建設業の職人は独立すると儲かる・稼げる?一人親方の職種別平均年収ランキングを紹介

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建設業の職人は、独立すると儲かる・稼げると言われています。

この噂は真実です。

全建総連東京都連合会『2022年賃金調査報告書』によると、一人親方の全年代の平均年収は643万円で、常用の労働者の平均年収は454万円という結果が出ています。

雇用形態別年収

出典元:全建総連東京都連合会『2022年賃金調査報告書』

本記事では、建設業の職人が独立するとどのくらい儲かるのか、一人親方の職種別平均年収ランキングをもとに解説します。

この記事の結論
  • 建設業の職人は、一人親方の場合、平均年収が常用の労働者の平均年収より189万円高い
  • もっとも平均年収が高い一人親方は土木工で、平均年収693万円

建設業の儲かる業種ランキング!稼げる職人・職種を給料や年収と共に紹介

建設業の職人は独立すると儲かる

建設業の職人は独立すると、雇われて働くよりも儲かる傾向があります。

『2022年賃金調査報告書』には、全建総連東京都連合会が組合員に対して実施した、賃金アンケート調査の結果が記載されています。

以下のグラフは、組合員の平均年収を年齢別・働き方別にあらわしたものです。

雇用形態別年収

※出典:全建総連東京都連合会『2022年賃金調査報告書』図表 44 働き方別、年齢階層別の年収(2021 年)

「職人が独立して一人親方になると儲かるか?」という疑問に対して、上記のグラフをもとに以下のポイントに分けて解説します。

職人が独立して一人親方になると儲かるか?

  • 常用よりも一人親方は平均年収が高い
  • 一人親方が年齢による平均年収の差がほとんどない

常用よりも一人親方は平均年収が高い

全建総連東京都連合会『2022年賃金調査報告書』によると、常用よりも一人親方や手間請のほうが、平均年収は高い傾向があります。

この調査によると、一人親方の全年齢の平均年収は577万円です。

一方で、常用として働く建設業の職人の平均年収は454万円でした。

一人親方の平均年収と、常用として働く建設業の職人の平均年収には、123万円の差があります。

常用として働く建設業の職人より、一人親方の年収が高い理由として、以下の点があります。

一人親方の方が平均年収が高い理由

  • 会社を通さずに仕事を受けるので収入の取り分が多い
  • 仕事内容や取引先を自分で決められるので、高い単価の現場を選べる
  • 一人親方は出来高制や請負契約なので、短期間で多くの仕事をこなせば収入を増やしやすい
  • 自分で働く日にちが調整できるので労働日数を増やせる
  • スキルに応じて単価交渉もできる

ただし、常用として働く建設業の職人と比べて、一人親方の収入は安定していません。

天候や景気、元請との関係などによって仕事量が左右されやすく、一人親方は仕事が途切れて収入が減るリスクを常に抱えています。

一人親方として働く場合は、収入面の魅力だけでなく、不安定さも十分に理解する必要があるでしょう。

一人親方は年齢による平均年収の差がほとんどない

全建総連東京都連合会の同調査によると、一人親方は年齢による平均年収の差がほとんどありません。

一人親方の平均年収のピークは35~39歳で、862万円です。

一人親方の平均年収は50代に入ると、ゆるやかに下降していきます。

また20代の一人親方も、他の年代の一人親方と比較して、平均年収は100万円ほど低い傾向です。

とはいえグラフはほぼ横ばいであり、建設業の職人は独立すれば、年齢関係なく稼げるチャンスがあります。

若いうちから儲けたい・歳を取っても稼ぎたいと考える職人にとって、独立は有力な選択肢のひとつです。

独立した職人(一人親方)の職種別平均年収ランキング

全建総連東京都連合会『2022年賃金調査報告書』のデータをもとに、独立した職人(一人親方)の職種別平均年収ランキングを掲載します。

結果は以下のグラフの通りです。

一人親方の職種別賃金

※出典:全建総連東京都連合会『2022年賃金調査報告書』図表 22 職種別の 1 日あたり賃金(一人親方、2022 年)

