建設業はきつい・やばいといわれる理由は?建設業界の将来性も解説

建設業はきつい・やばいといわれる理由は?建設業界の将来性も解説 ガテン系の転職

建設業界のDX推進に注力する野原グループ株式会社のデータによると、建設業界従事者と大学生の結果に大差なく、働き方や給与(待遇)にマイナスイメージがあることが明らかになりました。

実際に建設業における職業別就業者数の推移は以下のように減少傾向にあり、人手不足が深刻な業界であるとわかります。

建設業における職業別就業者数の推移

参照:建設業における職業別就業者数の推移

一方で、建設業は社会インフラを支える重要な産業であり、将来的にも安定した需要が見込まれています。

近年では給与水準の改善や働き方改革の推進など、業界全体で環境を見直す動きも進んでいます。

本記事では、建設業が「きつい」「やばい」と言われる理由を整理しつつ、将来性や働きやすさの変化、仕事選びで失敗しないためのポイントまで詳しく解説します。

この記事でわかること
  • 建設業はきつい・やばいといわれる理由
  • 建築業の将来性

建設業でもきつい仕事を避けることはできます。

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関連記事:現場仕事に向いてる人の特徴!現場で働くメリットも解説

建設業はきつい・やばいといわれる理由

建設業はなぜ「きつい」「やばい」と言われるのでしょうか。

ここでは建設業は「きつい」「やばい」といわれる理由についていくつかご紹介します。

関連記事:現場仕事がきつい・しんどいと言われる理由!向いてる人・向いてない人の特徴も紹介

体力的負担が大きく、身体を酷使しやすい

建設業が「きつい」と言われる最大の理由は、体力的な負担の大きさです。

資材の運搬、長時間の立ち作業、屋外作業など、身体を使う工程が多く、特に現場作業員は腰・膝・肩などに負担がかかりやすい仕事です。

厚生労働省の「労働災害動向調査」でも、減少傾向にあるものの依然として建設業での休業を伴う死傷者数は多いことがわかります。

労働災害動向調査

参照:労働災害発生状況

また夏は猛暑、冬は寒冷環境の中で作業することも多く、体調管理が難しい点も厳しさにつながります。

総務省の「熱中症による救急搬送状況」では住居に続き、道路工事現場・工場・作業所などの仕事場のほかに、公衆(屋外)の割合が高いことがわかります。

発生場所別の救急搬送人員

参照:熱中症による救急搬送状況(令和3年~令和7年)

体力に自信がない人や、長く身体を酷使する仕事を避けたい人にとっては、「きつい」と感じやすい職種であることは事実です。

労働時間が長くなりやすい

建設業では、工期(納期)が厳格に決まっているため、天候不順や工程の遅れが発生すると、残業や休日出勤が発生しやすくなります。

特に繁忙期や大型案件では、長時間労働になりやすい現場も少なくありません。

厚生労働省「毎月勤労統計調査」では、建設業の年間総実労働時間や出勤日数は減少傾向にあるものの、他産業と比べて長時間労働の傾向が強いことを示しています。

現場にもよるでしょうが、一般的に以下の時期は繁忙期とされており、長時間労働を余儀なくされることが予想されます。

現場仕事の繁忙期

  • 12月~3月(年度末・決算期)
  • 9月(中間決算期)
  • 工事の開始前(乗り込み時)

近年は働き方改革関連法の影響で改善が進んでいますが、会社や現場によって差が大きく、やはり体力面やプライベートを重視させたい人にとってはきついと感じる面だといえます。

関連記事:夜勤がきつい理由は?しんどい原因に合わせた対処法を解説!

