- 外構工事とは、門・塀・駐車場などの建物の外回りの工事
- 外構工事の種類には「クローズ外構」「セミクローズ外構」「オープン外構」の3種類がある
- 外構工事の費用相場は工事内容や敷地の広さなどによって大きく異なるが、全体で100万円〜300万円程度
- 外構工事で後悔しないためには「家との雰囲気を考える」「駐車場をなるべく広くする」「植物を植える」のがおすすめ
令和6年度には、40万件以上の新築住宅が作られています。(引用:国土交通省 建築着工統計調査報告)
住宅を建設する際に、住居の建築とともに重要なのが、外構工事になります。
外構工事とは、庭や駐車場といった家の外回りの工事です。
外構工事は見た目だけでなく、使い勝手や防犯に関わる重要な工事と言えるでしょう。
本記事では、外構工事の定義や種類、依頼方法などを徹底解説します。
また、最近重要度が高くなっている、防犯に役立つ外構工事についても紹介するので参考にしてください。
ズバリ外構工事とは?
外構工事とは、家の外回りを整える工事のことです。
家などの建物本体ではなく、門・塀・駐車場・庭・玄関アプローチなど、住宅の外部空間をデザイン・施工するのが外構工事の役割になります。
外構工事は見た目だけではなく、使い勝手や防犯性など、様々な目的で実施されます。
外構工事は、住宅の価値を高めるだけでなく、日々の暮らしをより安心で便利なものにする重要な役割を担っています。
これから家づくりやリフォームを検討している方は、建物本体と同じくらい外構にも目を向けて、暮らし全体をトータルで考えることが大切です。
エクステリアとの違いは??
外構工事とエクステリアは、似ているようで意味合いが少し違います。
外構工事とエクステリアの違い | |
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外構工事 | ・家の外回りを工事すること ・実際の作業や工事に関連する用語 |
エクステリア | ・外構を含む、外観全体のデザイン ・デザインや空間演出に関する用語 |
たとえば、「外構工事を依頼する」という場合は施工業者に工事をお願いすることを意味します。
また、「エクステリアにこだわる」という場合はデザイン性や素材選び、配色などを重視するニュアンスになります。
つまり、外構工事は作業や工事を指すのに対して、エクステリアは見た目や雰囲気を含めた全体の外観を指す言葉です。
両者の違いを理解しておくことで、業者選びやプランニングの際に、自分の希望をより的確に伝えられるようになるでしょう。
外構の種類
外構には大きく分けて、3つのスタイルがあります。
3つの外構はそれぞれ、フェンスや塀の有無・高さ、敷地の開放性などが異なり、防犯性・プライバシー・デザイン性・予算などのバランスに応じて選ばれています。
クローズ外構
クローズ外構 | |
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敷地の開放性 | 塀や門で囲むので、開放感は少なく、閉鎖的な印象 |
防犯性やプライバシー | 外からの視線をしっかりと遮断し、侵入も抑制できるので、非常に高い |
デザイン性 | 重厚感や高級感を演出しやすい |
予算 | 門や塀など施工箇所が多く、コストは高め |
クローズ外構は、敷地全体を囲うことで、プライバシーや防犯性を重視するスタイルです。
門・塀・フェンスなどで家の外周をしっかり囲み、外部からの視線や侵入を防ぐ構造になっています。
クローズ外構の最大のメリットは、外から家の中が見えにくい点です。
特に人通りの多い道路に面した住宅や、小さなお子さんがいるご家庭に人気があります。
また、門扉やインターホンの設置によって、人の侵入を防げるので、防犯性も高いです。
ただし、クローズ外構にはコストが高く、閉鎖的な印象をあたえるという欠点があります。
セミクローズ外構
セミクローズ外構 | |
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敷地の開放性 | 必要な部分のみ塀などで囲むので、空間の抜け感がありバランスが取れている |
防犯性やプライバシー | 必要な箇所だけ重点的に確保できる |
デザイン性 | 個性が出しやすく、柔軟なデザインが可能 |
予算 | 囲う箇所は限定的なので、コストを抑えやすい |
セミクローズ外構は、クローズ外構とオープン外構のいいとこ取りができるのが特徴です。
必要な部分には目隠しやフェンスを設置しつつ、それ以外のスペースは開放的に仕上げます。
たとえば、道路側には高めの塀を設置して視線を遮り、隣家との境界は低いフェンスにするなど、場所ごとに囲い方を変えることで、プライバシーとデザイン性を両立できます。
セミクローズ外構は、開放感と安全性のバランスが良く、現在もっとも多く採用されている外構スタイルです。
