玉掛けとは?仕事内容・年収・必要な資格も紹介

玉掛けとは ガテン系の転職

玉掛けは建設現場や製造現場で重量物を安全に吊り上げるために欠かせない専門作業です。

クレーンのフックに資材を掛け外しする工程は一見シンプルに見えますが、実際には高度な判断力と安全管理が求められます。

わずかな手順の誤りが重大な事故につながる可能性があるため、国の定めた特定の資格取得が義務化されています。

クレーン・玉掛け作業の安全衛生 厚生労働省

引用:厚生労働省クレーン・玉掛け作業の安全衛生

この記事では玉掛けの仕事内容や必要資格、年収の目安について解説します。

この記事でわかること
  • 玉掛けの基本情報
  • 玉掛けの作業の流れ
  • 玉掛けの作業に必要な資格
  • 玉掛けに向いている人の特徴

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玉掛けは建設現場や製造現場で重い資材をクレーンで持ち上げる際に欠かせない作業であり、作業者の技術と知識が安全性に直結します。

重量物を扱うため危険度が高く、国家資格の取得が必要となる専門性の高い業務です。

玉掛けの基本ポイント
必要資格 玉掛け特別教育または玉掛け技能講習
主な現場 建設現場・製造工場・物流倉庫
必要スキル 安全判断・技術・バランス調整力

使用する用具の種類や吊り方の技術には多くのパターンがあり、習熟度が求められます。

現場の作業効率と安全性を支える役割が期待されるため、安定した需要のある仕事といえます。

玉掛けの基本情報
  • 玉掛けとはクレーンのフックに吊り荷を掛け外しする作業
  • 玉掛けの由来
  • 玉掛け作業者の年収は約336万円

玉掛けとはクレーンのフックに吊り荷を掛け外しする作業

玉掛けはクレーンのフックにワイヤロープなどの用具を掛け外しし、資材を安全に吊り上げるための作業です。

重心の見極め、吊り角度の判断、ロープの強度確認など多くの要素を正しく理解する必要があります。

作業員同士の連携も重要であり、クレーン操縦者とのコミュニケーションが安全に直結します。

玉掛けは現場全体の安全維持を担う専門性の高い作業です。

玉掛けの特徴

  • 資材を安全に吊り上げるための必須作業
  • 重心・角度・用具選定など専門知識が必要

玉掛けの由来

玉掛けの語源については明確な記録が残っていません。

有力な説として、掛け軸を掛ける際に宝石の「玉」を用いたことが由来となったと考えられています。

掛け軸をバランスよく掛ける行為と、資材を吊る際にバランスを取る玉掛けの共通点から生まれた名称だといわれています。

安全性を保つための繊細な調整が必要である点は、掛け軸の扱いと共通します。

名前の由来ポイント

  • 掛け軸の「玉」由来説が有力
  • 吊り作業のバランス調整と共通性がある

玉掛け作業者の年収は約336万円

厚生労働省の賃金構造基本統計調査(令和元年)では、玉掛け作業者月給は約26万7400円、賞与を含む年間特別給は約15万5700円と示されています。

参考:e-Stat 政府統計の総合窓口賃金構造基本統計調査  職種DB第1表

上記から玉掛け作業者の平均年収を算出すると約336万円となります。

玉掛け作業者の年収データ
平均月給 約26万7400円
年間特別給 約15万5700円
平均年収 約336万4,500円

玉掛けの作業の流れ

玉掛け作業では、荷物の重心やバランス、吊り角度を総合的に判断しながら一定の手順に従って作業を進めます。

クレーン運転者との連携や声掛けも重要となり、チームワークも安全の質を左右します。

玉掛け作業は工程ごとに注意点があるため、正しい手順の理解が不可欠です。

玉掛けの作業の流れ
  • 1 吊り荷にワイヤーロープを掛ける
  • 2 クレーンを呼ぶ
  • 3 フックに荷物を吊り下げる
  • 4 安全を確認後クレーンを持ち上げる合図を出す
  • 5 介錯ロープで誘導
  • 6 吊り荷を下ろし荷解きする

