塗装工(外壁塗装)の平均年収・給料・時給【高い?】経験年数別・年齢別の平均年収や年収アップの方法を解説

ガテン系の転職

塗装工(外壁塗装)とは、建物の外壁や屋根、橋梁や鉄骨構造物などに塗料を塗布し、美観を整えるとともに、雨風や紫外線から素材を守る役割を担う職人です。

仕事内容は、高圧洗浄や研磨による下地処理、塗料の調合・選定、ローラーやスプレーガンを用いた塗装作業など多岐にわたり、仕上がりの均一性や耐久性を確保するため高い技術力が求められます。

高い技術力と経験が必要な塗装工ですが、塗装工含む建設業界は近年人手不足が深刻です。

国土交通省の「建設業を巡る現状と課題」によると、建設業就業者数は令和4年で479万人と、平成9年の685万人から約30%減少しています。

また、60歳以上の技能者が全体の約4分の1を占めており、10年後にはその大半が引退することから、今後人手不足はより深刻になると考えられます。

人手不足は深刻ですが、需要の高まりにより、建設業界全体の年収は増加傾向です。

また、働き方改革により職場環境は改善傾向にあり、働きやすい環境が整備されています。

将来性のある塗装工へ興味がある人のために、本記事では、塗装工(外壁塗装)の年収・給料の傾向、年収を上げる方法を解説します。

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塗装業独立の仕事の取り方は?下請けではなく元請けとして仕事を取る方法

塗装工(外壁塗装)の平均年収・給料

塗装工(外壁塗装)の年収は低い傾向がありますが、業界全体の流れとして賃上げが進行しており、平均年収は上昇傾向です。

2025年7月、日本では労働組合最大勢力の連合が発表した春季生活闘争の最終結果によると、賃上げ率が5.25%上昇し「34年ぶりの大幅賃上げ」を実現したと報告しています。

組合所属企業において、その年の値上げ率としては過去最高水準です。

出典:連合|労働・賃金・雇用 春季生活闘争2025年春闘

2026年も引き続き、インフレや人手不足を背景に賃上げが見込まれています。

上昇トレンドは塗装業界にも波及する可能性があり、特に規模の大きい事業所や元請け企業に雇用される塗装工では、給与改善の余地が大いにある

また、資格取得や経験を積むことで年収・給料が上昇する傾向があり、熟練職人は高収入が狙える職種です。

以下では、塗装工(外壁塗装)の平均年収・給料と勤務形態別でも紹介しているため、他の職種とも比較してみてください。

塗装工(外壁塗装)の平均年収は約442万4,000円

塗装工(外壁塗装)の平均年収は約442万4,000円とされています。

正社員の給与をみると411万円〜455万円の間に集中しており、職人として安定した収入を得ています。

ただし、給与幅は282万円〜627万円と広く、勤務先の規模や案件の内容、個人のスキルや資格によって差が出ることが特徴です。

特に1級建築塗装技能士や建築施工管理技士の資格を持つ場合、資格手当や役職手当が加算されることで平均を大きく上回る収入が得られます。

塗装工(外壁塗装)の平均給料は約27万9,000円

年収ベースの442万4,000円を月額換算した場合の平均給料は約27万9,000円です。

塗装工の場合は残業代や各種手当が支給されることで、総収入は平均水準に近づきます。

特に現場手当、資格手当、夜勤・休日手当といった加算手当は月収を押し上げる要因

勤続年数が長くなるほど給与は上昇し、40代〜50代では30万円を超えるケースが一般的です。

なお、月給制の他に日給月給制を採用する企業も多く、繁忙期は月給以上の収入を得やすい反面、閑散期には収入が減るリスクも伴います。

このため、安定した月収を得るには資格取得や大手企業での勤務が有利とされます。

塗装工(外壁塗装)の初任給は約21万1,600円

塗装工の初任給は、学歴や経験値によって異なりますが約21万1,600円です。

未経験で入職した直後は、主に足場作業の補助、養生、道具の準備など基礎的な業務が中心となるため、給与水準は比較的低めに設定されています。

しかし、入職から半年〜1年の見習い期間を経て、塗料の調合や下地処理といった技術を習得することで、初回の昇給があり、月給1〜2万円の増額が一般的です。

塗装工は技能職であるため、経験を積むほど昇給幅が大きい点が特徴で、3年目以降には25万円前後、5〜10年で30万円超を目指せるケースが多く、キャリア形成が給与水準に直結します。