費用もクローズ型より抑えられることが多く、設計の自由度が高いのも大きなメリットです。
ただし、囲いが不十分な部分は防犯性がやや下がることもあるため、照明やカメラなどの工夫が必要となります。
オープン外構
オープン外構 | |
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敷地の開放性 | 塀や門がないので、開放性は非常に高い |
防犯性やプライバシー | 遮るものがないので、低め |
デザイン性 | モダンでスタイリッシュなデザインを作りやすい |
予算 | 塀や門の工事が不要なため、コストは低め |
オープン外構は、塀や門を設けずに敷地を開放的に設計するスタイルです。
最大の特徴は、見通しが良く、開放的でスッキリとした印象を与えることです。
また、建物全体がよく見えるため、建物のデザイン性を活かしやすい点も魅力になります。
バリアフリーを意識したフラットな設計にもしやすく、老若男女にやさしい外構づくりが可能です。
オープン外構の大きなデメリットとして、防犯性やプライバシーが確保しづらい点が挙げられます。
道路から遮るものがないので、植栽や生垣を利用したり、人感センサー付きの照明や監視カメラを設置するなど、防犯やプライバシー確保のための対策が必要です。
防犯に役立つ外構工事5選
空き巣や侵入被害などの犯罪の増加に伴い、防犯に関わる外構工事の需要が高まっています。
住宅の安全性を高めるための、防犯効果が高い外構工事を5つ紹介します。
防犯に役立つ外構工事
センサー機能のあるライト
センサー機能のあるライト | |
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防犯効果 | 人の動きに反応して自動で点灯するため、侵入者を驚かせ、行動をためらわせる効果がある |
費用 | 比較的安価で、1〜2万円程度で導入可能 |
お手軽かつ効果の高い防犯に役立つ外構工事として、センサー機能のあるライトの設置がおすすめです。
人の動きを感知して自動的に点灯するため、不審者の侵入防止につながります。
特に玄関まわりや駐車場、勝手口など、死角になりやすい場所に設置すると、防犯効果が高いです。
電源不要のソーラータイプも多く、コストを抑えて導入できるのも、大きな魅力と言えるでしょう。
防犯カメラ
防犯カメラ | |
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防犯効果 | 録画され、証拠が残ることで、強力な抑止力になる |
費用 | やや高めで、10万円程度が一般的 |
設置するだけでも、防犯抑止効果が高いのが防犯カメラです。
「録画されているかもしれない」という意識を持たせるだけでも、不審者の行動を大きく制限できます。
最近はネット接続でスマホから映像確認できるタイプや、SDカードに録画できる簡易型など、種類も豊富です。
防犯カメラは、玄関・カーポート・敷地の出入り口などに設置することで、より防犯効果が高まります。
防犯砂利
防犯砂利 | |
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防犯効果 | 踏むと大きな音が鳴るため、静かに忍び込もうとする侵入者を威嚇できる |
費用 | 比較的安価で、1㎡あたり数千円程度 |
防犯砂利は、歩くと「ジャリジャリ」と大きな音が出る特殊な砂利です。
一見すると普通の砂利と変わりませんが、音で侵入者を威嚇し、住人にも気づかせてくれます。
特に通路や裏庭、勝手口など、人目につきにくい場所に敷いておくと効果的です。
また、施工も簡単で価格も比較的リーズナブルなため、手軽に始められる防犯対策として人気があります。
見通しのきく玄関回り
見通しのきく玄関周り | |
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防犯効果 | 不審者が隠れにくくなり、十人や近隣の目が届きやすくなる |
費用 | 内容によって幅があり、大掛かりなリフォームの場合は10万円以上かかるケースもある |
玄関周りを見通しよくすると、不審者が隠れる場所がなくなるので、防犯性が高まります。
たとえば、植栽の剪定をこまめに行ったり、大型の門柱や物置を視界の妨げにならないように配置したりするのが有効です。
また、夜間でも適度な照明があると、玄関前の様子が外からも確認でき、不審者が近づきにくくなります。
カメラ付きのインターホン
カメラ付きインターフォン | |
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防犯効果 | 来訪者の顔や様子が確認でき、不審者の接近・居留守の記録も映像で残る |
