一級建築士の転職は難しい?年齢別の転職難易度と未経験でもおすすめの転職先

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一級建築士の転職

一級建築士は、建築業界で非常に評価の高い国家資格であり、転職市場においても優遇されます。

 一級建築士とは、国土交通大臣の免許を受け、一級建築士の名称を用いて、建築物に関し、設計、工事監理その他の業務を行う者をいいます。
一級建築士になるためには、一級建築士試験に合格し、免許を受けることが必要です。

出典:国土交通省一級建築士について

一級建築士の転職では、20代・30代・40代・50代と年齢によって評価されるポイントが異なり、それぞれの強みを活かすことが重要です。

また、ゼネコンや設計事務所、デベロッパーや建設コンサルタント会社など、未経験でも挑戦できる転職先が豊富に存在します。

この事では、一級建築士の転職難易度を年齢別に詳しく解説し、資格や経験を活かせるおすすめの転職先をご紹介します。

この記事でわかること
  • 一級建築士の年齢別の転職難易度
  • 一級建築士が未経験でも活躍できるおすすめ転職先

自分に合った働き方やキャリアパスを見つけたい方は、ぜひ参考にしてください。

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関連記事:建築士の年収は低い?一級建築士と二級建築士の平均年収や、男女・年齢・職場別の年収も紹介

一級建築士の年齢別転職難易度

一級建築士の資格は建築業界において高い専門性を示す国家資格であり、転職市場でも重宝される存在です。

しかし、転職のしやすさは年齢によって異なり、採用企業の期待値や評価されるポイントも大きく変化します。

一級建築士(所属建築士)の数・年齢構成

出典:国土交通省建築行政に係る最近の動向

若手はポテンシャルと柔軟性が評価され、一級建築士の若手人材が貴重であることからも需要は高いです。

一方、中堅以降は実績とマネジメント力が求められる傾向があります。

そのため、同じ一級建築士であっても年齢ごとに戦略を変えることが転職成功のカギとなります。

年齢別転職成功のポイント

  • 若手は柔軟性・学ぶ意欲・成長性をアピールする
  • 中高年層は実績・マネジメント経験・業界理解を具体的に伝える

転職成功のカギは、年代に応じた強みを明確にし、企業が求める人物像とマッチさせることです。

採用企業のニーズを的確に把握し、自分の経験やスキルを論理的に伝えることで、転職の成功率は大きく向上します。

年齢別に見る転職の難易度と評価されやすいポイント
20代 未経験でも挑戦しやすく、ポテンシャル採用が中心
30代 即戦力としてのスキルや実績を活かせる
40代 マネジメント経験やチーム育成力が求められる
50代 現場監理や後継者育成を担う人材として重宝される

20代一級建築士の転職は「ポテンシャル採用で未経験分野にも強い」

20代の一級建築士は、資格の信頼性に加えて「若さ」と「ポテンシャル」を評価されやすい年代です。
とくに社会人経験が浅い第二新卒層であっても、建築士資格があることで設計業務や現場管理業務への道が大きく開かれます。

20代の転職では、経験よりも柔軟性・成長性・適応力といった資質が重視される傾向があります。

そのため、未経験分野であっても、意欲と学ぶ姿勢を伝えれば高評価を得られる可能性が高いです。

また国土交通省の報告によると、一級建築士の年齢構成のうち、20代はわずか1%です。

一級建築士 年代別割合

出典:国土交通省建築行政に係る最近の動向

建築業界は職人の高齢化も課題となっており、若い一級建築士の人材は特に貴重です。

特に未経験職種にキャリアチェンジしたい場合は、ポテンシャル採用してもらいやすい20代のうちがおすすめです。

若さを武器に、業界内外問わずチャンスを掴みに行く強気の転職活動が可能です。

20代一級建築士が評価されやすいポイント
柔軟な発想 新しい設計手法やIT技術への順応が早い
学習意欲 資格取得後もスキルアップに積極的
適応力 環境変化への対応力が高く、職場になじみやすい

