近年、建設業界は大変需要が高い業界として知られています。
厚生労働省が発表した一般職業紹介状況によると、令和7年3月時点での建設従事者の有効求人倍率は、4.47倍と大変高くなっています。(引用:厚生労働省 一般職業紹介状況(令和7年3月分及び令和6年度分)について)
需要が高い建設業界の中でも、年収が高い職種が現場監督です。
現場監督は、現場で直接的に指揮する立場の仕事であり、工事全体の進行を管理する重要な役割を担っています。
需要な役割を担う現場監督ですが、国土交通省のデータによると建設業の就業者数が年々減少しており、若手の割合も低下しています。
令和3年時点では、全就業者の55歳以上が35.5%、29歳以下が12.0%と高齢化は深刻です。

出典:最近の建設業を巡る状況について|国土交通省
また、60歳以上の技能者は全体の約4分の1(25.7%)を占めており、10年後には大半が引退すると推測されています。
人手不足だけでなく、老朽インフラの改修や防災対策など、今後も現場監督が活躍できる仕事は増え続けるでしょう。
本記事では、現場監督の年収について様々な視点から詳しく解説します。
現場監督として年収をアップさせる方法も紹介するので、年収が上がらずに困っている方もぜひ参考にしてください。
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現場監督の平均年収は約600万〜640万円
厚生労働省が運営する職業提供サイトjob tagによると、建設工事現場監督の平均年収が641.6万円、土木工事現場監督の平均年収が596.6万円でした。
職種 | 平均年収 |
---|---|
建築工事現場監督を含む建築施工管理技術者 | 641.6万円 |
土木工事現場監督を含む土木施工管理技術者 | 596.6万円 |
平均すると年収は約600万円〜640万円が相場です。
現場監督の平均年収の特徴を、次のようなポイントで解説していきます。
現場監督の平均年収の特徴
現場監督の平均年収は建設業の中でも高い
現場監督の平均年収は、建設業の中でも高い水準にあります。
建設業の中で、建設工事現場監督は最も年収が高く、土木工事現場監督は3番目に年収が高い職種です。
職種 | 平均年収 |
---|---|
建築工事現場監督を含む建築施工管理技術者 | 641.6万円 |
建築設計技術者 | 641.6万円 |
土木工事現場監督を含む土木施工管理技術者 | 596.6万円 |
電気工事士 | 547.6万円 |
鳶工 | 506万円 |
解体工 | 506万円 |
測量士 | 501.6万円 |
配管工 | 485.9万円 |
内装工 | 453.4万円 |
左官工 | 453.4万円 |
防水工 | 452.6万円 |
大工 | 448.7万円 |
塗装工 | 442.4万円 |
土木工 | 415.1万円 |
年収が高い傾向にある理由には、建設需要に対する人材供給が追いついていない点が挙げられます。
国土交通省の資料によると、建設業就業者数(令和4年平均)は479万人で, 20年前(平成14年平均)から約22%減少しています。
建設業の人手不足は、工期の遅れやコストの上昇、さらには安全管理への影響も懸念され、業界全体で改善が求められています。
現場経験が豊富でかつ有資格者である現場監督は、希少な存在として各企業が高待遇で採用する傾向があります。
そのため、必然と建設業従事者の年収水準は高くなるのです。
現場監督の平均年収は日本の平均年収よりも高い
現場監督の平均年収は、日本全体の平均より約130万円〜180万円高いです。
平均年収 | |
---|---|
日本全体 | 460万円 |
建築工事現場監督を含む建築施工管理技術者 | 641.6万円 |
土木工事現場監督を含む土木施工管理技術者 | 596.6万円 |
企業側も優秀な現場監督を確保するために、給与を高く設定する傾向にあり、現場監督は需要も高い職種です。
また、労務単価の上昇も年収が高くなる要因と考えられます。
国土交通省が発表している「令和7年3月から適用する公共工事設計労務単価について」によると平成24年から13年連続で労務単価は上昇しています。
平成24年度の15,175円から令和7年は24,852円まで上昇し、13年で+85.8%、前年比+6.0%まで増加しています。
現場監督の年収も労務単価の引き上げの影響をうけており、業界全体の賃金が底上げされている状態です。
安定した高い収入を求めるなら、現場監督は魅力的な選択肢の一つといえるでしょう。
条件別│現場監督の平均年収
現場監督の年収は、性別や年齢などの条件によって異なります。
経験年数が長い、建設数が多い都市部で働いているなどの条件が揃っている現場監督は年収が高いのが特徴です。
以下では、条件別で現場監督の平均年収を比較しています。
男女別│現場監督の平均年収
現場監督の男女それぞれの平均年収は以下の通りです。
