建設会社に勤めながら腕を磨き、建設業で独立を目指す方も少なくありません。
令和5年3月時点で、建設業許可を受けている業者のうち、個人事業主の割合は14.4%で68,274社でした。
引用:国土交通省(不動産・建設経済局 建設業課) 「建設許可業者数調査の結果について」
建設業で独立すれば、収入増加の可能性があるだけでなく、自分のペースで自由に働ける可能性も高いです。
しかし、建設業であればどんな職種でも独立しやすいわけではないため、独立しやすい職種を事前に把握しておくことが大切です。
本記事では、建設業で独立しやすい職種を紹介します。
本記事の内容
- 建設業で独立しやすい職種
- 建設業で独立するために必要なこと
建設業で独立を考えている方は、ぜひ参考にしてください。
建設業で独立しやすい職種
建設業で独立しやすい職種には、以下のような特徴があります。
建設業で独立しやすい職種の特徴
- 一人作業が可能
- 初期投資が比較的少ない
- 需要が安定している
- 技術の習得が比較的容易
以上の特徴を踏まえた上で、建設業で独立するには、建築系がおすすめです。
建設業は、建築系と土木系に大きく分かれます。
建築系と土木系の違い | |
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建築系 | 建造物が対象 住宅やマンション、ビルなど |
土木系 | 建造物以外が対象 道路や橋、鉄道など |
建築系は一人作業でできる仕事も多く、大型の機械も不要な場合が多いので初期費用がかかりにくいです。
一方土木系は大型のプロジェクトとなる場合が多く、一人で作業できる場合が少なく、大型の機材も必要となります。
全建総連東京都連の調査によると、建築系の多くの職種で、平均年収が500万円を超えることがわかりました。(左官と、とび職のみ平均年収が500万円未満)
引用:全建総連東京都連 2022年(R4年)賃金調査報告書 (1日あたりの賃金 × 240日で年収を計算)
建築系の中でも、比較的独立しやすい職種は以下の通りです。
建設業で独立しやすい職種
- 大工
- 左官
- クロス職人
- 塗装業
それぞれの職種の主な仕事や、独立がしやすい理由について詳しく解説します。
大工
一人作業が可能か? | 木造建築の骨組みや内装工事など、一人で対応できるものも多い |
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初期投資が比較的少ないか? | 個人の道具があれば仕事ができるので、大規模な設備投資が不要 |
需要が安定しているか? | 新築からリフォームまで幅広い需要が見込める |
技術の習得が比較的容易か? | 一定期間、建築関係の会社で勤務し、技術や知識を身につける必要がある |
建設業での独立を考えた場合、大工がおすすめです。
大工とは、木造建築物の建設や修理を専門とする職人を指します。
大工の主な仕事は、以下の通りです。
大工の主な仕事
- 木材加工:設計図をもとに木材を切り出す
- 建築物の組み立て:加工した木材を使用して、建物の骨組みを構築
- 内装工事:床や天井の下地作りや、壁のボード貼り
独立を考えた時に大工の仕事の最も大きな魅力は、技術さえ習得すれば、頑張り次第で収入がどんどんアップする点です。
また、新築だけでなくリフォームや修繕まで幅広く対応できるので、非常に安定した需要が期待できます。
ただし、大工で独立しようと考えた場合、建設会社で一定期間腕を磨く必要があるでしょう。
左官
一人作業が可能か? | 壁や床の仕上げなど、多くの場合一人で完結できる仕事が多い |
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初期投資が比較的少ないか? | 使う道具はコテやコテ板、バケツなど、安価なものが多い |
需要が安定しているか? | 職人の高齢化が顕著で、職人不足から需要が増加 |
技術の習得が比較的容易か? | 技術の習得には時間がかかり、特に高度な技術を身につけるには長期間の訓練が必要 |
左官も独立しやすい建設業の一つに挙げられます。
左官とは、こてを使って建物の壁や床、天井などの表面を仕上げる職人のことです。
左官には、以下のような仕事があります。
左官の主な仕事
- 下地塗り:コンクリートの表面を磨き、下地を整える
- 仕上げ塗り:漆喰や珪藻土、モルタルなどの材料を使用して壁や床を塗り上げる
- タイル貼り:壁や床にタイルを貼る
- ブロック・レンガ積み:コンクリートブロックやレンガを積み、壁や階段を作る
左官が独立に向いている一番の理由は、将来的に需要が見込める点です。
引用:国土交通省「建設業及び建設工事者の現状」P5
将来的に最も職人が不足しやすい職種であり、今から高い技術を身につければ、将来的に建設業界で重宝される可能性があります。
クロス職人
一人作業が可能か? | 壁紙の施工など、多くの場合一人で作業が完結できる |
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初期投資が比較的少ないか? | 高額な機械を必要とせず、安価で始められる |
需要が安定しているか? | 住宅なら必ず壁紙は使われるので、需要が多い |
技術の習得が比較的容易か? | 建設業の中では、短い期間で技術が習得できる |
クロス職人も比較的独立が容易な職種として知られています。
クロス職人は壁紙を貼り、建物の内装仕上げを専門とする職種です。
クロス職人には、主に以下のような仕事があります。
クロス職人の主な仕事
- 壁紙の選定と計測
- 下地処理:壁のパテ処理やサンダー掛け
- クロス加工と施工:クロスカットや糊付け、貼り付け
独立する上で、クロス職人がおすすめできる最も大きな理由として、他の職種よりも短期間で技術が習得できる点です。
クロス職人は2〜3年で技術が習得でき、独立可能なレベルになるまでには4〜5年程度の期間が必要だと言われています。
「なるべく短期間で独立したい」という方には、クロス職人がおすすめです。
塗装業
一人作業が可能か? | 外壁・内壁塗装のどちらも、一人で作業できる場合が多い |
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初期投資が比較的少ないか? | ハケやローラー、スプレーガンなど初期投資が少なく、材料も塗料のみで安価 |
