- 設備管理の平均年収は458万円
- 設備管理の年収を上げる方法は、「昇進」「スキルに磨きをかける」「関連資格を取得する」の3つがある
- 年収アップには「第二種電気工事士」「危険物取扱者乙類4類」「二級ボイラー技士」「第三種冷凍機械責任者」のビルメン4点セットの資格取得がおすすめ
設備管理とは、ビルや病院、ホテルなどの建物や施設にある設備を安全かつ効率的に維持・管理する仕事です。
引用::公益社団法人全国ビルメンテナンス協会 ビルメンテナンス情報年鑑2023
設備管理は需要が高い仕事で、89.7%の経営者が「従業員が集まりにくい」と答えています。
設備管理の仕事に興味のある方の中には、年収がどれくらいか気になっている方も多いのではないでしょうか。
本記事では、設備管理の年収について、政府のデータをもとに詳しく解説します。
年収をアップさせる方法も紹介するので、設備管理の仕事をしていて、年収が上がらずに悩んでいる方もぜひ参考にしてください。
設備管理の年収
厚生労働省が運営する職業情報サイトjob tagによれば、設備管理(ビル施設管理)の平均年収は458万円になっています。(引用:厚生労働省 職業情報サイト job tag)
年収 | |
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ビル施設管理(設備管理) | 458万円 |
日本全体 | 460万円 |
日本全体の平均年収は460万円であり、設備管理の年収も約460万円とほぼ同じ水準にあります。
経験年数別のビル施設管理(設備管理)の給与額 | |
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経験年数0年 | 24.36万円 |
経験年数1〜4年 | 24.51万円 |
経験年数5〜9年 | 26.37万円 |
経験年数10〜14年 | 28.53万円 |
経験年数15年以上 | 31.56万円 |
設備管理の経験年数ごとの給与額を見ると、経験年数0年が最も低く24.36万円、経験年数15年以上が最も高く31.56万円でした。
設備管理の仕事は経験を積んで、経験やスキルを身につければ、より多くの収入が狙えます。
設備管理の年収を上げる方法3選
設備管理は安定して働ける仕事ですが、ただ働いているだけでは大きく年収を上げるのは難しいです。
ただし、努力や工夫次第で、設備管理として確実に年収を上げる方法はあります。
設備管理の年収を上げる方法3選
昇進
設備管理として年収を上げたい場合、昇進を目指すのが最も確実な方法です。
昇進すれば基本給が上がるだけではなく、役職手当がもらえたり、ボーナスの金額が上がり、総収入が大きく増えるからです。
たとえば、一般スタッフから主任に昇進すれば、月収で1〜3万円、年収で12〜36万円アップするケースもあります。
管理職になるためには単なるスキルだけでなく、普段の態度や日々の立ち振る舞いも求められます。
たとえば、報告・連絡・相談を怠らない姿勢や、同僚や協力業者との信頼関係を丁寧に築く姿勢は、周囲からの信頼を集める土台になるでしょう。
スキルに磨きをかける
設備管理として年収を上げるためには、日々の業務に直結するスキルの底上げが欠かせません。
スキルが高い人材は現場での対応力が違い、トラブル対応や提案力などで上司や顧客から高く評価されるからです。
設備管理としてスキルを磨くためには、現場での実践と学習による知識を補強することが重要です。
設備管理としてのスキルは一朝一夕では身につきませんが、成長を意識して仕事に取り組むことで少しずつ備わっていきます。
日々の業務の中で「なぜ故障したのか?」「もっと良い方法はないか?」と考える習慣を持つことがスキルアップの近道です。
関連資格を取得する
設備管理に関連する資格を取得すれば、年収アップにつながります。
多くの企業が資格を評価基準に取り入れており、昇進や手当支給、担当できる業務の幅など、収入面でのメリットが大きいからです。
資格の取得は時間や労力はかかりますが、自己投資として非常に費用対効果が高いです。
設備管理の年収アップに必要なスキル3選
設備管理士として年収をアップさせるには、「この人に仕事を任せたい」と思うだけのスキルを持つことが不可欠です。
しかし、設備の点検や修理をするスキルだけではなく、幅広い知識や能力を身につけることが、年収アップするためには必要です。
技術的スキル
設備管理として収入を上げるためには、現場で作業をするための技術的スキルが不可欠です。
技術的スキルが高い人材は、仕事を任せやすく評価もされやすいので、昇給や昇進のチャンスが広がります。
設備管理には、多様な技術的スキルを身につけることが求められます。
近年では、BEMS(ビルエネルギー管理システム)など、ITを活用した設備管理も進んでいるので、ITに強い人材も評価されやすい傾向にあります。
