現場仕事を続ける中で、「体力的にきつい」「将来が不安」「このままでいいのか」と感じたことはありませんか。
実際、厚生労働省の新規学卒就職者の離職状況によると、現場仕事の代表である建設業の3年以内の離職率が高い傾向にあります。

また、建設業が仕事を辞めた理由として厚生労働省では以下のデータを示しています。

現場仕事はやりがいがある一方、体力・人間関係・給与などの理由から辞めたくなる仕事だとわかります。
ただし、その悩みは必ずしも「現場仕事そのものを辞める」ことが最善策とは限らず、職種や会社を変えることで改善するケースもあります。
本記事では、現場仕事を辞めたいと感じる主な理由を整理し、それぞれの状況に合った現実的な対処法を紹介します。
転職・配置転換・働き方の見直しなど、選択肢を知ることで、後悔のない判断につなげていきましょう。
関連記事:肉体労働はどれくらいきつい?抜け出す方法や辞めたい人におすすめの仕事を紹介
- 現場仕事を辞めたいと感じる理由
- 現場仕事を辞めたい時の対処法

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現場仕事を辞めたいと感じる理由
現場仕事を辞めたいと感じる理由には以下のものが挙げられます。
体力的な負担が大きく、将来が不安になる
現場仕事を辞めたい理由として最も多いのが、体力面のきつさです。
とくに建設業・製造業・運送業などの現場では、デスクワークの仕事比較しても長時間の立ち作業や重い資材の運搬、不規則な姿勢での作業が多い傾向にあります。
若いうちは問題なくこなせていても、30代後半〜40代になると腰痛・膝痛・肩の故障などが慢性化し、「この仕事を何歳まで続けられるのか」と不安を感じる人が増えます。
また現場仕事は、常にケガや事故のリスクと隣り合わせです。
高所作業、重機操作、危険物の取り扱いなど、一歩間違えれば大事故につながる作業も多く、「いつか大きなケガをするのでは」と不安を抱えることもあります。
墜落や転落、はさまれ、崩壊、倒壊などが多く、現場仕事はそれらのリスクが高い仕事だといえます。
労働基準監督署のデータによると、現場仕事のひとつである建設業の労働災害の傾向として60歳以上の高齢者が被災しやすく、重症化しやすいことが示されています。

以上のことから、現場仕事は体力的な負担と将来不安が離職理由につながりやすいといえます。
労働時間が長く、プライベートとの両立が難しい
現場仕事では、早朝集合・残業・休日出勤が発生しやすく、生活リズムが乱れやすい点も「辞めたい」と感じる大きな要因です。
天候や工期に左右されるため、スケジュール通りに終わらず、長時間労働が常態化する現場も少なくありません。
家族との時間が取れない、趣味や休息の時間が確保できないことで、精神的な負担が蓄積していきます。
一般社団法人日本建設業連合会のデータによると、建設業の月間総実労働時間は全産業平均より184時間も長い傾向にあります。

2024年度から時間外労働の上限規制が適用されましたが、ほかの仕事と比べるとやはりワークライフバランスの取りづらさが離職理由の一因となっています。
給与が労働量に見合わないと感じる
「これだけきつい仕事なのに給料が上がらない」という不満も、現場仕事を辞めたい理由として非常に多く見られます。
現場仕事はほかの仕事比べて肉体的負担や危険を伴う作業にもかかわらず、昇給が年功序列だったり、会社規模によって賃金水準が低かったりすると、将来設計が描きにくくなります。
国土交通省のデータによると、現場仕事の一つである建設業の賃金は近年上昇傾向にあるものの、依然として低水準にとどまるケースが多いのが実情です。

同年代の他業種と比べて生涯賃金が低い現状から、「割に合わない」と感じて転職を考える人が増えています。
またとくに給料アップや昇給の期待が持てない職場では、モチベーションを維持することも難しいでしょう。
経済的な不安は、仕事を辞めたい理由の一つとして非常に大きいと言えます。
人間関係が閉鎖的でストレスが大きい
現場仕事は高齢化が進んでいる業界であることや少人数・縦社会の環境になりやすく、人間関係が固定化しやすい特徴があります。
そのため、上司や先輩との相性が悪い場合、逃げ場がなく強いストレスを感じることがあります。
「怒鳴られる」「理不尽な指示がある」「昔ながらの価値観が残っている」現場では、精神的な負担から「もう限界」と感じる人も少なくありません。
実際、厚生労働省の「労働者のメンタルヘルスに関する現状」でも仕事内容や事故を抑えて、パワハラなど人間関係は離職理由の上位に挙げられています。