20代で転職を成功させるコツ

  • 未経験でも挑戦したい理由を具体的に伝える
  • 将来のビジョンと今後の成長意欲をセットでアピールする

30代一級建築士の転職は「即戦力としてキャリアアップが狙いやすい」

30代の一級建築士は、設計・施工・監理などの実務経験が蓄積されており、転職市場で即戦力として高く評価されます。

経験を活かしながら、新たなプロジェクトやポジションに挑戦したいと考える建築士にとって、30代はキャリアの転換点でもあります。

この年代は、マネジメント能力や提案力が問われ始めるタイミングであり、将来の幹部候補として期待されるケースも少なくありません。

同業他社への転職で、年収アップや待遇改善、裁量の拡大を目指すこともできます。

なお厚生労働省が令和6年賃金構造基本統計調査の結果を加工して作成したデータによると、建築設計技術者の年齢別年収は、次の通りです。

建築設計技術者の年齢別年収

出典:厚生労働省職業情報提供サイトjob tag「建築設計技術者」

また、ゼネコンからデベロッパー、設計事務所からハウスメーカーへのような業態間転職も現実的な選択肢として広がります。

30代は、積み上げたスキルと実績を活かしながら、キャリアの方向性を再設計する絶好のタイミングです。

自分の強みを明確にしたうえで、企業にどんな価値を提供できるかを伝えることが成功の鍵となります。

30代一級建築士が評価されるポイント
実務経験 5〜10年程度の現場・設計業務を経験済み
課題対応力 顧客対応や調整業務もこなせるバランス力
キャリア志向 今後の管理職・リーダー層候補として期待される

30代で転職を成功させるコツ

  • これまでの成果を具体的に数値や案件で提示する
  • 中長期的なキャリアビジョンを面接で伝える

40代一級建築士の転職は「マネジメントスキルと現場力が評価される」

40代の一級建築士は、設計や施工管理の豊富な実績に加え、マネジメントスキルや育成力も求められる年代です。

プレイヤーとしての能力だけでなく、プロジェクト全体を俯瞰する視点があることで、企業からの評価が高まります。

企業側は、即戦力として業務を任せられるだけでなく、若手の指導や組織の中核を担える人材を40代に求めています。

また、熟練の技術者として現場の説得力や対応力も期待されており、施工部門や技術部門の責任者候補としての採用も十分にあり得ます。

現場監理やクライアント対応など、幅広い経験を持っていれば選考において大きな強みになります。

実際、厚生労働省が公開している建築設計技術者のしごと能力プロフィールでも、「他者との調整」や「指導」などの能力が必要だとする数値が高いです。

建築設計技術者に必要なスキル

出典:厚生労働省職業情報提供サイトjob tag「建築設計技術者」

40代の転職では、個人の技術力だけでなく「組織を動かす力」が重要な判断材料となります。

これまで培ってきた実績を土台にしながら、企業にとっての中長期的な貢献を具体的に示すことが大切です。

40代一級建築士が重宝される理由
マネジメント経験 チーム統括・進行管理の実績が豊富
現場での信頼感 ベテラン職人からの信頼も得やすい
若手の育成力 後進指導の実績が評価対象になる