事故・ケガのリスクが他業種より高い

建設業は、高所作業・重機操作・重量物の取り扱いなど、事故につながりやすい業務が多く、「危険=やばい」というイメージを持たれやすい業界です。

安全管理が徹底されていない現場では、転落・挟まれ・落下物などの重大事故につながるリスクもあります。

先にも述べたように建設業は死亡災害件数が全産業の中でも常に上位に位置しています。

厚生労働省の労災統計では墜落や転落、はさまれ、崩壊、倒壊などが多く、建設業はそれらのリスクが高い仕事だといえます。

 事故の型別労働災害発生状況

参照:事故の型別労働災害発生状況

近年は安全基準や装備の改善が進んでいますが、「危険が伴う仕事」という認識は今も強く残っています。

高齢化・人手不足による現場負担の増加

先にも述べたように建設業界は深刻な人手不足と高齢化が進んでおり、それが現場の負担増につながっています。

若手が少ない現場では、一人あたりの作業量が増え、「休めない」「忙しすぎる」と感じるケースもあります。

国土交通省のデータによると、建設業就業者は55歳以上が約3割、29歳以下が約1割と高齢化が顕著に進んでいることがわかります

国土交通省「最近の建設業を巡る状況について」

参照:国土交通省「最近の建設業を巡る状況について」

一方で、この人手不足は「未経験でも採用されやすい」「将来性がある」という側面もありますが、現場負担が重くなりやすい点が「きつい」「やばい」と言われる要因になっています。

