電気工事士とは、建物や施設における電気設備の工事や保守を行う専門職であり、安全に電気を使用するために欠かせない国家資格です。
主な業務には、住宅やビルの配線工事、コンセントや照明器具の設置、エアコンの取り付け、分電盤の工事などが含まれます。
近年、電気工事士の需要は高まっており、今後も将来性が見込める職種としても注目されています。
電気工事は誤った施工をすると感電や火災といった重大な事故につながる恐れがあるため、法律により有資格者でなければ作業できないと定められています。
資格には「第二種電気工事士」と「第一種電気工事士」があり、第二種は一般住宅や小規模施設の工事に対応し、第一種はより大規模な施設や高圧設備の工事にも対応可能です。
電気工事士はインフラを支える重要な職業であり、建設業界や設備業界を中心に需要が高く、安定した仕事が期待できる点も魅力の一つです。
また、経験や資格を重ねることで業務の幅が広がり、収入アップやキャリアアップも目指せる職種です。
本記事では、電気工事の仕事内容、電気工事士に必要な資格を紹介します。
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電気工事士の仕事内容
電気工事士は、住宅やオフィスビル、工場、公共施設、さらには鉄道設備など、幅広い現場で電気設備の設計・施工・保守を担う専門技術者です。
電力会社から送電された電気を変圧する変電設備の据え付けをはじめ、建物の各階へ電気を送る幹線の敷設、分電盤の据え付け、配線、コンセントや照明器具の取り付けなど電気を利用するための設備等の工事を行う。
厚生労働省が定める電気工事士法に基づき、資格者にしか行えない作業も多く、社会のインフラを支える重要な職種とされています。
電気工事士は安全確保の観点からも不可欠であり、太陽光発電やEV充電設備の増加など、新しい分野でも需要が拡大している将来性の高い職種です。
以下では、電気工事士の仕事内容である「建築電気工事」と「鉄道電気工事」について詳しく解説します。
建設電気工事
建設電気工事とは、住宅・ビル・工場・商業施設・公共施設などの建築物において、電気を安全かつ安定的に使えるようにするための工事全般を指します。
電気工事士が主に従事し、電力会社から送られる電気を受電し、各建物に配線して利用可能にする役割を担います。
主な工事の内容は、以下のとおりです。
建設電気工事の内容
- 屋内配線工事
- 外線配線工事
- 冷暖房設備工事
- ビル管理
電力を安全に供給し、照明や冷暖房、通信設備などを正常に機能させるための基盤を整える重要な役割を担っています。
屋内配線工事
屋内配線工事とは、住宅やビル、工場など建物内部に電気を供給するための配線工事のことです。
主に600V以下の一般用電気工作物を対象とし、照明、コンセント、エアコン、分電盤などを設置します。
工事は、壁や天井の内部に電線を通す「隠ぺい配線」が一般的であり、設計図面に従い正確な施工が求められます。
屋内配線工事は、電気工事士法により有資格者しか行えない作業も多く、建物の使用者が日常的に電気を使う基盤を整える重要な工程となります。
外線配線工事
外線配線工事とは、供給される電気を建物に取り入れるための幹線敷設や変電設備の設置工事のことです。
電柱から電線を建物に引き込み、引込開閉器やメーターを経由して屋内へ電気を供給します。
また、建物の外周に配管を敷設したり、地中配線を行ったりするケースもあります。
雷対策や接地工事も重要で、安全で安定した電力供給を実現するための設計と施工が必要です。
冷暖房設備工事
冷暖房設備工事は、建築物内の空調システムに必要な電気設備を整備する工事です。
家庭用エアコンの取付けから、大規模ビルや工場の空調システム(パッケージエアコン・業務用チラーなど)の電源配線・制御回路工事まで幅広く含まれます。
例えば、室外機への専用回路の設置、電圧・電流に応じた配線の選定、ブレーカーとの接続などが必要です。
近年は、家庭用太陽光発電や省エネ型エアコンとの組み合わせも増え、冷暖房設備工事は快適な室内環境と省エネルギー化を両立させる重要な役割を担っています。
ビル管理
ビル管理における電気工事は、オフィスビル・商業施設・公共施設・病院・工場などに設置された電気設備の維持管理や保守、点検、修理 を行う業務を指します。
電気は建物の照明、空調、防災、通信、エレベーターなど多様な設備の基盤となるため、電気工事士はビルの安全性・快適性・省エネ性能を保つ役割を担っています。
