肉体労働は「体がつらい」「将来続けられるか不安」と感じやすい仕事の代表格です。
厚生労働省の「人口構造、労働時間等について」によると、産業別労働時間でみると運輸業・建設業が高い水準となっています。

特に年齢を重ねるにつれて、体力面だけでなく精神的な負担を感じるケースも増えてきます。
本記事では、肉体労働がきついと感じる理由や特につらいとされやすい職業を整理したうえで、無理をせず抜け出すための具体的な方法、肉体労働を辞めたい人におすすめの仕事まで分かりやすく解説します。
- 肉体労働がきつい理由
- 肉体労働辞めたい人におすすめの仕事

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肉体労働がきつい理由
肉体労働がきついといわれる理由については以下のものが挙げられます。
体力的な負担が大きく、疲労が蓄積しやすい
肉体労働がきつい最大の理由は、日々の作業そのものが体に大きな負担をかける点です。
たとえば重い資材を運ぶ、長時間立ちっぱなしで作業する、中腰や前かがみの姿勢を繰り返すなど、身体へのダメージが避けられません。
体力のいる肉体労働
- 建設
- 物流
- 工場作業 など
若いうちは回復が早くても、年齢を重ねるにつれて疲労が抜けにくくなり、「寝ても疲れが取れない」と感じやすくなります。
結果として仕事以外の時間も休息に追われ、プライベートの充実が難しくなる点も肉体労働がきついと感じる要因の一つです。
天候・気温に左右されやすく、作業環境が過酷
肉体労働は屋外作業の場合、真夏の猛暑や真冬の寒さ、雨や風の影響を直接受けながら作業しなければなりません。
特に夏場は熱中症のリスクが高く、こまめな休憩や水分補給が必要ですが、現場の進行状況によっては十分に休めないケースもあります。
また、工場や倉庫内でも空調が不十分な職場では、夏は蒸し暑く冬は底冷えする環境で働くことになります。
こうした気候ストレスは体力消耗を早めるだけでなく、集中力の低下やケガの原因にもなりきついと感じるのです。
屋外での作業がある肉体労働
- 建設現場での作業員
- とび職
- 配送ドライバー
- イベント設営
- 警備員
労働時間が長く、不規則になりやすい
肉体労働の現場では、労働時間が長くなりがちな点もつらさの一因です。
工期や納期が決まっている建設業や製造業では、残業や早朝出勤、夜勤が発生することも少なくありません。
実際厚生労働省のデータによると、週60時間以上の割合が大きい業種は宿泊・飲食サービス業15.3%、運輸業・郵便業14.8%、漁業14.7%、建設業12.5%と肉体労働の割合が高いことがわかります。

参照:業種別の長時間労働の状況
物流や引越し業では繁忙期に労働時間が一気に増えることもあり、回復する前に次の勤務が始まる悪循環に陥りがちです。
また、生活リズムが乱れやすく、睡眠不足や食生活の乱れにつながることも多いです。
以上の理由から肉体労働がきついと感じる人は少なくありません。
ケガや職業病のリスクが高い
肉体労働は常にケガのリスクと隣り合わせであり、重い物を扱う作業や高所作業、機械操作などでは、ちょっとした不注意が大きな事故につながる可能性があります。
厚生労働省の労災統計では墜落や転落、はさまれ、崩壊、倒壊などが多く、建設業はそれらのリスクが高い仕事だといえます。

一度ケガをすると、治療のために仕事を休まざるを得ず、収入が不安定になるケースもあります。
さらに、年齢を重ねるにつれて回復に時間がかかるようになり、「また同じケガをするのでは」という不安が精神的な負担になることも。こ
うしたリスクの高さが、肉体労働をきついと感じさせる大きな要因です。
将来への不安を感じやすい
肉体労働は「この先も続けられるのか」という将来不安を抱きやすい仕事でもあります。
体力が収入に直結しやすいため、年齢や体調の変化によって働き続けることが難しくなる可能性があります。