なお、この調査結果は「一人親方の1日あたり賃金」であり、「職種別平均年収」ではありません。

そのため当サイトが、「一人親方の職種別平均年収」を独自に算出しています。

計算式は、一人親方の日当単価×240日です。

一人親方の年収ランキングは、以下の通りです。

一人親方の年収ランキング

  • 第1位:土木工693万円
  • 第2位:防水工604万円
  • 第3位:設備工569万円
  • 第4位:配管工539万円
  • 第5位:内装工529万円
  • 第6位:大工517万円
  • 第7位:電気工事士517万円
  • 第8位:塗装工506万円
  • 第9位:左官467万円
  • 第10位:とび職446万円

それぞれの職種に関して詳しく解説していきます。

第1位:土木工693万円

ランキング第1位は、土木工の一人親方で、平均年収693万円です。

土木工の主な仕事は以下の通りです。

土木工の主な仕事

  • 道路や橋などのインフラを整備する職種
  • 重機などを使用した現場での施工作業
  • 正確な位置に構造物をつくるための測量や墨出し
  • 完成したインフラが長く使われるように、定期的な点検と補修業務

1日あたりの賃金は平均28,900円となっています。

土木工として独立した職人は、他の職種と比較して、平均年収が特に高いです。

2位の防水工とは、平均年収に約90万円もの差があります。

土木工として独立した職人の平均年収が高い理由は、規模の大きい案件を扱うからでしょう。

ただし土木系の職人よりも、一人で仕事がしやすい建築系の職人のほうが、独立しやすいと言われています。

第2位:防水工604万円

ランキング第2位は、防水工の一人親方で、平均年収604万円です。

防水工の主な仕事は以下の通りです。

防水工の主な仕事

  • 建物の屋上や外壁などへの、水の侵入を防ぐための工事を専門的に実施する職種
  • 各種防水材料を用いた、防水処理の施工
  • 防水施工する面のゴミやホコリ、水分を除去し、亀裂や段差を補修する下地処理
  • 建物の外壁や冊子の隙間に、防水性の高い材料を補充するシーリング工事
  • 既存の建物に対する防水の点検や劣化部分の補修

1日あたりの賃金は平均25,195円となっています。

防水工として独立した職人の平均年収が高い理由は、競合があまり多くない一方で需要はあるからでしょう。

防水工事は塗装工事と一緒に行うこともありますが、塗装工事よりも競争が少ないので、稼ぎやすくなっています。

引用:厚生労働省公式YouTube防水工(職業情報提供サイト(日本版O-NET)職業紹介動画)

第3位:設備工569万円

独立後に儲かる職人ランキング第3位は、設備工で、一人親方の平均年収は569万円です。

設備工の主な仕事は以下の通りです。

設備工の主な仕事

  • 空調や換気、ガスなどの多くの設備の取り付けを担当する職人
  • 給排水設備の施工
  • 空調・換気設備の配置
  • ガス設備の配管
  • 設備の定期的な点検やメンテナンス

1日の賃金は平均23,712円となっています。

設備工は独立後も、将来的な需要が安定していると考えられる職種です。

新築だけでなく交換・メンテナンスのニーズもあります。

第4位:配管工539万円

独立後に儲かる職人ランキング第4位は、配管工で、一人親方の平均年収は539万円です。

配管工の主な仕事は以下の通りです。

配管工の主な仕事

  • 水や空気などを流すためのパイプを設置・接続する職人
  • 配管の取り付け・接続作業
  • 配管と機器との接続
  • 配管の漏れや不具合がないかを確認するための圧力検査や漏れ検査
  • 配管設備に関する定期的な点検や補修作業

1日の賃金は平均22,487円となっています。

空調ダクトや水道管、ガス管などの工事を担当する配管工は、安定した需要がある職種です。

どんな建物でも活躍できるので、安定的に仕事を受注できます。

引用:厚生労働省公式YouTube配管工(職業情報提供サイト(日本版O-NET)職業紹介動画)

第5位:内装工529万円

独立後に儲かる職人ランキング第5位は、内装工で、一人親方の平均年収は529万円です。

内装工の主な仕事は以下の通りです。

内装工の主な仕事

  • 建物の内装を仕上げる職人
  • 壁や天井などへの施工ボードの取り付け
  • 壁や天井、床などへのクロス貼りや塗装、フローリング材などの床材施工
  • 建物の吸音・断熱・防火処理

