土木業界では、人手が足りずに工事が回らない状況が深刻になっています。採用してもすぐに辞めてしまうこともあれば、そもそも若手がなかなか入ってこないと悩む企業も少なくありません。
本記事では、土木業界における人手不足の現状と原因を整理し、放置した場合のリスクと自社で取り組める対策を解説します。
採用と定着の両面に課題を感じている企業には、建設・ガテン系の求人に特化したGATEN職への掲載がおすすめです。
月額3万円(税抜)という相場より安いコストで自社に合う人材にアプローチできるため、人手不足解消に役立ちます。興味のある方は、ぜひ以下のページをチェックしてみてください。
土木業界の人手不足の現状

土木業界の人手不足は、就業者数の減少と働き手の高齢化が同時に進行した結果発生しています。
対策を検討する前に、まずは数字で現状を正しく押さえることが重要です。
土木業界の人手不足の現状
土木を含む建設業では就業者数の減少が続いている
土木を含む建設業では、働く人の数が長期的に減り続けています。令和3年時点で、建設業の就業者数は485万人となっており、ピークだった平成9年の685万人と比べると、約29%減少しています。

工事を担う技能者に絞ると、減少幅はさらに大きくなります。技能者数は平成9年の455万人から令和3年には309万人へと約32%減少しました。

このように、現場で施工を担う中核人材の縮小が、土木業界の人手不足の起点となっています。
働き手の高齢化が進み若手人材が不足している
土木業界では、就業者数の減少だけではなく、年齢構成の偏りも深刻です。
令和3年時点で、建設業就業者に占める55歳以上の割合は35.5%、29歳以下の割合は12.0%です。ベテラン層の比率が高く、若年層の確保が課題になっています。

55歳以上のベテランは今後10年で順次引退時期を迎えるため、若手の入職が増えない限り、現場の担い手は急速に減少していきます。
建設・土木系職種の有効求人倍率は全産業平均を大きく上回る
人材確保の難しさは、有効求人倍率にも表れています。令和8年4月時点で、職業計の有効求人倍率が1.02倍であるのに対し、建設・採掘従事者の有効求人倍率は4.69倍です。
求職者1人に対して約4.7件の求人があるため、企業同士で同じ人材を取り合う構図になっています。
こうした背景から、建設・土木系職種では、求人を出しても応募が集まりにくい状況が続いています。
引用:厚生労働省|一般職業紹介状況(令和8年4月分)について
人手不足倒産が高水準で増えている
人手不足は、企業の倒産にまで直結しはじめています。帝国データバンクの調査によれば、令和7年度の人手不足倒産は441件で、年度ベースで初めて400件を超え、3年連続で過去最多を更新しました。
.png)
引用:帝国データバンク|人手不足倒産の動向調査(2025年度)
なかでも、建設業は112件と全業種で最多であり、全体の4分の1を占めています。
施工に欠かせない資格やスキルを持つ現場作業員や営業担当の退職により、受注はあっても事業を回せず倒産するケースが目立ちました。
建設業全体の人手不足倒産の動向や、企業が取るべき対策については以下の記事でも詳しく解説しています。
>建設業の人手不足倒産が2025年上半期で過去最多!要因と対策を紹介
土木が人手不足に陥る3つの原因

土木業界の人手不足は、現場のイメージや待遇、事業環境など複数の要因が絡み合って生じています。具体的な原因は、以下の3つです。
土木が人手不足に陥る3つの原因
対策を考える前に、それぞれの原因が採用と定着にどう影響しているのかを把握しておく必要があります。
3K(きつい・汚い・危険)のイメージが残っている
土木の仕事には、きつい・汚い・危険という3Kのイメージが根強く残っています。
近年は建設機械やICTの活用、安全衛生管理の徹底によって作業環境の改善が進んでいるものの、その変化は業界外に十分に伝わっていません。
結果として、現場の実態を知らないまま、3Kのイメージだけで土木業界を判断する求職者が一定数存在し、応募の段階で選ばれにくい状況が続いています。
建設業がきつい、やばいといわれる背景や業界の将来性について詳しく知りたい方は、以下の記事も参考にしてみてください。
>建設業はきつい・やばいといわれる理由は?建設業界の将来性も解説
給与や休日など待遇面で見劣りする
他産業と比べたときの待遇の差も、人手不足の要因のひとつです。
土木は屋外作業や繁忙期の負担が大きいにもかかわらず、その負担に見合うだけの給与や休日が確保されていない現場が少なくありません。
とくに完全週休2日が定着していない現場では、休日の少なさによって敬遠されやすくなります。
働き手が職場を選ぶ際、給与水準や休日数といった労働条件も比較対象となるため、待遇面で見劣りすれば、応募の段階でも入社後の定着でも他産業に流れやすくなるでしょう。
2024年問題で工期と残業に制約がかかった
2024年4月から、建設業にも時間外労働の上限規制(原則として月45時間・年360時間)が適用されています。
これまで残業で対応していた工事量を、限られた時間で処理しなければならなくなりました。
結果として、同じ仕事量をこなすために必要な人員数は以前よりも増えています。
もともと採用が難しい状況のなかで必要人数だけが上振れし、土木業界の人手不足感はいっそう強まっています。
引用:厚生労働省|建設業にも時間外労働の上限規制が適用されています
土木の人手不足を放置することによるリスク