特に資格や専門スキルが身につきにくい現場では、年齢を重ねたときに仕事の選択肢が狭まると感じる人も多いです。
また、昇給の幅が限られている職場では、体力を消耗しながらも収入が伸びにくいという不満につながることもあります。
このような将来像が見えにくい状況が、「今は何とかなっているが、ずっと続けるのは不安」という気持ちを生み、肉体労働をきついと感じさせる理由の一つとなっています。
しかし厚生労働省の一般職業紹介状況によると、有効求人倍率が高い職種は以下のものとなり、ひとえに肉体労働=将来性がないと判断するのは早計です。
有効求人倍率が高い職種
- 建設躯体工事従事者:10.46%
- 保安職業従事者 :6.64%
- 土木作業従事者 :6.25%
業界や職種の将来性も大事ですが、会社の将来性なども見ておく必要があります。
関連記事:現場仕事がきつい・しんどいと言われる理由!向いてる人・向いてない人の特徴も紹介
特にきついといわれる肉体労働の職業
ここでは、特にきついといわれる肉体労働の職業の仕事内容やきついといわれる理由について紹介します。
建設現場作業員
建設現場作業員は、建物の基礎づくりや資材運搬、掘削作業など、建設工程の土台を支える仕事です。
未経験でも始めやすい反面、重い資材を運ぶ、長時間立ちっぱなしで作業する、中腰姿勢が続くなど、身体への負担は非常に大きい職種です。
さらに屋外作業が中心のため、夏の猛暑や冬の厳寒、雨天時でも作業を行うケースが多く、体力の消耗が激しくなります。
工期に追われる現場では残業が発生しやすく、疲労が蓄積しやすい点も「きつい」と言われる理由です。
一方で、資格取得や経験を積めば職長や専門職へステップアップでき、収入増を狙える点は魅力です。
| 特徴 | |
|---|---|
| 年収 | 350〜550万円 |
| ハードさ | ◎ |
| 必須の資格 | とくになし |
| 特におすすめな人の特徴 |
|
引越し作業員
引越し作業員は、家具や家電など重量物を運び出し、トラックへ積み込み、新居で設置する仕事です。
1日で複数件を回ることも多く、スピードと体力の両方が求められます。
特に冷蔵庫や洗濯機などの大型家電は重量があり、階段作業や狭い通路での搬出は身体への負担が非常に大きくなります。
また、繁忙期(3〜4月)は長時間労働になりやすく、休みが取りづらい点もハードさの要因です。
さらに、顧客対応も必要なため、体力だけでなく気遣いも求められます。
短期間で稼げる反面、継続的に続けるには相当な体力が必要な仕事です。
| 特徴 | |
|---|---|
| 年収 | 300〜500万円 |
| ハードさ | ◎ |
| 必須の資格 | とくになし |
| 特におすすめな人の特徴 |
|
解体作業員
解体作業員は、建物を安全に取り壊す仕事で、重機作業の補助や手作業による分別・撤去などを行います。
コンクリート片や木材、金属など重い廃材を扱うため、体力消耗が激しいのが特徴です。
さらに粉塵や騒音の中で作業することも多く、身体的・精神的な負担が大きくなりがちです。
安全管理は徹底されていますが、危険と隣り合わせの現場で集中力を保つ必要があり、緊張感が続く点もきつさの一因です。
その分、需要が安定しており、比較的高収入を得やすい職種でもあります。
| 特徴 | |
|---|---|
| 年収 | 400〜600万円 |
| ハードさ | ◎ |
| 必須の資格 | とくになし |
| 特におすすめな人の特徴 |
|
工場作業員
工場作業員の中でも、重量物を扱う工程や立ち作業が続くライン作業は「きつい」と感じやすい仕事です。
同じ動作を長時間繰り返すため、腰・肩・手首への負担が蓄積しやすく、精神的にも単調さを感じやすい傾向があります。
夜勤や交代制勤務がある工場では生活リズムが乱れやすく、疲労回復が追いつかないケースも少なくありません。
ただし、作業内容はマニュアル化されており、未経験でも始めやすい点が特徴です。
工場作業員は安定した収入を得られる一方、体力面での負担は覚悟が必要な職種といえます。
