現場仕事は「きつい・しんどい」と言われがちですが、その理由は体力面だけではありません。
たとえば暑さ寒さのある環境、人間関係、生活リズムなど、現場特有の要因が重なって負担を感じる人もいます。
一方で、同じ現場仕事でも「思ったより楽」「自分には合っている」と感じる人もいます。
重要なのは、現場仕事の大変さを正しく理解し、自分に合うかどうかを見極めることです。
本記事では、現場仕事がきついと言われる理由を整理したうえで、比較的体力的に楽な現場仕事や向いている人・向いていない人の特徴を分かりやすく解説します。
- 現場仕事がきつい・しんどいと言われる理由
- 現場仕事の中でも体力的に楽な仕事

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現場仕事がきつい・しんどいと言われる理由7選
現場仕事がきつい・しんどいと言われる理由には以下のものが挙げられます。
体力的な負担が大きいから
現場仕事は、長時間の立ち作業・重量物の運搬・中腰姿勢など、身体への負荷が大きい作業が多くデスクワークの仕事に比べると「きつい」と感じやすい仕事です。
厚生労働省の「労働災害動向調査」でも、建設業や製造業は労働災害派生状況が高いことがわかります。

参照:労働災害発生状況
特に未経験者は身体の使い方に慣れておらず、事故につながる可能性が高いです。
ただし、慣れや作業分担・機械化によって負担が軽減される現場も増えているため、すべての現場仕事に当てはまるというわけではありません。
暑さ・寒さなど作業環境が厳しいから
屋外作業や空調の効かない現場では、夏の猛暑や冬の寒さが直接体に影響します。
総務省の「熱中症による救急搬送状況」では住居に続き、道路工事現場・工場・作業所などの仕事場のほかに、公衆(屋外)の割合が高いことがわかります。

建設・屋外作業従事者は熱中症リスクが高い職種に含まれています。
天候に左右される環境は精神的にも負担になりやすく、「毎日快適に働けない」点がしんどさにつながります。
近年は空調服や休憩管理の導入が進んでいますが、現場差が大きいのが実情です。
生活リズムが不規則になりやすいから
現場仕事は早朝集合・夜勤・繁忙期の残業などがあり、生活リズムが乱れやすい傾向があります。
建設業は早朝勤務・変則勤務の割合が高い業種とされています。
特に以下の時期は繁忙期とされており、忙しくなることが予想されます。
現場仕事の繁忙期
- 12月~3月(年度末・決算期)
- 9月(中間決算期)
- 工事の開始前(乗り込み時)
睡眠不足や疲労回復の遅れは、身体的なしんどさだけでなく精神的なストレスにも直結します。
規則的な生活を重視する人にとっては、大きな負担に感じやすい要因です。
人間関係が上下関係中心になりやすいから
現場仕事はチーム作業が基本で、職人気質・年功序列の文化が残る職場も多くあります。
たとえば指示が強めだったり、言葉遣いが荒く感じられたりすることが「精神的にきつい」と言われることがあります。
厚生労働省の「労働者のメンタルヘルスに関する現状」でも仕事内容や事故を抑えて、パワハラなど人間関係は離職理由の上位に挙げられています。

参照:精神障害の労災補償状況
ただし近年は若手定着のため、ハラスメント対策や職場改善に取り組む企業も増えています。
ケガや事故のリスクがあるから
現場仕事は高所作業・重機・工具を扱うため、常に一定の危険が伴います。
厚生労働省の労災統計では墜落や転落、はさまれ、崩壊、倒壊などが多く、建設業はそれらのリスクが高い仕事だといえます。

この「常に注意が必要な状態」が精神的な緊張を生み、しんどさにつながります。
ただし、安全教育や保護具の徹底により、事故発生率は年々減少傾向にあり、企業の安全意識による差も大きいです。
将来が見えにくいと感じる人がいるから
現場仕事は「体力勝負」「年齢を重ねると厳しい」というイメージから、将来不安を感じやすい仕事でもあります。