参照:精神障害の労災補償状況
人間関係の問題は仕事内容以上に離職に直結しやすく、「現場仕事=人間関係がきつい」というイメージを強める要因にもなっています。
出張や転勤が多い
現場仕事を辞めたいと感じる理由の一つに、出張や転勤が多いことがあります。
実際、日本建設産業職員労働組合協議会のデータによると、建設産業において単身赴任をしている方の割合は以下の通りとなり、特に外勤に至っては30~50%程度の人が単身赴任をしていることがわかりました。

頻繁な出張や転勤は、生活のリズムを崩し、家庭やプライベートの時間を犠牲にすることにもなります。
特に子どものいる家庭の場合、単身赴任をして家族にも会えないリスクがあります。
出張や転勤が多くなると、家族と過ごす時間が減り、子供の成長を見守る機会を失うことにもなるのです。
また、出張や天気人による新しい環境に慣れるためのストレスや仕事の進捗を把握するための時間が増えることがストレスに感じるケースもあります。
このように出張や転勤が続くと、安定した生活を望む気持ちが強まり、現場仕事を辞めたいと思うのです。
関連記事:現場仕事がきつい・しんどいと言われる理由!向いてる人・向いてない人の特徴も紹介
現場仕事を辞めたい時の対処法
現場仕事を辞めたくなる理由について紹介してきました。
ここでは、現場仕事を辞めたい時の対処法についていくつかご紹介します。
現在、離職や退職を検討している方はぜひ参考にしてみてください。
体力的にきついなら負担の少ない職種へシフトする
現場仕事を辞めたい理由が体力的なきつさであれば、完全に業界を離れる前に、負担の少ない職種へシフトする選択肢があります。
たとえば、同じ建設業界でも以下の職種であれば比較的体力仕事が少なく、年齢を重ねても続けやすい現場仕事なのでおすすめです。
体力仕事が少ない現場仕事
- 塗装
- 内装
- 設備管理
- 施工管理 など
とくに現場経験がある人は、作業工程や安全管理の知識を活かせるため、まったくの未経験よりも有利に転職できます。
「体が限界=現場仕事を辞める」と決めつけず、仕事内容を変えることで、経験を無駄にせず長く働ける可能性があります。
給与に不満があるなら条件の良い会社へ転職
「仕事量に対して給料が安い」と感じている場合、業界そのものよりも会社選びが原因である可能性が高いです。
たとえば建設・現場系の仕事は、企業規模や元請・下請の立場によって、同じ職種でも年収に大きな差が出ます。
また資格手当や昇給制度が整っている会社に移るだけで、収入が大きく改善することも珍しくありません。
現場経験者は即戦力として評価されやすいため、転職市場では有利です。
辞める前に「今の会社が本当に適正か」を見直すことで、環境を変えつつ現場仕事を続ける道が見えてきます。
年収アップを目指す現場仕事での転職でチェックしておくべきポイント
- 年収相場
- 資格手当の有無
- 昇給制度
- 残業や夜勤の有無
なお建設・現場系の転職を検討しているのであれば、建設業界に特化した専門の求人サイト「GATEN職」の活用がおすすめです。
人間関係が原因なら職場環境を変えるのが良い
先にも述べたように現場仕事を辞めたい理由として人間関係のストレスを挙げる人は少なくありません。
ただし、これは「現場仕事全体の問題」ではなく、「その現場・会社の問題」であることがほとんどです。
現場ごとに雰囲気は大きく異なり、なかには若手を育てる文化のある会社やハラスメント対策に力を入れている企業も増えています。
人間関係に悩んでいる場合は業種を変える前にまずは社内異動をするか転職で環境を変えるのが現実的な対処法だといえます。
仕事そのものが嫌いでなければ、職場を変えるだけでストレスが大きく改善する可能性があります。
人間関係で転職をする際のチェックしておくべきポイント
- 同世代の割合
- 若手や未経験者への教育制度
- ハラスメント対策に力を入れているか
