新築の建物や施設において、空調設備をゼロから設置する作業を指します。この工事では、まず建物の設計図を基に、電気工事や溶接工事も併用しながら空調機器の配置を行います。設置場所の条件や建物の用途に応じて、最適な空調機器を選定し、その設置工事を進めます。たとえば、商業施設であれば、広い空間に効率よく冷暖房が行き渡るように、大型の空調ユニットや複数のエアハンドリングユニットを設置することが一般的です。また、公共施設や病院などでは、空気清浄機能や換気システムが重要となり、それらを組み込んだ設計が求められることも多くあります。

既存の建物において、老朽化した空調設備を新しいものに交換する作業です。建物の使用年数が長くなると、空調設備も効率が低下し、エネルギー消費が増えるため、定期的な交換が必要となります。リニューアル工事では、まず現状の空調システムの評価を行い、どの部分を更新すべきかを判断します。また、単なる機器の交換だけでなく、ダクトの経路を再設計したり、新たな機器を追加することを検討したりと効率的な空気環境を整えるために試行錯誤します。

特に大型施設では、故障が発生すると、冷暖房が停止するだけでなく、業務全体に支障をきたすことがあるため、トラブルを未然に防ぐための予防保全が欠かせません。たとえば、フィルターの清掃や冷媒の補充、ファンモーターの点検などが定期的に行われます。さらに、エネルギー効率を高めるための調整作業も必要です。冷暖房の効きが悪くなった場合、原因としてフィルターの目詰まりや冷媒の漏れが考えられるため、これらを早期に発見して対処することで、長期的なコスト削減につながります。

空調設備は、電気で稼働するため、設置に際しては電気工事も必要です。特に、大型の空調ユニットを導入する際には、専用の電源ラインの設置や配線の改修が必要となることがあります。電気工事士の資格を持つスタッフが、空調機器の設置に伴う電気的な配線作業やブレーカーの設定などを行い、機器が正常に動作するように調整します。商業施設や工場では、高電圧で稼働する機器が多いため、安全管理には特に注意が必要です。