土木作業員は、道路や橋、トンネル、ダム、河川改修など、社会インフラ整備に携わる仕事です。
道路の建設、河川の治水、土地造成などの土木工事の中には、大型建設機械では対応できない細部の作業や多種少量で機械化が困難な諸作業など、人力で行うことが不可欠な作業があり、このような作業を行うのが建設・土木作業員である。
社会基盤を支える重要な役割があり、インフラの老朽化により、需要は高まっています
一方、高齢化社会の影響により、人手不足は深刻です。
国土交通省の「住宅分野における建設技能者の確保に向けて」によると、建設・土木作業者数は1995年以降減少傾向にあります。
建設・土木作業者の39歳以下の割合が減少傾向にあり、60歳以上の割合は増加傾向にあるものの、引退が濃厚とされる約10年の間に技術者不足になると見込まれています。
本記事では、インフラ工事の増加や人手不足により、今後も需要が高まる土木作業員の仕事内容を解説します。
1日の仕事の流れや土木作業員に向いている人の特徴も紹介しているため、興味がある人はぜひ参考にしてください。
土木作業員の仕事内容
土木作業員とは、道路・橋・トンネル・ダム・上下水道など、社会基盤(インフラ)の建設や維持管理を担う職種です。
公共工事の大半は道路や上下水道など生活基盤に直結する分野であり、土木作業員の役割は社会の安全と利便性を支えるうえで欠かせません。
仕事内容は多岐にわたり、以下のような業務が中心です。
土木作業員の仕事内容
- 現場の準備作業:資材の搬入、重機の誘導、足場や仮設設備の設置
- 掘削・基礎工事:重機や手作業で地面を掘削し、コンクリート基礎を築く
- 型枠・鉄筋組立:コンクリート構造物の骨組みを組み上げる
- 舗装・仕上げ作業:道路や歩道をアスファルトやコンクリートで舗装する
- 維持・補修作業:老朽化した道路・橋・上下水道の修繕
加えて、現場では安全確保が最も重視されます。
建設業は依然として労働災害の件数が多い産業のひとつとされており、作業手順の遵守や声掛けなどのチームワークが不可欠です。
土木作業員の仕事は単なる体力労働ではなく、社会インフラを形づくり、生活の基盤を支える重要な役割を果たしています。
以下では、土木作業員の主な仕事内容を解説していきます。
土木作業員の仕事内容
仕事内容は資材の運搬や掘削など
土木作業員の基本業務には、資材の運搬と掘削作業があります。
資材の運搬では、工事に必要な金属材や木材、セメントなどを適切なタイミングで現場へ供給します。
大型トラックによる輸送が行われる場合も多く、現場での積み下ろしでは安全確保と資材管理が重要です。
一方、掘削作業は新設や改修工事に欠かせない基礎工程で、土を掘り返し地盤を整える役割を担います。
掘削により建造物や道路が安定して施工できるように下地を作り、深層部分まで整備する場合もあります。
ショベルカーなどの重機を使う大規模工事が多く、施工精度と安全性が求められる重要な作業です。
土木作業員が働く現場は多種多様
土木作業員が活躍する現場は幅広く、人々の生活基盤を整える社会インフラに直結しています。
代表的な現場は、以下の通りです。
- 道路や橋、トンネルなど交通インフラの建設・維持管理
- 河川護岸、堤防工事など水関連のインフラ整備
- 港湾や空港の整備
- 上下水道管や処理施設の設置・更新
- 宅地造成や公園整備
- 砂防や地すべり防止工事
- 農業や林業の基盤整備
代表的なものに道路や橋、トンネルなど交通インフラの建設・維持管理があります。
道路工事では地盤の掘削・盛土、路盤づくり、橋梁工事では基礎や橋脚の構築、橋桁架設、防水や補修など、完成後もひび割れ補修や点検など維持管理を行い、社会インフラを安全に保つ重要な役割を果たしています。
また、水害防止や水資源の確保を目的としたダムや河川護岸、堤防工事など水関連のインフラ整備も重要です。
作業場所は都市部、郊外、山岳地帯や海岸部などさまざまで、自然災害の復旧工事に従事することもあります。
土木作業員の仕事は社会全体の安全と利便性を支える重要な役割を担っています。
土木作業員の種類
土木作業員の仕事内容は「土工業務(土工)」と「機械土工業務(機械土工)」の2つに分けられます。
年収は、経験や資格の取得、勤続年数によって異なりますが、経験を積んで継続し働き続けると年収は上昇する傾向にある職種です。