また、技術を裏付けるためにも資格を取得しておくと、社内外での信用度が一気に高まるでしょう。
マネジメントスキル
設備管理の仕事で年収アップするためには、人や業務などを管理するためのマネジメントスキルが不可欠です。
マネジメントスキルを身につけ、現場全体を統括できるようになれば、管理職として評価されやすくなるからです。
設備管理で年収アップするためには、点検や修理のスケジュール調整や人員配置など、様々なマネジメントスキルが求められます。
単なる作業員から管理職にステップアップするためには、マネジメントスキルを身につけることが不可欠です。
現場の全体像を意識しながら業務に取り組むようにして、マネジメントスキルを徐々に磨いていきましょう。
ビジネススキル
設備管理の仕事で年収を上げるには、現場での技術的スキルだけでなく、ビジネスの視点を持つことが欠かせません。
いくら技術や知識があっても、数字として価値を見せられなければ、評価や報酬にはつながりにくいからです。
設備管理におけるビジネススキルとは、業務を円滑に進めるための報告・提案・対話・資料作成などの実務能力を指します。
技術的スキルを伝えたり、見せる力を持っている人は、管理職として頭角を表し、年収を大きく伸ばせます。
作業だけで終わらず、自分のした仕事の実績を「どう伝えるか?」「どう価値に変えるか?」を意識すれば、徐々にビジネススキルを身につけられるでしょう。
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設備管理の年収アップにおすすめな資格4選
設備管理で年収をアップさせたいのなら、資格取得は最も効果的な手段の一つです。
設備管理の仕事に直結し、企業からの需要が高い資格を持っていれば、資格手当の支給や昇進などの大きなプラスになるでしょう。
数ある設備管理に役立つ資格の中でも、まずはビルメン4点セットを取得するのがおすすめです。
設備管理の年収アップにおすすめな資格3選
ビルメン4点セットは、設備管理業界で重宝される基本的な4つの資格を指します。
ビルメン4点セットを持っていると、資格手当などによる収入アップにアップだけでなく、就職や転職でも有利になります。
第二種電気工事士
第二種電気工事士は、600V以下の低圧電気設備の工事・点検・保守をするために必要な国家資格です。
第二種電気工事士 | |
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役立つ業務 | ・コンセントや照明の取り付け・交換 ・屋内配線工事 ・電気トラブル発生時の漏電や電圧の測定 ・設備の定期点検時の電気機器の確認作業 ・非常灯や誘導灯の動作確認 |
受験資格 | 誰でも受験できる |
試験内容 | 学科試験と技能試験 |
合格率(直近3回) | ・学科試験:55.9〜60.2%
・技能試験:68.8〜71% |
第二種電気工事士は、設備管理の仕事で電気工事や点検をする上で、必要な場面が多い非常に重要な資格です。
全ての人が受験できる資格であり、受験難易度もそれほど高くないので、未経験方が初めに取得を目指す資格として最適です。
危険物取扱者乙種4類
危険物取扱者乙類4類は、ガソリンや灯油、軽油などの引火性液体を安全に取り扱うための国家資格です。
危険物取扱者乙類4類 | |
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役立つ業務 | ・暖房器具や非常用発電の燃料として使用される灯油や軽油の取り扱い ・危険物が保管されているタンクや倉庫の安全確認 ・危険物を取り扱う施設管理者としての、消防署とのやり取りや届出対応 |
受験資格 | 誰でも受験できる |
試験内容 | 筆記試験のみ |
合格率(直近3回) | 32〜41.7% |
設備管理の現場で、危険物取扱者乙類4類は、危険物の知識がある人材として評価されやすい資格です。
比較的短期間の学習でも合格が目指せるため、これから設備管理の仕事に就く方や、キャリアアップを目指す方にとって、コストパフォーマンスの高い資格としておすすめです。
二級ボイラー技士
二級ボイラー技士は、ボイラーの安全な運転・保守・点検をするための国家資格です。
二級ボイラー技士 | |
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役立つ業務 | ・ボイラーの運転や監視 ・ボイラーの定期点検 ・ボイラーのトラブル発生時の初期対応 |
受験資格 | 誰でも受験できる |
試験内容 | 学科試験のみ |
合格率(直近3回) | 51〜54.7% |
二級ボイラー技士は、ビル・施設等のボイラー運転業務に必須で、設備管理の現場で高い需要があります。
二級ボイラー試験は、学科試験のみで難易度がそれほど高くないわりに、現場での評価が高い資格です。
第三種冷凍機械責任者
