデータによると、ハローワークにおける建築・土木・測量技術者（常用・除くパート）の有効求人倍率は6.26倍（前年同月比0）となっています。
そのため中卒・未経験でも積極採用されやすい職種で、月給28〜35万円、年収350〜600万円と稼ぎやすい特徴があります。
さらに玉掛けや重機などの資格を取得すれば手当がつき、現場では希少なスキルになるため収入が大きく上がります。
将来的には施工管理へキャリアアップすれば年収600〜800万円も目指せます。
体力を使う仕事ではあるものの、やればやるほど技術が身につき、「一生使える資格」が得られるのが魅力です。
| 特徴 | |
|---|---|
| 年収 | 300～450万円程度 |
| 未経験からの就職難易度 | ◎ |
| 正社員へのなりやすさ | ◎ |
| 必須の資格 | なし |
| あると有利な資格 | 玉掛け／フォークリフト／技能講習 各種 |
| 特におすすめな人の特徴 |
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介護職
厚生労働省のデータによると、有効求人倍率 3.97倍 とされ、全産業平均（1.16倍）を大きく上回っています。
参照：厚生労働省「介護人材確保の現状について」（2024年）
仕事内容は生活介助、レクリエーション、記録など幅広く、未経験向け研修が整っています。
給与は資格に応じて上がりやすく、介護福祉士取得で年収450万円以上も可能。
また「処遇改善加算」により近年は収入が底上げされています。仕事のやりがいが大きく、長期的に安定して働きたい方に向いています。
コミュニケーションが苦手でもゆっくり慣れていける環境があるため、第二のキャリアとして選ぶ人も増えています。
| 特徴 | |
|---|---|
| 年収 | 290〜380万円 |
| 未経験からの就職難易度 | ◎ |
| 正社員へのなりやすさ | ◎ |
| 必須の資格 | とくになし |
| あると有利な資格 | 初任者研修／実務者研修 |
| 特におすすめな人の特徴 |
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警備スタッフ
警備員は中卒でも始めやすい数少ない仕事で、採用の間口が非常に広い職種です。
研修制度が法律で義務づけられているため、未経験でも基礎から習得できます。
夜勤を入れると月収30〜35万円も可能で、生活を安定させたい人に向いています。
資格を取得すると給料が上がり、現場での責任者ポジションも狙えます。
体力に自信のある人、規則正しく働きたい人に最適です。
警備スタッフが持っていると有利な資格
- 交通誘導警備業務検定（1級・2級）※18歳以上
- 施設警備業務検定※満18歳以上
- 貴重品運搬警備業務検定※満18歳以上であることと、30時間の警備員新任教育を受けること
| 特徴 | |
|---|---|
| 年収 | 警備スタッフ（施設警備・交通誘導） |
| 未経験からの就職難易度 | ◎ |
| 正社員へのなりやすさ | ○ |
| 必須の資格 | とくになし |
| あると有利な資格 | 交通誘導警備2級／施設警備2級 |
| 特におすすめな人の特徴 |
|
営業職
営業職は学歴より「コミュニケーション力」「やる気」が重視され、学歴不問であることが多く稼げる職種です。
インセンティブ制度がある企業では、成績次第で年収700万円以上も可能。
仕事内容は顧客対応、商品提案、契約業務などで、マナー研修や営業ロープレなど未経験向けの育成環境も充実しています。
自分の頑張りを収入に直結させたい人、コミュニケーションに自信がある人に向いています。
中卒におすすめの営業業界
- 不動産
- 保険
- 自動車ディーラー
- 通信
- IT など
| 特徴 | |
|---|---|
| 年収 | 約350〜600万円（インセンティブで＋100万円以上も） |
| 未経験からの就職難易度 | 〇 |