近年は、再生可能エネルギー設備(太陽光発電や蓄電池)、非常用発電設備、EV充電器などを含む次世代型ビル設備の導入が進んでおり、ビル管理における電気工事の重要性はさらに高まっています。
鉄道電気工事
鉄道電気工事は、鉄道の安全な運行を支える電気インフラを構築・維持する工事です。
主な工事内容には以下が挙げられます。
鉄道電気工事の内容
- 変電設備工事
- 線路工事
- 駅の電気設備点検・工事
鉄道は昼間は運行しているため、深夜帯に作業を行います。
鉄道電気工事は人命に直結するため、安全規則が特に厳格に定められており、正確性と迅速性が強く求められます。
変電設備工事
鉄道における変電設備工事は、発電所から送られる高圧電力を鉄道の運行に適した電圧へ変換し、安全に供給するための重要な業務です。
鉄道の車両は直流や交流の特定の電圧で走行するため、変電所に設置された変圧器や整流器で電圧変換を行い、安定的に架線へ送電します。
工事内容は、変圧器・遮断器・断路器の設置や交換、老朽化設備の更新、定期的な保守点検などが中心です。
変電設備工事は、鉄道電気工事全体の中でも基幹インフラを支える役割を担っており、列車の安定運行と利用者の安全に直結する重要な仕事です。
線路工事
鉄道の線路工事は、列車を動かす電力を供給する架線設備や、運行を制御する信号設備、踏切や通信設備など、多岐にわたる電気設備の設置・保守を行う仕事です。
信号設備工事では、列車の速度調整や安全な運行を支える信号機や制御装置の点検・交換が行われ、踏切工事では警報機や遮断機の動作確認や更新が含まれます。
駅の電気設備点検・工事
駅の電気設備点検・工事は、利用者が日常的に使用する駅施設の電気設備を安全かつ快適に利用できるよう維持・管理する業務です。
対象となる設備には、照明、空調、エスカレーターやエレベーター、改札機、券売機、監視カメラ、防犯システム、防災用非常電源などが含まれます。
工事内容は、定期的な点検や老朽化した設備の交換、緊急時の修繕対応などです。
駅の電気設備点検・工事は、直接的に乗客の利便性や安全に関わるため、鉄道電気工事の中でも公共性が高く、社会生活を支える重要な役割を果たしています。
電気工事士の平均年収は500万円程度
厚生労働省のデータによると、電気工事士の平均年収は547.6万円となっており、50代前半をピークに緩やかに下がっていく傾向にあることがわかります。

電気工事士の平均年収は約400万〜500万円が目安とされていますが、実際の収入は現場の規模や担当業務の範囲によって大きく異なり、条件次第では年収600万円以上を目指すことも可能です。
また、経験年数による差も大きく、未経験者と15年以上の経験者では年収が約2倍近くになるケースもあります。
年収アップを目指すためにはスキルや資格の取得が重要です。
特に電気工事士の上位資格である第一種電気工事士を取得することで、対応できる工事の幅が広がり、より高単価な仕事に携わることが可能になります。
さらに、ボイラー技士や危険物取扱者、電験三種といった関連資格も評価されやすく、収入向上に有効です。
企業によっては資格手当が支給されるため、取得することで直接的な給与アップも期待できます。
ほかにも電気工事施工管理技士の資格を取得すれば、現場管理など責任あるポジションを任されるようになり、収入のさらなる向上につながります。
電気工事士に必要な資格
電気工事士は、電気設備の設置・修理・保守を行うために必要な国家資格であり、「電気工事士法」に基づいて定められています。
(電気工事士等)
第三条 第一種電気工事士免状の交付を受けている者(以下「第一種電気工事士」という。)でなければ、自家用電気工作物に係る電気工事(第三項に規定する電気工事を除く。第四項において同じ。)の作業(自家用電気工作物の保安上支障がないと認められる作業であつて、経済産業省令で定めるものを除く。)に従事してはならない。
原則として資格を持たなければ、住宅や工場などの「一般用電気工作物」や、最大電力500kW未満の「自家用電気工作物」の工事に従事することはできません。
資格は「第一種電気工事士」「第二種電気工事士」「電気工事施工管理技士」の3種類に分かれ、それぞれの業務範囲と難易度が異なります。
以下では、電気工事士に必要な資格の特徴を解説します。
電気工事士の資格
第二種電気工事士