40代で転職を成功させるコツ

  • マネジメント・監理・指導の経験を具体的に語る
  • 実績だけでなく再現性と組織貢献を意識して伝える

50代一級建築士の転職は「後継者・管理職候補として重宝される」

50代の一級建築士は、長年の実務経験と豊富な現場対応力に加え、企業の中核を支える管理職や後継者としての需要が高まる年代です。

建築業界は、他の業界と比較して高齢化が進んでおり、55歳以上の割合も高くなっています。

-建設労働-建設業の現状-日本建設業連合会

出典:日本建設業連合会建設業の現状 4. 建設労働「建設業就業者の高齢化の進行」

企業は、プロジェクト全体を俯瞰できる視野と、若手を牽引するリーダーシップを持つ50代に強い信頼を寄せています。

特に、支店長候補や技術部門の統括、品質管理や教育担当など、専門性とマネジメント力を兼ね備えたポジションでの採用が多いです。

世代交代を意識した採用が積極的に行われています。

また、同業界であれば年収維持、あるいは役職手当の追加による収入アップも十分見込めます。

50代は「過去の実績」だけでなく「今後の役割」を明確に提示することで、採用の可能性を大きく高められます。

今までのキャリアを俯瞰し、どのように企業に貢献できるかを論理的に伝えることが重要です。

50代一級建築士が転職市場で評価される理由
組織運営経験 課長・部長・統括責任者などの経験者が多い
後継者候補としての期待 引退が迫る技術者のポジションを引き継ぐ存在
人材育成スキル 若手への技術指導やチームマネジメント力が高い

50代で転職を成功させるコツ

  • マネジメント経験や業務改善実績を具体的に伝える
  • 企業の「次世代を担う役割」を明確に引き受ける姿勢を見せる

一級建築士におすすめの転職先

一級建築士は、設計・監理・施工管理など建築分野における、高い専門性を持つ国家資格です。

国土交通省によると、令和6年(2024年)の資格試験では、合格率8.8%(学科の試験の合格率は23.3%、設計製図の試験の合格率は26.6%)、合格者数3,010人※でした。

※参考:国土交通省令和6年一級建築士試験「設計製図の試験」の合格者を決定~3,010人の合格者、26.6%の合格率~

10人が試験を受けても、9人は落ちてしまう高難易度の資格であることから、建築業界だけでなく周辺業界でも資格の信頼性が高いです。

未経験分野への転職でも、十分に評価される可能性があります。

未経験の業種であっても、一級建築士として培った知識・図面作成力・コミュニケーション能力は、さまざまな職種に応用可能です。

とくに建築に関わるプロジェクトやコンサルティング業務では、設計者視点を持つ人材が重宝されます。

また、CADやBIM、マネジメント経験などがあれば、より高い評価を得られることもあります。

未経験職種への転職は「業界知識がない」ことよりも「どう活かすか」が重視されます。

以下に、一級建築士が未経験でも挑戦しやすい転職先を紹介します。

一級建築士が未経験から活躍できる転職先の一例
ゼネコン 現場監理・施工計画・技術支援などで活躍
設計事務所 意匠設計・構造設計・設備設計など専門性に応じて選べる
ハウスメーカー 戸建て住宅の設計から顧客提案まで幅広く対応可能
デベロッパー 企画・設計監修・商品開発などで建築知識を活かせる
PM/CM会社 予算・品質・工程の全体管理業務を担当
建設コンサルタント会社 地域計画や都市開発プロジェクトに参画できる

未経験分野で活躍するためのポイント

  • 前職の業務で培ったスキルをどう活かせるか具体的に説明する
  • 即戦力ではなく「応用力・理解力・吸収力」を武器にする
一級建築士が未経験から活躍できる転職先

関連記事:建設業の儲かる業種ランキング!稼げる職人・職種を給料や年収と共に紹介

ゼネコン

ゼネコン(総合建設業者)は、一級建築士の資格を最も活かしやすい代表的な転職先の一つです。

ゼネコン=「General Contractor(総合建設業)」の略。
発注者から工事を「一括で受注」し、専門業者の取りまとめを行いながら、工事を完成に導く。
工事の施工だけでなく、設計部門や研究開発部門、多様な部署があることも特徴。

引用:日本建設業連合会 中部支部建設業・ゼネコンを知ろう!!

大規模なプロジェクトを一括して受注・管理するゼネコンでは、設計図面の理解力、現場監理能力、法規対応の知識などが求められます。

とくに未経験分野からの転職であっても、一級建築士としての建築法規や構造に関する基礎知識があれば十分に活躍可能です。

入社後は現場監督や施工管理職、あるいは技術営業や積算担当として、現場を支えるポジションに配属されるケースが多いです。

また、大手ゼネコンでは教育体制が整っており、研修やOJT制度を通して専門性を深めていくことができます。

ゼネコンは一級建築士が長期的なキャリアを築くうえで安定性と将来性のある業界です。

プロジェクトの規模が大きくやりがいも大きいため、やる気次第で管理職や技術部門のリーダーを目指すことも可能です。

ゼネコンで一級建築士が活躍できる主な職種
施工管理 現場での工程・品質・安全管理を担当
技術営業 設計・技術提案を通じて受注活動を支援
積算・見積 図面から材料や工数を算出しコストを管理