| 正社員へのなりやすさ | ◎ |
| 必須の資格 | とくになし |
| あると有利な資格 | 普通自動車免許、宅地建物取引士（不動産営業） |
| 特におすすめな人の特徴 |
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配送ドライバー（中型・大型）
コロナウイルス感染拡大後のEC市場の拡大により、宅配貨物量は10年で 1.4倍 に増加しており中卒でも稼ぎやすい仕事です。
仕事内容はルート配送、企業配達、個人宅配送などさまざまあり、自分に合ったものを探せば理想的な働き方ができるでしょう。
配送ドライバーは会社にもよりますが、基本的には単独で淡々と作業する時間が多いため、学歴を気にせず中卒の方でも働きやすい職種です。
平均年収は350〜600万円で、歩合制の企業では高収入も可能です。
さらに普通自動車免許があれば年齢問わず始められ、中型免許などを取得することでより高収入を目指せます。
歩合制や残業手当で収入を伸ばしやすく、40代・50代でも採用されやすいのが強みです。
| 特徴 | |
|---|---|
| 年収 | 400〜600万円 |
| 未経験からの就職難易度 | 〇 |
| 正社員へのなりやすさ | ◎ |
| 必須の資格 | 普通免許（中型以上は取得支援あり） |
| あると有利な資格 | 中型・大型免許 |
| 特におすすめな人の特徴 |
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中卒でも稼げる仕事の特徴
ここでは、中卒でも稼げる仕事の特徴についていくつかご紹介します。
中卒から稼ぎたい方は以下の特徴を持つ業界や職種を選ぶといいでしょう。
特徴①「需要のあるスキル・体力」を重視する仕事
中卒でも稼げる仕事の大きな特徴は、学歴よりも実務スキルや体力が重視される分野であることです。
中卒におすすめの体力の必要な仕事には以下のものが挙げられます。
中卒におすすめの体力の必要なおすすめの仕事
- 建設現場の職人
- 工場の製造スタッフ
- 運送ドライバー
- 解体作業員など
とくに現場系の職種は「学歴不問」「未経験歓迎」の求人が多いのでおすすめ。
こうした仕事は人材不足が慢性化しており、企業側が学歴ではなく「即戦力」「継続力」「体力」を重視して採用する傾向があるためです。
結果として、中卒でも求人倍率が高く、入社後の昇給や資格取得による収入アップの機会も十分にあります。
なかでも特に建設・ガテン系は人がやりたがらない仕事であるため、高待遇の求人が出ることもあります。
特徴②「実績や成果」が重視される仕事
中卒でも稼げる仕事の中には、成果や実力が収入に直結する仕事が含まれます。
例として、営業職や一部の技能職（溶接・配管・重機オペレーターなど）は、学歴よりも「売り上げ」「契約件数」「技能レベル」が評価されやすい分野です。
中卒におすすめの実績や成果が重視される仕事には以下のものが挙げられます。
中卒におすすめの実績や成果が重視されるおすすめの仕事
- 営業職
- 技能職
- 美容師
- ドライバーなど
未経験からでも入社後にスキルを身につけて成果を上げれば、基本給に加えてインセンティブや資格手当が支給され、年収アップにつながります。
また、こうした仕事は社歴や年齢よりも実務実績が重視されるため、キャリア形成の柔軟性が比較的高い点でもおすすめできます。
特徴③慢性的な人材不足の業界
中卒でも稼げる仕事の共通点として、人手不足が深刻な業界に属していることが挙げられます。
なかでもとくに介護業界では高齢化によって需要が急増し、求人が継続的に増加しています。
また、物流・製造・建設業界でも人材不足が続いており、中卒・未経験者を積極的に採用する傾向があります。
この背景には、少子高齢化に伴う労働力不足があり、求人側が学歴要件を緩和してでも人材確保を進めている実態があります。