1 吊り荷にワイヤーロープを掛ける

玉掛け作業の最初の工程は、吊り上げる荷物にワイヤーロープを適切に掛ける作業です。

荷物の重心を見極めたうえで、使用するロープの種類や掛け方を判断します。

安全に吊り上げるためには、重心と角度の判断が最重要となります。

判断を誤ると荷物が傾き、吊り上げ時に落下する危険性が高まります。

荷物の形状や重量に応じて最適な方法を選ぶことが求められます。

この工程のチェックポイント

  • 荷物の重心を正確に予測する
  • ワイヤロープの損傷有無を確認する

2 クレーンを呼ぶ

ロープ掛けが完了したら、クレーンを作業場所へ誘導します。

荷物の真上にフックが位置するように、運転者へ確実に合図を送らなければなりません。

大きな動作やホイッスルなどを用いて意思疎通を図ります。

周囲に作業員がいないか、障害物がないかの確認も同時に行います。

クレーン誘導は作業員同士の連携が安全を左右する重要な工程です。

誘導時の注意点

  • フックが重心の真上に来る位置へ調整
  • 周囲の安全確認を徹底

3 フックに荷物を吊り下げる

クレーンのフックにワイヤーロープを掛け、荷物を吊り下げる工程です。

フックから外れないよう確実に掛け、使用するロープの緩みやねじれを丁寧に確認します。

ロープに異常があると吊り上げ時に事故が発生するため、細部の点検が求められます。

作業後は荷物が安定した状態で保持されているかを確認します。

吊り下げ時のチェック項目

  • ロープの緩み・ねじれ・損傷確認
  • フックが正しく固定されているか確認

4 安全を確認後クレーンを持ち上げる合図を出す

荷物の固定状態に問題がないことを確認できたら、クレーン運転者へ持ち上げの合図を出します。

吊り上げ直後は荷物が地面を離れる「地切り」の状態となるため、この段階でバランスが適切か必ず確認します。

荷物に傾きがあれば即座に停止し再調整が必要です。

その後問題がなければゆっくりと安全に巻き上げを進めます。

地切り時の確認は荷物の安定性を判断する最も重要な工程です。

巻き上げ時の注意点

  • 地切り時に荷物の傾きを確認
  • 合図は明確かつ統一された方法で伝える

5 介錯ロープで誘導

荷物の横移動や高さ調整を行う際には、介錯ロープを使って荷物を誘導します。

介錯ロープを使うことで荷物の振れを抑え、障害物との距離を確保できます。

誘導が不適切な場合、荷物が周囲に接触し事故につながる危険があります。

ロープを保持する位置や力加減も適切に調整する必要があります。

介錯ロープのポイント

  • 荷振れを抑えるため常にロープを張る
  • 移動方向を見ながら安全に誘導する

6 吊り荷を下ろし荷解きする

目的地に荷物が到達したら、巻き下げの合図を出して荷物をゆっくりと下ろします。

荷物が接地したらフックから外し、使用したロープや用具を丁寧に取り外します。

荷物の固定解除を焦ると危険があるため、状況を確認しながら慎重に進める必要があります。

作業後はロープの損傷や変形の有無も確認し、次回作業の安全性を確保します。

荷下ろしは作業の最終段階であり、安全確認を最後まで徹底する必要があります。

荷下ろし時の注意事項

  • 荷物が完全に安定してからロープを外す
  • 作業後に用具の点検を行う

引用:MHLWanzenvideo(厚生労働省)【作業別安全衛生対策のポイント】玉掛け作業

玉掛けの作業に必要な資格

玉掛け作業を行うためには、扱う荷物の重量に応じて必要な資格が異なります。

玉掛け資格の区分
1トン未満 玉掛け特別教育の受講・修了が必要
1トン以上 玉掛け技能講習の受講・修了が必要
受講資格 18歳以上であれば受講可能

資格制度は作業員の安全を守るために設けられており、講習では学科と実技の両面から基礎を学びます。

重量物を扱う玉掛け作業では適切な判断が求められるため、資格を取得することで安全に作業できる能力が身につきます。

玉掛けの作業に必要な資格
  • 1トン未満の玉掛けは「玉掛け特別教育」
  • 1トン以上の玉掛けは「玉掛け技能講習」

1トン未満の玉掛けは「玉掛け特別教育」

吊り上げ荷重が1トン未満の場合は「玉掛け特別教育」の受講・修了が必要です。

事業者は、つり上げ荷重が一トン未満のクレーン、移動式クレーン又はデリツクの玉掛けの業務に労働者をつかせるときは、当該労働者に対し、当該業務に関する安全のための特別の教育を行なわなければならない。