第二種電気工事士は、電気工事士資格の中でも入門的な資格であり、住宅や小規模施設などの「一般用電気工作物」に従事できる国家資格です。
業務範囲は600V以下の配線やコンセント・照明の設置、分電盤の設置、家庭用太陽光発電設備の工事などが含まれます。
| 第二種電気工事士 | |
|---|---|
| 受験資格 | 年齢・学歴・実務経験など制限なし(誰でも受験可能) |
| 受験内容 | 学科試験(電気理論、配線設計、法規など 50問・2時間) 技能試験(配線・器具接続など、候補問題13問から出題・40分) |
| 合格率 | 学科:約50~60% 技能:約60~75% |
| 有効期限・講習 | 有効期限なし(一度取得すれば終身有効) |
受験資格に制限がないため、学歴や年齢に関係なく受験可能です。
合格率も60〜70%台と高い水準であり、難易度は低めの傾向にあります。
試験は学科と技能の2段階で行われ、合格すれば資格は一生利用できます。
第二種電気工事士の試験は年に2回実施されており、電気技術者試験センターの情報をもとに例年のスケジュールをまとめると以下の通りとなります。
| 第二種電気工事士 | |
|---|---|
| 申し込み期間 | 上記試験:3月中旬~4月上旬 下期試験:8月中旬~9月上旬 |
| 学科試験 | 上記試験:CBT方式 4月下旬~6月中旬、筆記方式 5月下旬 下期試験:CBT方式 9月下旬~11月中旬、筆記方式 10月下旬 |
| 技能試験 | 上記試験:7月下旬 下期試験:12月中旬 |
第二種電気工事士の資格は住宅設備やビル管理業務でも需要が高く、就職・転職やキャリアアップの資格として有効です。
第一種電気工事士
第一種電気工事士は、第二種の業務範囲に加えて、500kW未満で高圧受電する「自家用電気工作物」を扱える資格です。
資格取得により、大規模な工場や商業施設、高層ビルなどの電気設備工事や保守が可能となり、現場監督や管理者としての役割も期待されます。
| 第一種電気工事士 | |
|---|---|
| 受験資格 | 学歴制限なし。ただし免状交付には実務経験3年以上が必要(第二種取得後に実務を積むのが一般的) |
| 受験内容 | 学科試験(高度な電気理論、法規、施工管理、配線図など 50問・2時間20分) 技能試験(配線・高圧設備工事など候補問題10問から出題・40分) |
| 合格率 | 学科:50~60% 技能:50~60% |
| 有効期限・講習 | 5年ごとに講習受講義務あり |
試験は学科と技能があり、合格率は筆記で20%前後、技能で60%前後と難易度は高めです。
さらに、合格後に通算3年以上の実務経験が必要であり、免状交付後は5年ごとに講習受講が義務付けられています。
第一種電気工事士の試験も第二種電気工事士同様、年に2回実施されており、電気技術者試験センターの情報をもとに例年のスケジュールをまとめると以下の通りとなります。
| 第一種電気工事士 | |
|---|---|
| 申し込み期間 | 上記試験:2月上旬~3月上旬 下期試験:7月下旬~8月中旬 |
| 学科試験 | 上記試験:CBT方式 4月上旬~5月上旬、筆記方式なし 下期試験:CBT方式 9月上旬~10月中旬、筆記方式 10月上旬 |
| 技能試験 | 上記試験:7月上旬 下期試験:11月下旬 |
第一種電気工事士の資格保有者は資格手当や昇給に直結することが多く、電気工事士として高収入や責任あるポジションを目指したい人であれば取っておきたい資格です。
電気工事施工管理技士
電気工事施工管理技士は、電気工事の施工計画立案や現場管理を行う専門資格であり、建設業法に基づき主任技術者・監理技術者として従事できます。
1級は特定建設業において監理技術者として、大規模工事の総括管理を担当でき、2級は一般建設業において主任技術者として従事可能です。
| 電気工事施工管理技士1級 | |
|---|---|
| 受験資格 | 学歴+実務経験、または電気工事士資格が必要。(例:第一種電気工事士であれば実務経験なしで1級受験可/第二種は1年以上の管理経験で2級受験可など) |
| 受験内容 | 第一次検定(学科:施工管理、電気工学、法規など) 第二次検定(論文・記述式:施工計画、工程管理、安全・品質管理など) |
| 合格率 | 学科:約30~50% 技能:約50~70% |
| 有効期限・講習 | 有効期限なし(ただし監理技術者講習あり) |