土木業界の人手不足を放置すると、経営や社会インフラの維持にも影響が及びます。具体的には、以下の4つのリスクが考えられます。
土木の人手不足を放置することによるリスク
これらのリスクは単独ではなく、相互に連鎖して経営を圧迫します。リスクの全体像を把握することで、人手不足対策に着手する優先度や緊急度を判断しやすくなります。
受注しても工事を回せず機会を逃す
人手が足りずに施工体制を組めなければ、仕事があっても引き受けられず、目の前の売上を失います。
さらに、受注を断った発注者からは信頼を損ね、次回以降の発注先から外されるなど、継続的な取引にも影響が及ぶ可能性もあるでしょう。
インフラ更新や維持管理の需要が増えるなかで受注機会を逃し続ければ、競合に発注が流れ、地域でのシェアを失うリスクも高まります。
残った社員に負担が集中し離職が連鎖する
土木業界では人材確保が難しいため、欠員が出てもすぐに新しい人を採用できず、その穴埋めは残った社員が担うことになります。
その結果1人あたりの業務量が増え、長時間労働や休日出勤の常態化につながり、限界を迎えた社員から辞めていく状況が広がりかねません。
離職が連鎖しはじめると、現場の体制を立て直すのは難しく、さらに次の離職につながる可能性もあるでしょう。
建設業の離職率の現状や、定着率を高めるための具体的な対策について詳しく知りたい方は、以下の記事も参考にしてみてください。
>建設業の離職率の現状|離職が起きる原因と定着率を上げる対策
ベテランの引退で技術継承が追いつかない
ベテランの技能者が引退すると、その人が持っていた技術も現場から失われます。
土木の現場には経験を通じてしか身につかない判断や勘が数多くあり、マニュアルだけでは引き継げない領域も少なくありません。
55歳以上が就業者全体の3分の1を超える土木業界では、今後10年で大量の引退が見込まれています。
技術を受け継ぐ若手が育つ前にベテランが現場を離れれば、施工品質や安全面にも長期的に影響が及ぶ可能性があるでしょう。
インフラ老朽化への対応が追いつかず維持管理・更新が滞る
高度経済成長期に集中整備された道路や橋などのインフラは、いっせいに老朽化の時期を迎えています。
たとえば、道路橋は、建設後50年以上の施設は2023年時点で約37%ですが、2040年には約75%に達する見込みです。
こうした維持管理・更新の需要が拡大するなかで人手不足が続けば、必要な補修や更新工事が後回しになりかねません。
対応の遅れはインフラの劣化を加速させ、地域住民の安全や日常生活にも影響を及ぼすリスクを抱えています。
土木業界の人手不足を解消する対策