土木作業員の平均年収・給料データ | |
---|---|
平均月給 | 約27万3,000円 |
平均年収 | 約415万1,000円 |
平均時給 | 一般労働者:2,037円 短時間労働者:1,558円 |
出典:建設・土木作業員-職業情報|職業情報提供サイト(job tag)
また、「土工業務(土工)」と「機械土工業務(機械土工)」それぞれの業務で役立つ資格があり、資格保有者は現場監督や重機の取り扱いが可能になります。
作業できる業務の幅が広がると、任せられる仕事が増えるため、自ずと収入増加の実現が可能です。
以下では、土木作業員の種類と、取得していると有利となる資格を紹介します。
土工
土工とは、土木工事における基礎的な作業を担う業務で、主に手作業や軽作業を中心としています。
新しく入った作業員は、先輩が働きやすい環境を整えるための道具準備や清掃、軽作業から始め、現場の流れを学びます。
小規模工事では短期間で終わる場合もありますが、大規模工事では数か月に及ぶことも珍しくありません。
整地作業ではロードローラーなどの機械を補助的に用いる場合もあり、体力に加えて安全意識と協調性が求められます。
土木作業で有利となる資格は、以下の通りです。
受験資格 | 試験内容 | 合格率 | |
---|---|---|---|
土木施工管理技士 | 1級:19歳以上であれば誰でも受験可能 2級:17歳以上であれば誰でも可能 |
1級:1次学科試験(土木工学、施工管理、法規など101問・2時間40分)2次(施工管理法11問・2時間45分) 2級:1次学科試験(土木工学、施工管理など66問・2時間10分)2次(法規・施工管理法など9問・2時間) |
1級:1次43〜60%・2次28〜36% 2級:1次42〜73%・2次35~62% |
建築機械施工管理技師 | 1級:19歳以上であれば誰でも受験可能(実務経験3〜15年必要) 2級:17歳以上であれば誰でも可能(実務経験6ヶ月〜6年必要) |
1次試験(土木工学、法規、施工管理など) 2次試験(建設機械施行法・高圧設備工事など) |
1級:26~60% 2級:40~70% |
コンクリート技士 | 資格保有または実務経験3年以上 | コンクリート用材料、コンクリートの性質、耐久性など | 30%前後 |
土工は建設工事の出発点となる重要な仕事であり、現場全体を支える役割を担っています。
機械土工
機械土工は、ショベルカーやブルドーザー、ロードローラーといった重機を用いて行う土木作業を指します。
土工業務に比べて専門的な技術が必要とされ、重機操作には「車両系建設機械運転技能講習」や「小型車両系建設機械運転特別教育」などの資格が必須です。
機械土工で役立つ資格には、以下が挙げられます。
受験資格 | 試験内容 | 合格率 | |
---|---|---|---|
クレーン運転士 | 満18歳以上であれば受験可能 | 講習内容(クレーンの知識・関係法令・玉掛を行う方法) | 学科:約50~60% 技能:約40~70% |
玉掛作業員 | 満18歳以上 | 学科試験(高度な電気理論、法規、施工管理、配線図など 50問・2時間20分) 技能試験(配線・高圧設備工事など候補問題10問から出題・40分) |
講習後合格 |
ショベルローダー等運転技能者 | 特になし | 学科・実技11〜35時間 | 講習完了後合格 |
主な業務は資材運搬や掘削、整地であり、造成、埋め立て、杭の埋め込みなど多岐にわたります。
大型重機には冷暖房付きの運転席もあり、天候の影響を受けにくい点が特徴です。
多様な重機を扱える人材は需要が高く、給与水準も高いとされています。
さらに土木施工管理技士などの資格を取得すれば、現場監督や管理職への昇進につながり、キャリアの幅が広がります。
土木作業員の1日の流れ
土木作業員の1日は早朝からスタートします。
8時前後から作業を進める現場が多いため、出社は7時30分、自宅を出る時間は7時前という人も少なくありません。
朝早くスタートする理由として、事前準備が必要な点や、夜に工事ができないため早めに切り上げる必要がある点が挙げられます。
以下では、土木作業員の1日の流れを詳しく紹介します。
出勤・朝礼
土木作業員の勤務は朝が早く、7時〜8時頃に現場へ集合するのが一般的です。
