- 土木施工管理が「やめとけ」と言われるのには、「労働時間が長い・残業が多い」「休日が少ない」「工期を守るプレッシャーがある」「体力的にきつい」「業務の大変さに見合うだけの給料が得られない場合がある」「転勤や出張が多い」「コミュニケーション力が必要」「膨大な提出資料の作成が大変」の8つの理由がある
- 土木施工管理は「高い給与が得られる」「公共工事が多くやりがいを感じられる」「需要がある」「地域の発展に貢献できる」という魅力も存在する
- 安定した収入のある仕事がしたい」「長時間労働や責任の重さに耐えられる」「需要のある仕事がしたい」という方には、土木施工管理に向いている
土木施工管理とは、道路や橋などの公共インフラを支える土木工事で、工程・品質・安全・コストを総合的に管理・監督する専門職です。
土木施工管理を含む建設業界は人手不足が顕著で、令和7年4月時点での建築・土木・測量技術者の有効求人倍率は、5.12倍と高くなっています。(引用:厚生労働省 一般職業紹介状況(令和7年4月分)について)
しかし、土木施工管理は、責任が重く体力的にもきつい仕事なので、「やめとけ」という声もよく聞かれます。
本記事では、土木施工管理がきついと言われる理由を詳しく解説します。
また、土木施工管理のやりがいや、向いている人・向いていない人の特徴も紹介するので、仕事選びの参考にしてください。
土木施工管理はやめとけと言われる8つの理由
土木施工管理の仕事は「やめとけ」と言われることが少なくありません。
「やめとけ」と言われる背景には、業界特有の厳しい働き方や精神的な大きさがあります。
「土木施工管理はやめとけ」と言われる理由
1.労働時間が長い・残業が多い
土木管理の仕事は、長時間労働になりやすく、残業も多くなりがちです。
引用:国土交通省 建設業(技術者制度)をとりまく現状
国土交通省の調査によると、他の産業と比較して、土木管理を含む建設業では年間実労働時間が62時間長い結果となりました。
土木管理の仕事が長時間労働になりやすいのには、様々な理由が考えられます。
土木管理の仕事は、現場での安全管理や作業員への指示出し作業と、オフィスでの書類作成などの事務作業を両立させなくてはなりません。
また、天候やトラブルの影響を受けやすく、予定通りに作業が進まないこともしばしば発生し、工期が短い現場では特に管理者に負担がかかりやすいです。
土木管理の仕事は業務量が多く、工期を守る責任も重いため、労働時間が長くなりがちで、体力的にも精神的にも大変タフな職場環境になりやすい傾向にあります。
2.休日が少ない
土木管理を含む建設業界は、他の産業と比較して休日が少ない傾向にあります。
引用:国土交通省 建設業(技術者制度)をとりまく現状
国土交通省の調べでは、土木管理を含む建設業の休日日数は、他の産業と比較して12日少ない結果となりました。
建設業の休日日数が少ない原因として、他の産業と比較して4週6休の働き方が多いことが挙げられます。
引用:国土交通省 建設業(技術者制度)をとりまく現状
主に公共事業を受注する建設業で働く人の休日取得状況は、4週8休が最も多く、全体の約45%でした。
また、工事のスケジュールが遅れている場合には、工期を守るために休日返上で働く場合も少なくありません。
企業によっては、週休2日制や有給取得の推奨を進めている場合もあるので、働く環境を見極めるのも大切です。
3.工期を守るプレッシャーがある
土木工事の現場では、決められた工期内に完成させることが最優先事項とされており、工期を守ることが大きなプレッシャーになります。
工期を守れないと、違約金の発生や信頼の失墜といった、重大なリスクが生じる恐れがあるからです。
工期を守るためにも、土木施工管理は工程表通りに進行しているかを日々チェックし、少しでも遅れが生じた場合には即座に対応しなくてはいけません。
しかし、土木工事の現場ではトラブルがつきものであり、予定通りに工事が進む方が珍しいです。
工期を間に合わせるのが当然とされているので、土木施工管理には「遅らせてはいけない」という重圧がかかり続け、心身ともに疲弊することが多いです。
4.体力的にきつい
土木施工管理は、体力的に非常にハードな仕事です。
土木施工管理は、「体力勝負の現場仕事」「頭を使う仕事」「長時間労働」という3拍子が揃った仕事です。
若いうちは乗り切れるかもしれませんが、30代・40代以降になると無理が利かなくなり、離職を考える人も少なくありません。
土木施工管理の仕事に就くなら、ある程度の体力が必要だと覚悟を持っておくのが重要です。
5.業務の大変さに見合うだけの給料が得られない場合も
土木施工管理の仕事は責任が重く、拘束時間も長いにもかかわらず、「給料が見合わない」と感じるケースが少なくありません。
次のような環境では、「業務の割には給料が低い」と感じる人が多い傾向にあります。
土木施工管理を含めた建設業界には、労働環境や待遇に課題が残る会社も多く存在します。
土木施工管理として十分な報酬を得たいなら、待遇の良い企業への転職や、資格取得によるキャリアアップを視野に入れることが必要です。
6.転勤や出張が多い
土木施工管理は、現場の都合に合わせて全国を移動する場合が多いため、転勤や出張が避けられない仕事です。
土木施工管理は転勤や出張が多いため、安定した生活拠点を築くのが難しく、家庭との両立やライフプランに影響が出やすいです。
特に結婚や子育てといったライフステージに差し掛かると、転勤や出張の多さが大きな負担となり、悩む人も少なくありません。
土木施工管理を続ける上で、転勤や出張の多さは、あらかじめ覚悟する必要があります。
7.コミュニケーション力が必要
土木施工管理は、人とのやりとりが非常に多い仕事であり、コミュニケーション力が求められます。
土木施工管理には、次のようなコミュニケーション力が必要です。
