建設業の独立開業でよくある失敗例は?原因・対策、失敗しない独立手順も解説

建設業の独立開業でよくある失敗例は?原因・対策、失敗しない独立手順も解説 ガテン系の独立

建設業で独立を考えているものの、「経営がうまくいくだろうか」「安定した収入を得られるだろうか」と不安に感じる方も多いでしょう。

十分な準備をせずに独立すると、仕事の受注が取れない、資金不足に陥るなどの失敗例もあります。

実際帝国データバンクの報告によると、建設業の倒産数は2024年時点で1890件と、過去10年で最多を更新しています。

建設業倒産数の推移 帝国データバンク

引用:帝国データバンク
「建設業」倒産動向調査(2024年)

さらに倒産数のうち、従業員数10人未満の小規模事業者が最多で92.2%を占めています。

従業員数別でみると、「10人未満」が1742件で最も多く、92.2%を占めた。「10人以上50人未満」が143件、「50人以上100人未満」が5件で続いた。『100人以上』は2年連続で発生せず、小規模事業者が大半を占めた。

引用:帝国データバンク
「建設業」倒産動向調査(2024年)

建設業の独立に成功するためには、独立前に適切な準備を整え、リスクを最小限に抑えることが重要です。

この記事では、建設業の独立開業におけるよくある失敗例とその原因、具体的な対策について解説します。

また、失敗を防ぐための独立手順についても詳しく紹介するので、これから独立を考えている方はぜひ参考にしてください。

この記事の結論
  • 建設業での独立開業でよくある失敗は「仕事の受注が取れない」「一人で仕事を回せない」「価格競争で利益が出ない」「経営業務のやり方がわからない」など。
  • 在職中に知識・経験を積み、資金計画をしっかり立て、必要な許可を取得し、営業ルートを確保することが重要。

関連記事:建設業の職人は独立すると儲かる・稼げる?一人親方の職種別平均年収ランキングを紹介

建設業の独立開業でよくある失敗例

建設業で独立を考える人は多いですが、経営が軌道に乗らずに失敗してしまうケースも少なくありません。

成功するためには、独立後の課題を把握し、適切な対策を講じることが重要です。

ここでは、建設業の独立開業でよくある失敗例とその対策について解説します。

建設業の独立開業でよくある失敗例

  1. 仕事の受注が取れない
  2. 一人で仕事を回せない
  3. 価格競争で利益が出ない
  4. 経営業務のやり方がわからない

失敗例1:仕事の受注が取れない

独立後の大きな課題の一つが、安定した仕事の受注です。

独立したばかりで知名度が低く、実績がないと、新規顧客の獲得が難しくなります。

仕事の受注が取れなければ、当然収益が発生しないので利益が出ません。

また、競争が激しい業界では、低価格競争に巻き込まれやすく、利益確保が困難になることもあります。

原因:集客不足と信用不足

独立直後は知名度が低く、顧客を獲得するのが難しくなります。

独立して直後に顧客を獲得するのが難しい理由

  • 信用や実績が不足している
  • 知名度がなく、存在を知られていない
  • 元請けや取引先とのコネが少ない
  • 営業や集客の知識や経験が不足している

建設業で独立した直後は実績が不足しており、どれだけ技術に自信があっても「任せて大丈夫だろうか?」と不安に思われることも少なくありません。

また、集客するには培ってきた技術だけではなく、営業や集客の知識が不可欠です。

独立後に安定して仕事を受注するためには、「自分を知ってもらう努力」と「信頼を積み重ねる工夫」が欠かせません。

対策:効果的な集客方法の活用

ホームページやSNSを活用し、自社の施工実績や強みを発信しましょう。

集客のためにホームページやSNSで発信する主な内容

  • 自己紹介や仕事へのこだわり
  • 対応業務やサービス内容の紹介
  • 施工事例の紹介(ビフォー・アフター)
  • お客様の声や口コミ
  • 作業の様子の紹介
また、建設業者向けのマッチングサイトへ登録し、案件を積極的に獲得することも有効です。