出典:【2024年度:電気工事施工管理技能士】KGKC建設技術教育センター
受験資格は、第一種電気工事士や実務経験によって異なり、令和6年度以降は電気工事士資格(第一種または第二種)+実務経験 が必須であり、学歴や年齢による受験制限は廃止されています。
電気工事施工管理技士の試験日程については1級は7月に第一次検定(2026年は試験日7/12)、10月に第二次検定(2026年は試験日10/18)が実施されます。
2級は前期(6月・一次のみ)と後期(11月・一次/二次)の年2回開催で、申込は2月頃から始まるため施工管理技術検定での早めの申し込みが必要です。
資格を取得することで現場監督や管理職への道が開け、年収600万~800万円以上を目指すことも可能です。
電気工事士としてのスキルを土台に、マネジメント能力を発揮することで、キャリアの幅を大きく広げられます。
電気工事士第二種と第一種の「作業範囲」の違い
電気工事士は、電気設備の工事や保守を行うために必須の国家資格であり、第二種と第一種では扱える設備の範囲が大きく異なります。
| 電気工事士第二種 | 電気工事士第一種 | |
|---|---|---|
| 対象設備 | 一般用電気工作物(600V以下で受電する設備) | 自家用電気工作物(最大電力500kW未満で高圧受電する設備)+一般用電気工作物 |
| 対象施設 | 一般住宅、小規模店舗、小規模オフィス・工場 | 大規模ビル、工場、病院、ショッピングセンター、高層マンションなど |
| 主な工事内容 | コンセント・照明の設置、配線工事、分電盤設置、エアコン取付、家庭用太陽光発電設備工事など | 高圧受電設備の工事、キュービクル設置、複雑な配電盤の施工、大規模電気配線、設備保守点検など |
| 自家用電気工作物への関与 | 原則不可。ただし認定電気工事従事者認定証取得で「低圧部分(600V以下)」の簡易工事が可能 | 高圧受電を含む自家用電気工作物の工事に従事可能 |
第二種は小規模施設向け、第一種は大規模かつ高圧設備対応が可能という違いがあり、キャリア形成や就業先の選択肢に直結します。
以下では、第二種と第一種の作業範囲の違いを具体的に解説します。
電気工事士第二種と第一種の作業範囲の違い
第二種電気工事士の作業範囲は一般住宅や小規模な店舗・事業所
第二種電気工事士の主な作業範囲は、一般住宅や小規模な店舗、オフィス、事業所などに設置される電気設備です。
電力会社から600V以下の低圧で受電する「一般用電気工作物」を対象としています。
また、家庭用の太陽光発電設備や燃料電池発電設備の施工も範囲内です。
第二種電気工事士は受験資格に年齢・学歴・職歴の制限がなく、筆記試験と技能試験に合格すれば誰でも取得可能であるため、未経験者でも比較的早く専門職としてキャリアをつめます。
第二種電気工事士は自家用電気工作物の電気工事にも携われる
免状取得後に3年以上の実務経験を積み「認定電気工事従事者認定証」を交付されると、自家用電気工作物の電気工事に携われます。
認定を受けると、最大電力500kW未満の自家用電気工作物のうち、600V以下の低圧部分の作業が可能です。
例えば、工場や商業施設における低圧回路の改修や設備交換などが該当します。
資格を土台に経験を積むことで、技術者としての市場価値やキャリアの幅を大きく広げられます。
電気工事士試験に必要な勉強時間
電気工事士試験の合格に必要な勉強時間は受験者の知識レベルや経験によって異なりますが、一般的には第二種電気工事士で約50〜100時間、第一種電気工事士では100〜200時間程度が目安とされています。
未経験者の場合は基礎知識の理解に時間がかかるため、余裕をもって2〜3ヶ月程度の学習期間を確保するのがおすすめです。
一方、電気系の学習経験や実務経験がある方であれば、より短期間での合格も可能です。
試験は筆記と技能に分かれているため、両方の対策時間をバランスよく確保することが重要です。
特に技能試験は練習量が合否に直結するため、後半に十分な時間を確保しておくと安心です。
電気工事士試験に必要な勉強時間
- 第二種電気工事士:約50〜100時間
- 第一種電気工事士:100〜200時間程度
電気工事士試験の勉強方法
電気工事士試験は出題範囲が明確で、過去問の使い回しも多いため、独学との相性が良い資格です。
特に筆記試験はパターン化されており、過去問を繰り返すことで得点力を上げやすいのが特徴です。