| 特徴 | |
|---|---|
| 年収 | 300〜500万円 |
| ハードさ | 〇 |
| 必須の資格 | とくになし |
| 特におすすめな人の特徴 |
|
関連記事:土木作業員はきついからやめとけって本当?きつさを軽減する方法や働きやすい会社の選び方を解説
肉体労働を抜け出す方法
では、きつい肉体労働を抜け出すにはどうすればいいのでしょうか。
ここでは、肉体を抜け出す方法について紹介します。
身体負担の少ない職種に転職する
肉体労働を完全に辞めなくても、現場経験を活かして体力負担の少ない仕事へ移行するのは有効な方法です。
具体的に現場経験者におすすめの体力負担の少ないポジションには以下のものが挙げられます。
現場経験者におすすめの体力負担の少ないポジション
- 職長
- 現場管理補助
- 安全管理
- 施工管理アシスタント
また工場勤務でも、ライン作業から工程管理・品質管理・教育担当へ移るのもひとつです。
これらの職種は現場を理解している人材が重宝されるため、未経験者よりも転職・配置転換が有利になる傾向にあります。
さらに資格取得(職長教育、施工管理技士、フォークリフトなど)を行えば、評価や給与アップも期待できます。
「辞める=ゼロスタート」ではなく、「現場内で役割を変える」ことで、収入とキャリアを維持しながら肉体的な消耗から抜け出せます。
異業種へ転職する
肉体労働を経験してきた人は、体力・継続力・責任感・安全意識といった強みを持っています。
現場経験者は以下の異業種に転職することで、体力面のきつさを軽減しつつ前職の経験を生かすことができるでしょう。
現場経験者におすすめの仕事
- ITサポート
- ビル管理
- 設備点検
- 倉庫管理
- 配送管理
- 警備(施設系)など
特に「準現場職」は、現場感覚がある人材を求めており、未経験でも採用されやすい傾向があります。
肉体労働がきつい原因は「作業内容」だけでなく、「長時間労働」「炎天下・寒冷地」「重い荷物」が重なることにあります。
これらの要素が少ない仕事へ環境を変えるだけで、働きやすさは大きく改善することもあるため体力に限界を感じる前に経験を活かせる職種へ方向転換してみることが大事です。
転職エージェントを使って条件を見直す
肉体労働から抜け出せない人の多くは、選択肢を知らない状態である可能性もあります。
なぜならハローワークや求人サイトだけでは、体力負担が少ない現場系職種や未経験可の管理職候補は見つけにくいケースもあるからです。
そこで有効なのが、現場系や未経験転職に強い転職エージェント・専門求人サービスの活用です。
第三者に相談することで、「実は今の経験で応募できる仕事」「年収を落とさずに転職できる選択肢」が明確になります。
現場経験者が転職サイトで見ておくべきポイント
- 年収
- 残業時間
- 夜勤の有無
- 将来性
- 年齢層
- 有給消化率
- 待遇面 など
また、条件交渉や職場環境も事前に把握できるため、転職後のミスマッチを防げるメリットもあります。

建設・土木・運送といったガテン系職種に特化した求人を探しているといった方はGATEN職がおすすめです。
また職種も鳶職、解体、運送、配管工、電気工事士、内装工、設備施工など、資格や技能を要する専門職に絞られるため、他では見つからない求人が見つかる可能性が高いです。。
肉体労働辞めたい人におすすめの仕事4つ
ここでは、肉体労働辞めたい人におすすめの仕事について、年収や未経験からの転職難易度、おすすめの理由などについて紹介します。
関連記事:20代男性におすすめのきつくない仕事ランキング!精神的に楽な仕事や仕事がきつい時の対処法も紹介
ITサポート・ヘルプデスク
ITサポート・ヘルプデスクは社内システムやパソコン、業務ソフトに関する問い合わせ対応を行う仕事です。
問い合わせ内容は「PCが起動しない」「操作方法が分からない」といった定型的なものが多く、マニュアルやFAQが整備されている職場がほとんどなので業界未経験者でも安心です。
