この記事でわかること
- 電気工事士を目指せる専門学校
- 電気工事士を目指す方法
- 電気工事士を目指すのに必要な資格
「電気保安人材の将来的な確保に向けた検討について」という経済産業省の報告では、たとえ電気工事の需要がやや減少する想定であっても、第二種電気工事士をはじめとする有資格者の数が減少し、2020年ごろから人材不足が顕在化するとの推計結果が示されています。

参照:経済産業省 「電気保安人材の将来的な確保に向けた検討について」
さらに、2045年時点では約1万人の不足が見込まれる可能性があると報告されています。
つまり、今後も安定的かつ長期的に、電気工事士のニーズは高まる可能性が高くいため、就職・就労の機会に恵まれやすく、有利なキャリア構築のチャンスと言えるでしょう。
電気工事士として活躍したいと考える人にとって、基礎から実践まで体系的に学べる専門学校は最適な選択肢です。
電気工事士試験は国家資格であり、独学では理解が難しい電気理論や実技技能を効率よく習得する必要があります。
専門学校では、国家試験対策はもちろん、実際の現場を想定した実習環境が整っているため、即戦力となるスキルを身につけられる点が大きな強みです。
就職サポートが充実している学校も多く、卒業後に安定した電気業界へ進みたい人にとって大きな後押しになるでしょう。
今回は、電気工事士を目指せる専門学校について紹介します。
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電気工事士を目指せる専門学校
電気工事士を目指せる専門学校のなかで、おすすめなのは以下の4つです。
ユービック情報専門学校

ユービック情報専門学校の電気工事士コースは資格取得と即戦力育成に重点を置いた2年制の実践的なコースです。
卒業と同時に第二種電気工事士の国家資格が認定取得でき、在学中には第一種電気工事士の合格も目指せます。
授業の半分が実習で構成され、現場経験豊富な技術者が指導するため、電気設備・通信・電子制御など幅広い技術を確実に身につけられます。
さらに数学・物理が苦手な学生向けの基礎授業も用意されており、初心者でも安心してスタートできます。
ほかにも有線通信・無線通信・消防設備関連の資格取得など、現代の電気関連業界に対応した学習環境が整えられています。
就職率は昨年度100%を達成し、資格取得を武器に関西電力やきんでんなど一流企業への就職にも有利です。
電力設備、通信工事、設備管理の現場で活躍したい人におすすめの専門学校といえます。
またユービック情報専門学校では上記の電気工事士コースのほかにもIT・ビジネス・医療事務のコースも併設されています。
| 学校名 | 学校法人東洋学園ユービック情報専門学校 |
| 連絡先 | 06-4801-8750 mail:info@ubik.ac.jp |
| 所在地 | 〒534-0025大阪市都島区片町2-10-5 |
東北電子専門学校

東北電子専門学校の電気工事科は、電気工事のプロとして社会を支える技術者を育成する2年制の専門学校で、電気工事技術者、施工管理技士など専門性の高い職種を目指せる環境が整っています。
経済産業省認定の「第二種電気工事士養成施設」であるため、卒業時に所定の条件を満たせば筆記試験・技能試験が免除され、第二種電気工事士資格を取得できる点が大きな魅力です。
さらに第一種電気工事士や2級電気工事施工管理技士補といった上位資格の取得にも力を入れており、対策授業も充実しています。
カリキュラムは理論と実習のバランスが良く、模擬家屋を使った屋内配線実習やシーケンス制御実習など、現場に直結する実践的な技術を身につけられます。
加えて太陽光発電システムやエネルギーマネジメントなど最新分野にも対応し、幅広い技術を習得できます。
就職面では2025年3月卒業生実績で就職率99.3%と非常に高く、電気工事会社のほか電気製品メーカー、工場・ビルの保守点検会社などさまざまな現場で活躍しています。
| 学校名 | 学校法人日本コンピューター学園東北電子専門学校 |
| 連絡先 | 022-224-6501 (フリーダイヤル:0120-373-501) |
| 所在地 | 〒980-0013 宮城県仙台市青葉区花京院1-3-1 |
日本工学院北海道専門学校