引用:e-GOV法令検索労働安全衛生法 クレーン等安全規則 第二百二十二条

講習は学科5時間・実技4時間で構成され、合計9時間の受講で修了証が発行されます。

試験は課されていないため、講習を受ければ誰でも取得できる資格です。

講習料はテキスト込みで15,000円~が目安となり、全国の教習所や企業内講習で受講できます。

1トン未満の作業でも危険性があるため、特別教育で基礎を確実に身につける必要があります。

玉掛け特別教育の内容
講習総時間 学科5時間+実技4時間(計9時間)
試験 試験なし(受講で修了証発行)
講習料 テキスト込み15,000円~

1トン以上の玉掛けは「玉掛け技能講習」が必要

吊り上げ荷重が1トン以上の作業をするには「玉掛け技能講習」の受講・修了が義務付けられています。(参考:e-GOV法令検索労働安全衛生法 クレーン等安全規則 第二百二十一条」)

講習は学科12時間・実技7時間の計19時間で構成され、修了後に修了証が発行されます。

技能講習は特別教育よりも内容が高度で、大型クレーンを扱う現場では必須の資格となります。

玉掛け特別教育やクレーン運転資格を保有している場合は、一部科目の免除が認められています。

玉掛け技能講習の内容
講習総時間 学科12時間+実技7時間(計19時間)
免除制度 特別教育修了者などは一部科目免除
講習料 テキスト込み20,000円~

玉掛けに向いている人の特徴

玉掛け作業は重量物を扱うため、安全意識と丁寧な作業姿勢が求められます。

玉掛けに向いている人の特徴
作業姿勢 丁寧で慎重に作業できる
必要能力 判断力・安全意識・周囲確認
職場での役割 現場全体の安全確保に貢献

クレーン運転者や周囲の作業員との連携が前提となるため、現場全体を見渡しながら行動できる人が活躍しやすい仕事です。

危険を伴う工程が多く、判断力と状況把握能力が高いほど安全性が向上します。

確実な作業手順を守りつつ、細かな確認を積み重ねる姿勢も重要です。

玉掛け作業は高い安全意識と丁寧な動作を維持できる人に向いています。

玉掛けに向いている人の特徴
  • 慎重で丁寧な性格の人
  • コミュニケーション力があり作業員と連携を図れる人
  • 注意力・危険察知力が高い人

慎重で丁寧な性格の人

玉掛け作業では、慎重さと丁寧さが作業品質と安全性を支える重要な要素になります。

荷物の重心や吊り角度を誤ると荷振れや落下の危険があるため、常に確認を欠かさない人が活躍できます。

ロープの損傷確認や掛け方の調整など、細かいチェックを継続的に行う姿勢が必要です。

慎重な性格の人は焦らず確実に作業を進められるため、事故防止にも大きく貢献できます。

丁寧な行動を習慣化できる人は安全性と作業効率の両方を維持できるため玉掛け作業に向いています。

慎重な性格が活きる理由

  • 小さな変化や異常に気づきやすい
  • ロープや荷物の状態確認を徹底できる

コミュニケーション力があり作業員と連携を図れる人

玉掛け作業はクレーン運転者との連携が不可欠であり、合図や声掛けを確実に行えるコミュニケーション力が求められます。

作業者同士の意思疎通が乱れると、荷振れの発生や誤操作につながる危険があります。

現場では手信号・合図・無線など複数の方法でやり取りを行い、状況に応じた判断が必要です。

安全性を高めるためには、相手の動きを理解しながら適切なタイミングで情報共有する能力が欠かせません。

周囲と協力しながら作業を進められる人は玉掛け作業に向いています。

求められる連携力

  • 合図や声掛けを明確に行える
  • クレーン運転者と同じ状況認識を共有できる

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注意力・危険察知力が高い人

玉掛け作業は少しのズレや緩みが重大事故に直結するため、注意深さが重要な資質となります。

吊り角度・重心・風の状況など、常に多くの要素を確認しながら作業を進める必要があります。

危険の兆候を早期に察知し、適切に対処できる人ほど安全な現場運営に貢献できます。