また、技能試験も候補問題が事前に公表されるため、対策がしやすく、独学でも十分対応可能です。
独学のメリットは費用を抑えられることと、自分のペースで学習できる点が挙げられます。
独学での具体的な勉強方法としてまず筆記試験対策では参考書で基礎知識を理解した後、過去問題を繰り返し解くことが最も効果的です。
実際の試験と出題傾向が似ているため、過去問対策がそのまま得点力に直結します。
また計算問題や法規は特に重点的に復習することが大事です。
技能試験対策では実際に工具と材料を使った練習が不可欠であり、候補問題が公表されているため、すべてのパターンを繰り返し練習することが合格への近道です。
また、時間内に正確に作業できるよう、本番を意識した模擬練習を何度も行うことで筆記と技能をバランスよく対策することができるでしょう。
電気工事士試験の勉強方法
- 電気工事士試験は独学でも十分対策できる
- 過去問題を繰り返し解く
- 本番の試験時間を意識しながら模擬練習をおこなう
電気工事士になるには
電気工事士として働くためには国家資格の取得が必須です。
日本では「電気工事士法」によって、一定の電気工事は資格を持たない人が作業を行うことは禁止されています。
しかし、近年未経験でも歓迎される職場が増えており、資格取得支援や研修制度を備える企業も少なくありません。
背景には、電気工事士の人手不足が挙げられます。
高齢者層の退職により第1種電気工事士が2020年前半に想定需要約20.4万人に対して2万人程度不足、入職者の減少等により第2種電気工事士が2045年に想定需要約8.6万人に対して0.3万人程度不足するするとされており、若手人材の育成・確保が必須です。
人材確保に向けた取り組みが進められており、資格取得までのサポートが整えられつつあるため、未経験者でも挑戦できます。
以下では、電気工事士になるための手段を紹介します。
電気工事士になるには
電気工事会社に無資格で就職・転職する
電気工事士を目指す第一歩として、無資格でも電気工事会社へ就職・転職する方法があります。
電気工事の現場は人手不足解消のため、多くの企業が未経験者や無資格者を採用し、現場での実務経験を積ませる体制を整えています。
企業によっては資格取得支援制度を設け、受験費用や講習費を負担するケースも多く、働きながら国家資格を目指すことが可能です。
このため、未経験からでも着実にキャリアを積み上げられます。
第二種電気工事士の資格を取る
電気工事の専門職として本格的に活躍するには、国家資格である「第二種電気工事士」の取得が必須です。
資格取得により、一般住宅や小規模店舗・事業所などでの電気工事(600V以下の一般用電気工作物)が可能になります。
受験資格に年齢・学歴・実務経験の制限はなく、誰でも受験できる点が大きな特徴です。
資格を得ることで、就職・転職で有利になるだけでなく、現場での役割拡大や年収アップにも直結します。
電気工事士の資格を取得するメリット
電気工事士の資格を取得することで対応できる範囲が広がり昇進や昇給に活かせる以外にも様々なメリットがあります。
- 安定した需要がある
- 未経験からでも挑戦できる
- 収入アップ・キャリアアップが可能
メリット①安定した需要がある
電気工事士は、住宅やビル、工場などあらゆる建物に必要な電気設備を扱うため、景気に左右されにくく安定した需要があります。
新築工事だけでなく、リフォームや設備の修理・メンテナンスなど継続的な仕事が発生するのも特徴です。
さらに近年は電気自動車や再生可能エネルギーの普及により、電気関連の需要は今後も拡大が見込まれています。

参照: 東京電力エナジーパートナー
そのため、資格を取得しておくことで長期的に安定した仕事に就きやすく、将来性の高い職種として評価されています。
メリット②未経験からでも挑戦できる
電気工事士は先にも述べたように受験資格が特になく、学歴や実務経験がなくても挑戦できる点が大きな魅力です。
そのため、異業種からの転職や学歴・職歴に自信がなくて手に職をつけたい方におすすめです。
特に第二種電気工事士は比較的取得しやすく、入門資格として挑戦しやすいでしょう。
資格を取得すれば就職や転職時のアピールにもなり、未経験からでも資格を取得していることで、やる気や即戦力として転職の際に評価されやすいでしょう。
実務経験を積みながらスキルアップしていくことで、着実に成長できる職種です。
電気工事士の資格が活かせる職種
- ビルメンテナンス