日本工学院北海道専門学校の電気工学科は、電気技術者として社会で活躍するための資格取得と実践力の育成に特化した文部科学省職業実践専門課程認定学科です。
卒業時には第二種電気工事士の国家資格が無試験で取得でき、第一種電気工事士や電気主任技術者など上位資格の取得も手厚く、高い合格率を実現しています。
授業の約7割が実習で構成され、配線工事や電気設備の操作など、現場さながらの環境で実践的な技術を習得できるのが特徴です。
学びの範囲は電気工事の基礎からビル・工場設備の管理、太陽光発電などの再生可能エネルギー、情報通信ネットワークまで多岐にわたり、幅広い電気分野に対応した知識を身につけられます。
就職率も高く、2024年度就職決定率は100%です。
おもに電気工事会社や設備管理会社、電力関連企業、通信会社などインフラ産業での就職に強みを持っています。
| 学校名 | 日本工学院北海道専門学校 |
| 学科 | 電気工学科 |
| 所在地 | 〒059-8601 北海道登別市札内町184-3 |
近畿コンピュータ電子専門学校

近畿コンピュータ電子専門学校の電気・通信分野は、電気工事から通信インフラ、ITまで幅広い技術を体系的に学べる専門学校です。
たとえば4年制の高度電気工学科では、電気主任技術者などの難関資格取得を目指し、高度な専門知識とマネジメント力を養成するものとなっています。
また2年制の電気工学科では第二種電気工事士の無試験認定取得を目標に、短期間で現場で求められる基礎技術を習得できます。
両学科とも実習中心のカリキュラムを採用し、配線工事や設備点検など実機を使った演習を通じて即戦力となる人材を育成しています。
近畿コンピュータ電子専門学校ではおもに電気工事士、電気主任技術者、工事担任者、情報処理技術者試験など、インフラ分野の幅広い資格取得を強力に支援する体制が整っています。
就職率は学校全体でほぼ100%に近く、電気工事会社、設備管理会社、電力・プラント企業、通信キャリア、ITインフラ企業など多様な分野からの求人が集まっています。
| 学校名 | 近畿コンピュータ電子専門学校 |
| 学科 | 情報システム工学科 |
| 所在地 | 〒593-8326 大阪府堺市西区鳳西町3丁712 |
電気工事士に必要な資格
電気工事を行うには、電気工事士法で定められた国家資格が必ず必要です。
一般住宅の配線工事から、工場の高圧設備の工事まで、扱う電気設備の種類に応じて取得すべき資格が異なります。
資格を持たない人が電気工事を行うと法律違反になるため、業務に携わる前に適切な資格を取得しておくことが欠かせません。
電気工事士の資格には、第一種電気工事士と第二種電気工事士があり、第一種電気工事士にあっては一般用電気工作物等及び自家用電気工作物(最大電力500kW未満の需要設備に限る。)の電気工事の作業に、第二種電気工事士にあっては一般用電気工作物等の電気工事の作業にそれぞれ、従事することができます。
電気工事士の資格は、第一種電気工事士と第二種電気工事士の2種類があります。
| 資格名 | 概要 | 施工できる範囲 |
|---|---|---|
| 第二種電気工事士 | 電気工事の入門となる国家資格。住宅・小規模施設の電気工事を担当できる。 | 一般住宅・小規模店舗の600V以下設備の電気工事 |
| 第一種電気工事士 | 大規模施設の電気工事も扱える上位資格。キャリアアップに必須。 | 第二種の範囲+ビル・工場などの自家用電気工作物(500kW未満) |
ここでは、具体的に電気工事士の資格内容と施工できる範囲を解説します。
第二種電気工事士
第二種電気工事士は、住宅・店舗などの600V以下の一般電気設備の工事を行える国家資格です。
そこで、住宅などの屋内配線工事等の作業については、一般⽤電気工作物等の保安に関して高度な知識と技能を身に付けた第二種電気工事士(もしくは、第一種電気工事士)が従事することを義務づけています。
これは電気工事士法にもとづいて定められており、電気工事士として仕事をするのに最低限必要な資格で、現場で最も需要が高い資格です。
一般住宅のコンセント交換、照明器具の取り付け、屋内配線の施工など、多くの現場で必要とされる技術が身に付いていることの一つの証明にもなります。
試験は筆記と技能に分かれ、実技では指定された配線を正確に作成する能力が求められます。
特別な学歴や実務経験は不要で、誰でも受験できる点も大きな特徴です。
電気分野が初めての人でも学習しやすく、工事の基礎知識を実践的に身につけられる資格として人気があります。
第一種電気工事士
第一種電気工事士は、第二種では扱えない「最大電力500kW未満の事業用電気工作物」などの高圧設備工事に対応できる資格です。
電気工事士法に基づき、工場・ビル・商業施設など、大規模な電気設備を扱うために必要とされています。
第二種より扱う範囲が広く、より専門的な知識と技能が求められるため、筆記試験も高度な内容になっています。
また、試験に合格しても、電気工事に関する実務経験(3年以上など)が必要で、条件を満たして初めて免状が交付されます。
大規模設備の工事に携わりたい人や、現場監督としてステップアップしたい人にとって、第一種電気工事士の取得は大きなキャリアアップにつながる資格です。
電気工事士を目指す方法
電気工事士を目指す方法は、大きく分けて「独学で第二種電気工事士に合格する」「学校で電気工学を体系的に学ぶ」という2つのルートがあります。
第二種電気工事士は経済産業省が管轄する国家資格で、住宅や小規模施設の電気工事が行える資格です。
受験に年齢・学歴・実務経験の制限はなく、誰でも挑戦できます。
そのため、まずは受験しやすい第二種からスタートするのが一般的です。
それぞれの電気工事士を目指す方法について、具体的に解説します。
独学で第二種電気工事士を合格する
独学で第二種電気工事士に合格する方法は、費用を抑えながら資格取得を狙うことが可能です。
第二種電気工事士は「筆記試験」と「技能試験」で構成され、電気技術者試験センターが試験を実施しています。
試験は第一種も第二種も、四肢択一方式でマークシートに記入又はパソコンで解答する学科試験と、実技による技能試験との2段階となっています。
公開されている統計では、筆記試験・技能試験ともに毎年平均50%~60%前後の合格率です。(一般財団法人電気技術者試験センター)
独学で最も重要なのは、出題範囲を正確に理解することです。
筆記試験は電気理論、器具、配線図、安全に関する知識などが中心で、公式テキストや過去問題集を繰り返すことで合格点に到達できます。
技能試験は「13種類の候補問題」が事前に公開されており、あらかじめ全パターンを練習できる仕組みになっています。