出勤後はまず朝礼を行い、その日の作業内容や進捗目標を確認します。
加えて、安全確認や注意事項の共有も欠かせません。
厚生労働省の建設業労働災害防止協会(建災防)によれば、建設現場での朝礼・KY(危険予知)活動は労働災害防止に有効とされ、毎日実施する現場が大多数です。
出典:KY活動|厚生労働省
午前の作業
朝礼後は資材の運搬や掘削、型枠や足場の設置など、その日の工程に応じた作業が始まります。
午前中は体力があるため、重労働や集中を要する作業を優先することが多いです。
休憩は通常10時頃に15分程度取り、熱中症や疲労の防止に努めます。
建設現場では定期的な小休憩を挟むことが安全管理上推奨されています。
午後の作業
昼食後は13時頃から作業を再開します。
午前に引き続き掘削や整地、コンクリート打設、道路の舗装などを行いますが、午後は疲労が出やすいため、比較的調整可能な作業を割り振るケースもあります。
15時頃にもう一度休憩を挟み、安全確認と進捗状況の見直しを行います。
工事の内容によっては、重機オペレーションや仕上げ作業が中心となる場合もあります。
片付け・解散
終業時間は17時頃が一般的です。
作業終了後は工具や資材の片付けを行い、現場を整備して翌日に備えます。
その後、作業内容や進捗、安全に関する振り返りを行う「終礼」を実施します。
最後に解散し、各自帰宅となります。
繁忙期や工期が迫っている場合は残業が発生することもありますが、建設業の働き方改革により、週休2日(4週8休)の確保と時間外労働の上限規制(月45時間・年360時間以内)が推進されています。
土木作業員の大変なところ
土木作業員は、体力的な負担が大きい職種です。
若手の技能労働者が定着しない主な原因にも、作業がきつい・作業に危険が伴うが挙げられており、体力的負担が大きいことは貢献者不足の要因の一つでもあります。
重い荷物の運搬作業や中腰での作業、季節関係なく野外で作業など、体の負担は蓄積していきます。
体力に自信がある人でも、日々の疲れが長期的な健康悪化につながる可能性もあり、労働を継続できない場合もあります。
以下では、土木作業員の大変なところを詳しく解説していきます。
土木作業員の大変なところ
作業環境が過酷
土木作業員の仕事は屋外での作業が中心であり、天候や現場状況に大きく左右されます。
夏は炎天下での作業により熱中症のリスクが高まり、冬は手足がかじかみ、作業効率や安全性に影響が出ます。
雨天時には地面がぬかるみ、資材の取り扱いや足場が不安定となることで事故リスクが増大するため、防水シートや排水対策といった工夫が欠かせません。
事実、建設現場の事故率は全職種の中でも高く、死傷者が多いのが特徴です。
労働災害件数は減少傾向にありますが、油断による不安全行動が問題視されており、教育現場では実技体験を通じた危険感受性向上が重視されています。
これらを防ぐため、安全講習やミーティング、安全装備の着用が徹底されており、近年ではセンサーやドローンを活用した危険検知も導入されています。
体力的な負担が大きい
土木作業員の仕事は資材の運搬や掘削、コンクリート打設など体力を使う業務が中心で、長時間の立ち作業やかがみ作業、同じ動作を繰り返す単純作業が多く含まれます。
そのため、筋力や持久力が求められ、体力に自信がない人にとっては厳しい環境となります。
重機オペレーターの場合も座って作業する時間が長いものの、段差や砂利道による衝撃が腰や肩に伝わり、身体を痛めるリスクがあります。
さらに重機操作は高い集中力を必要とし、一瞬のミスが重大事故につながる可能性があるため精神的負担も大きいです。
こうした疲労に対応するため、パワーアシストの導入や休憩、ストレッチ、十分な睡眠が推奨され、企業側もストレスチェックや相談窓口を設けて従業員の健康維持を支援しています。
土木作業員に向いている人の特徴
土木作業員はインフラ整備に欠かせない職種であり、社会的貢献度も高いのが特徴です。
作業は肉体労働が基本となるため、体力がある人はもちろん向いています。
また、他の技術者と連携して作業を進めていく必要があり、コミュニケーション能力も欠かせないスキルです。
事故防止のために、作業員同士の声掛けが重要であり、協力して一つのモノを作り上げるチームワークの良さも求められます。