男性 | 女性 | |
---|---|---|
建築現場監督を含む建築技術者 | 674万円 | 482.3万円 |
土木現場監督を含む土木技術者 | 606.6万円 | 438.1万円 |
令和6年賃金構造基本統計調査によると、建築現場監督を含む建築技術者の平均年収は男性で674万円、女性で482.3万円でした。
一方、土木現場監督を含む土木技術者の平均年収は男性で606.6万円、女性で438.1万円でした。
男性と女性の現場監督では、150万円以上の平均年収の差があります。
男性と女性の年収に差が生じる要因として、勤続期間の長さ、経験値が挙げられます。
一般的に勤続年数が長く、経験が豊富な方は高収入を得られますが、女性はキャリアが途切れやすく、収入上昇が緩やかです 。
加えて、現場は長時間労働や力仕事が多く、育児期には不利なため、女性が管理職に昇進する機会が少ないのも要因です。
年齢別│現場監督の平均年収
現場監督の年代別の平均年収は以下の通りです。
年代 | 建築工事現場監督を含む建築施工管理技術者 | 土木工事現場監督を含む土木施工管理技術者 |
---|---|---|
19歳以下 | 260.5万円 | 298.3万円 |
20〜24歳 | 378万円 | 381.1万円 |
25〜29歳 | 508.6万円 | 501.2万円 |
30〜34歳 | 604.8万円 | 536.4万円 |
35〜39歳 | 674.9万円 | 654万円 |
40〜44歳 | 704.9万円 | 629.9万円 |
45〜49歳 | 734.1万円 | 680.7万円 |
50〜54歳 | 773.6万円 | 690.2万円 |
55〜59歳 | 800.4万円 | 722.3万円 |
60〜64歳 | 732万円 | 608.1万円 |
65〜69歳 | 539.9万円 | 511.3万円 |
70歳以上 | 374万円 | 434.8万円 |
現場監督の平均年収は年齢とともに徐々に高くなり、55〜59歳の時点で最も高くなりました。
20代前半までの平均年収はそれほど高くありませんが、20代後半から一気に平均年収が高くなります。
現場監督は工事現場全体を統括する立場にあり、経験が大切な職種です。
経験が浅い若いうちは給料が安くても、経験を積めば確実に収入が上がっていく職種といえます。
雇用形態別│現場監督の平均年収
雇用形態別の現場監督の平均年収は以下の通りです。
雇用形態 | 建築現場監督を含む建築技術者 | 土木現場監督を含む土木技術者 |
---|---|---|
一般労働者 | 641.6万円 | 596.5万円 |
短期労働者 | 410.8万円(※) | 412.5万円(※) |
臨時労働者 | 288.8万円(※) | 406万円(※) |
(※)1日8時間で20日/月働いたものとして算出
令和6年賃金構造基本統計調査によると、建築現場監督を含む建築技術者の短期労働者の平均時給が1,980円、平均年間賞与が30.6万円、臨時労働者の平均時給が1,504円でした。
一方、土木現場監督を含む土木技術者の短期労働者の平均時給が2,008円、平均賞与が27万円、臨時労働者の平均時給が2,115円でした。
短期労働者や臨時労働者と一般労働者の平均年収には大きな差があります。
地域別│現場監督の平均年収
現場監督の平均年収が高い県と低い県の上位・下位5つは、次のとおりです。
建築工事現場監督を含む建築施工管理技術者で年収が高い都道府県トップ5
- 福岡県:736.2万円
- 大阪府:687.5万円
- 三重県:678.6万円
- 東京都:676.9万円
- 神奈川県:673.2万円
建築工事現場監督を含む建築施工管理技術者で年収が低い都道府県ワースト5
- 宮崎県:395.7万円
- 高知県:417.6万円
- 鳥取県:429.1万円
- 山形県:458.4万円
- 福島県:461.6万円
土木現場監督を含む土木施工管理技術者で年収が高い都道府県トップ5
- 大阪府:699.1万円
- 三重県:697.3万円
- 東京都:687.2万円
- 宮城県:680万円
- 神奈川県672.9万円
土木現場監督を含む土木施工管理技術者で年収が低い都道府県ワースト5
- 高知県:446.6万円
- 青森県:451.7万円
- 愛媛県:461.8万円
- 長崎県:463.9万円
- 鳥取県:473.4万円
建築工事現場監督で最も平均年収が高い県は福岡県で736.2万円、低い県は宮崎県で395.7万円でした。
一方、土木現場監督で最も平均年収が高い県は大阪府で699.1万円、低い県は高知県で446.6万円でした。
国土交通省が発表した「建築着工統計調査報告(令和6年計分)」によると令和6年の新設住宅着工戸数は 792,195戸、首都圏で285,447戸、近畿圏で132,140戸、中部圏で91,602戸と全体の6割を占めています。