1日あたりの平均賃金は22,078円となっています。

内装工はリフォームの需要もある職種です。

独立するとさらに高い年収が見込めます。

引用:厚生労働省公式YouTube内装工(職業情報提供サイト(日本版O-NET)職業紹介動画)

第6位:大工517万円

ランキング第6位は大工で、一人親方の平均年収は517万円です。

大工の主な仕事は以下の通りです。

大工の主な仕事

  • 建物の骨組みを組み立て、内外装の木工作業をする職人
  • 柱や梁、土台などの建物構造となる木造の骨組みの組み上げ
  • 屋根や床、壁といった外装や内装の下地となる部分の施工
  • ドア枠や窓枠、棚などの造作物の取り付け

日当単価の平均は21,546円となっています。

大工は工務店を起業することもできますが、まずは一人親方として独立するケースが一般的です。

引用:厚生労働省公式YouTube大工(職業情報提供サイト(日本版O-NET)職業紹介動画)

第7位:電気工事士517万円

独立後に儲かる職人ランキング第7位は電気工事士(電工)で、一人親方の平均年収は517万円です。

電気工事士の主な仕事は以下の通りです。

電気工事士の主な仕事

  • 電気設備の設置や点検、修理などを専門に行う職人
  • 電線の配線、コンセントやスイッチ、照明器具などの設置
  • 電気設備の点検や修理
  • 太陽光発電や省エネ設備の導入

1日あたりの平均賃金は21,091円となっています。

電気工事士は生活になくてはならない電気を扱うため、安定的な需要がある職種です。

引用:厚生労働省公式YouTube電気工事士(職業情報提供サイト(日本版O-NET)職業紹介動画)

第8位:塗装工506万円

独立後に儲かる職人ランキング第8位は塗装工で、一人親方の平均年収は506万円です。

塗装工の主な仕事は以下の通りです。

塗装工の主な仕事

  • 建物に塗料を施し、外観や耐久性を高める職人
  • 外壁や内壁への塗装
  • 塗装前の下地処理
  • 塗料の選定や調色

塗装工として活躍する一人親方の平均賃金は、1日あたり21,084円となっています。

塗装工は一人親方としても十分に独立可能な職種です。

引用:厚生労働省公式YouTube建築塗装工(職業情報提供サイト(日本版O-NET)職業紹介動画)

第9位:左官467万円

独立後に儲かる職人ランキング第9位は左官で、一人親方の平均年収は467万円です。

左官工の主な仕事は以下の通りです。

左官工の主な仕事

  • 建物の壁や床、天井などにコテと呼ばれる道具を用いて、モルタルや漆喰などの材料を塗り上げる職人
  • コンクリートやブロックの表面を平らに整えるための下地作り
  • モルタルや漆喰の塗り上げ
  • 表面に模様や質感を加える作業
  • 文化財などの修復や保存作業

一人親方の平均賃金は、1日あたり19,480円となっています。

左官は資格がなくても仕事ができる職種で、独立時に必須の資格も特にありません

引用:厚生労働省公式YouTube左官(職業情報提供サイト(日本版O-NET)職業紹介動画)

第10位:とび職446万円

独立後に儲かる職人ランキング第10位は、建設業の花形とも言えるとび職で、一人親方の平均年収は446万円です。

とび職の主な仕事は以下の通りです。

とび職の主な仕事

  • 建設現場において高所での作業を中心に作業をする職人
  • 建物の足場の組み立てや解体
  • 大型機材や質剤などの重量のある物品を指定された場所へ移動や設置する作業

とび職の一人親方の平均賃金は、1日あたり18,615円となっています。

本ランキングでは最下位ですが、独立することで年収アップが見込めます

引用:厚生労働省公式YouTubeとび(職業情報提供サイト(日本版O-NET)職業紹介動画)