塗装工(外壁塗装)の平均時給は2,037円

塗装工の平均時給は日本の全産業平均時給を大きく上回ります。

塗装工(外壁職人)の平均時給と全国平均時給
塗装工の平均時給 約2,037円
全国平均時給 約1,118円

建設業は体力を要し危険を伴う作業が多いため、一般的なサービス業や事務職よりも高い時給水準が設定される傾向にあります。

また時給換算ではなく、日給換算で提示する職場もあります。

派遣やアルバイトの場合、未経験者は日給9,000〜13,000円、経験者は10,000〜20,000円程度が相場で、これを時給換算すると1,500〜2,500円前後となります。

資格や高度な技術を持つ職人はさらに高い時給単価で評価されることも多く、特殊塗装や高所作業を担当する場合は平均以上の収入が見込める

技能労働の専門性の高さが、高い時給を支える根拠となっています。

塗装工(外壁塗装)の平均年収は低い

塗装工(外壁塗装)の平均年収は、一般的な職種と比較すると低い傾向にあります。

低い要因の一つに挙げられるのが、多重下請け構造による中間マージンの発生です。

発注から下請けへと階層が進むたびに利益が目減りし、最終的に現場の塗装工に渡る報酬が少なくなります。

また、外壁塗装は屋外作業が多く、炎天下や寒冷期での作業、高所作業や化学物質の取り扱いといった厳しい労働環境も敬遠される要因であり、若手人材の参入が進まず人手不足が続いています。

業界全体ではDXの遅れも指摘され、生産性や収益性の改善が進みにくいのが現状

以下では、塗装工(外壁塗装)の年収は、日本の平均年収と建設業界全体の平均年収と比較して低い水準であるのか解説します。

塗装工(外壁塗装)の平均年収は日本の平均年収と比較して低い

日本の平均年収と塗装工(外壁塗装)の年収を比較すると、塗装工(外壁塗装)の平均年収は低い水準にあります。

塗装工(外壁塗装)の平均年収は日本の平均年収との比較
塗装工(外壁塗装)の平均年収 約442万4,000円
日本全体の平均年収 約460万円

厚生労働省「令和5年賃金構造基本統計調査」によると、日本の給与所得者全体の平均年収は約460万円とされています。

一方で、塗装工(外壁塗装)の平均年収はで約442万4,000円と報告されており、国全体の平均を下回る水準です。

塗装工(外壁塗装)は体力的な負担や安全リスクが高いため若手人材の参入が少なく、人手不足が続く中でも十分な賃金上昇に結びついていません。

需要と供給のバランスや仕事の対価として支払われる賃金が想定よりも少ない点が、年収にも影響しているといえます。

塗装工(外壁塗装)の平均年収は建設業全体の平均年収と比較して低い

塗装工(外壁塗装)の平均年収は建設業全体の平均年収と比較すると低い傾向にあります。

塗装工(外壁塗装)の平均年収と建設業全体の平均年収を比較
塗装工(外壁塗装)の平均年収 約442万4,000円
建設業界の平均給料 約548万円

厚生労働省「令和5年賃金構造基本統計調査」によれば、建設業全体の平均年収は約548万円とされ、塗装工(外壁塗装)の平均より100万円程度高い水準です。

建築施工管理技士や電気工事士などの職種は資格による評価が収入に直結しやすいのに対し、塗装工は技能職でありながら資格の評価や待遇への反映が限定的である点も差を広げています。