- 施工管理
- 消防設備士
- サービスエンジニア
- メーカー保全 など
メリット③収入アップ・キャリアアップが可能
電気工事士は資格や経験によって収入が大きく変わる職種です。
第二種から第一種、さらに施工管理技士などの上位資格を取得することで、対応できる業務の幅が広がり、より高単価の仕事に携われるようになります。
また、企業によっては資格手当が支給されるため、資格取得が直接収入アップにつながるケースも多いです。
さらに将来的には現場責任者や独立開業も目指せるため、努力次第で高収入やキャリアの選択肢を広げられる点もメリットです。
電気工事士は専門的な技術職であるため、一度スキルを身につければ全国どこでも働ける強みがあります。
特に地域密着型での需要も多く、個人事業主として安定した収入を得ている方も少なくありません。
このように電気工事士は資格と技術があれば長く働けるため、将来にわたって役立つ“手に職”を得られる点は大きなメリットです。
電気工事士の独立に必要なもの
- 第2種電気工事士免状+3年の実務経験(推奨は1種・認定電気工事従事者があればなお仕事の幅が広がる)
- 都道府県知事への登録電気工事業者申請
- 開業届の提出
関連記事:電気工事士に将来性はある?10年後の需要や業界の現状を解説
電気工事士はきついといわれる理由は?
電気工事士の仕事は重い資材運搬、天井裏や床下の狭所作業などによる肉体的な厳しさから「きつい」「やめとけ」と言われることが少なくありません。
ここでは、電気工事士はきついといわれる理由について紹介します。
- 肉体的にハードな作業が多い
- 労働時間が不規則になりやすい
- 若手時代の年収が低い
理由①肉体的にハードな作業が多い
電気工事の現場では、重い資材を運んだり、高所での作業を行ったりと体力を使う場面が多くあります。
特に夏場や冬場の屋外作業は、暑さや寒さの影響を受けやすく、体力的な負担が大きくなります。
また、狭い場所や天井裏での作業など、体勢がきつい環境での作業も少なくありません。
国土交通省によると、電気工事士を含む建設業の死亡災害や事故の割合は全職種から見ても多くを占めている傾向にあります。

こうした肉体的な負担から「きつい」と感じる人も多い職種です。
また電気工事は感電や火災などのリスクがあるため、常に安全に配慮しながら作業する必要があります。
作業ミスが重大な事故につながる可能性もあるため、精神的なプレッシャーを感じることもあります。
特に高圧電気を扱う現場では、より高度な知識と注意力が求められます。
安全管理を徹底することが前提ですが、常に緊張感を持って作業する必要がある点が大変だと感じられる理由の一つです。
理由②労働時間が不規則になりやすい
現場の進行状況や工期によっては、早朝や夜間作業が発生することもあります。
特に商業施設やオフィスでは、営業時間外に作業を行う必要があるため、生活リズムが不規則になりがちです。
また、工期に間に合わせるために残業が発生することもあり、忙しい時期は負担が増える傾向があります。
電気工事士のなかでもエアコンの取付け・取外しなどを担っている企業は、6~8月などのエアコンを頻繁に稼働する時期が繁忙期となります。
安定した勤務時間を求める方にとっては大変に感じるポイントです。
電気工事士の繁忙期
- 6~8月の夏季(エアコンの新規設置・交換・故障修理の依頼)
- 12~3月(建設現場の工期末(引き渡し)・企業や自治体の予算消化に伴う改修工事・エアコンの交換や故障修理)
理由③若手時代の年収が低い
電気工事士は一人前になるまでに約2〜3年ほどの期間が必要とされ、その間は見習いとして現場で経験を積むことになります。
厚生労働省のデータによると、電気工事士の経験年数別の給与は以下のように緩やかに上がっているものの、4年目あたりまではそこまで変動しないことがわかります。

この見習い期間中は年収が250万円〜350万円程度と比較的低く、仕事内容の大変さに対して「割に合わない」と感じる人も少なくありません。
実際に、体力的な負担や覚えることの多さに加え、収入面でのギャップが離職の要因となるケースもあります。
しかし、電気工事士は経験を積むことで年収は着実に上がっていく職種でもあります。
収入を伸ばすためには、第一種電気工事士やボイラー技士、電験三種といった資格を取得することが有効です。
資格は業務範囲を広げるだけでなく、資格手当による収入アップにもつながります。