関連記事:建設業の人手不足の現状と対策|業界特化求人サイトの活用がおすすめ

建築業の将来性

建設業界が「きつい」「やばい」と言われる理由について解説してきましたが、建築業は建造物や工事が行われる以上、業界の中でも将来性のある仕事です。

また近年では建設業の労働環境がより良いものになるよう、改善に向けたさまざまな取り組みが進んでいます。

ここでは、建設業の将来性について詳しく解説していきます。

関連記事:将来性のある仕事10選!安定した需要がある職業の特徴を詳しく解説

建設業は将来性が高い

建築業は今後も安定した需要が見込まれる産業です。その大きな理由の一つが、建設投資額の安定性です。

国土交通省の「建設投資見通し」によると、日本の建設投資額は近年約70兆~80兆円前後で推移しており、全体としても増加傾向にあることがわかります。

国土交通省の「建設投資見通し」

参照:国土交通省の「建設投資見通し」

特に需要を下支えしているのが、老朽化インフラの更新・補修工事です。

高度経済成長期に整備された道路・橋梁・公共施設の多くが築50年超を迎え、国や自治体による改修・耐震工事が今後も継続的に発生します。

また、都市部では再開発やマンション建設、地方では空き家対策やリノベーション需要も拡大しています。

さらに、災害大国である日本では、防災・減災工事の重要性が年々高まっており、公共工事の必要性は今後もなくなりません。

以上のことから新築需要が減少しても、「建て替え」「直す」「守る」需要が続くため、建築業は景気変動の影響を受けにくく、将来的にも安定性の高い分野といえます。

建設業の給与

建築業は「給料が安い」というイメージを持たれがちですが、近年は賃金水準が上昇傾向にあります。

厚生労働省の「賃金構造基本統計調査」によると、建設業の平均賃金は前年よりも増えていると示されています。

また一般社団法人全国建設協会「労働環境の整備に関するアンケート」によると、直近1年間での職員の賃金の上昇や取り組みが進んでいることがわかりました。

一般社団法人全国建設協会「労働環境の整備に関するアンケート」

参照:一般社団法人全国建設協会「労働環境の整備に関するアンケート」

平均賃金が上がった背景にあるのが深刻な人手不足として挙げられます。

先にも述べたように、建設技能者の約3割が55歳以上である一方、29歳以下は約1割程度にとどまっており、現在も若手不足が続いています。

このため、企業側は人材確保のために初任給引き上げや手当の充実を進めています。

また建設業は資格取得による収入アップがしやすい点であることも特徴です。

建築士や施工管理技士などの国家資格を取得すると、年収500万~700万円以上を目指すこともできます。

今後は「経験+資格」を持つ人材の価値がさらに高まり、給与面でも二極化が進むと考えられます。

建設業の働き方改革

建築業界では近年、働き方改革が急速に進展しています。

特に大きな転換点となったのが、2024年4月から建設業にも時間外労働の上限規制が適用されたことが関係しています。

建設業・ドライバー・医師等の時間外労働の上限規制|厚生労働省

参照:建設業・ドライバー・医師等の時間外労働の上限規制|厚生労働省

これにより、原則として時間外労働は年720時間以内に制限され、長時間労働の是正が法的に求められるようになりました。

さらにこの流れを受け、週休2日制の導入や現場のICT化(BIM/CIM、ドローン測量、施工管理アプリなど)が進んでいます。

国土交通省も「建設業の働き方改革加速化プログラム」を打ち出し、発注者側にも適正工期の設定を求めるなど、業界全体で環境改善が進められています。

まだ企業規模や現場による差はありますが、「休めない」「帰れない」という従来のイメージは確実に変わりつつあります。

今後は、労働環境の良い企業を選ぶことで、建築業でも無理なく長く働ける時代になっていくといえるでしょう。

建設業できつい・やばい仕事を選ばないためのコツ

建設業は将来性のある仕事ではありますが、やはり体力的な面などハードな面はあります。

しかし仕事内容によっては同じ建設業でもきつい仕事を避けられるケースがあるため、転職するのもひとつです。

ここでは、建設業できつい・やばい仕事を選ばないためにチェックすべきポイントについていくつかご紹介します。

会社規模・受注形態

建設業で「きつい・やばい」と感じやすい現場の多くは、多重下請け構造の末端に位置する企業であることが多いです。

建設業では元請から2次・3次下請へと工程が流れるケースが多く、下位になるほど工期が厳しく、労働条件も悪化しやすい傾向があります。

特に小規模な孫請け企業では、工期短縮や急な工程変更のしわ寄せを受けやすく、長時間労働や休日出勤が常態化しやすいのが実情です。

一方、元請・一次請けが中心の企業は、工程管理や人員配置に余裕があり、働き方改革の対応も進んでいるためきつさを避けられる可能性が高いです。

建設業の求人票で見ておくべきポイント

  • 元請比率
  • 公共工事の有無
  • 主要取引先

職種

「建設業=現場作業=きつい」と思われがちですが、実際には職種によって負担は大きく異なります。

建設業は技能職・技術職・管理職などさまざま分かれており、肉体的負担が最も大きいのは技能職(作業員)です。

一方、施工管理・設計・積算・品質管理などの職種は現場に関わりつつも、主業務は工程・安全・品質の管理であり、体力負担は比較的軽くなります。

施工管理の平均年収は他の職種に比べて年収500万~650万円と高めであり、特に1級施工管理技士のような資格を取得することでさらなる収入アップが期待できます。

高収入を目指せる建設業

  • 大工・とび職:年収400万~550万円
  • 配管工:年収450万~600万円
  • 施工管理技士(資格あり):年収500万~700万円

さらにキャリアパスが明示されている企業かどうかも重要な判断材料です。

労働時間・休日制度の実態

建設業では求人票に「週休2日」「残業少なめ」と書かれていても、実態が伴っていないケースが少なくありません。

厚生労働省「建設業を取り巻く現状と課題について」のデータからも、働き方改革の取組によって建設業の労働時間は他産業よりも大きく減ったものの、なお高水準であることが示されています。