外壁塗装は住宅改修・リフォーム需要に依存する割合が高く、価格競争に巻き込まれやすい構造

安価で仕事を引き受けると、自然と職人の収入の減少につながります。

その結果、建設業全体の平均水準より低い収入が続いているのが現状です。

塗装工(外壁塗装)の平均年収は地域や経験年数によって異なる

塗装工の平均年収は、勤務する地域や経験年数によって大きく変動します。

塗装工(外壁塗装)の平均年収は、大都市や万博・オリンピックなどのイベント会場となる場所の地域年収は高い傾向にあります。

地域や勤務先の規模によって差があるだけでなく、経験年数の影響が非常に大きい点が特徴

入職直後の見習い期間は、道具の扱いや塗料の基礎知識、下地処理などを学ぶ段階のため、昇給もほとんどありません。

一般的に一人前として現場を任されるまでに3年程度、より高度な技術を習得するには5~10年の経験が必要とされます。

特に外壁塗装では、塗料の選定や下地の劣化状況の判断、施工環境に応じた適切な工法の選択が重要であり、これらは経験を重ねて初めて身につく能力です。

そのため、30代以降になると平均年収は450万円前後に上昇し、40代~50代でリーダー職や現場責任者を担うことで500万円台に到達するケースもあります。

資格取得と経験を組み合わせることで、長期的に安定した高収入を目指せるのが塗装工の特徴です。

以下では、塗装工(外壁塗装)の平均年収を地域別、経験年数別、年齢別で比較しています。

塗装工(外壁塗装)の地域別平均年収

塗装工の平均年収は勤務する地域によって異なります。

塗装工(外壁塗装)の地域別平均年収
北海道 約457万2,000円
東北地方 約402万8,000円
関東地方 約429万5,000円
中部地方 約465万4,000円
関西地方 約462万8,000円
中国地方 約417万4,000円
四国地方 約401万8,000円
九州地方 約388万4,000円

出典:建築塗装工-職業詳細|職業情報提供サイト(job tag)を参考に算出

地域別で見れば、中部地方や関西地方は年収が高い傾向にあります。

建築需要が集中する地域では高め、地方ではやや低めです。

都道府県別では、愛知県が622万9,000円と高く、年収が最も低い愛媛県の286万4,000円と約350万円差があるのが分かります。

特に住宅リフォーム需要や公共工事の多い地域では案件が豊富なため、年収水準も高くなります。

塗装工(外壁塗装)の経験年数別平均年収

塗装工の収入は経験年数に応じて着実に上昇していきます。

塗装工(外壁塗装)の経験年数別平均年収
0年 約317万3,000円
1〜4年 約345万9,000円
5〜9年 約391万8,000円
10〜14年 約421万9,000円
15年以上 約486万6,000円

出典:建築塗装工-職業詳細|職業情報提供サイト(job tag)を参考に算出

未経験入職時は月給20万〜22万円に諸手当2万〜3万円が加わり、年収は300万円程度が一般的です。

入職後6か月〜1年の見習い期間を経て、最初の昇給では月1万〜2万円の増額が見込まれます。

5年目以降には中堅職人として月給25万〜28万円、諸手当3万〜5万円に上昇し、一人で現場を任されるようになります。

さらに10年を超えるベテラン層では、複雑な施工や特殊塗装を担当できるため、高単価案件を受ける機会が増え、収入も安定して高水準となります。

また、資格取得による影響も大きく、2級建築塗装技能士や1級取得で資格手当3万〜5万円の増額が一般的です。

経験と資格の両方を重ねることで、年収は大幅に上昇する傾向があります。

塗装工(外壁塗装)の年齢別平均年収

年齢別に見ると、塗装工の収入は20代から着実に上昇し、50代でピークを迎える傾向があります。

塗装工(外壁塗装)の年齢別平均年収
〜19歳 約292万5,300円
20〜24歳 約322万7,400円
25〜29歳 約353万3,900円
30〜34歳 約395万4,000円
35〜39歳 約445万100円
40〜44歳 約494万8,700円
45〜49歳 約545万8,600円
50〜54歳 約551万200円
55〜59歳 約514万4,800円
60〜64歳 約429万5,000円
65〜69歳 約325万5,100円
70歳以上 約366万6,500円