求人情報サイトでも「学歴不問」「未経験OK」の求人が豊富に掲載されていることが確認されており、「人が集まらない職種ほど高待遇になる」という特徴が明確です。
中卒におすすめの人手不足の業界
- 介護
- 物流
- 製造
- 建設 など
関連記事：建設業の儲かる業種ランキング！稼げる職人・職種を給料や年収と共に紹介
特徴④資格や訓練による収入アップが可能な仕事
中卒でも稼げる仕事には、資格取得や技術習得によって収入を大きく伸ばせる職種が多く含まれます。
例えば以下の資格は実務と並行して取得できるものであり、資格手当や昇給につながることが多いためねらい目です。
中卒におすすめの資格手当がつく資格
- フォークリフト（製造）
- 大型自動車（ドライバー・営業など）
- 施工管理技士（建設）
- 電気工事士（建設）
また、職業訓練校や専門教育を通じてスキルを身につければ、IT・機械整備・現場監督などの高収入職へ転職する道も開けます。
求人サイトでも、資格取得支援制度がある企業の募集は一定数あり、中卒でもキャリアアップの道筋が描きやすいため優先的に見ておくことをおすすめします。
関連記事：未経験でもできる転職しやすい仕事12選！30代・40代・50代の再スタートにもおすすめ
中卒でも稼げる仕事への就職を成功させるコツ
ここでは、中卒でも稼げる仕事への就職を成功させるコツについて紹介します。
コツ①学歴不問・人手不足業界に絞って仕事を探す
中卒で稼げる仕事に就くためには、学歴要件が緩く、慢性的に人手不足の業界を狙うことが最も重要です。
厚生労働省の「一般職業紹介状況」によると、以下の業界は有効求人倍率が全産業平均を上回っており、特に建設業では有効求人倍率が5倍前後になる地域もあります。
有効求人倍率が高い産業
- 建設業
- 運輸業
- 介護業
- 製造業
人材確保を優先する企業が多いため、「中卒・未経験可」「学歴不問」といった求人が多く、採用ハードルが低いのが特徴です。
需要の高い業界に絞ることで、就職成功率だけでなく、将来的な昇給や安定収入にもつながります。
コツ②未経験歓迎＋正社員募集にこだわる
中卒でも安定して稼ぐためには、最初から正社員雇用を前提とした求人を選ぶことが重要です。
厚生労働省の「非正規労働者データ資料」によると、正社員は非正規雇用に比べて最大で平均年収が約200万円程度高いというデータがあります。
特に建設・工場・物流系では「未経験歓迎・正社員登用前提」の求人が多く、入社後の教育制度や資格取得支援が整っているケースも少なくありません。
アルバイトや派遣から始めるよりも、正社員求人に絞って応募することで、早期に安定収入を得られる可能性が高まります。
コツ③資格取得・スキル習得を前提に就職活動をする
中卒でも高収入を目指すには、資格や専門スキルを身につけられる環境を選ぶことが成功のカギです。
厚生労働省の職業能力開発調査では、企業は検定・資格を持つものに対して賃金の引上げに反映させていると示されています。
たとえばフォークリフト・大型免許・電気工事士・施工管理技士などは、学歴不問で取得でき、年収アップに直結しやすい資格です。
資格取得支援制度がある企業を選ぶことで、未経験・中卒からでも段階的に収入を伸ばすキャリアを築くことができます。
関連記事：未経験から年収1,000万円稼げるおすすめの仕事｜年収1,000万円稼げる仕事の特徴や注意点も紹介
中卒でも稼げる仕事探しはGATEN職がおすすめ！
中卒でも稼げる仕事は決して少なくなく、業界選びと求人の探し方次第で年収400万円以上を目指すことも十分可能です。
とくに現場仕事は学歴不問の求人が多く、資格取得や経験を重ねることで収入アップ・キャリアアップが狙えます。
一方で、自己流の仕事探しではミスマッチが起きやすいのも事実です。
中卒歓迎・未経験OKの求人が豊富にそろう「GATEN職」を活用すれば、自分に合った仕事を効率よく見つけることができます。
将来を見据えて安定した収入を得たい方は、まずは求人をチェックして一歩踏み出しましょう。