費用 | 2〜5万円程度で、性能の良いインターフォンにする場合には高額になる |
カメラ付きインターホンは、来訪者の顔を事前に確認できる便利な防犯設備です。
モニター付きで録画機能があるタイプを選べば、訪問履歴も残せるため、万が一の際にも役立ちます。
また、最近ではスマホ連動タイプもあり、外出中でも応答できるなど利便性が向上しています。
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外構工事費用の相場
外構工事の費用相場は、工事内容や敷地の広さなどによって大きく異なります。
一般的な住宅の場合、全体で100万円〜300万円が一つの目安です。
外構工事は見た目だけでなく、使い勝手や安全性にも関わる重要な工事です。
予算だけでなく、ライフスタイルや将来の使い方まで見据えて検討するのが大切と言えるでしょう。
外構工事の依頼方法
外構工事を失敗なく進めるためには、事前の情報収集と段取りの確認が非常に重要です。
「なんとなくお願いする」のではなく、施工業者の選定から見積もり、契約、工事の進行確認まで、流れを理解しておくことで満足のいく仕上がりにつながります。
外構工事は一度きりの大きな買い物になることが多いため、焦らず段取りよく進めることが大切です。
信頼できる業者としっかり打ち合わせを重ね、後悔のない外構づくりを目指しましょう。
外構工事を始めるタイミング
外構工事を始めるタイミングには、家の建築と同時と終わってからの、2パターンがあります。
外構工事を始めるタイミング
家の建築と同時に始める
外構工事を家の建築と同時に始めることで、全体のバランスが取れた住まいが完成しやすくなります。
ただし、建築のための費用と外構のための費用が同時にかかるので、外構部分の予算が後回しになりやすい傾向があるので注意が必要です。
外構費用が十分に確保できずに、妥協しなくてはならないケースも見受けられます。
家の建築と外構工事を同時にする際には、初期段階からそれぞれの予算を明確に決めるのがおすすめです。
家の建築が終わってから始める
家の建築が終わってから外構工事を始めれば、実際の暮らしを体験した上で、より自分たちに合った外構をつくれる可能性があります。
ただし、外構工事を後回しにすると、入居当初は不便に感じることも多くなります。
最低限の設備は入居前に工事しておくのが良いでしょう。
後悔しない外構工事のためのポイント3選
外構工事は、家の見た目や防犯などに関わる重要な工事ですが、完成してから後悔する人も少なくありません。
後悔のない外構工事をするためには、デザインだけでなく、使い勝手や将来性まで考えてプランを立てるのが大切です。
後悔しない外構工事のポイント
家との雰囲気を考える
外構工事は、家のデザインや雰囲気と統一感を満たせるのが重要です。
建物と外構が調和していないと、どれだけ立派な家でも全体の印象がチグハグになってしまいます。
外構と住宅の雰囲気を揃えるためには、次のようなポイントを意識するとよいでしょう。
たとえば、シンプルでモダンな家には無機質なコンクリート素材やアイアンのフェンス、ナチュラルテイストの家には木材や植栽を取り入れた外構がよく合います。
外構は、家の顔ともいえる大切な部分です。
家とのバランスを大切にして、建物の魅力を引き立てるデザインを意識しましょう。
駐車場はなるべく広めに
駐車場は将来を見越して、できるだけ広めに確保しておくことがおすすめです。
当初は1台分で足りると思っていても、数年後には車が増えたり、来客用スペースが必要になることも多いからです。
たとえば、駐車場の幅を詰めすぎてしまうと、ドアを開けたときに隣の車や壁に当たるリスクがあります。
また、将来子どもが車を所有するようになったときに、駐車スペースが足りず困るケースも考えられます。
駐車場は日々の使いやすさと将来の変化に備えるためにも、余裕を持った広さで計画しておくと安心です。
植物を植えるのもオススメ
外構に植物を取り入れることで、見た目の美しさだけでなく、暮らしの質も高まります。
植物は外構に彩りを与えるだけでなく、季節感や癒し、さらには目隠しや遮熱といった実用的な効果も期待できるからです。
たとえば、シンボルツリーを玄関に植えるだけでも、住まいの表情がぐっと華やかになります。
また、手入れが比較的簡単な常緑樹や草花を選べば、ガーデニング初心者でも気軽に始められます。
外構にちょっとした自然を取り入れることで、暮らしがより豊かに感じられるでしょう。
外構工事とは家の外回りの見た目や防犯機能を高める工事
外構工事とは、建物周辺の家の外回りを整える工事です。
見た目だけでなく、使い勝手や防犯など、様々な目的で外構工事は実施されます。
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