土木業界の人手不足を解消するには、複数の観点から対策を組み合わせる必要があります。具体的には、以下の3つの方法で取り組みを進めることが重要です。
| 方法 | 具体的な対策 |
|---|---|
| 既存社員の定着率を高めて離職を防ぐ方法 | ・給与・手当・評価制度を整える ・週休2日と労働時間を見直す ・資格取得支援とキャリアパスを示す |
| 限られた人数で業務の効率を高める方法 | ・ICT施工・i-Constructionを導入する ・施工管理アプリで事務作業を効率化する ・多能工化で一人が複数工種に対応できるようにする |
| 新しい担い手を確保する採用手法 | ・求人サイトや求人検索エンジンを使う ・ダイレクトリクルーティングで自社から声をかける ・外国人労働者や女性・シニアの活躍を広げる ・建設・土木に特化した求人媒体で人材に届ける |
どれかひとつだけを対策するのではなく、定着・効率化・採用の3つをバランスよく進めることが、人手不足の解消につながります。
土木業界の人手不足を解消する対策
人手不足対策を始める前に自社の課題を整理する
人手不足の対策は、自社の課題がどこにあるかによって優先すべき内容が変わります。
採用に課題があるのか、定着に課題があるのか、業務量に対して人員配置が追いついていないのか、現状を正しく把握することで効果的な対策を選べるようになります。
たとえば、直近の入職者数と退職者数、平均残業時間、社員の年齢構成などを洗い出し、自社のどこにボトルネックがあるのかを判断することが重要です。
課題が明確になれば、定着・効率化・採用のどこから手をつけるべきかが判断できます。
既存社員の定着率を高めて離職を防ぐ方法
採用よりも先に取り組みたいのが、既存社員の定着です。今いる人材が辞めなければ、採用に必要な工数を減らせます。定着率を高めるうえで有効な取り組みは、以下の3つです。
既存社員の定着率を高めて離職を防ぐ方法
- 給与・手当・評価制度を整える
- 週休2日と労働時間を見直す
- 資格取得支援とキャリアパスを示す
処遇や働く環境を整え、社員が「この会社で働き続けたい」と感じられる状態をつくることが、離職防止の基本となります。
給与・手当・評価制度を整える
待遇への不満は、離職の大きな原因のひとつです。土木業界は業務負荷が大きいにもかかわらず、給与や休日が他の業界と比べて見劣りする傾向があり、このギャップが離職や応募減につながっています。
こうした状況を改善するには、同業他社と比べて見劣りしない給与水準を維持するとともに、スキルや負荷に応じて報酬が上がる仕組みを設けることが有効です。
そのうえで、どのような成果を出せば昇給や昇格できるのかを評価制度として明示すれば、社員のモチベーション維持や離職率の低下にもつながります。
週休2日と労働時間を見直す
休日の少なさや長時間労働は、求職者が土木業界を避ける要因です。
求職者だけでなく、現在働いている社員にとっても、休みが取れない職場で働き続けることは離職を考えるきっかけになります。
定着率を高めるには、完全週休2日制の導入や工程管理の見直しを通じて、無理のない働き方ができる体制を整えることが求められます。
休日や労働時間の改善は、社員の定着だけでなく求職者へのアピールにもなるでしょう。
資格取得支援とキャリアパスを示す
土木の現場で長く働き続けるには、スキルが着実に伸びている実感や、この先どう成長できるのかという見通しが必要です。
こうした仕組みが整っていない職場では、社員が将来に不安を感じ、離職の要因になります。
たとえば、施工管理技士などの資格取得に対して費用補助や学習時間の確保といった支援を行えば、社員のスキル向上と会社の施工力強化を同時に実現できます。
資格取得の支援に加え、どのような経験を積めば昇進や新たな役割を任されるのかというキャリアパスを明示することも重要です。
キャリアパスが具体的に示されていれば、社員が中長期的な目標を持って働けるようになり、結果として定着率の向上を期待できるでしょう。
限られた人数で業務の効率を高める方法
定着率を高めて人員の流出を防いだとしても、現状の人数では足りない現場もあるため、1人あたりの生産性を高める取り組みも並行して進める必要があります。
限られた人数で業務効率を高める主な方法は、以下の3つです。
限られた人数で業務の効率を高める方法
- ICT施工・i-Constructionを導入する
- 施工管理アプリで事務作業を効率化する
- 多能工化で一人が複数工種に対応できるようにする
今いる人員で最大限の成果を出せる仕組みを整えることで、人手不足による現場への負荷を軽減できます。
ICT施工・i-Constructionを導入する
限られた人数で現場を回すうえで、デジタル技術の導入は有効な手段のひとつです。
なかでもICT施工は、ドローン測量やマシンガイダンスなどを活用して測量から施工までを効率化する取り組みであり、国土交通省もi-Constructionとして推進しています。
従来は複数人で行っていた作業を少人数で完結できるため、工期の短縮や必要人員の削減といった効果が見込めます。さらにICTを取り入れた現場は、先進的な職場環境として求職者へのアピールにもなるでしょう。
施工管理アプリで事務作業を効率化する
現場の負担は施工作業だけにとどまらず、写真整理や日報、書類作成といった事務作業も大きな比重を占めています。
