配管工として独立を考えているけれど「本当にやっていけるのか」「安定して稼げるのか」と不安を感じている人もいます。
一方、配管工の有効求人倍率は10.83倍と建設業界の中でも需要が高く、独立しやすい職種のひとつです。
実際に建設業界では一人親方や個人事業主として活躍している人もおり、経験と技術があれば安定して仕事を得られます。

参照元:一人親方の推計人数|国土交通省
さらに、独立すれば元請けとして仕事を受けられるため、年収アップも十分に可能です。
この記事では、独立の具体的な方法や必要な資格・手続きをわかりやすく解説します。
不安を解消しながら、技術を活かして独立したい人はぜひ参考にしてください。
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配管工とは
配管工とは、建物内外で水やガス、空気などの流れを制御する配管システムの専門職です。
仕事内容は大きく分けて、給水・排水などを扱う衛生配管工と、冷暖房設備や空調機器を扱う空調配管工の2種類に分類されます。
| 分類 | 仕事内容 |
|---|---|
| 衛生配管工 | ・配管の切断・ねじ切り・溶接・接着などの加工 ・スプリンクラーやポンプ、消火設備などの設置 |
| 空調配管工 | ・ボイラーや冷凍機、エアコン、空調機などの機器を設置し、そこへ冷媒管や冷温水管をつなげる ・工場やビルでは大型設備の据え付けやメンテナンスも行う |
どちらも図面をもとに管を切断・ねじ切り・曲げ・溶接などで加工し、継手や弁を使ってつなぎ合わせます。
作業場所は屋内外を問わず、建設現場やビル設備の保守点検、リフォーム現場など幅広いです。
経験を積むと施工だけでなく、資材の手配や作業員の管理を行うこともあり、技術と責任感が問われる専門的な職業といえます。
配管工とは?
独立した配管工の仕事内容
独立した配管工の仕事内容は、現場での配管工事全般に加え、経営者としての幅広い業務をこなす点が特徴です。
現場では、住宅・工場・ビルなどで給水管・排水管・ガス管・空調配管の施工や修理を行い、配管の切断、溶接、接続、圧力試験などを通して設備を安全に機能させます。
特に仕事を獲得するためには、元請け業者や個人顧客との信頼関係の構築が欠かせません。
小規模な配管工事でも責任はすべて自分にあり、技術力に加えて経営力・コミュニケーション力・段取り力が求められるのが独立した配管工の特徴です。
配管工は「辞めとけ」といわれる理由
配管工が「辞めとけ」と言われる主な理由は、肉体的にも精神的にも負担が大きい仕事だからです。
体力面では、重い管材や工具を運び、狭い場所での中腰姿勢や高所作業が多く、腰痛や筋肉疲労を起こしやすい点が挙げられます。
厚生労働省「職場における腰痛予防対策指針」において、重量物の取り扱いは男性は体重の40%まで、女性は体重の24%までが負荷がかからない重さとされています。
たとえば、体重70kgの人が負担にならない重さは28kg程度ですが、配管工では定められている重さよりも重いものを運搬します。
加えて、夏は高温多湿、冬は極寒の中での作業もあり、体力の消耗が激しい職種です。
こうした体力的・精神的な厳しさから「配管工はきつい」「辞めとけ」と言われる要因になっています。
一方、配管工の仕事は人の手で行う作業が多く、AIやロボットがすべての作業を請け負うのは困難です。
今後は新規建設案件だけでなく、公共施設や大型建築物の老朽化に伴い、メンテナンス需要が期待できるため、安定して仕事を続けたい人には適した仕事といえるでしょう。
配管工の年収は約485.9万円
配管工の年収は約485.9万円と、全職種平均の478万円よりも高い傾向にあります。
| 配管工の平均年収と給料 | |
|---|---|
| 配管工の平均年収 | 約485万9,000円 |
| 配管工の平均給料 | 約27万8,000円 |
参照元:配管工-職業詳細|職業情報提供サイト(job tag)
配管工の年収が高い傾向にあるのは、専門性の高い技術職であり、需要に対して人手が不足しているからです。
配管工は、建物の給排水・ガス・空調・消火設備などの命綱となる配管システムを扱うため、施工ミスが許されません。
図面の理解、圧力計算、配管素材の選定、溶接・ねじ加工など、幅広い専門知識と精密な技術が求められる仕事です。
さらに、配管工事は住宅やビルだけでなく、工場やプラント設備などの大規模施設でも不可欠なため、案件の単価が高くなりやすい傾向があります。
こうした背景から、技術を磨いた経験者や資格保有者は高い評価を受け、年収600万円以上や独立後に1000万円を超える人もいるなど、配管工は努力が直接収入に反映されやすい職種となっています。
事実、独立した配管工の日給は22,730円と高水準です。

