肉体労働と聞くと、「きつい」「体力的に大変そう」といったイメージを持つ人も少なくありません。
建設に関する情報を掲載する BuildApp Newsによると、建設・仮説業界に対して「朝から夜まで肉体労働」といったハードなイメージを持つ方が2人に1人いることがわかりました。

肉体労働は体を動かすことが好きな人や、達成感を重視する人にとっては、大きなやりがいや楽しさを感じられる仕事です。
反対に、体力に自信がない方や年齢を重ねた方、身体的負荷を避けたい方にとっては不向きです。
どの仕事にも言えることですが体質や性格によって向き・不向きがはっきり分かれるため、本記事では肉体労働が向いている人・向いていない人の特徴を整理し、メリット・デメリットを分かりやすく解説します。
- 肉体労働が向いている人・向いていない人の特徴
- 肉体労働で働くメリット・デメリット

「体力に自信がある」「肉体労働で働きたい」といった方はGATEN職がおすすめです。
GATEN職では建設・土木・運送といったガテン系職種に特化した求人を多数掲載しているため効率的に自分に合った仕事や職場を見つけられます。
関連記事:おすすめの現場仕事を理由別に紹介!向いてる人・向いていない人の特徴も解説
肉体労働が向いている人の特徴・体質
以下の特徴や体質に当てはまる人は肉体労働が向いている可能性が高いです。
体力の回復が早い人
肉体労働に向いている人の代表的な特徴が疲れても体力の回復が早い体質の方が挙げられます。
たとえば建設業・製造業・物流業といった肉体労働の仕事では日々の作業で筋肉疲労が蓄積しますが、回復力が高い人は翌日に疲れを持ち越しにくく、安定したパフォーマンスを維持できます。
また筋肉量が多い人は基礎代謝が高く、疲労物質の除去も早い傾向があるためもともと筋肉量のある方や鍛えている方であれば継続しやすいでしょう。

一般的に肉体労働が若年層や日常的に運動習慣のある人が肉体労働に適応しやすいのは、この回復力の差が大きな要因です。
つまり、肉体労働のようなハードな仕事は20代~30代など若手のほうが向いています。
体を動かすことが好きな人
肉体労働に向いているのは、体を動かすことが好きな人やストレスに感じない人が挙げられます。
厚生労働省のデータによると、身体活動・運動の量が多い者は循環器病、2型糖尿病、がんの予防だけではなく、うつや不安の症状が軽減されるとともに思考力、学習力、総合的な幸福感を高められるとされています。
肉体労働を「きつい」と感じるか「スッキリする」と感じるかは個人差がありますが、体を動かすことで気分転換できる人ほどストレスなく長く続けやすいといえます。
代表的な肉体労働として挙げられる仕事には以下のものが挙げられます。
肉体労働の代表例
- 配送
- 土木・建築系
- 倉庫作業 など
単調作業やルーティンが苦ではない人
肉体労働は作業内容がある程度ルーティン化されている職種が多いのも特徴です。
そのため、「同じ作業をコツコツ続けることが苦にならない人」は非常に向いています。
たとえば、ルーティン作業のある肉体労働には以下のものが挙げられ、体力も必要ですが覚えれば単純作業が多いのでねらい目です。
ルーティン作業の多い肉体労働の代表例
- 工場・製造ライン作業…製品の組み立て、部品の検品、機械への材料投入など、作業手順を覚えれば迷いが少なく、集中して取り組めるのが特徴
- 倉庫・物流作業…ピッキング(商品を集める)、仕分け、梱包、積み下ろしなど、日々同じ流れで進む作業が中心
- 清掃業務…オフィスビル、商業施設、病院などでの清掃は決められた場所・手順を毎日繰り返す作業が多い
- 建設・土木の補助作業…資材運び、片付け、清掃など、現場ごとに役割はあるものの、個人の作業内容はルーティン化されていることが多い
肉体労働が向いていない人の特徴・体質
以下の特徴や体質に当てはまる人は肉体労働が向いていない可能性が高いため、もし当てはまる方はほかの仕事か肉体労働でも比較的負担の少ない仕事を検討することをおすすめします。
体力の回復が遅く、疲労を翌日まで引きずりやすい人
肉体労働は業務中だけでなく仕事後の回復力も重要になります。
先にも述べたように回復が早い人は肉体労働向きですが、一方で体力の回復が遅い人は十分に休んでも疲れが抜けにくく、慢性的な疲労状態に陥りやすい可能性が高いです。
特に筋肉痛や関節痛が長引く体質の場合、日々の業務が負担となり、パフォーマンス低下やケガのリスクも高まります。
厚生労働省でも業務による疲労の蓄積が労働者の健康状態の低下(脳・心臓疾患、精神障害など)を引き起こす可能性を指摘しており、これが離職の理由となりうることを示しています。
たとえば60代以上の高齢になり回復力が追いつかない状態が続くと、心身の不調につながるため、肉体労働は不向きと言えるでしょう。
実際、労働政策研究・研修機構の「60代の雇用・生活調査」によると、60~64歳の就業状況は以下の通りとなり、農林業や建設業といった肉体労働者は圧倒的に少ないことがわかります。
60~64歳の就業状況(職種別)
- 専門的・技術的な仕事:24.2万人
- 事務的な仕事:10.6万人
- サービスの仕事:15.5万人
- 農林・漁業の仕事:0.8万人
- 建設・採掘の仕事:2.5万人
環境変化の影響を受けやすい人
肉体労働の多くは、屋外作業や空調管理が難しい現場で行われるため、屋内での作業よりも直接的に気温・湿度・天候の影響を強く受けます。
とくに肉体労働のなかには屋外作業や空調の効かない現場も少なくなく、暑さに弱い人は熱中症リスクが高く、寒さに弱い人は筋肉のこわばりや体調不良を起こしやすくなるおそれがあります。
総務省の「熱中症による救急搬送状況」では住居に続き、道路工事現場・工場・作業所などの仕事場のほかに、公衆(屋外)の割合が高いことがわかります。