実際には、資格取得や管理職へのステップアップで長く働けるケースも多いですが、その仕組みを知らずに働くと「ずっときついまま」と感じやすくなります。
キャリアパスが明確でない職場ほど、精神的にしんどさを感じやすい傾向があります。
現場仕事は都市開発などで仕事が途切れないとされていますが、キャリアアップしたいなら以下の方法を試してみるのもひとつです。
現場仕事でキャリアアップする方法
- 建設機械操作、施工管理などの資格取得で専門性を高める
- 独立して高収入を目指す
- 平均収入の高い(土木作業員など)現場仕事の職種につく
努力が評価されにくいと感じる場面があるから
現場仕事は成果が見えにくく、「頑張っても評価されない」と感じる人もいます。
特に下積み期間が長い職種では、給与や役割の変化を実感しにくく、モチベーションが下がりやすいです。
厚生労働省の「働く人の意識と社会の課題」によると、離職理由として「評価・賃金への不満」は一定割合を占めています。

参照:働く人の意識と社会の課題
評価制度が整っていない現場ほど、働く期間が長くなればなるほどきつさを感じやすいと言えるでしょう。
厚生労働省「令和5年賃金構造基本統計調査の概況」によると、現場仕事を含む建設業の平均月給は36万4,100円、1年に換算すると436万9,200円となっています。
一般労働者(短時間労働者以外の常用労働者)の賃金は約381万9,600円となっているので、建設業の平均賃金は一般労働者の平均賃金よりも高いことが分かります。
さらに高い年収を希望する場合、就職・転職活動時に待遇面や給与面を比較検討しておくことをおすすめします。
現場仕事の中でも体力的に楽な仕事
現場仕事が体力的にきついと感じる人は、現場仕事の中でもそこまで体力が求められない仕事を選ぶのもひとつです。
ここでは、現場仕事の中でも体力的に楽な仕事についていくつかご紹介します。
ビル管理・設備点検スタッフ
ビル管理・設備点検スタッフは、現場仕事の中でも体力的負担が少ない代表的な職種です。
主な業務は、商業施設やオフィスビル内を巡回し、電気・空調・給排水設備などに異常がないかを点検すること。
重い資材を運ぶ作業や長時間の中腰作業は少なく、建設作業員や解体作業員と比べて腰痛や筋肉疲労のリスクが低いとされており、作業内容がルーティン化されているため、精神的な消耗も比較的少ない点が特徴です。
夜勤がある職場もありますが、その場合は待機時間が長く、実作業が少ないケースも多く、夜勤手当による収入アップも見込めます。
| 特徴 | |
|---|---|
| 年収 | 300〜500万円 |
| 未経験からの就職難易度 | ○ |
| 正社員へのなりやすさ | ◎ |
| 必須の資格 | とくになし |
| あると有利な資格 |
|
| 特におすすめな人の特徴 |
|
警備員
施設警備は、体力的に楽な現場仕事として非常に人気があります。
業務内容は、商業施設・病院・オフィスビルなどでの巡回、出入り管理、モニター監視などが中心です。
力仕事はほとんどなく、立哨(立って警備する)も短時間で交代制の場合が多いため、肉体的負担は限定的です。
特に施設警備は屋内勤務が多く、天候の影響を受けにくい点も体力的に楽とされる理由です。
また、仕事内容がマニュアル化されており、突発的な対応が少ないことから精神的な消耗も抑えられます。
中高年・未経験からの再就職先として選ばれる割合が高く、体力に自信がない人でも続けやすい仕事であることが分かります。
| 特徴 | |
|---|---|
| 年収 | 約300〜450万円 |
| 未経験からの就職難易度 | ◎ |
| 正社員へのなりやすさ | ○ |
| 必須の資格 | とくになし |
| あると有利な資格 | 交通誘導警備2級/施設警備2級 |
| 特におすすめな人の特徴 |
|
工場作業員
工場作業員の中でも、検品・梱包・軽組立といった工程は、体力的に比較的楽な現場仕事に分類されます。
近年の工場では自動化・機械化が進み、重い物を人力で扱う場面が大幅に減少しています。