ゼネコンへの転職を成功させるコツ

  • 設計スキルだけでなく現場経験や調整力もアピールする
  • 未経験であれば研修制度や教育体制のある企業を選ぶ

設計事務所

設計事務所は、一級建築士の専門性をダイレクトに活かせる職場の一つです。

建築士事務所では主に、建築主の方の思いをまとめ具体的な図面にする『設計』業務と、作成した設計図書通りに施工されているかを確認する『監理』業務を行っています。その中で、必要な調査、申請手続きの代行、品質・工程・予算等の管理、建築主への様々なアドバイスをして進めます。

引用:一般社団法人 日本建築士事務所協会連合会建築士事務所の仕事とは

意匠設計や構造設計、設備設計といった各専門分野に分かれており、自身のスキルや興味に応じてキャリアを深められるのが特徴です。

未経験であっても、一級建築士としての図面作成力や建築知識があれば、即戦力として育成してもらえるケースも少なくありません。

とくにアトリエ系の小規模事務所では、設計だけでなく打ち合わせや現場対応まで幅広く関わることができ、実務を通じてスキルアップが可能です。

組織系の大手事務所であれば、担当業務が明確に分かれており、特定分野の専門性を磨きやすい傾向にあります。

設計事務所は「建築家としての経験値」を高めたい方にとって最適な職場です。

だわりある設計に携わりたい、社会的意義の高い建築物を手掛けたいという志向がある場合に向いています。

意匠設計 建物のデザインや空間構成を担当する分野
構造設計 建物の安全性や耐震性を確保する設計分野
設備設計 空調・電気・給排水などインフラ設備の設計

設計事務所への転職を成功させるコツ

  • 自分が携わりたい建築ジャンルを明確にする
  • ポートフォリオや図面の作例を用意しておく

ハウスメーカー

一級建築士がハウスメーカーへ転職することは、非常に有望なキャリアパスのひとつです。

大手ハウスメーカーの例

  • 大和ハウス工業
  • 積水ハウス
  • ミサワホーム

ハウスメーカーでは、戸建住宅の設計・施工・販売を一貫して行います。

一級建築士としての技術力と、顧客対応力のバランスが重視される職場です。

一級建築士の知識は、住宅設計や法規対応、構造提案などに直結するため、即戦力として期待されやすい傾向があります。

とくに注文住宅を扱う企業では、顧客のライフスタイルや希望をヒアリングし、それを図面やプランに反映する提案力が求められます。

また、営業やインテリアコーディネーターと連携しながら、顧客満足度の高い住宅づくりを目指す点も特徴です。

ただしハウスメーカーは、安定した雇用環境・待遇が期待できることから人気の職場であり、一級建築士の中途採用枠が見つからないこともあります。

ミサワホームは2025年6月時点で、「住宅営業」の中途採用の求人しか公式サイトに掲載していません。

ミサワホーム

※出典:ミサワホーム採用情報

しかし住宅分野で長期的なキャリアを築きたい一級建築士にとっては、非常に魅力的な転職先です。

住宅設計 顧客要望をもとにプランを作成し、仕様を決定
営業支援 商談時の技術的な説明や間取り提案を担当
法規対応 建築確認申請や各種申請業務を担う

ハウスメーカーへの転職を成功させるコツ

  • 住宅に対する価値観や設計ポリシーを明確に伝える
  • 顧客と向き合う姿勢や提案力を自己PRでアピールする

デベロッパー

デベロッパーは、土地や建物の開発・企画・管理を行う企業で、一級建築士の視点が非常に重宝される業界です。

デベロッパーとは、都市開発・再開発、住宅地の造成や開発、建売住宅やマンション、別荘などの建設・分譲を行う会社(土地開発業者)のこと。

※引用:SUUMO住宅用語大辞典デベロッパーとは

設計や施工の現場から一歩離れ、街づくりや事業全体の構想段階に関わることができるのが大きな魅力です。