つまり建設・屋外作業従事者のような肉体労働者はデスクワーク中心の仕事と比べると熱中症リスクが高いといえます。
とくに環境要因に体調が左右されやすい体質の場合、集中力や作業効率が落ちやすく、安全面でも不利になります。
思わぬ事故につながるリスクもあるため、気温や天気に左右されやすい体質の人は屋内での作業や仕事を選ぶことをおすすめします。
もし体力に自信がある方であれば、飲食店スタッフ、販売員、警備員(施設内)、清掃員、工場作業員、倉庫作業員(仕分け・梱包)、介護士、引越し作業員(屋内搬入)、ホテルスタッフ(館内業務)などの屋内の肉体労働を選ぶのもひとつです。
上記の仕事は未経験でも始めやすく、適度に体を動かせるため持久力がある方であればストレスを感じにくいでしょう。
単調な作業や身体的負荷が強いと精神的に消耗しやすい人
肉体労働は同じ動作を繰り返すルーティン作業が多く、身体だけでなく精神的な耐性も求められます。
単調な作業が続くと強いストレスを感じる人や体のきつさが気になって気持ちが落ち込みやすい人は、仕事そのものが苦痛になりやすい傾向があります。
また肉体労働の伴う仕事は残業など長時間労働になることも多く、厚生労働省のデータによると週60時間以上の長時間労働が続いた場合、「メンタルヘルスに悪影響を及ぼす」割合が高いことが示されています。