参照元:全建総連東京都連
22日間勤務した場合、給料は約50万円となり、配管工の平均給料27万円より多くの収入が得られます。
独立した配管工として年収を上げるためには、経験とスキルを積むこと、専門性や資格を持つこと、受注ルートを自分で確保することが鍵となります。
単に独立するだけで高収入になるわけではなく「自分で仕事量・案件をコントロールできる体制」を整えることが収入の幅を大きく左右します。
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配管工として独立する方法・手続き
配管工として独立するには、「個人事業主になる」か「会社を設立する」の2つの方法があります。
独立する場合、初期費用が少なく始めやすい個人事業主としての独立を選ぶ人もいますが、建設業界では会社を設立する選択が多い傾向にあります。

参照元:小規模事業者の類型化
仕事を請け負うためには信頼や人脈が重要である建設業界では、信頼度が高い法人化の独立が好まれています。
以下では、配管工として独立する方法や、独立までの手続きを解説します。
配管工として独立する方法・手続き
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個人事業主になる
配管工として独立する際の一般的な方法が「個人事業主として開業する」ことです。
個人事業主は、税務署に「開業届」を提出するだけで始められ、初期費用がほとんどかかりません。
仕事の受注先は、元請会社からの下請けや個人住宅の修理依頼などが中心で、自分で仕事内容を選択して受注できます。
一方で、収入は安定しにくく、仕事の確保や資金繰りを自分で管理する必要があります。
営業活動や見積作成、材料の仕入れ、請求事務もすべて自分で行うため、経営力が問われる点が難易度の高い部分です。
それでも、経験と人脈があれば挑戦が可能で、初めての独立に適しています。
会社を設立する
「会社を設立して独立する」方法は、事業を本格的に拡大したい配管工に向いています。
法人化により社会的信用が高まり、大手ゼネコンや官公庁の仕事を受注しやすくなる点がメリットです。
また、役員報酬や家族への給与も経費として計上可能で、役員報酬の設定や節税対策の自由度も高くなります。
経営管理能力が求められる分、難易度は高いですが、複数人で事業を拡大したい場合や、安定的に高収入を狙いたい人に向いています。
配管工として独立するための手続き
配管工として独立するための手続方法は、個人事業主と法人化で異なります。
- 税務署へ個人事業の開業届を提出する
- 屋号を決めて事業を開始する
個人事業主の独立は、税務署に「開業届」を出すだけで費用は不要で、以降の手続きも確定申告だけで済むためシンプルです。
一方、会社として独立する場合は、法人登記を行い、正式に会社を設立します。
- 「定款」を作成する
- 公証役場で認証を受ける
- 法務局に登記申請を行う
- 税務署や都道府県税事務所に「法人設立届出書」「青色申告の承認申請書」を提出する
法人化は手間は増えますが、法人税が一定率である点や福利厚生費・役員報酬・交際費など広く経費にできる点が魅力です。
両者ともに配管工事業で請負金額が500万円を超える工事を扱う場合には、県知事から「建設業許可(管工事業)」を取得する必要があります。
配管工の独立に必要な資格
配管工として独立するための、法律上必須の資格はありません。
しかし、より大きな工事を請け負ったり、信頼を得て安定的に仕事を続けたりするためには、資格を持っていると大きな強みになります。
特に「配管技能士」「管工事施工管理技士」の2つは、独立を目指す人にとって取得価値が高い資格です。
配管技能士
配管技能士は、配管作業の知識・技術を証明する技能系資格です。
試験内容は、溶接・ねじ接合・配管図面の読解など実務的な内容が多いため、資格保有者は顧客や元請業者から「知識がある」と信頼性を高められます。
| 級 | 受験条件 | 試験内容 |
|---|---|---|
| 1級 | 実務経験7年以上 | ・学科試験施:工法一般・材料・製図・関係法規・安全衛生 ・実技試験:建築配管作業・プラント配管作業 |
| 2級 | 実務経験2年以上 | ・学科試験:工法一般・材料・製図・関係法規・安全衛生 ・実技試験:建築配管作業・プラント配管作業 |
| 3級 | 実務経験4年以上 | ・学科試験:施工法・一般材料・製図・安全衛生 ・実技試験:建築配管施工法・プラント配管施工法 |
試験は「学科+実技」の構成となっており、特に実技では施工手順や配管の加工・組立てなどの技能が問われます。
全級を総合した合格率はおおよそ40〜60%程度、級別では3級で60〜70%前後、2級・1級では40〜50%程度が目安です。
3級では合格率は高めですが、2・1級になると合格率は低くなるため、現場で経験を積んだ上で過去問対策をおこなう必要があります。
管工事施工管理技士
管工事施工管理技士は、設備・配管・空調などの施工管理において責任ある役割を担う国家資格で、施工計画・品質管理・安全管理など幅広い知識が求められます。
建設業許可(管工事業)を取得する際に「専任技術者」として認められる資格であり、1級または2級があります。
| 級 | 受験条件 | 試験内容 |
|---|---|---|
| 1級 | 実務経験:2級合格後5年以上 | ・学科試験:施工管理法、工程管理、法規、設備施工記述 ・実技試験 |
| 2級 | 年齢が19歳以上の者 | ・学科試験:施工管理法、工程管理、法規、設備施工記述 ・実技試験 |
一次検定の平均合格率は30〜50%前後、二次検定は50〜60%程度です。
試験の難易度は決して低くはありませんが、実務経験を積んで臨めば合格は可能で、独立やキャリアアップを目指す配管工・設備技術者にとって、取得価値の高い資格といえます。
配管工として独立するメリット
配管工として独立する最大のメリットは、収入アップと働き方の自由が得られることです。
日本政策金融公庫が実施したアンケートによると、起業する理由として、「自由に仕事がしたかった」(41.9%)が最も多く、「収入を増やしたかった」(35.4%)、「仕事の経験・知識や資格を生かしたかった」(17.9%)が続いています。
会社員時代は給与が固定されていますが、独立すれば仕事量や単価を自分で決められ、努力次第で年収1,000万円を超えることも可能です。
また、得意分野や希望する現場を選べるため、無理のない働き方ができます。
以下では、配管工として独立するメリットを紹介します。
配管工として独立するメリット
収入アップが期待できる
配管工として独立すると、仕事の成果がそのまま収入に反映されるため、会社員時代よりも年収アップを狙いやすいのがメリットです。
働き化別の年収を見てみると、一人親方の年収は900万円に達するデータもあります。