また力仕事は一切なく、座り仕事が中心のため、肉体的な負担を大幅に減らせる点もおすすめできるポイントです。
未経験歓迎の求人も多く、入社後にITの基礎を学べる研修制度が用意されているケースも少なくありません。
肉体労働から抜け出しつつ、将来的にIT職へキャリアアップできる点も大きな魅力です。
| 特徴 | |
|---|---|
| 年収 | 300〜500万円 |
| 転職難易度 | 〇 |
| 必須の資格 | とくになし |
| 特におすすめな人の特徴 |
|
ビル管理
ビル管理はオフィスビルや商業施設で、電気・空調・給排水設備の点検や巡回を行う仕事です。
業務はルーティン化されており、重い荷物を運ぶ場面は少なめなので現場仕事経験者にとってはかなり負担が減らせます。
突発的なトラブルもマニュアルに沿って対応するため、精神的な負担も抑えられます。
現場経験がある人は「安全意識」や「設備への理解力」が評価されやすく、未経験からでも正社員を目指しやすい職種です。
さらに資格を取得すれば収入アップや長期安定も見込め、体力消耗を減らしたい人に適しています。
| 特徴 | |
|---|---|
| 年収 | 300〜500万円 |
| 転職難易度 | 〇 |
| 必須の資格 | とくになし |
| 特におすすめな人の特徴 |
|
倉庫内作業
倉庫内作業は商品の仕分けや検品、在庫管理を行う仕事で、近年は自動化・機械化が進み、重労働は大幅に減少しているため現場仕事経験者におすすめの仕事として挙げられます。
未経験でも始めやすく、作業を覚えれば現場リーダーや管理職へ昇格する道もあります。
比較的対人ストレスが少なく、作業内容もシンプルなため、肉体労働に比べ精神的な疲労も少なめなので長く働けます。
さらにフォークリフトなどの資格を取得すれば業務の幅が広がり、収入面でも安定が期待できます。
倉庫内作業は「動きすぎない現場仕事」を探している人におすすめです。
| 特徴 | |
|---|---|
| 年収 | 300〜450万円 |
| 転職難易度 | ◎ |
| 必須の資格 | とくになし |
| 特におすすめな人の特徴 |
|
施設警備員
施設警備員は商業施設やオフィスビルでの巡回、モニター監視、受付対応などを行う仕事です。
走り回ったり重い物を持つことはほとんどなく、体力的な負担は軽めなので長く働ける仕事の一つとして挙げられます。
比較的座っている時間も長く、肉体労働からの転職先として非常に人気があります。
また未経験歓迎の求人が多く、年齢制限も比較的緩やかなので転職時の採用のハードルが低いのも魅力です。
安定した勤務時間で働けるため、現場仕事経験者で体力の限界を感じている人にとっておすすめの仕事だといえます。
| 特徴 | |
|---|---|
| 年収 | 300〜450万円 |
| 転職難易度 | ◎ |
| 必須の資格 | とくになし |
| 特におすすめな人の特徴 |
|
関連記事:おすすめの現場仕事を理由別に紹介!向いてる人・向いていない人の特徴も解説
肉体労働がきついときは働き方を見直そう
肉体労働がきついと感じるのは、体力消耗だけでなく、労働環境や将来不安が重なっていることが大きな原因として挙げられます。
「きついけど我慢する」となると、肉体的・精神的な負担が大きく、長期的な視点でも長く働きづらいリスクが伴います。
もし現在肉体労働をしていてきついと感じるなら働き方を見直したり、体力負担の少ない職種へ移行したり、経験を活かして別の仕事に挑戦するのもひとつです。
大切なのは限界まで耐えるのではなく、自分の体や将来に目を向けて行動することです。
肉体労働が合わないと感じた時点で、環境を変えるのは決して逃げではありません。
今の働き方に違和感を覚えているなら、無理のない道を選び直すことが、長く安定して働くための第一歩です。
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