作業はマニュアルに沿って行うため、身体を酷使する場面は少なく、一定のリズムで働ける点が魅力です。
立ち作業が中心ではあるものの、ライン速度や作業内容が調整されている職場も多く、体力に合わせた配置が可能なケースもあります。
また、空調完備の工場が多く、暑さ・寒さの影響を受けにくい点も体力的負担を軽減する要因です。
| 特徴 | |
|---|---|
| 年収 | 300〜500万円 |
| 未経験からの就職難易度 | ◎ |
| 正社員へのなりやすさ | ◎ |
| 必須の資格 | とくになし |
| あると有利な資格 |
|
| 特におすすめな人の特徴 |
|
清掃スタッフ
清掃スタッフの中でも、オフィスビルや商業施設に常駐する日常清掃は、体力的に比較的楽な現場仕事です。
業務内容は、床清掃・トイレ清掃・ゴミ回収など決まったルーティン作業が中心で、重量物の運搬や無理な姿勢を長時間続けることは少なめです。
実際、年齢・性別を問わず働ける現場が多く、作業時間も短めに設定されているケースが多いです。
また、夜間清掃や早朝清掃であれば人と接する機会が少なく、精神的ストレスも軽減されます。
「無理なく長く続けられる現場仕事」を探している人にとって、非常に現実的な選択肢といえるでしょう。
| 特徴 | |
|---|---|
| 年収 | 300〜400万円 |
| 未経験からの就職難易度 | ◎ |
| 正社員へのなりやすさ | 〇 |
| 必須の資格 | とくになし |
| あると有利な資格 |
|
| 特におすすめな人の特徴 |
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関連記事:20代男性におすすめのきつくない仕事ランキング!精神的に楽な仕事や仕事がきつい時の対処法も紹介
現場仕事に向いている人の特徴
以下の特徴に当てはまる人は現場仕事に向いている可能性が高く、比較的きついと感じにくいでしょう。
体を動かすことに抵抗がなく、健康管理ができる人
現場仕事はデスクワークに比べて体を動かす時間が長く、歩く・運ぶ・立つといった動作が日常的に発生します。
そのため、運動が得意である必要はありませんが、「体を動かすこと自体が苦痛ではない人」は現場仕事に非常に向いています。
特に建設・設備・物流系の現場では、一定の体力を前提とした作業が多く、身体を使うことで集中力を保てるタイプの人は仕事の疲労感を感じにくい傾向があります。
特に体力的にきついとされる現場仕事
- とび職
- 鉄筋工
- 解体工
- 施工管理など
また、現場仕事を長く続けている人ほど、睡眠・食事・体調管理を意識しているケースが多いのも特徴です。
「体を使う仕事=きつい」というイメージではなく、「体を動かすことで調子が整うタイプ」の人にとって、現場仕事は非常に相性の良い働き方といえます。
指示を素直に聞き、チームで動ける人
多くの現場仕事は、個人プレーではなくチームワークが前提です。
建設現場や工場、設備点検などでは、工程・安全・役割分担が明確に決められており、指示に従って行動することが求められます。
自己流にこだわらず素直に上司の指示を聞く姿勢を持つ人は、未経験でも評価されやすい傾向があります。
特に現場では、安全確保が最優先事項であり、国土交通省のデータでも事故の多くは「コミュニケーション不足」に起因する作業手順の不備や独自の判断とされています。
現場仕事でよくある事故
- 墜落・転落事故
- 滑り
- 踏み外し
- 自分の動作の反動
人間関係がシンプルで上下関係が明確な現場も多いため、チームで同じ目標に向かって動くことにやりがいを感じる人には向いています。
コツコツ継続することが得意な人
現場仕事は、毎日劇的な変化がある仕事ではありません。
点検、清掃、組立、搬入など、同じ作業を正確に繰り返す業務も多く、「地道な積み重ね」が評価される世界です。
そのため、派手な成果よりも、安定した作業を継続できる人は現場仕事で重宝されます。