精神的な疲労が蓄積すると、モチベーション低下や離職につながるため、変化や達成感を重視する人には肉体労働は不向きと言えるでしょう。
関連記事:20代男性におすすめのきつくない仕事ランキング!精神的に楽な仕事や仕事がきつい時の対処法も紹介
体を動かせて楽しい?肉体労働のメリット
肉体労働は体を動かすことが好きな人や達成感を重視する人にとってはおすすめの仕事です。
ここでは、肉体労働に就くメリットについていくつかご紹介します。
体を動かすことで健康維持につながる
肉体労働の大きなメリットは、日常的に体を動かすことで運動不足を解消できる点です。
現代ではデスクワーク中心の生活により、肥満や生活習慣病が問題視されていますが、肉体労働では歩行・持ち上げ・屈伸といった動作が多く、自然に身体活動量が増えます。
厚生労働省も「身体活動量が多い人ほど、心疾患や糖尿病の発症リスクが低い」と示しており、仕事そのものが健康管理につながるのは大きな利点です。
ちなみに厚生労働省が示す成人に対する個人の対策としては以下のものを提示しています。
成人に対する対策
- 日頃から「散歩」、「早く歩く」、「乗り物やエレベータを使わずに歩くようにする」など意識的に身体を動かしましょう
- 1日平均1万歩以上歩くことを目標に
- 週2回以上、1回30分以上の息が少しはずむ程度の運動を習慣に
- 最初の運動としてはまずウォーキングから
運動のために時間を確保する必要がなく、働きながら体力を維持できる点は肉体労働ならではの魅力といえます。
成果が目に見え、達成感を得やすい
肉体労働は「作業が終わる」「モノが完成する」「現場が片付く」など、成果が目に見えやすい仕事が多いのが特徴です。
そのため、仕事の手応えを感じやすく、達成感を得やすい傾向があります。
デスクワークでは成果が数値や評価として表れるまで時間がかかることもありますが、肉体労働では一日の終わりに「今日もやり切った」という実感を得やすい点が精神的な満足感につながります。
体を動かすことでストレス発散にもなり、考え込まずにリフレッシュできるという声も多く、気持ちの切り替えがしやすい仕事といえるでしょう。
ちなみにノルマが苦痛に感じる場合、ノルマが比較的少ない肉体労働を選ぶのもひとつです。
ノルマの少ない仕事
- 警備員
- 清掃員
- 軽作業
- ビルメンテナンス
- 介護士 など
未経験・学歴不問で始めやすい
肉体労働の多くは、特別な学歴や専門知識を必要とせず、未経験から始められる点が大きなメリットです。
建設、製造、物流、清掃などの分野では、研修やOJTを通じて仕事を覚えられる環境が整っているケースが多く、社会人経験が浅い人や転職回数が多い人でも挑戦しやすい傾向があります。
また、資格取得によって昇給や職域拡大につながる仕事も多く、働きながらスキルを身につけられる点も魅力です。
「まずは働いて収入を得たい」「早く仕事に就きたい」という人にとって、間口の広さは大きな強みといえます。
未経験でも始めやすいおすすめの肉体労働
- 建設
- 製造
- 物流
- 清掃
関連記事:無資格でも稼げる仕事10選!資格なしでの転職を成功させるコツも解説
努力次第で収入を増やしやすい
肉体労働の中には、残業・夜勤・繁忙期の手当などにより、働いた分が収入に反映されやすい職種が多くあります。
特に建設業や物流業では、体力や経験が評価され、現場を任されることで収入アップにつながるケースも少なくありません。
デスクワークのように成果が見えにくい評価制度とは異なり、「頑張った分だけ稼げる」という実感を持ちやすい点が特徴です。
したがって短期間で貯金をしたい人や、体力に自信がある若年層にとっては、肉体労働は現実的かつ即効性のある収入手段といえます。
夜勤のある肉体労働の例
- 工場
- 運送
- 建設
- 清掃 など
ただし肉体労働の夜勤は、工場、運送、建設、清掃などで多く、体力と精神力が必要で、 生活リズムの乱れや疲労の蓄積が大きいの健康管理には注意が必要です。
夜勤は体調管理が得意な夜型人間や比較的若手の体力自慢な人に向いています。
関連記事:稼げる体力仕事おすすめランキング!未経験でも高収入を目指せる体を動かす仕事を紹介
体力勝負できつい?肉体労働のデメリット
肉体労働は体力に自信がない方や年齢を重ねた方、身体的負荷を避けたい方にとっては不向きです。
ここでは、肉体労働のデメリットについていくつかご紹介します。
体への負担が大きく、ケガや不調のリスクが高い
肉体労働は、重い物を持つ・長時間立ち続ける・中腰姿勢が多いなど、身体への負担が大きい仕事が少なくありません。
厚生労働省の労災統計では墜落や転落、はさまれ、崩壊、倒壊などが多く、建設業はそれらのリスクが高い仕事だといえます。