引用:令和7年度第二種電気工事士技能試験候補問題の公表について
費用面でも独学ならテキスト・工具を揃えて1〜3万円ほどで始められるため、コストパフォーマンスが高い方法と言えます。
ただし、電気工事士の資格は電気工事士試験は国家資格のため、独学では理解が難しい電気理論や実技技能といった、専門分野を一から独学で学ぶのは簡単ではありません。
大学や短大、専門学校で電気工学を学ぶ
大学・短大・専門学校で電気工学を学ぶ方法は、より高度で体系的な知識を身に付けたい人に適しています。
学校では、電気理論・電気回路・電気機器・電気法規など、電気工事士試験の範囲を網羅したカリキュラムが用意されており、電気技術者試験センターが定める出題範囲と一致した内容を計画的に学習できます。
専門学校や大学では実習設備が整っているため、配線・測定・施工といった実技をプロ仕様の環境で学べる点が大きなメリットです。
さらに、文部科学省の指定を受けた養成施設では、卒業と同時に一部の国家資格で試験免除が適用されるケースもあるため、確実に合格したい人にもおすすめの方法です。
学校教育法による高等学校以上の学校において、電気工事士法で定める電気工学の課程を修めて卒業した方は第二種電気工事士試験の学科試験が免除対象となります。
企業側も学校で電気工学を学んだ人材を高く評価する傾向があり、経済産業省「電気工事業の人材確保に関する報告」でも、体系的教育を受けた技術者は現場での即戦力として需要が高い傾向にあります。
将来、第一種電気工事士や電験など、さらなるステップアップを目指したい場合も、学歴ルートは有利に働くでしょう。
電気工事士を目指すなら専門学校で即戦力になれる技術を身に付けるのがおすすめ
電気工事士を目指すなら、専門学校での学びは非常に有効です。
専門学校では、国家資格である第一種・第二種電気工事士の学科・技能試験対策だけでなく、実際の施工現場を想定した実習環境が整っており、即戦力となる技術を身につけられます。
また、現場経験豊富な講師から直接指導を受けられるため、独学では習得しにくい安全管理や電気理論も効率的に学べます。
さらに、多くの学校が就職サポートを充実させており、卒業後は電気業界で安定したキャリアを築きやすい点も魅力です。
資格取得と実務スキルの両方を効率よく習得できる専門学校は、電気工事士を志す人にとって最適な選択肢と言えるでしょう。