年収が高い地域は、都市部や三大都市圏に該当する地域であり、建築数が多いのも要因です。
上記の要因も含め、地域によって、現場監督の年収は大きく違うといえるでしょう。
現場監督が年収アップするためのポイント
現場監督として年収を上げるには、日々の業務をこなすだけでは不十分です。
現場監督として年収をアップさせるためには、次のような戦略が必要となります。
現場監督が年収アップするためのポイント
年収アップのためのポイントを詳しく解説するので、現場監督として年収アップを目指したい方は参考にしてください。
資格を取得する
現場監督として年収をアップさせたいのなら、資格の取得は必須になります。
資格を取得すれば、できる仕事の幅が広がり、任される業務が増えるからです。
次のような資格を取得すれば、現場監督として年収アップにつながるでしょう。
たとえば、1級・2級建築施工管理技士の資格は、建築現場での工程管理や品質管理、安全管理などを担当するために必要な国家資格です。
資格には、1級と2級があり、保有する資格によって管理できる工事の規模が異なります。
しかし、資格取得の難易度は高く、しっかり対策しなければ合格は困難でしょう。
令和6年度の合格率が1級は学科36%、実地41%、最終合格率約15%〜20%です。2級は学科50%、実地41%、最終合格率20%前後と合格率は低く、難関資格といえます。
現場監督に関する資格は、公共事業や大規模プロジェクトの現場管理業務に必要となる場合が多く、資格を取得すれば単価の高い案件に携われる可能性が高くなります。
また、資格取得により資格手当が支給される会社も多く、取得しただけで月に1〜5万円程度の収入アップも可能です。
確実に年収に反映されるので、資格取得は大きな投資といえるでしょう。
経験・キャリアを積む
現場監督として年収を上げるには、経験とキャリアの積み重ねが重要です。
国土交通省の調査では、建設業における現場技能者(現場監督を含む)の平均勤続年数は約21年と報告されています。
どんな現場でどれだけの実績を積んできたかによって、企業からの評価や任される仕事の規模が大きく変わります。
現場監督としてのキャリアを積むためにも、次のようなポイントを意識しましょう。
現場監督として経験を積み重ねることで、現場全体を把握する力やリーダーシップが養われ、収入アップに繋がるでしょう。
今より好条件の職場へ転職する
今の職場で年収アップが見込めない場合には、思い切って転職するのが最も手っ取り早い手段です。
会社によって給与体系や昇給制度が異なるので、転職しただけで年収が大きくアップするケースも少なくありません。
現場監督として年収アップを狙うのなら、なるべく大企業への転職を検討するのがおすすめです。
大企業は、中小企業より平均年収が高い傾向にあるからです。
会社の規模(従業員数) | 建築現場監督を含む建築技術者の平均年収 | 土木現場監督を含む土木技術者の平均年収 |
---|---|---|
10〜99人 | 583.9万円 | 560.2万円 |
100〜999人 | 654.6万円 | 645.4万円 |
1,000人以上 | 726.6万円 | 706.6万円 |
大企業は取り扱っている案件の規模が大きく、報酬も高額なので、社員に還元できる給与も高い傾向にあります。
大手企業に現場監督として転職するのは、もちろん狭き門です。
まずは現場監督として着実に経験を積みながら、転職サイトや転職エージェントに登録して、大企業に転職する準備をしましょう。
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現場監督として、自分のスキルにあった職場を見つけたい方は、GATEN職で求人情報をチェックすることから始めてみてはいかがでしょうか。
現場監督の年収アップにはGATEN職の活用がおすすめ
現場監督の平均年収は約600万〜640万円と、建設業界の中でも非常に高い水準になります。
現場監督としての年収が低いと感じている方は、次のようなポイントを実践するのがおすすめです。
年収アップのために転職をしたいのなら、GATEN職を活用するのがおすすめです。
GATEN職の詳細 | |
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運営会社 | 株式会社アール・エム |
対応地域 | 全国 |
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未経験 | ○ |
雇用形態 | 正社員、契約社員、アルバイト、業務委託 |
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住所 | 〒541-0052 大阪府大阪市中央区安土町2-3-13 大阪国際ビルディング5F |
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