施工管理アプリを導入すれば、これらの作業をスマートフォンやタブレット上で一元管理でき、事務処理にかかる時間を短縮しやすくなります。
移動中や現場からでも入力・共有が可能なため、事務所に戻ってからの残業を減らす効果も期待できるでしょう。
事務の負担が軽減されれば、技術者が本来の施工業務に集中できる時間を確保しやすくなります。
多能工化で一人が複数工種に対応できるようにする
1人が複数の工種をこなせるようになれば、少ない人数でも現場を回しやすくなります。
社員が特定の作業しかできない体制では、欠員が出た際に工程全体が止まるリスクがあるため、研修やOJTを通じて対応可能な工種の幅を広げていくことが重要です。
多能工化が進めば、人員配置に柔軟性が生まれ、急な欠員や工事の繁閑にも対応しやすくなります。
多能工化は限られた人数で安定的に現場を運営するうえで、有効な手段のひとつといえるでしょう。
新しい担い手を確保する採用手法
人材の定着と効率化を進めるだけではなく、採用にも取り組む必要があります。採用手法は多様化しており、自社の課題やターゲットに合った手段を選ぶことが重要です。
具体的には、以下の4つの手法があげられます。
新しい担い手を確保する採用手法
- 求人サイトや求人検索エンジンを使う
- ダイレクトリクルーティングで自社から声をかける
- 外国人労働者や女性・シニアの活躍を広げる
- 建設・土木に特化した求人媒体で人材に届ける
建設業における採用の難しさや、具体的な採用手法について詳しく知りたい方は、以下の記事も参考にしてみてください。
>建設業の採用が難しい理由とは?おすすめの採用手法8つも紹介
求人サイトや求人検索エンジンを使う
採用活動の基本となるのが、求人サイトや求人検索エンジンの活用です。多くの求職者が仕事探しに利用するため、幅広い層にアプローチできる手段といえます。
求人を掲載する際は、仕事内容や待遇だけでなく、現場の雰囲気や働きやすさが伝わる情報を盛り込むと効果的です。
ただし、同じ求人でも掲載する媒体によって応募数は大きく変わります。
幅広い求人が掲載されている総合型ではなく、建設や土木の求職者が多く集まる媒体を選ぶことで、ターゲットに合った人材からの応募を効率よく集められるでしょう。
建設・土木系の採用に強い求人サイトとしては、業界特化型の「GATEN職」が挙げられます。
ガテン系職種に特化しているため、即戦力となる経験者や建設業に関心のある求職者が集まりやすい特徴があります。
ダイレクトリクルーティングで自社から声をかける
応募を待つだけでなく、企業側から候補者を見つけてスカウトするダイレクトリクルーティングも有効な採用手法です。
求人を掲載しても応募が集まりにくい土木業界では、自社から積極的にアプローチすることで採用の可能性を広げられます。
とくに施工管理技士などの有資格者や現場経験者といった、即戦力人材を狙って声をかけられる点に強みがあります。
選考や交渉に手間はかかるものの、自社が求めるスキルや経験を持つ人材と直接つながれるため、採用のミスマッチを減らす効果も期待できるでしょう。
外国人労働者や女性・シニアの活躍を広げる
従来の採用ターゲットだけでは人材確保が難しい場合、外国人労働者や女性、シニアといった新たな層に目を向けることも選択肢のひとつです。
特定技能制度を活用した外国人人材の受け入れや、体力的な負担が少ないポジションへの女性・シニアの配置など、職種や役割に応じた採用を進めることが重要です。
ただし、外国人人材の受け入れには言語や生活面のサポート体制が必要であり、女性やシニアの活躍には作業負荷の調整やシフトの柔軟性といった環境整備が求められます。
こうした受け入れ体制を整えたうえで採用の間口を広げると、人材確保の選択肢を増やせるでしょう。
建設・土木に特化した求人媒体で人材に届ける
総合型の求人サイトでは、建設・土木系の求人が他業種の求人に埋もれてしまい、ターゲットとなる求職者に届きにくいケースがあります。
建設業の人手不足対策として業界特化型の求人媒体が注目されており、建設・土木に関心のある求職者に絞ってアプローチできるため、応募の質と効率を高められます。
なかでもGATEN職は、建設・土木をはじめとするガテン系職種に特化した求人サイトです。現場経験者や即戦力人材が集まりやすいため、採用活動の効率化にもつながります。
建設業全体の人手不足の現状や、業界特化型求人サイトの活用方法について詳しく知りたい方は、以下の記事も参考にしてみてください。
>建設業の人手不足の現状と対策|業界特化求人サイトの活用がおすすめ
土木業界の人手不足を解消するならGATEN職

土木業界の人手不足は、就業者数の減少や高齢化など複数の要因が重なり合って深刻化しています。
対策としては、既存社員の定着や業務効率の向上、新たな人材の採用という3つの方法から、自社の課題に応じた施策を組み合わせて取り組むことが重要です。
一方で、定着や効率化を進めても、採用活動そのもので思うように応募が集まらないという課題を抱える企業も多いのではないでしょうか。
採用力を強化する手段のひとつとして、建設・土木をはじめとするガテン系職種に特化した求人サイト「GATEN職」があります。
GATEN職は月額3万円(税抜)という相場より安いコストで自社に合う人材にアプローチできるため、高いコストパフォーマンスで採用を行えます。
土木業界の人手不足解消に向けて採用活動を強化されたい方は、ぜひGATEN職の活用をご検討ください。