第三種冷凍機械責任者とは、冷凍機器や空調設備を安全に管理・運転するための国家資格です。
第三種冷凍機械責任者 | |
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役立つ業務 | ・圧縮機や冷却器、冷却ガスなどの冷凍設備の保守や点検 ・冷媒漏れの点検、異常時の報告や対応 ・高圧ガスの運転記録や点検記録の記入や管理 ・小型冷凍設備の責任者業務 |
受験資格 | 誰でも受験できる |
試験内容 | 学科試験のみ(講習を受講し検定試験に合格することで、一部試験を免除) |
合格率(直近3回) | 22.8〜39.9% |
第三種冷凍機械責任者は、冷媒設備を扱う場面が多い設備管理の仕事で非常に重宝されます。
取得難易度はやや高めですが、対策をすれば十分に資格の取得は可能です。
設備管理の仕事内容4選
設備管理は、建物全体の快適性や安全性などを支える重要な役割を担っています。
設備管理の仕事内容は多岐に渡り、次の4つに分けられます。
設備の点検・修理
設備管理の最も基本的な業務が、設備の点検・修理です。
建物内のあらゆる設備を安全かつ快適に稼働させ続けるためには、日常的なチェックと不具合への迅速な対応が欠かせません。
設備管理が点検・修理をする対象として、次のようなものがあります。
点検では、チェックリストに沿って機器の状態を確認し、不具合や異常音・異臭の有無、作動状況を把握します。
異常が見つかった場合には、即時に応急処置を行ったり、専門業者に修理を依頼したりする判断力も求められます。
また、定期点検や年次点検といった法令に基づいた作業も多く、記録や報告書の作成も重要な業務のひとつです。
設備の点検・修理の積み重ねが、設備全体の安定稼働や事故防止につながり、建物の資産価値を守ることに直結します。
設備の予算管理
限られた費用の中で効率的に設備を維持していくためにも、設備の予算管理も設備管理の重要な仕事の一つです。
単に現場で作業するだけでなく、「どのタイミングで、どの設備に、いくらかけるか」を判断する力が設備管理には求められます。
たとえば、施設内の空調機器を全て交換するとなると、数百万円以上の費用がかかる場合も多いです。
設備の劣化状況や故障リスクを踏まえたうえで、「まだ使えるのか」「今年中に交換すべきか」などの計画を立て、予算に反映させる必要があります。
現場の状況を読み取りながら予算を組む力が、設備管理には強く求められます。
また、予算をうまく活用できる人材は、上司からも評価されやすく、昇進や年収アップにつながりやすいです。
停止計画の策定
停止計画の策定は、設備の点検や修理を安全スムーズにするために、欠かせない調整業務です。
設備をメンテナンスする際には、必ず一時的に運転を止める必要があり、停止が建物の利用者や業務に支障を与えないようにするために、事前に綿密な計画を立てなくてはなりません。
停止計画を策定する際には、単なるスケジュール調整をするだけではなく、誰にも迷惑をかけずに点検を完了させるための司令塔としての役割を担う必要があります。
現場全体を見渡し、関係者と連携しながら計画を進める停止計画の策定は、まさに設備管理の経験と信頼が試される重要な仕事と言えるでしょう。
品質管理
設備管理における品質管理とは、建物内の設備が常に安全・快適に使える状態を維持するための体制を整える仕事です。
品質管理には、ただ故障に対応するだけではなく、設備を良好な状態で安定稼働させるための予防的な工夫が求められる業務です。
品質管理がしっかりしている現場ほど、「トラブルが起きにくい」「作業の質にムラがない」「報告が的確」といった評価を得やすく、設備管理としての信頼度も大きく向上します。
品質管理は、現場全体の安定運用と信頼構築につながる大切な仕事と言えるでしょう。
設備管理として年収アップさせたいならGATEN職がおすすめ
設備管理の平均年収は458万円で、日本の平均年収とほぼ同じ水準です。
設備管理は、ただ働いているだけでは年収アップが難しい仕事なので、年収アップさせるためには次の方法がおすすめです。
今の職場で年収アップが難しいと考えている方には、設備管理として転職するのも有効な手段です。
設備管理として転職する場合、GATEN職がおすすめです。
GATEN職の詳細 | |
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運営会社 | 株式会社アール・エム |
求人数 | 約7,132件(2025年9月時点) |
業種 | 建築業界中心 |
雇用形態 | 正社員・契約社員・アルバイト・業務委託 |
住所 | 〒541-0052 大阪府大阪市中央区安土町2-3-13 大阪国際ビルディング5F |
厚生労働省事業者届出番号 | 51-募-000945 |
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