厚生労働省のデータによると、40代男性の転職入職率はほかの年代に比べると低く、転職難易度が比較的高いことがわかります。

40代から「一生続けられる仕事」を探す際は、将来性・健康維持・雇用の安定性・資格の有無といった要素を基準に選ぶことが重要です。
また、経験よりも人柄や継続力が評価されやすい職種は、未経験からでも参入しやすく、年齢による制限を受けにくい特徴があります。
本記事では、40代男性でも始めやすく、将来の需要が確実に見込める仕事を厳選し、必要な資格・実際の年収・転職難易度などについて紹介します。
- 40代男性が長く働けるおすすめの仕事
- 40代男性におすすめの資格
自分に合った働き方やキャリアパスを見つけたい方は、ぜひ参考にしてください。
40代から一生出来る男性におすすめの仕事10選
40代から働くとなると人手不足の業界や職種などだと採用されやすいためねらい目です。
ここでは、40代から一生できる男性におすすめの仕事について紹介します。
関連記事:未経験でもできる転職しやすい仕事12選!30代・40代・50代の再スタートにもおすすめ
建設業の職人
建設業は慢性的な人材不足が続いており、建設技術者・技能工の有効求人倍率は常に3〜5倍と高い水準です。
ヒューマンリソシアが発表する建設HRレポート一覧によると、ハローワークにおける建築・土木・測量技術者(常用・除くパート)の有効求人倍率は6.26倍(前年同月比0)となり、ここ1年間、大きな変化はない状況です。

つまり全体的な建設業界は需要が高く、売り手市場であるということです。
40〜60代の採用も積極的で、未経験から入職できる領域が多く、年齢による制限が少ないのも特徴です。
必要資格は不要ですが、入職後に「玉掛け」「小型移動式クレーン」「足場組立作業主任者」「電気工事士」などの国家資格を取得することで現場責任者や専門職へのキャリアアップが可能です。
平均年収は350〜550万円で、資格手当・現場手当により収入が上昇します。
建設需要はインフラ整備・老朽化対策・災害復旧などで継続するため、長期的な雇用安定性が高い点が魅力です。
ビルメンテナンス
ビルや施設は必ず管理が必要なため、需要が景気の影響を受けにくい職種です。
未経験採用も多く、40代以降の転職者数も多い傾向があります。
資格は不要ですが、電気工事士、危険物取扱者、ビル管理技術者などの資格取得で年収向上や昇進が見込めます。
平均年収は350〜500万円で、夜勤の有無による変動があります。
安定性が高く長期間続けやすい点から「セカンドキャリアとしての定番職種」です。
関連記事:ビルメンはやめとけと言われる理由10選!向いてない人の特徴・「やめとけ」を上回るメリットを解説
警備員
警備業界は慢性的な人手不足で、有効求人倍率は約5倍と高水準にあります。
採用年齢の幅が広く、40〜60代男性の就職先として安定した需要があります。
資格不要で始められますが、施設警備2級・交通誘導2級を取得すると昇給や配置転換が可能です。
平均年収は300〜450万円で、夜勤を含む勤務体系では収入が増えます。
業務はマニュアル化されており、継続力や誠実性が評価されるため、未経験でも入りやすい点が特徴です。
配送ドライバー
EC市場の拡大とコロナウイルス感染症拡大の影響により、ネットショッピングの利用者が増えたことから需要が高くなっています。

必要なのは普通自動車免許のみで、40代以降の参入も容易な職種です。
平均年収は350〜600万円で、歩合制の企業では高収入も可能です。
軽貨物配送は開業のハードルが低く、即日稼働できる場合も多いため、転職難易度は低〜中程度といえます。
需要が安定しているため長期的に働きやすい点が特徴です。
営業職
営業は多くの業界で人手不足が続いていることから、一般的に売り手市場であるとされています。
資格は不要で、経験よりもコミュニケーション能力や対人スキルが評価されやすいため、40代でも採用されやすい傾向があります。
平均年収は400〜700万円で、業界や実績による変動が大きい職種です。
成果に比例した給与体系が多く、未経験でも努力次第で収入上昇が可能です。
タクシードライバー
普通自動車免許(3年以上)があれば応募でき、40〜60代の採用割合が高い職種です。
第二種免許は会社負担で取得できる場合が多く、未経験参入が容易です。
平均年収は350〜550万円で、歩合制により稼働量で収入が変動します。
高齢化社会・インバウンド増加により需要は安定しており、再雇用制度も整備されているため長期就業が可能です。
年齢による制限が少ない職種の一つです。
工場作業員
製造業では、2024年版 ものづくり白書によると、65歳以上の就業者が全体の8.3%を占めており、人手不足がつづいています。