特に未経験者は身体の使い方に慣れておらず、事故につながる可能性が高いです。
特に腰・膝・肩は慢性的な痛みを抱えやすく、若いうちは問題なくても年齢を重ねるにつれて負担が蓄積されるケースが多いです。
体調不良が続くと働き続けること自体が難しくなるため、長期的なキャリアを考えると不安要素になりやすい点は大きなデメリットといえます。
年齢を重ねるほど続けにくくなる
肉体労働は体力が大きくものをいう仕事が多く、年齢とともに続けにくくなる傾向があります。
体力や回復力は加齢とともに低下するため、若い頃と同じペースで働くことが難しくなり、作業効率の低下やケガのリスク増加につながります。
現場によっては「若い人が優先されやすい」「体力的に厳しい人は仕事が減る」といった現実もあります。
その結果、将来的な収入減少や配置転換の不安を抱えることになりやすく、長期的な安定を求める人にとっては不安材料になりがちです。
ちなみに厚生労働省のデータによると、男女合計・全年齢における平均年齢は43.7歳で勤続年数は12.3年となっており、そのうち「建設業」に業種を絞った時の平均年齢は45.0歳で勤続年数は12.8年となっています。
現場仕事で長く働きたい人がチェックすべきポイント
- 会社の規模や経営状態
- 職種
- 会社の環境(教育制度・働きやすさ・待遇など)
- 従業員の平均勤続年数の長さ
労働環境が厳しい職場が多い
肉体労働は体力が大きくものをいう仕事が多く、体力や回復力が衰えると健康な頃と同じペースで働くことが難しくなり、作業効率の低下やケガのリスク増加につながります。
厚生労働省の「労働災害動向調査」でも、建設業や製造業は労働災害派生状況が高いことがわかります。

参照:労働災害発生状況
また現場によってはパワハラや長時間労働を強いられる現場もあるため、けがや病気をしてしまうと長く働くのは難しくなります。
その結果、将来的な収入減少や配置転換の不安を抱えることになりやすく、長期的な安定を求める人にとっては不安材料になりがちです。
キャリアの選択肢が狭くなりやすい
肉体労働は実務経験が評価される一方で、事務職や専門職への転職に直結しにくい場合があります。
業務内容が体力や作業スキルに依存するため、年齢や体調の変化によって仕事を続けられなくなると、次のキャリアを考え直さなければならないケースもあります。
また、資格やマネジメント経験がない場合、昇進や職域拡大が限定的になりやすいのも現実です。
将来的に働き方を変えたいと考えている人にとっては、早い段階からスキル習得やキャリア設計を意識しないと行き詰まりやすい点がデメリットといえるでしょう。
もし肉体労働経験者で負担を減らしたいのであれば,以下の仕事であれば経験を活かしやすいのでおすすめです。
肉体労働経験者におすすめの転職先
- 施工管理
- 配送ドライバー
- 警備員
- 製造業
- 営業職
- 事務職 など
肉体労働はきついだけじゃない!楽しみながら働ける仕事を見つけよう
肉体労働は体力的な負担が大きい一方で、体を動かす爽快感や成果が目に見える達成感を得られる魅力的な仕事でもあります。
体力に自信のある方や短期間で稼ぎたい方、屋外での作業でも苦に感じない方向きです。
一方、体力がない方や身体が丈夫でない方、疲れやすい方にはおすすめしません。
また向いている方であっても体調管理や体力面での無理のしすぎには注意が必要です。
大切なのは「きついかどうか」だけで判断するのではなく、自分の性格や体質、価値観に合っているかを見極めることです。
仕事内容や働き方を工夫すれば、肉体労働でも楽しみながら長く働くことは十分可能です。
自分に合う仕事選びの一歩として、今回の内容を役立ててください。

また「体力に自信がある」「肉体労働で働きたい」といった方はGATEN職を利用するのがおすすめです。
GATEN職では建設・土木・運送といったガテン系職種に特化した求人を多数掲載しているため、効率的に自分に合った仕事や職場を見つけられます。