- 離職率
将来が不安なら資格取得でキャリアの幅を広げる
「このまま現場仕事を続けて将来大丈夫なのか」と不安を感じているなら、資格取得を視野に入れるのが良い対処法です。
たとえば以下の資格を持っていると、体力に依存しにくく、年齢を重ねても活躍できるポジションへつながりやすいのでおすすめです。
現場仕事におすすめの資格
- 施工管理技士
- 電気工事士
- 管工事施工管理技士
とくに現場経験がある人は受験資格を満たしやすく、実務理解がある分、学習もスムーズにはかどります。
ほかにも資格を取ることで、内勤・管理職・収入アップなど将来の選択肢が広がり、「辞めたい」という気持ちを前向きなキャリア形成へ変えることができるメリットがあります。
関連記事:おすすめの現場仕事を理由別に紹介!向いてる人・向いていない人の特徴も解説
現場仕事を辞めるべき?向いていない人の特徴
現場仕事をやめるべきか迷っている方はそもそも現場仕事に向いていない可能性が高いです。
ここでは、現場仕事に向いていない人の特徴について紹介します。
体力に自信がない人
現場仕事は立ち仕事や屋外作業、重い資材の運搬などが多く、体力の消耗が避けられません。
そのため、疲労が翌日に残りやすい人や、慢性的な腰痛・関節痛を抱えている人は向いていないと感じやすい傾向があります。
改善策としては、作業後のケアや筋力トレーニングで基礎体力を補う方法がありますが、根本的な解決が難しい場合もあります。
その場合は、体力負担の少ない職種へのシフトがおすすめです。
たとえば施工管理、設備点検、現場事務などは現場知識を活かしつつ身体的負担を抑えられますし、塗装や内装仕上げ、メンテナンス系など比較的負荷の軽い現場仕事を選ぶと継続しやすくなります。
またデスクワーク中心のIT・事務などに転職するのもひとつです。
体力に自信がない人におすすめの仕事
- デスクワークができる仕事
- 現場仕事なら施工管理、設備点検、現場事務などの内勤中心の仕事
ルールや安全管理を守るのが苦手な人
現場仕事では、安全確認・手順遵守・報連相が非常に重要です。
そのため、「細かい決まりが苦手」「自己判断で動きがち」という人は、事故リスクが高まり、現場仕事に向いていないと判断されやすくなります。
改善策としては、作業前に手順をメモする、先輩の動きを意識的に真似るなど、ルールを習慣化する工夫が有効です。
それでもストレスが大きい場合は、裁量が比較的広い職種や、ルールより成果が重視される仕事が向いています。
ルールをも守るのが苦手な人におすすめの仕事
- 裁量が低い仕事(独立などもひとつ)
- 成果至上主義の職種(営業職など)
- 手に職をつけて個人で作業するのが多い仕事(エンジニア・デザイン系など)
- 現場仕事なら一人作業が多い職種(職人系)
営業職や技術営業、職人系でも一人作業が多い塗装・防水などは比較的相性が良い場合があります。
現場経験を活かしつつ、安全管理の比重がやや軽い職種を選ぶのも一つの手です。
人間関係のストレスを強く感じやすい人
現場仕事はチーム作業が多く、上下関係がはっきりしている職場も少なくありません。
そのため、人間関係の摩擦に敏感な人や強い口調・指示にストレスを感じやすい人は、精神的につらくなりやすい傾向があります。
改善策としては、現場ごとの人間関係を割り切る考え方を身につけたり、信頼できる上司や先輩に相談することが挙げられます。
ただし、それでも改善しない場合は環境を変えるのが現実的です。
少人数制の現場や、元請け企業の管理系職種、現場と内勤の中間にあたる施工管理補助などは人間関係の負担が比較的少なめです。
先にも述べたように仕事そのものが嫌いでなければ、職場を変えるだけでストレスが大きく改善する可能性があるため、業界を変える前に検討してみてください。
それでもなるべくひとりで作業する方が好きな方は以下の仕事へ転職するのもひとつです。