信頼を築くために、既存の取引先との関係を維持し、リピート顧客を増やす工夫をすることも大切です。

また、建設業専門の求人サイト「GATEN職」では、建設業の独立を応援する職場の求人を多数掲載しています。

成功経験のある社長のインタビューも掲載していますのでぜひ独立の参考にしてみてください。

失敗例2:一人で仕事を回せない

独立後は施工だけでなく、営業、事務、経理などの業務をすべて自分でこなす必要があります。

特に、一人親方として独立する場合、業務の負担が大きくなりがちです。

その結果、工期の遅延や顧客対応の質の低下につながることがあります。

さらに、過労によって健康を損なうケースもあり、仕事の継続が困難になるリスクもあります。

原因:業務負担の過多

独立したばかりの一人親方の場合、多くの業務を抱えてしまうことが、一人で仕事を回せなくなる原因になります。

一人親方が業務負担の過多に陥る原因

  • 見積もりの作成や材料の発注、営業など、全ての業務を一人で対応する必要がある
  • 計画的な業務管理ができず、自分の対応可能な範囲以上の業務を受注してしまう
  • 外注など他の人の支援を活用できていない
  • 疲労が溜まった状態で仕事をするので、仕事の効率が低くなる

業務負担の方を防ぐためにも、自分一人で全てを抱え込まずに、長く安定して働ける環境を整えることが重要です。

対策:業務の分担と外注の活用

業務負担の過多を防ぎ、一人で仕事を回せない状況に陥らないためにも、業務の分担と外注の活用が重要になります。

一人親方ができる業務の分担と外注の活用

  • 経理や事務作業におけるクラウド会計ソフトの導入
  • 集客のためのホームページやSNSの活用
  • 見積書などの事務作業におけるオンライン事務代行サービスの活用
  • 現場作業の一部の外注
業務分担や外注すれば、現場作業に集中できるので、仕事の質も高まります。

独立後に業務過多にならないためにも、一人で全部やるのではなく、信頼できる人やツールを上手に活用するようにしましょう。

失敗例3:価格競争で利益が出ない

建設業界は競争が激しく、特に独立直後の事業者は価格を下げて仕事を獲得しようとする傾向があります。

しかし、安価な受注を繰り返していると利益率が低下し、経営が成り立たなくなる可能性があります。

薄利多売の戦略では、経費の増加に対応できず、資金繰りが悪化しやすくなります。

この問題を解決するためには、価格競争に巻き込まれない戦略が必要です。

原因:競争過多による低価格受注

特にリフォームや住宅施工などの分野では、小規模な業者が多数存在し、単価を下げてでも仕事を獲得しようとする動きが見られます。

値引き競争が常態化していることもあり、適正価格での受注が難しくなります。

また、大手企業と比べて知名度が低いため、低価格を武器にしないと受注が取れないと考える小規模事業者も少なくありません。

低価格受注が続くと、以下のようなデメリットが発生します。

低価格受注のデメリット

  • 利益が少なく、経営の維持が困難になる
  • 手抜きや品質低下の原因になる
  • 技術や信頼ではなく、価格でしか選ばれない職人になってしまう
  • 極端な値下げをすると、同業者との関係が悪くなる
長く安定して仕事を続けるためには、価格だけで勝負するのではなく、自分の技術や信頼で勝負するのが重要です。
「この人に頼みたい」と思ってもらえる仕事をするのが、建設業での独立を成功に導くでしょう。

対策:差別化戦略とコスト見直し

他社と差別化するためには、専門性の高い技術や付加価値を提供することが重要です。

例えば、省エネ住宅や高断熱工事など、特定の分野に特化することである程度競争を回避できます。

また、施工の品質や保証内容をアピールし、価格以外の要素で選ばれる業者を目指しましょう。

そして収入を増やすだけでなく、支出を減らすことで実際の手取り額を増やすことも大切です。

全建総連東京都連合会2023年の調査によると、一人親方が月額で負担する代表的な費用には、釘・金物代(25,055円)、ガソリン代(22,122円)、高速料金(15,469円)、現場の駐車場代(14,815円)などがあります。

順位 コスト項目 月額負担額 削減方法
1位 釘・金物代 25,055円 仕入れ先を比較し、安価な業者を選ぶ。共同購入を活用。
2位 ガソリン代 22,122円 燃費の良い作業車に買い替える。移動経路を最適化。
3位 高速料金 15,469円 ETC割引や通勤時間を調整して節約。
4位 現場の駐車場代 14,815円 公共交通機関や月極駐車場の利用を検討。