参照元:全建総連東京都連
高収入となる要因には、独立後は元請けとして直接依頼を受けることができ、中間マージンを取られずに利益を確保できる点が挙げられます。
また、受注数を増やしたり、単価の高い工事を選ぶことで、年収1,000万円以上を目指すことも可能です。
資格取得や高度な技術を持つ職人ほど依頼単価が上がる傾向があり、努力が報酬に直結します。
反面、仕事がない時期は収入が不安定になるリスクもありますが、安定した取引先を確保し、信頼を築ければ、長期的に高収益を維持できる職種です。
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仕事内容を選択できる
独立した配管工は、どんな仕事を受けるか自分で決められる自由があります。
会社員時代のように上司や会社の方針に縛られず、得意分野ややりたい案件に集中できます。
マイナビが実施した「フリーランスの意識・就業実態調査」でも、働き方の満足度に仕事内容が挙げられており、仕事内容を選択できる点は独立の大きな魅力といえます。

参照元:
たとえば、配管工は住宅設備中心の小規模工事を専門にしたり、工場配管や空調配管など高単価な分野に特化するなど、働き方を自由に設計できます。
また、スケジュールも自分で調整できるため、休日や稼働時間を柔軟に管理できるのも魅力です。
責任はすべて自分にありますが、顧客から直接感謝される機会も多く、やりがいを実感しやすい環境です。
人間関係のストレスが少ない
独立すると、会社員時代のような上司や同僚との人間関係に悩むことがほとんどなくなります。
配管工の現場では、チーム作業よりも一人で動くことが多いため、人間関係のストレスが最小限です。
もちろん、取引先やお客様とのやり取りは発生しますが、それらはビジネスとしての関係であり、感情的なストレスは少ない傾向です。
さらに、独立すれば自分に合う取引先を選ぶこともできるため、職場環境を自分でコントロールできる自由さが魅力です。
配管工として独立するならGATEN職の利用がおすすめ
配管工としての独立は、技術力や経験を活かして大幅な年収アップや自由な働き方が目指せる現実的な方法です。
独立すれば、元請けとして直接依頼を受けられるため利益率が高く、努力次第で年収1,000万円以上目指せます。
また、仕事内容や働く時間を自由に決められるため、得意分野に特化した働き方が可能です。
「独立に興味がありスキルを身につけたい」「現場で経験を積みたい」など配管工としてさらなる高みを目指したい人は建設業界に特化した求人を取り扱うGATEN職の利用をおすすめします。

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