一級建築士としての建築知識や法規の理解は、物件の企画やプランニングにおいて非常に有利に働きます。

具体的には、建築確認や法的チェックを行いながら、外部設計事務所やゼネコンとの調整業務に携わることが多いです。

また、分譲マンションや商業施設など大規模物件の全体管理にも関われるため、業務のスケールも大きくなります。

デベロッパーは「施主側の視点」で建築に携わりたい建築士にとって理想的な職場です。

技術だけでなく、調整力・交渉力・企画力が問われる点も特徴です。

企画・開発 土地活用や施設計画の立案と企画立ち上げを行う
設計監修 外部設計事務所や施工会社との設計調整を担う
法的チェック 法令遵守や確認申請のサポートを担当する

デベロッパーへの転職を成功させるコツ

  • 「設計経験をどう事業に活かせるか」を言語化する
  • 調整業務や関係者との折衝経験をアピールする

PM/CM会社

PM(プロジェクトマネジメント)/CM(コンストラクションマネジメント)会社は、建設プロジェクトを発注者側の立場で管理・支援する専門企業です。

設計や施工を直接行わず、工期・品質・コストの三要素をコントロールすることで、プロジェクトの成功をサポートします。

一級建築士の資格と建築に関する深い理解は、発注者に代わって専門的判断を下す際に非常に重宝されます。

PM/CM業務は計画段階から竣工まで幅広く関与するため、建築設計・施工管理の経験があるほど転職後も即戦力として活躍しやすいです。

また、公共施設や大規模開発など社会的に意義のあるプロジェクトに関われる点も魅力です。

PM/CM会社は「設計・施工の経験を活かして上流からプロジェクトに関わりたい」一級建築士に最適です。

実務能力に加え、折衝力・調整力・リーダーシップが求められる仕事です。

なお転職先として検討できるCM会社は、一般社団法人 日本コンストラクション・マネジメント協会の「CM事業者名簿」でも確認できます。

工程管理 計画通りに進むようスケジュールを調整
コスト管理 見積もり精査やコスト調整、予算内での管理
品質管理 施工内容や設計品質のチェック・是正指導

PM/CM会社への転職を成功させるコツ

  • 施工管理や設計業務の経験をプロジェクト全体視点で語る
  • クライアント側の視点を意識した提案力や調整力をアピールする

建設コンサルタント会社

建設コンサルタント会社は、民間や官公庁が行うインフラ整備や都市開発プロジェクトを、調査・計画・設計の段階から支援する専門企業です。

インフラ全般に関して総合的にプロデュースやアドバイスをし、発注者をサポートする役割を担っています。

※引用:建設技術研究所建設コンサルタントとは?

土木・建築・都市計画など幅広い分野にまたがっており、プロジェクトの根幹を支える立場として活躍できます。

一級建築士としての知識は、建築物の配置計画や設計監修、耐震性評価など多くの業務で重宝されます。

特に官公庁案件では、建築基準や法規制を踏まえた助言が求められるため、資格を持つだけで信頼度が高まります。

プロジェクトによっては、地域住民との合意形成や環境配慮のための調査などにも関わることがあり、視野の広さが必要とされます。

建設コンサルタント会社は「計画の初期段階から街づくりに関わりたい」一級建築士に最適な転職先です。

社会貢献性が高く、長期的に安定したキャリアを築ける職場としても人気です。

基本計画策定 都市や施設の基本構想を立案する
法規・耐震監修 設計内容が建築基準法等に適合しているかを確認
公共事業支援 自治体や国との調整や報告書作成などを担当

建設コンサルタント会社への転職を成功させるコツ

  • 建築設計だけでなく「街づくり」への興味を伝える
  • 公共性や法規遵守への理解をアピールする

一級建築士の転職に関するよくある質問

一級建築士の転職に関する、年収や年齢などのよくある質問に回答します。

一級建築士の年収は?