参考:全建総連東京都連合会「2023年(R5年)賃金調査報告書」図表 33

自己負担コストを見直すことで、節約分した分だけ手取りを増やすことができます。

資材の仕入れ先を見直す、共同購入を活用してコストを抑える、燃費の良い作業車に買い替えるなどのコスト削減方法を検討してみましょう。

失敗例4:経営業務のやり方がわからない

建設業で独立したものの、経営業務を適切に行えず、経営が行き詰まるケースは少なくありません。

特に、売上管理、資金繰り、税務処理などの基本的な経営知識が不足していると、事業継続が困難になります。

利益率の計算が不十分で、適正な価格設定ができずに赤字経営になることもあります。

独立後は経営者としての役割を担うため、施工だけでなく、経営全体の視点を持つことが求められます。

原因:経営に関する知識不足

建設業の現場経験が豊富でも、経営に関する実務経験が不足していると、独立後の事業運営が難しくなります。

建設業で独立後に必要な経営に関する知識

  • 収支管理・利益計算
  • 見積もりや請求業務
  • 税金や確定申告
  • 資金繰りとキャッシュフローの管理
  • 建設業許可などの法令

特に、資金管理の知識が不足していると、キャッシュフローが悪化し、必要な資材の仕入れや人件費の支払いが滞るリスクがあります。

また、税金や保険の手続きに関する知識がないと、必要な申告を怠って罰則を受けるケースもあります。

さらに、受注計画や利益計算を適切に行わず、低価格で受注しすぎると、経営が圧迫されることになります。

こうした経営上の問題は、独立前の準備不足や、経営の学習機会を持たなかったことが原因として挙げられます。

対策:独立前に経営の基礎を身につける

経営業務を円滑に進めるためには、独立前に経営の基礎を学ぶことが重要です。

日本経営協会 セミナー

例えば、日本経営協会商工会議所が開催するセミナーや講座に参加することで、経営に必要な基礎的な知識を効率的に習得できます。

また、会計ソフトを活用し日々の売上や経費を管理することで、資金繰りを可視化しやすくなります。

さらに、価格設定の見直しや、利益率を確保できる事業計画を策定することで、安定した経営を目指すことができます。

実際に独立に成功している社長の下で経験を積み、資金作りをしながら独立のノウハウを学ぶのも効率的です。

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成功経験のある社長のインタビューもチェックできますので、独立の参考にしてください。

建設業の独立開業で失敗しないための手順

建設業で独立を成功させるためには、しっかりとした準備が欠かせません。

十分な知識と経験を身につけ、資金計画を立て、必要な許可を取得することで、スムーズなスタートを切ることができます。

また、独立後に安定した受注を得るためには、営業ルートの確保も非常に重要です。

ここでは、建設業での独立開業を成功させるための手順を詳しく解説します。

建設業の独立開業で失敗しないための手順

  1. 在職中に知識・経験を積む
  2. 十分な独立資金を用意する
  3. 開業届等の必要な申請を行う
  4. 建設業許可を取得する
  5. 人脈を広げ営業ルートを確保する

1:在職中に知識・経験を積む

建設業で独立する前に、まずは在職中にしっかりとした知識と経験を積むことが重要です。

建設業での独立のために在職中に学ぶべき知識や経験

  • 見積もりの作成の方法
  • 材料などの原価の把握
  • 職場全体の管理スキル
  • お客様とのコミュニケーション能力
  • 営業や集客の知識や経験
  • 経理や税務などの事業運営の基礎知識
  • 建設業許可や労災・保険制度の知識

在職中に知識や経験を積めば、独立後に直面しやすい経営や現場運営の不安を大きく軽減できます。

さらに、専門資格(例:施工管理技士、建築士など)を取得しておくことで、独立後の信頼性を高めることができます。
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2:十分な独立資金を用意する

独立には設備投資や運転資金が必要となるため、十分な資金を準備しておくことが重要です。

一人親方団体労災センターによると、建設業の独立には最低でも100万円は資金が必要とされています。

建設業の独立に必要な資金は、業種や従業員の有無などにより異なります。資金があればあるに越したことはないですが、最低でも100万円は準備したほうがよいといわれています。

引用:一人親方団体労災センター
建設業の独立資金は最低100万円!?内訳や資金調達方法を解説

とはいえ、100万円はあくまで最低資金であり、できれば最初の半年間の運転資金を確保することが理想的です。(500万円〜1,000万円程度)