細かい点を見逃さず、日頃から用具の状態もチェックできる人に向いています。

注意力が求められる理由

  • わずかな緩みが荷振れや落下につながる
  • 状況変化を即座に判断する必要がある

玉掛けに関するよくある質問

クレーンとの関係性など、玉掛けの基本的な知識を理解することで安全意識が高まり、学習も進めやすくなります。

資格取得が義務化されていることからも、玉掛け作業の概要を把握しておくことは重要です。

作業の役割や必要スキルを理解することで仕事内容のイメージが明確になります。

玉掛けに関する基本的な疑問を解消し、資格取得や現場業務をスムーズに進めましょう。

玉掛けに関する基本情報
関連作業 クレーン操作・荷揚げ作業
必要資格 玉掛け特別教育・玉掛け技能講習
主な場所 建設現場・製造現場・物流倉庫
玉掛けに関するよくある質問
  • 玉掛け作業に必要な資格は?
  • 玉掛けとクレーンの違いは?
  • 玉掛けの読み方は?

玉掛け作業に必要な資格は?

玉掛け作業を行うためには、扱う荷物の重量に応じて「玉掛け特別教育」または「玉掛け技能講習」の修了が必要になります。

吊り上げ荷重が1トン未満の作業には「玉掛け特別教育」の受講と修了が必須であり、学科と実技を合わせた講習を受けることで修了証が交付されます。

一方、吊り上げ荷重が1トン以上の作業には「玉掛け技能講習」の修了が義務付けられ、より高度な学科と実技のカリキュラムを通じて安全な作業方法を学びます。

いずれの講習も受講資格は18歳以上であり、学歴や職歴に関係なく受講できます。

玉掛け作業の従事者は重量条件に合った資格を取得していなければ現場で作業できません。

必要な資格区分

  • 吊り上げ荷重1トン未満:玉掛け特別教育の修了が必要
  • 吊り上げ荷重1トン以上:玉掛け技能講習の修了が必要

玉掛けとクレーンの違いは?

玉掛けはクレーンで荷物を吊り上げる際に必要となる、フックへの掛け外し作業を指します。

一方、クレーンは荷物自体を移動させるための機械であり、運転には専用の運転資格が必要です。

玉掛け作業者は荷物の重心やバランスを判断し、クレーン運転者へ指示を出しながら安全を確保します。

玉掛けは荷の掛け外し、クレーンは荷を動かす役割を担う点が明確な違いです。

両者の違い

  • 玉掛け:吊り荷の掛け外しと安全確認を担当
  • クレーン:荷物を持ち上げて移動させる機械

玉掛けの読み方は?

玉掛けの読み方は「たまかけ」です。

建設業界や製造業では一般的に使用される言葉であり、資格名称も同じ読み方で用いられています。

名称の起源には諸説ありますが、掛け軸に使用される装飾品の「玉」が由来とされる説が広く知られています。

読み方を正しく理解しておくことで、資格講習や現場でのコミュニケーションも円滑になります。

読み方のポイント

  • 正式な読み方は「たまかけ」
  • 資格名・作業名ともに同じ読み方を使用

玉掛けクレーン業務に欠かせない仕事

玉掛け作業は建設現場や製造現場で重量物を安全に移動させるために欠かせない専門業務です。

適切な吊り方や判断力が求められ、現場全体の安全性を左右する重要な役割を担います。

資格制度により安全基準が明確に定められているため、必要な講習を受けることで安全性と技術力を高めることができます。

作業者はクレーン運転者や他の作業員と連携しながら慎重に業務を進め、常に周囲の状況を判断する能力が求められます。

玉掛けは専門知識と高い安全意識を持つ人材によって支えられている不可欠な仕事です。

玉掛け作業のまとめ
役割 重量物を安全に吊り上げ現場の安全を確保
必要資格 1トン未満:玉掛け特別教育/1トン以上:玉掛け技能講習
求められる能力 判断力・危険察知力・状況把握力

玉掛けは現場の安全運営に欠かせない重要業務として今後も需要のある仕事といえます。

この記事のまとめ

  • 玉掛けはクレーン作業に必須の専門技術
  • 重量物を扱うため資格取得が必須
  • 玉掛けは作業には注意力と連携力が求められる

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