実際、工場作業員やビル管理、警備といった職種では、勤続年数が長い人ほど評価が高く、昇給や責任あるポジションにつながるケースが多いです。
ちなみに厚生労働省のデータによると、男女合計・全年齢における平均年齢は43.7歳で勤続年数は12.3年となっており、そのうち「建設業」に業種を絞った時の平均年齢は45.0歳で勤続年数は12.8年となっています。
現場仕事で長く働くには
- 会社の規模や経営状態
- 職種
- 会社の環境(教育制度・働きやすさ・待遇など)
- 従業員の平均勤続年数の長さ
関連記事:現場仕事に向いてる人の特徴!現場で働くメリットも解説
現場仕事に向いていない人の特徴
反対に現場仕事に向いていない人の特徴は以下の通りです。
現場仕事に向いていない人の特徴に当てはまる人は別の仕事を検討するか、事務系の仕事をするのもおすすめです。
体力的な負担に強いストレスを感じやすい人
現場仕事は職種によって差はあるものの、立ち作業・屋外作業・移動が多いなど、一定の身体的負担が避けられません。
そのため、少し体を動かすだけで強い疲労感やストレスを感じてしまう人には、長期的に続けるのが難しい場合があります。
特に、腰痛・関節痛を抱えている人や体調の波が大きい人は、現場仕事が負担になりやすいので避けることをおすすめします。
体力が不安な人は、デスクワーク中心の仕事や、在宅勤務ができる職種を検討した方が、結果的に長く安定して働けるでしょう。
体力がない人におすすめの仕事
- 事務職
- 受付
- 軽作業(座り仕事)
- 経理
- コールセンター など
自分のペースや裁量を最優先したい人
現場仕事は、工程・時間・役割があらかじめ決められており、「自分の好きなタイミングで作業する」ことは基本的にできません。
集合時間や作業順序、休憩時間も現場全体で統一されているため、自分のペースで働きたい人や一人の時間が欲しいといった方には向いていない可能性が高いです。
たとえばクリエイティブ職やフリーランス的な働き方に慣れている人は、現場特有のルールや上下関係にストレスを感じるケースがあります。
現場仕事は「全体最適」を重視する文化が強いため、個人裁量を最優先したい人は独立するのもひとつです。
独立しやすい現場仕事
- 配管工
- 大工
- 塗装屋
- クロス職人
- ユニットバス職人
関連記事:独立しやすい仕事【建設業の職人編】おすすめ6選!一人親方として独立しやすい仕事の特徴も解説
コミュニケーションをとるのが苦手な人
現場仕事は黙々と作業するイメージを持たれがちですが、実際には作業の確認、安全確認、引き継ぎなど、口頭でのやり取りといったコミュニケーションが必須です。
そのため、人と話すこと自体を強く避けたい人やコミュニケーションが苦手な人にとっては負担になる場合があります。
特に建設・設備系の現場では、声かけや合図が安全確保に直結し、逆にコミュニケーションが不足すると事故にもつながります。
ほかにも現場仕事は天候・工程・人員配置などによって日々状況が変わったり、予定変更や急な対応が発生することもあり、環境の変化に弱い人はストレスを感じやすい傾向にあります。
ルーティン作業が好きな人におすすめの仕事
- 一般事務
- 軽作業
- 工場作業員
- ビルメンテナンス
- 清掃
- 配送ドライバー など
現場仕事がきつい・しんどいと言われる理由は体力面が原因!負担が少ない職種に転職するのもひとつ
現場仕事がきつい・しんどいと言われる最大の理由は、「仕事内容そのもの」よりも環境や向き不向きのミスマッチにあります。
確かに体力を使う仕事は多いですが、全てが過酷なわけではなく、点検・管理・補助業務など比較的負担の少ない現場仕事も存在します。
また、体を動かすことが苦にならず、チームで働くのが好きな人にとっては、現場仕事は安定して長く続けられる仕事です。
大切なのは「現場仕事=きつい」と一括りにせず、自分の性格・体力・価値観に合った職種を選ぶことです。
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