建設業で独立するために必要な資金

  • 工具や機材、作業車の購入費
  • オフィースや倉庫の費用(自宅を使う場合には必要がない)
  • 名詞・チラシ・看板などの作成費
  • 労災保険の加入費
  • 建設業許可の取得費(任意)
  • 資材の購入費
  • ガソリン代などの運転資金
  • 当面の生活費

資金が不足すると、資材の仕入れや従業員の給与支払いが困難になり、経営が不安定になりかねません。

資金調達の方法としては、自己資金のほかに、日本政策金融公庫の「創業融資制度」や地方自治体の補助金・助成金の活用が挙げられます。

また、できるだけ固定費を抑えるために、開業当初は事務所を自宅にするなどの工夫も検討しましょう。

3:開業届等の必要な申請を行う

独立後、正式に事業を開始するためには、税務署への開業届の提出が必要です。

開業届は、開業日から1か月以内に提出する必要があり(所得税法第229条)、これを提出しないと青色申告の適用を受けることができません。

青色申告をするメリット

  • 最大65万円の青色申告特別控除が受けられる
  • 赤字を3年間繰り越せる
  • 家族への給与を経費として計上できる(専従者給与)
  • 30万円未満の設備は一括で経費にできる
  • 信用力が高まる

届出書は国税庁のサイトからダウンロードが可能です。

開業届の出し方

  1. 開業から一ヶ月以内に、書類を作成する
  2. 管轄区域の税務署に提出する

開業届を提出しなくても罰則はありませんが、税金や助成金などの面でデメリットが多いので、提出がおすすめです。

4:建設業許可を取得する

建設業で安定した収益を確保するためには、建設業許可を取得することが望ましいです。

建設業許可を取得するメリット

  • 500万円以上(建築一式工事なら1,500万円以上)の工事を請け負えるようになる
  • 元請け企業からの信頼度が上がる
  • 公共工事や入札に参加できるようになる
  • お客様に信頼や安心の証としてアピールできる
  • 融資や補助金申請時に有利になる

建設業許可を取得するには、以下の要件を満たす必要があります。

建設業許可を取得するための要件

  • 経営業務管理責任者の設置(建設業の経営経験が5年以上、もしくは他の会社で役員経験が7年以上ある人など)
  • 専任技術者の設置
  • 自己資本が500万円以上ある、もしくは500万円以上の資金調達能力がある
  • 過去に建設業法違反で罰を受けていないなど、誠実性がある
  • 許可取消処分から5年以内など、欠格要件に該当しない

建設業許可を取得するためには、専任技術者の配置が義務付けられています。

専任技術者になるには、以下の条件を満たす必要があります。

専任技術者になる条件(いずれか一つ)

  1. 10年以上の実務経験を持つこと
  2.  建築士、施工管理技士(1級・2級)などの国家資格を取得すること
特に、建築士や施工管理技士などの資格をあらかじめ持っておくと、許可取得のハードルが下がります。

建設業許可を取得するには要件をクリアーする必要がありますが、得られるメリットは大きいでしょう。

将来的に安定した経営を目指すのであれば、早めに建設業許可の取得の準備を進めるのがおすすめです。

5:人脈を広げ営業ルートを確保する

独立後に安定した受注を得るためには、人脈を広げ、営業ルートを確保することが不可欠です。

元請け業者や取引先との良好な関係を築くことで、定期的な仕事を得ることができるようになります。

異業種交流会や建設業のセミナーに参加し、ビジネスパートナーを増やすことを検討してみましょう。

また、SNSやホームページを活用し、自社の施工実績や強みを発信することで、直接の受注につなげることも可能です。

特に、リフォーム業や住宅工事などの分野では、口コミや紹介による受注も多いため、顧客との信頼関係を構築することが重要になります。

建設業の独立で失敗しないための準備にはGATEN職がおすすめ

建設業の独立を成功させるためには、事前に資金計画を立て、必要な資格や許可を取得し、安定した受注を確保するための事前準備が重要です。

また、業界の動向を把握し、最新の技術や経営スキルを磨くことも必要です。

まずは働きながら独立に向けて必要なスキルを身につけ、人脈づくりをしていくのも、建設業の独立を成功させるためのポイントです。

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