20代前半は年収300万円台前半と低めですが、30代後半には400万円に達し、40代では500万円前後、50代で550万円程度に到達するケースが一般的です。

実際、正社員の給与では411万円〜455万円の層が最も多く、上位層では600万円を超える場合もあります。

一方、高齢化が進む建設業界では、技術を持つベテラン職人の価値は高まっており、年収1,000万円規模を稼ぐことも可能です。

こうした背景から、年齢と経験に応じて収入差が大きくなるのが塗装工(外壁塗装)の特徴と言えます。

塗装工(外壁塗装)の仕事で年収・給料を上げる方法

塗装工が収入を高めるには、経験の積み重ねと資格取得、さらに独立や転職といった選択肢があります。

資格取得や転職は、全職種に共通している年収を上げる手段であり、早めに行動することが早期の年収アップにつながるのです。

人手不足により需要が高まっている建設業界では、人員確保のため、若手や資格保有者の待遇改善が進んでいる

週休2日制の導入や経験や技能に応じた処遇の実現など、働きやすい環境が整っており、職場環境がよい企業は増加しています。

また、経験を積んで独立すれば、雇われでは難しい年収1,000万円以上稼ぐことも可能です。

以下では、塗装工(外壁塗装)が年収をあげるための方法を詳しく解説しているため、年収アップを目指している人はぜひ参考にしてください。

塗装工(外壁塗装)の仕事で年収・給料を上げる方法

資格を取る

塗装工として収入を上げる上で最も確実な方法の一つが技能資格の取得です。

資格は技術力を客観的に証明できるため、昇給や資格手当の支給、役職登用に直結します。

塗装工で役立つ資格は、以下の通りです。

資格 受験資格 試験内容 合格率
建築塗装技能士 1級:実務経験7年以上
2級:実務経験2年以上
3級:実務経験6ヶ月以上
学科(真偽法+多肢択一)
実技(建築塗装作業など)
1級:約40%前後
2級:約1.0%〜3.5%
3級:約23〜30%
建築施工管理技士 1級:19歳以上であれば誰でも可能
2級:17歳以上なら誰でも可能第二次は現場での実務経験が必要
第一次検定(学科)
第二次検定(実地)
1級:10%の範囲
2級:20%の範囲
金属塗装技能士 特級:1級合格後5年以上
1級:7年以上
2級:実務経験2年以上が必要
3級:なし
学科試験
実技試験
1級の合格率:50%
2級の合格率:45%

建築塗装技能士2級では月給2~3万円、1級では3~5万円の増額が期待でき、さらに資格手当を設ける企業もあります。

また、建築施工管理技士を取得すれば月給4~6万円の増額や監督職への昇進が可能で、公共工事の受注にも有利です。

金属塗装技能士は自動車や工業製品分野で評価され、2~4万円の増収につながります。

高所作業車や足場主任者など現場必須資格も取得すれば、現場での需要が高まり安定的な収入アップが期待できます。

転職する

塗装工の年収は勤務先によって大きな差があり、同じ仕事内容でも会社を変えることで賃金水準が大きく改善されます。

たとえば、スーパーゼネコンである鹿島建設の2025年3月時点の平均年収は1,184万円とされており、建設業界全体の中で高い年収水準です。

出典:人事データ|サステナビリティデータ・GRI内容索引|鹿島建設

建設業界は労働移動によって賃金が上がりやすいとされており、転職後に賃金が上昇した労働者の割合が他産業より高くなる傾向があります。

転職先を選ぶ際は、労働環境や福利厚生が整っているか、資格取得支援制度があるかを確認することも重要

特に、女性職人の活躍実績やダイバーシティに積極的な企業は、性別に関係なく評価されやすく安定した就業環境を提供しています。

また、通勤時間も考慮すべき要素で、朝早くから始まる現場仕事の特性上、勤務地が近いことは長期就業の継続に直結します。

人手不足が続く塗装工(外壁塗装)では有効求人倍率は5.43と需要が高い業界のため、条件の良い企業へ転職は年収アップへの近道です。

独立する

十分な経験を積んだ塗装工は、一人親方として独立することで収入を大幅に増やせる可能性があります。

独立後の年収は300万~1,000万円超と幅広く、自身の技術力や営業力、人脈次第で大きく変動します。

元請けとして直接仕事を受注できれば、下請け時より利益率が高まり、同じ工事でも収益が倍以上になる例も珍しくありません。

独立には作業車両や工具購入費、塗料仕入れ費、保険料など最低100万円程度の開業資金が必要

準備段階では、技能士資格の取得や5~7年程度の実務経験の蓄積、顧客ネットワークの構築が欠かせません。

さらに、施工事例の公開や地域密着の営業活動により信頼を得ることが成功の鍵となります。

ただし、独立後は収入の不安定さや事務作業・営業活動の負担増加といったリスクもあるため、経営スキルと計画性が不可欠です。

塗装屋の平均年収は高く努力によっては1000万以上も目指せる

塗装工(外壁塗装)は、建物や構造物の表面に塗料を塗り、外観の美観を保つだけでなく、防水性や耐久性を高める役割を担う職人です。

外壁塗装は住宅リフォーム需要の増加により安定した仕事量があり、人手不足が続く建設業界の中でも需要の高い職種といえます。

見習いの段階では年収は低い傾向にありますが、資格取得や経験を積むなど継続して努力することで1,000万円以上の年収も目指せるのが魅力です。

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GATEN職 画像

GATEN職の詳細
運営会社 株式会社アール・エム
対応地域 全国
求人数 6,709件(2025年時点)
業種 建設業界中心
未経験
雇用形態 正社員、契約社員、アルバイト、業務委託
特徴 会員登録なしで求人に応募可能
住所 〒541-0052
大阪府大阪市中央区安土町2-3-13 大阪国際ビルディング5F
厚生労働省事業者届出番号 51-募-000945
  • GATEN職の特徴現場系のお仕事全般の求人を掲載している
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