また、実務経験を積んだ後に独立することで、大幅な年収アップを目指すことも可能です。
電気工事士として収入を高めるには、資格取得やキャリアアップ、将来的な独立を見据えて計画的に働くことが重要といえるでしょう。
電気工事士に向いている人

電気工事士は、電気設備の施工や保守を担う国家資格職であり、専門的な知識と体力の両方が求められます。
「精密さと体力」「責任感と協調性」の両方を兼ね備える必要があり、同じ技能職でも大工や整備士と比べて「失敗が直ちに事故や災害に直結しやすい職種」である点が特徴です。
しかし、電気工事士の有効求人倍率は3.8倍、令和7年5月時点の日本の有効求人倍率1.24倍と比較すると高い傾向にあり、求人が豊富で向いている人の特性を満たしていると就職・転職できる可能性が高まります。
出典:一般職業紹介状況(令和7年5月時点)について|厚生労働省
以下では、電気工事士に向いている人の特徴を具体的に解説していきます。
電気工事士に向いている人
安全意識が高い人
電気工事士は電気を直接扱うため、感電や火災など重大事故につながる危険が常に伴います。
そのため、安全意識が高い人が電気工事士に向いています。
具体的には、電気の基本理論を理解し、図面通りに正確に施工できる能力が重要です。
施工中に独自の判断で手順を変えることは大事故につながるため、法令や規則を遵守し、安全第一で作業を行う姿勢が求められます。
常に安全確認を怠らず、事故を未然に防ぐ行動が取れる人は、電気工事士として活躍できると言えます。
体力に自信がある人
電気工事士の仕事は、肉体労働の側面が強いため、体力に自信がある人が適しています。
現場では立ちっぱなしの作業や、高所での作業、重量物の運搬が日常的に発生します。
特にエアコン設置や分電盤工事では数十キロの機材を持ち運ぶこともあり、相応の筋力と持久力が求められます。
さらに屋外作業が多く、夏は猛暑、冬は寒冷地など厳しい環境下での作業も避けられません。
力だけでなく、疲労時でも正確さを保つ冷静さが要求されます。
コツコツ作業が得意で丁寧な性格の人
電気工事は小さなミスが重大事故に直結するため、丁寧にコツコツ作業ができる人に向いています。
例えば配線工事では、わずかな接続不良や配線ミスが火災や機器故障につながる恐れがあります。
そのため、図面を正確に読み取り、確認作業を徹底できる注意深さが必要です。
現場でも施工後には必ず検査が行われ、合格基準を満たさなければやり直しとなるため、慎重さと粘り強さが欠かせません。
几帳面で細部にまで気を配れる性格の人は、電気工事士でも成果をあげられます。
コミュニケーション能力がある人
電気工事士は単独で作業することは少なく、複数人のチームで協力して作業を進める職種です。
現場では建築士、大工、設備工事業者など他職種との連携も必要であり、報告・連絡・相談を正確に行うコミュニケーション能力が求められます。
また、労働安全衛生法や関連指針においては、コミュニケーション不足がヒューマンエラーの発生要因となることを前提とした対策が重要です。
円滑に協力できる人は、電気工事士としてスムーズに現場に適応できます。
電気工事士は需要が高い将来性のある仕事
電気工事士は「現代社会のライフラインを守る職種」であり、インフラ整備に不可欠な存在です。
人手不足や新技術の導入により、近年需要は増加傾向にあり、将来性も見込まれています。
工事に従事するためには、「第一種電気工事士」「第二種電気工事士」「電気工事施工管理技士」の資格が必要ですが、近年は未経験でも企業が資格取得までをサポートしてくれる場合もあります。
電気工事士にチャレンジしたい人は、建設業界の求人を多数取り扱う「GATEN職」を利用がおすすめです。

| GATEN職の詳細 | |
|---|---|
| 運営会社 | 株式会社アール・エム |
| 対応地域 | 全国 |
| 求人数 | 7,677件(2026年4月時点) |
| 業種 | 建設業界中心 |
| 未経験 | ○ |
| 雇用形態 | 正社員、契約社員、アルバイト、業務委託 |
| 特徴 | 会員登録なしで求人に応募可能 |
| 住所 | 〒541-0052 大阪府大阪市中央区安土町2-3-13 大阪国際ビルディング5F |
| 厚生労働省事業者届出番号 | 51-募-000945 |
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