建設業を取り巻く現状と課題について【建政部】

参照:建設業を取り巻く現状と課題について【建政部】

そのため、面接時には「月の平均残業時間」「休日出勤の頻度」「繁忙期の働き方」を具体的に質問することが重要です。

また、口コミサイトやハローワークの企業情報、就職エージェント経由の内部情報も有効な判断材料になります。

特に注目したいのが、2024年の時間外労働上限規制への対応状況です。

すでに就業規則を改定し、ICT導入や人員増強で対応している企業は、今後も無理な働き方を強いられるリスクが低いといえます。

安全対策・教育制度の充実度

「やばい現場」「きつい現場」とされる大きな特徴が、安全管理が軽視されていることが挙げられます。

厚生労働省の労働災害発生状況によると、建設業は全産業の中でも労働災害発生率が高く、特に経験の浅い作業員ほど事故に遭いやすい傾向があります。

そのため、安全教育や資格取得支援が整っていない企業は避けることをおすすめします。

安全対策・教育制度が充実しているかどうかを見るには、以下のポイントをチェックしておくといいでしょう。

安全対策・教育制度の充実度をチェックするポイント

  • 新人研修
  • KY活動(危険予知)
  • 安全大会の実施有無
  • 保護具の支給状況

また、資格取得費用を会社が負担してくれる企業は、人材を長期的に育てる意識が強く、無理な使い捨てをしにくい傾向があります。

安全と教育に投資している企業ほど、結果的に「きつさ」も軽減されます。

将来性・人材定着率

短期的な給与や条件だけで選ぶと、「きつい」「やばい」仕事に当たりやすくなります。

離職率が高い建設企業ほど労働環境が悪い可能性が高いため、求人票などで人材定着率や離職率を見ておくことをおすすめします。

ほかにも企業の平均勤続年数や若手社員の割合、採用ページでのキャリア事例などを確認すると、定着率の高低がある程度見えてきます。

ちなみに新卒3年以内の建設業全体の離職率は以下の通りとなります。

国土交通省 建設業(技術者制度)をとりまく現状

参照:国土交通省 建設業(技術者制度)をとりまく現状

人が定着している企業は、教育体制・労働環境・評価制度が一定水準以上である可能性が高いです。

また、リノベーション・インフラ維持・環境建築など、今後も需要が見込まれる分野に強い企業を選ぶことで、将来的な転職リスクも下げられます。

「今きつくないか」だけでなく、「5年後も働けそうか」という長期的な視点をもつことが重要です。

建設業の働き方に関するよくある質問

ここでは建設業の働き方に関するよくある質問についてまとめました。

建設業で若者離れが進んでるって本当?

結論から言うと、若者離れは事実として進んでいます。

国土交通省「最近の建設業を巡る状況について」によると、29歳以下の就業者割合は約1割にとどまる一方、55歳以上は約3割を占めています。

これは全産業平均と比べても高齢化が顕著であることから、若者離れが進んでいることがうかがえます。

今回の記事でもご紹介したように建設業の若者離れの背景には以下の要因が関係しています。

建設業の若者離れが進んでいる主な要因

  • 肉体労働による体力面への負担
  • 事故につながるリスクが高い
  • 長時間労働になりやすい
  • 賃金の低さ
  • 高齢化による人間関係面でのストレス

ただし近年は、週休2日制の導入やICT施工の普及、初任給引き上げを行う企業も増加しています。

若者離れは深刻ですが、業界全体が変革期にあるのも事実で、企業選びによって環境差が大きい状況といえます。

建設業はパワハラが多い?

厚生労働省「職場のハラスメント実態調査」では、建設業はパワハラ相談件数が一定数存在しており、ほかの職種よりも少ないものの半数程度が相談していることがわかりました。

厚生労働省「職場のハラスメント実態調査」

参照:厚生労働省「職場のハラスメント実態調査」

一方で、2020年施行のパワハラ防止法により、大手・中堅企業を中心に相談窓口設置や管理職研修が進展しています。

特に公共工事を多く手がける企業ではコンプライアンス対応が厳格化され、改善傾向も見られることから「企業差が非常に大きい」段階といえます。

建設業がきつい・やばいのイメージは変わりつつある

建設業は確かに体力的な負担や厳しい現場環境がある一方で、すべてがきつい仕事とは限りません。

将来的にもインフラ整備や建物の維持管理は不可欠であり、安定した需要が見込まれています。

また、給与水準の緩やかな上昇や週休2日制の導入、ハラスメント対策など、働き方改革も着実に進んでいます。

重要なのは、職種や会社選びを慎重に行い、自分に合わない環境を避けることです。

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