ひとりで黙々と作業するのが得意な人におすすめの仕事
- 事務系
- 軽作業系
- 在宅勤務できる仕事(ライター・事務・フリーランスなど)
現場仕事を辞める時の退職の流れ
現場仕事に向いていない方や辞める意識が強い方は退職するのもひとつです。
ここでは、現場仕事を辞める時の退職の流れについて紹介します。
退職理由を整理し「辞める目的」を明確にする
退職を切り出す前に最も重要なのが、「なぜ辞めたいのか」を整理することです。
体力的な限界なのか、人間関係なのか、給与や将来性への不安なのかによって、次の行動は大きく変わります。
理由が曖昧なまま辞めてしまうと、次の職場でも同じ悩みを繰り返す可能性があります。
退職を考えたときに考えるべきポイント
- 現場仕事そのものが嫌なのか(業界そのものを変える)
- 今の職場環境が合わないのか(職種もしくは会社を変える)
たとえば環境が原因であれば、同業他社への転職で改善できるケースも多くあります。
紙に書き出して整理したり、第三者に伝えることで気持ちも冷静になります。
上司・会社へ退職の意思を伝える
退職の意思は、できるだけ早めに直属の上司へ口頭で伝えるのが基本です。
現場仕事は人員配置や工期に影響するため、急な申し出はトラブルになりやすい傾向があります。
法律上は2週間前でも可能ですが、現場職では1か月前が無難です。
退職を伝える際のポイント
- 不満や批判は言わない
- 感謝+前向きな理由をセットにする
- 退職希望日は具体的に伝える
人間関係や会社批判を強く出すと引き止めや感情的な対立に発展しやすくなります。
「体力的な理由」「将来を考えて」など、角が立ちにくい理由を選ぶのがおすすめです。
退職日までに引き継ぎ・片付けを行う
退職が決まったら、担当している作業や現場の引き継ぎを行います。
現場仕事では、作業手順・注意点・道具の保管場所など、口頭だけでなく簡単なメモを残すとトラブル防止になります。
途中でやる気を失うと評価が下がり、退職後に悪い噂が立つこともあります。
また退職後も会社や上司の悪口を外で言わないことも大切です。
現場仕事の業界は意外と狭いため、円満退職は将来の転職や再就職にもプラスになります。
退職までにやっておくべきこと
- 担当現場・作業の引き継ぎ内容の整理
- 道具・制服・備品の返却確認
- 有給休暇の残日数と消化可否
- 最終給与・残業代の支給日の確認
次の仕事・生活に向けた準備を整える
退職後に慌てないためにも、可能であれば在職中に次の仕事の目処を立てておくのが理想です。
現場経験は評価されやすいため、同業転職や施工管理、内勤系へのキャリアチェンジも選択肢になります。
ポイントは「辞めた後の生活を具体的にイメージすること」。収入の空白期間や保険・年金の手続きも考慮しておきましょう。
現場仕事は次につながるスキルが多い職種なので、焦らず計画的に次の一歩を選ぶことが大切です。
次の仕事までにやっておくべきこと
- 保険や年金などの手続き関係(失業保険を使うか)
- 転職先を決めておく
- 転職先で必要なものの確認
- 職務経歴の棚卸し(これから転職する場合)
現場仕事を辞める前に悩みの整理をしよう
現場仕事を辞めたいと感じたとき、大切なのは「なぜ辞めたいのか」を整理することです。
体力的な不安、給与への不満、人間関係など、理由によって最適な対処法は異なります。
場合によっては現場仕事そのものをやめるのではなく、職種を変えずに内勤へ移る、別の現場会社へ転職するなど、同じ現場仕事の中でも環境を改善できる可能性があります。
現場仕事はハードな面も確かにありますが、経験やスキルが評価されやすく、年齢を重ねても活かせる仕事です。
辞める・続けるの二択で悩むのではなく、自分に合った働き方を選ぶことが重要です。
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