2019年に厚生労働省が発表した賃金構造基本統計調査によると、一級建築士の平均年収は約700万円です。

この平均年収は、規模が10人以上の企業で働く建築士をベースに算出しています。

独立している建築士の年収は含みません。

一方、国税庁の「令和5年分 民間給与実態統計調査」によると、日本で年間を通じて勤務した給与所得者の平均年収は、おおよそ460万円でした。

一級建築士の平均年収は、全職種の中でも高いです。

区分 平均年収
一級建築士 約700万円
全職種 約460万円

30代以降からでも一級建築士に転職できる?

令和6年一級建築士試験「設計製図の試験」の合格者

出典:国土交通省6年一級建築士試験「設計製図の試験」の合格者を決定~3,010 人の合格者、26.6%の合格率』~

合格者の年齢層 割合
30代前半(30〜34歳) 16.9%
30代後半(35〜39歳) 7.4%
40代以上(40歳〜) 8.1%

国土交通省によると、令和6年一級建築士試験「設計製図の試験」の合格者のうち、16.9%が30代前半、7.4%が30代後半です。

また、40代以上の合格者も8.1%存在します。

20代の合格者が中心ではあるものの、30代以降からでも一級建築士になることは可能となっています。

一級建築士の転職ではスキルを活かせる職場を見つけよう

一級建築士の転職活動では、資格の有無だけでなく、これまでに培ったスキルや経験をどのように活かせるかが重要なポイントとなります。

設計、施工、監理、マネジメントなど、一級建築士が持つ専門性は多岐にわたり、適した職場を選ぶことで転職後の満足度も大きく変わります。

転職先の業界や職種によって求められる役割やスキルの傾向が異なるため、自分の得意分野と照らし合わせたうえで職場選びを行うことが大切です。

職場選びの軸 業務内容・働き方・社風・待遇のバランスを重視
スキルの棚卸し 設計・監理・マネジメントなど強みを明確化する
将来ビジョン 5年後・10年後の働き方から逆算して選ぶ

また、現場での対応力や法規知識、コミュニケーション能力といった「資格以外の武器」も積極的にアピールすることで、選考通過率を高めることができます。

中には、これまでとは異なる業界に転職し、新たなフィールドで一級建築士の知見を活かしているケースも多く見られます。

一級建築士が活躍できる主な転職先まとめ

  • ゼネコン:施工管理や積算などで即戦力として活躍
  • 設計事務所:専門性を活かした設計職に強み
  • ハウスメーカー:顧客対応力と提案力が武器に
  • デベロッパー:上流工程での企画・設計監修に関与
  • PM/CM会社:発注者支援の立場でマネジメントを担当
  • 建設コンサルタント会社:調査・計画フェーズから関われる

一級建築士の転職は、資格を起点に「どんな働き方がしたいか」を軸に職場を選ぶことが成功の鍵です。

長期的なキャリア形成を視野に入れて、自分に最適な職場を見極めましょう。

一級建築士の転職活動まとめ
  • 年齢に応じた強みを活かすことで転職成功の可能性が高まる
  • 未経験業種でもスキルの応用次第で活躍の場は広がる
  • 設計・監理・マネジメントなど多様なキャリアが描ける
  • 自分に合った職場選びが転職後の満足度を左右する

一級建築士の現場経験を活かせる仕事を探している方には、「GATEN職」の活用がおすすめです。

GATEN職

GATEN職の詳細
運営会社 株式会社アール・エム
対応地域 全国
求人数 6,709件(2025年時点)
業種 建設業界中心
未経験
雇用形態 正社員、契約社員、アルバイト、業務委託
特徴 会員登録なしで求人に応募可能
住所 〒541-0052
大阪府大阪市中央区安土町2-3-13 大阪国際ビルディング5F
厚生労働省事業者届出番号 51-募-000945

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一級建築士優遇の求人も掲載しており、一級建築士のスキルや経験を活かして働ける高収入の求人も豊富です。

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