ライン作業・検品・組立などは未経験でも習得しやすく、有効求人倍率も安定しています。
平均年収は350〜500万円で、大手企業では賞与が高い傾向があります。
資格不要ですが、フォークリフト免許や危険物取扱者などを取得することでキャリアアップが可能です。
景気に影響される面はありますが、需要が安定しやすい業種です。
清掃スタッフ
清掃業は人材不足が続き、有効求人倍率は2〜3倍と高い水準です。
業務内容が標準化されており、短期間で習得できるため40代からの転職者も多い傾向があります。
資格不要で始められますが、ビルクリーニング技能士の取得で昇給やリーダー職への昇格が可能です。
平均年収は280〜400万円で、早朝勤務や夜勤で収入が上がります。体力は必要ですが、長期間働き続けやすい仕事です。
WEBライター
デジタルコンテンツ市場の拡大に伴い、ライター需要は増加しています。
資格不要で始められ、年齢制限もなく、40代からの参入例も多数あります。
平均年収は300〜600万円で、スキルと受注量に応じて変動します。
SEO知識や専門分野を持つと高単価案件が獲得しやすく、リモートワークで継続しやすいため長期的に働くことが可能です。
軽作業(倉庫・仕分け)
物流拡大により倉庫業の人材需要は増加しており、有効求人倍率も高い傾向があります。
未経験で始めやすく、年齢による制限が少ない点が特徴です。
平均年収は300〜400万円で、夜勤やシフト制では収入が上がる場合があります。
体力は必要ですが、作業がシンプルで覚えやすく、中高年採用の受け皿として安定しています。
40代男性が一生出来る仕事に役立つおすすめの資格
資格を取得しておけば転職の際に有利になったり、入社後に資格手当としてキャリアアップ・昇給しやすくなるメリットがあります。
ここでは、40代男性におすすめの資格について紹介します。
2級建築施工管理技士
2級建築施工管理技士は第一次検定において「満17歳以上」であれば誰でも受検可能となっています。
合格後は、公共・民間の建設現場で施工管理として働ける資格で、基礎から実務管理まで対応できる技術者として評価されます。
建設業は構造物の維持管理や再開発需要が続くため、年齢問わず安定した雇用が期待できます。
さらに資格取得により現場管理職・監督職へのキャリアアップも視野に入ります。
介護職員初任者研修
介護職員初任者研修の受講には特段の学歴・年齢・経験の条件はなく、16歳以上であれば無資格・未経験でも申し込めます。
内容は座学と実技を含み、高齢者介護の基礎を学ぶための研修。
修了後は施設や訪問介護など、介護職のスタートラインに立てるため、職歴や年齢に関係なく転職先として選びやすい資格です。
介護業界は慢性的な人材不足で、安定した就労機会が見込める点が魅力です。
中型・大型自動車免許
2022年(令和4年)5月13日の道路交通法改正により、中型・大型免許の受験資格が大幅に緩和されました。
現在では「普通免許を保有し、かつ保有期間が1年以上あれば」、特例教習を受けたうえで、中型または大型免許の受験が可能です。
この変更により、40代以上の年齢でも普通免許さえあれば比較的取りやすくなり、短期間の取得も現実的です。
中型・大型免許を取得すると、物流・配送・建設輸送・公共輸送など、あらゆる大型車両の運転が可能となり、慢性的なドライバー不足が続く運送業界で高い需要があります。
特にトラックの人手不足と求人倍率の高さは公的にも指摘されており、免許保有者は即戦力として採用されやすい状況です。

参照:カーゴニュースオンライン
40代から一生出来る仕事の特徴
40代から一生できる仕事を探すとなると20代~30代と比べるとやはりハードルが高くなります。
ここでは、40代から一生できる仕事の特徴について紹介します。
AIの影響を受けにくい仕事
40代から長期的に働くには、将来的な仕事の消滅リスクが少ない産業を選ぶ必要があります。
介護・物流・インフラ(建設・設備)・教育など、「人口動態・生活インフラ」に基づく業界がねらい目です。
これらの仕事はAI代替が難しく、対人対応や現場判断が必要な業務が多いため、40代以降も需要が高いままです。
また、これらの分野は求人倍率が全産業水準(約1.2倍)を上回る傾向があり、中高年層の採用も積極的であることから40代の再スタートに適した領域です。
未経験歓迎の仕事
40代からの転職は未経験歓迎の仕事を狙うのがおすすめです。
具体的には、介護・警備・設備管理・配送ドライバー・工場作業など、マニュアル化された領域やOJTを前提とした業界です。
例えば介護職の場合、40〜59歳の就業比率が高い傾向にあることがわかります。

参照:公益財団法人介護労働安定センター|職種別回答者の年齢構成
また、年齢に関係なく資格取得でキャリアアップ可能な分野が多いことも特徴です。
40代は即戦力でなくても、継続性・安定性を示せば評価されやすく、未経験から始めやすい条件が整っています。
資格取得によりキャリアアップできる仕事
40代では手に職を得られる資格職が特に評価されています。
たとえば介護福祉士、電気工事士、施工管理技士、フォークリフト、宅建、行政書士など、資格そのものに年齢制限がないものが多く人手不足であるケースもあります。
資格は明確なスキル証明となるため、年齢より能力で評価されやすく、独立や長期就労にもつながります。
関連記事:手に職をつける仕事20選!資格不要・男女別におすすめの仕事も紹介
身体的負担が少ない仕事
40代以降は、体力より継続して働けるかどうかが重要です。
身体を酷使しすぎない仕事、もしくは座りっぱなしにならない仕事が長期的に続けやすいでしょう。
例えば、設備管理(巡回中心)、ルート配送、介護(機器の導入で負担減)、軽作業、ITサポート、在宅ライターなど。
これらの職種は、勤務環境の改善やDX化によって負担が軽減されており、長期就労しやすい傾向があります。
年齢が上がっても働き続けやすい環境であることは、「一生できる仕事」の重要な条件として外せないポイントです。
関連記事:中高年が稼げる仕事5選!仕事を探すコツや注意点を紹介
40代未経験でも一生出来る仕事に転職できる
40代男性でも始めやすく、将来の需要が確実に見込める仕事を厳選し、必要な資格・実際の年収・転職難易度などについて紹介してきました。
40代からの転職やキャリアアップは20代~30代と比べると難易度は高いですが、新しい可能性を見つけるチャンスでもあります。
たとえば資格がなくても始められる仕事や未経験歓迎の仕事、人手不足の業界などを狙えば40代以上でも採用してもらいやすいでしょう。
また資格取得することによってキャリアアップやスキルアップ、昇給、採用率が上がるなど様々なメリットがあります。
今回の記事を参考に長く働ける仕事を見つけてみてください。