以下では、土木作業員に向いている人の特徴を2つ解説します。
土木作業員に向いている人の特徴
体を動かしながら働きたい人
土木作業員の仕事は、資材の運搬や地面の掘削、瓦礫の撤去など体を大きく動かす業務が中心です。
土木工事は建設業の中でも高い身体活動量を必要とする分野に分類されており、長時間の肉体労働に耐えられる体力が必須とされています。
屋外での作業が多いため、夏は高温多湿、冬は低温環境下での作業となり、体調管理が重要です。
一方で、日々の業務を通じて自然に体力が養われ、運動不足になりにくいという特性があります。
未経験から挑戦できる職種ですが、長時間労働による疲労の蓄積を防ぐには休憩やリフレッシュが不可欠です。
体を動かすことを重視し、肉体労働を通じて安定した収入を得たい人にとって、土木作業員は適性の高い職種といえます。
機械に触れることが好きな人
土木作業員は重機を操作する機会が多く、ショベルカーやブルドーザー、ロードローラーなどを駆使して掘削や運搬、整地を行います。
厚生労働省の統計では、建設機械の操作には「車両系建設機械運転技能講習」や「移動式クレーン運転士」などの資格が必要であり、資格取得によって作業範囲や給与が拡大することが示されています。
出典:作業主任者(法令14条 令条第6条)これらの作業を行う場合は
誤操作は事故に直結するため高い集中力が求められますが、熟練すると数十トン規模の重機を自在に操れるようになり、現場で不可欠な存在となります。
重機操作を通じて専門スキルを磨きたい人にとって、土木作業員の仕事は大きなやりがいと将来的な収入向上を両立できる職種です。
土木作業員に関するよくある質問
土木作業員として活躍するためには、土木作業員の特徴や勤務形態を把握しておく必要があります。
以下では、土木作業員に関するよくある質問を紹介します。
土木作業員に関するよくある質問
土木作業員に資格は必要?
土木作業員として働くために特別な資格は必須ではなく、未経験から始める人も多いのが特徴です。
実際、建設業界の多くの求人では「資格不要」「学歴不問」で採用が行われています。
ただし、業務範囲を広げたり収入を上げたりするには資格取得が有利に働きます。
例えば、ショベルカーやブルドーザーを操作するには「車両系建設機械運転技能講習」が必要ですし、クレーンを扱う場合は「移動式クレーン運転士」や「玉掛け技能講習」が不可欠です。
さらに、現場監督や施工計画に関わるポジションを目指す場合は、国家資格の「土木施工管理技士」が重要となります。
これらの資格を持つことで、安全に配慮した専門作業を任されやすくなるだけでなく、資格手当や昇進の対象にもなります。
つまり、土木作業員として働く上で資格は必須ではありませんが、キャリアアップや高収入を目指す上で大きな武器となるといえます。
土木作業員と建設作業員の違いとは?
土木作業員と建設作業員は同じ「建設業」に属しますが、担当する仕事の範囲に明確な違いがあります。
国土交通省の区分によると、土木作業員は道路・橋・トンネル・ダム・上下水道など、建物以外の社会インフラの建設や維持管理を担う職種です。
掘削や資材運搬、型枠・鉄筋の設置、コンクリート打設などが主な作業で、社会基盤を支える役割を果たしています。
一方、建設作業員は住宅やオフィスビル、商業施設といった建築物の施工や内装工事に従事する職種を指します。
大工や鉄筋工、配管工などが含まれ、建物の完成を目的とした業務が中心です。
つまり、土木作業員は「街をつくる基盤工事」、建設作業員は「建物を建てる工事」という違いがあり、求められる技能や資格も異なります。
両者は相互に連携しながら都市や地域の発展を支えている点では共通しています。
土木作業員は未経験者や女性でも挑戦できる仕事
土木作業員は、学歴や職歴不要で未経験からでも挑戦できます。
また、男性だけでなく、近年女性作業員も参入できる職種として認知されており、今後も需要は高まるでしょう。
出典:建設産業における女性活躍・定着促進に向けた実行計画検討会
体力的・精神的負担は他の職種よりもありますが、社会に貢献できているという達成感がやりがいとなり、継続して仕事を続ける機動力となります。
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