土木施工管理は、立場や専門の異なる多くの人と連携を取らなくてはなりません。
「人と話すのが苦手」という人には、想像以上にストレスを感じる場面が多い仕事です。
8.膨大な提出資料の作成が大変
土木施工管理は、ヘルメットをかぶって現場を歩き回るイメージが強いかもしれませんが、想像以上に書類作成の多い仕事です。
上記の書類は、発注者や行政などに期日までに提出する必要があります。
しかも、現場での作業もあるので、現場が終わった後に夜遅くまで書類作業をするのも珍しくありません。
土木施工管理は、現場での作業だけでなくデスクワークも膨大で、体力と同時に事務処理能力も求められる仕事です。
「土木施工管理はやめとけ」はウソ!?仕事の魅力
土木施工管理はデメリットだけではなく、メリットも多い仕事です。
土木施工管理の魅力を紹介します。
土木施工管理の魅力
高い給与が得られる
土木施工管理は責任が大きい仕事ですが、給料も高いです。
厚生労働省が運営する職業情報提供サイトjob tagによると、土木施工管理技術者の平均年収は596.5万円になります。(引用:厚生労働省 職業情報サイト job tag)
年収 | |
---|---|
土木施工管理技術者 | 596.5万円 |
日本全体 | 460万円 |
日本の平均年収が460万円なので、比較すると土木施工管理の平均年収は100万円以上高いです。
土木施工管理技術者の経験年数別の給与額 | |
---|---|
経験年数0年 | 26.52万円 |
経験年数1〜4年 | 27.93万円 |
経験年数5〜9年 | 31.79万円 |
経験年数10〜14年 | 36.26万円 |
経験年数15年以上 | 41.68万円 |
しかも、経験を積むごとに給与額は着実に高くなる傾向にあります。
つまり、土木施工管理は責任が重い一方で、スキルと経験を積めば、しっかりと稼げる仕事と言えるでしょう。
公共工事が多くやりがいを感じられる
土木施工管理の仕事は、公共工事に関わることが多く、社会貢献性も高いので、大きなやりがいを感じやすい仕事です。
土木施工管理が担当する工事の多くは、国や自治体が発注する公共インフラ整備です。
たとえば、道路、橋梁、堤防、上下水道など、生活に欠かせないインフラが主な対象になります。
土木施工管理は、「誰かの役に立ちたい」という方には、非常に魅力的な仕事です。
需要がある
土木施工管理は、公共インフラ整備を主な対象としているので、今後も需要が見込まれる仕事です。
道路、橋梁、ダムといったインフラは、都市の発展と人々の生活に欠かせません。
公共性が高いインフラ整備の需要は、経済状況や市場の変動に左右されにくいため、土木施工管理の職種も一定の需要が見込まれます。
加えて土木施工管理の業務内容は、機械やAIによる完全な代替が困難です。
人間の判断と経験、コミュニケーション能力が重要視されるため、土木施工管理は今後も需要の高い職種と言えるでしょう。
地域の発展に貢献できる
土木施工管理は、地域の発展に直接貢献できる仕事です。
工事対象は公共インフラが多いので、地域住民の安全や利便性を向上させる、社会的意義の高い業務が多くなります。
地域に根ざした企業を選べば、地元のインフラ整備に貢献できます。
「地域に残る仕事がしたい」という方には、土木施工管理の仕事はおすすめです。
お仕事を検索
「土木施工管理はやめとけ」に当てはまる人とは?
「土木施工管理はやめとけ」という意見が、誰にでも当てはまるわけではありません。
土木施工管理に向いている人と、向いていない人をそれぞれ紹介します。
土木施工管理に向いている人・向いていない人
「土木施工管理はやめとけ」に当てはまる人
「土木施工管理はやめとけ」に当てはまる人は、ワークライフバランスを重視する人です。
建設業界は残業が発生しやすく、責任が重い土木施工管理のポジションに就くと、その傾向はさらに顕著となります。
また土木施工管理は、事務作業も多いです。
「現場で体を動かしたい」という人は、土木施工管理になキャリアアップすると、仕事がつまらないと感じてしまう可能性もあります。
とはいえ、どの会社でも土木施工管理が激務とは限りません。
転職サイトや口コミサイトを利用して、働きやすいホワイトな職場を探すのもひとつの方法です。
「土木施工管理はやめとけ」に当てはまらない人
土木施工管理は、ある程度高い収入が見込まれる職種です。
責任が大きく、経験やスキルが求められますが、土木施工管理は今後も需要があるといわれています。
土木施工管理の資格を取得することで、将来的に待遇アップやキャリアアップを目指して、別の職場に転職する機会にも恵まれやすくなるでしょう。
ただし長時間労働になりがち、責任が重いといった側面もあるため、土木施工管理のデメリットも受け入れられるかどうかがポイントとなります。
土木施工管理はきつい仕事だが魅力も大きい
土木施工管理は、責任が重く、体力的にもきつい大変な仕事です。
しかし、公共インフラの建設に関わる場合が多く、地域の発展にも貢献できるやりがいがある仕事です。
土木施工管理の仕事に興味のある方には、GATEN職がおすすめです。
GATEN職の詳細 | |
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運営会社 | 株式会社アール・エム |
求人数 | 7,013件(2025年6月時点) |
業種 | 建築業界中心 |
雇用形態 | 正社員・契約社員・アルバイト・業務委託 |
住所 | 〒541-0052 大阪府大阪市中央区安土町2-3-13 大阪国際ビルディング5F |
厚生労働省事業者届出番号 | 51-募-000945 |
GATEN職は、建設業界に特化した転職サイトであり、土木施工管理の求人も取り扱っています。
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