需要が安定しているか? | 住宅などの建物以外にも、公共構造物の定期的な補修などの需要もある |
技術の習得が比較的容易か? | 建設業の中では、独立するまでにかかる期間は短い傾向にある |
塗装業も独立しやすい建設業の一つに数えられます。
塗装業とは、建物の表面に塗料を塗布する専門家です。
塗装業の主な仕事は以下の通りです。
塗装業の主な仕事
- 下地処理:塗装面の清掃や研磨、補修
- 適切な塗料の選択
- 塗装作業
塗装業が独立を考えた上でおすすめできる大きな理由が、建物以外にも、多くの公共構造物の修繕に塗装業が欠かせない点にあります。
他の職種と違って、国や地方自治体が依頼主となる可能性も高く、多くの需要が見込まれます。
建設業で独立するために必要なこと
建設業で独立するために、必要なことは以下の通りです。
建設業での独立に必要なこと
- 職人としての高い技術力や実務経験を積む
- 専任技術者になるための資格を取得する
- 独立するための資金を貯める
- 仕事を受注するための人脈を築く
建設業で独立し生計を立てるには、ある程度の準備は必須です。
建設業で独立するために必要なことを詳しく解説するので、独立を考えている方は参考にしてください。
職人としての高い技術力や実務経験を積む
建設業として独立するためには、職人としての技術や経験を積まなくてはなりません。
未経験から独立を考える場合、建設関係の企業に就職して実務経験を積む必要があります。
独立を考えた場合、以下のような企業に就職するようにしましょう。
独立をするために就職すべき企業の特徴
- 技術者育成制度が確立されている
- 様々な規模や種類の工事を手掛け、幅広い経験を積める
- 経営や営業のスキルも学べる
- 資格習得を支援してくれる
独立するための技術力や経験を身につけるまでの期間は、職種によっても異なりますが、ある程度まとまった期間が必要です。
独立までには10年以上の経験が必要となる場合も多く、企業に就職し地道に技術力や経験を積むのが大切になります。
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専任技術者になるための資格を取得する
専任技術者になるための資格を習得すると、独立後も安定して仕事ができる可能性が高くなります。
専任技術者の資格は、建設業許可の取得に必要な法的要件の一つになるからです。
建設業許可とは、一定の規模を超える建設工事を請け負う際に必要な法的許可です。
建設業許可は、以下のような場合に必要となります。
建設業許可が必要な場合
- 建築一式工事で1件1,500万円以上、または延べ面積150平方メートル以上の木造住宅の工事
- その他の工事で1件500万円以上の工事
上記の金額未満の軽微な工事であれば、建築許可は不要です。
ただし、顧客や取引先からの信頼を獲得するためにも、独立する際には建築許可を取得しておくのがおすすめです。
建設業許可を取得するためにも、独立前に専任技術者になるための資格を取得するようにしましょう。
専任技術者になるための要件
専任技術者になるためには、一定の資格や実務経験が必要です。
専任技術者になるための要件 | |
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資格や実務経験に関する要件 | 詳細な内容 |
建設業種ごとに定められた国家資格の保有 | ・1級・2級土木施工管理技士(土木一式工事) ・1級・2級建築士(建築一式工事) ・1級・2級電気工事施工管理技士(電気工事) など |
一定の学歴と実務経験の組み合わせ | ・高等学校または中等教育学校の指定学科卒業後、5年以上の実務経験 ・大学・短期大学・高等専門学校の指定学科卒業後、3年以上の実務経験 |
実務経験のみ | 該当する建設業種で10年以上の実務経験 |
独立して建設業許可を取得するためには、専任技術者になるための資格や実務経験に関する要件を満たさなくてはいけません。
独立するための資金を貯める
建設業で独立するためには、ある程度まとまった資金を貯める必要があります。
建設業で独立するために主に必要な費用
- 会社の設立費用
- 設備資金:車両や工具、事務機器の購入など
- 事務所の賃貸のための賃料
- 運転資金:材料費など
独立時には仕事がなかなか受注できない可能性もあるので、当面生活できるだけの資金を用意するのも重要です。
中古の車両や工具を購入したり、自宅を事務所にするなど費用を抑える工夫もできますが、余裕を持った資金計画を立てるようにしましょう。
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仕事を受注するための人脈を築く
独立する前に、積極的に人脈を築いておくのが非常に重要になります。
築いた人脈から仕事を受注できるケースも少なくないからです。
独立前に人脈を築くには、以下のような方法があります。
独立前に人脈を築く方法
- 現場で同僚や取引先との良好な関係を築く
- 業界の集まりや異業種交流会に積極的に参加する
- SNSやホームページで、仕事の実績をアピールする
- 地域イベントに参加する
独立後すぐに仕事を受注するためには、独立前から意識して人脈を築くのが大切です。
独立して成功するかどうかは、独立前の人脈作りにかかっていると言っても過言ではありません。
また、建築業での転職で職場を変えることで人脈を広げる手段もあります。
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建設業の独立準備にはGATEN職がおすすめ
建設業には独立しやすい職種と独立しにくい職種があります。
建設業で独立するなら、以下の職種を選ぶのがおすすめです。
建設業で独立しやすい職種
- 大工
- 左官
- クロス職人
- 塗装業
建設業で独立すれば、自分のペースで仕事をしながら、より高い収入を得られる可能性があります。
しかし、建設業で独立するためには、事前に準備を進めるのが大切です。
未経験からまずは働きながら建設業のスキルを身につける、経験はあるが今よりスキルアップを目指せる職場へ転職するというのも、独立を成功させるための方法の一つです。
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