建設業の職人が独立後に儲かる・稼げるようになるコツ

建設業の職人が独立後に儲かる・稼げるようになるコツは、以下の4つです。

建設業の職人が独立後に儲かる・稼げるようになるコツ

  • 下請けではなく元請けになる
  • 職人を雇う
  • 建設業許可を受けて単価500万円以上の仕事を受注する
  • 人脈を大切にする

下請けではなく元請けになる

下請けから脱却して、元請けとして仕事が取れれば、稼ぎやすくなります。

下請け 元請け
特徴 元請け企業から依頼を受けて、一部の作業を担当する事業者 発注者から直接契約を受けて、全体の工事やプロジェクトを引き受ける事業者
メリット ・自分の専門分野に集中できる
・元請けから仕事が供給されるので、自ら営業活動をせずに済む
・利益率が高い
・現場で采配を握る立場にあり、主導権を持てる
・発注者と直接関係を構築でき次の案件に繋がりやすい
デメリット ・利益率が低い
・元請けの工程に従う必要があり、スケジュールの自由度が低い
・仕様変更など、元請けの意向に左右されやすい
・品質や納期、安全管理に関する責任を一手に引き受けなくてはならない
・複数の下請け業者との連携など、調整業務が多い
・先に人件費や材料費を建て替える必要があり、資金管理が難しい

建設業で独立した際に、最も一般的な仕事の取り方は、元請けから下請けとして仕事を受注する方法です。

独立後に職人が下請けとして仕事を受注できる業者

  • ハウスメーカー
  • 工務店
  • リフォーム会社
  • 同業者 など

しかしたとえば、元請けが100万円稼げるとすると、下請けは60万円程度しか稼げません

下請けのさらに下請け、つまり2次下請けは、さらに単価が低いです。

単価が低いと、仕事の数をこなさなければならなくなり、丁寧な仕事が難しくなります。

元請けとして仕事を取るためには、訪問営業やチラシのポスティング、Webでの集客などが必要です。

職人を雇う

建設業では一人だけで独立するケースが一般的ですが、もっと稼ぎたいのであれば、自分以外の職人の雇用も検討しましょう。

独立後に自分以外の職人を雇うメリットは以下の通りです。

独立後に自分以外の職人を雇うメリット

  • 受注できる案件が増え、売り上げアップが実現できる
  • 一人では対応できない専門的な作業にも、柔軟に対応できる
  • 体調不良などの緊急時のカバー体制が整う
  • 自分自身の体力的・精神的な負担を軽減できる

長く安定した事業運営を目指す上で、信頼できる職人と協力し合える体制を築くことが重要です。

建設業許可を受けて単価500万円以上の仕事を受注する

建設業許可を受ければ、より高単価な仕事を受注できるので、より稼げるようになる可能性が高くなります。

建設業の職人が独立後に建設業許可を受けるメリット

  • 500万円以上の大きな仕事を受けられる
  • 元請け業者から信頼を得やすい
  • 国や自治体から発注される公共工事への参入が可能になる
  • 金融機関から融資が受けやすくなる

建設業で独立した後に建設業許可を取得するためには、以下の条件を満たす必要があります。

建設業許可を取得するための条件

  • 経営業務の管理責任者がいる(5年以上の経営業務の管理責任者としての経験や、6年以上の経営業務の管理責任者を補佐する業務に従事した経験がある)
  • 専任技術者がいる(建設工事に必要な資格や学歴、一定の実務経験が必要)
  • 財産的基礎または金銭的信用がある(500万円以上の自己資本や、同等の金銭的信用がある)
  • 過去に不正や重大な法令違反がないなど、誠実性がある
  • 欠格要件に該当しない(建設業許可の取り消しから5年経過していない者など)

建設業許可を取得すれば、職人としての信用が高まり、仕事の幅や収入が大きく広がります。

「建設業で職人として独立して、もっと大きく稼ぎたい」と考えるなら、建設業許可の取得を検討してみてください。

人脈を大切にする

独立後に儲かる・稼げる職人になるコツは、人脈を大切にすることです。

一人親方が仕事をもらうためには、職人同士の横のつながりや、元請けとの関係が重要になります。

地域の活動や交流会に参加し、積極的に人脈を広げましょう。

ただし当然ながら技術力が伴っていないと、口コミで仕事が舞い込むチャンスも減ってしまいます。

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職人は独立後に儲かる・稼げるようになる可能性が高い

建設業の職人は、独立すると儲かる・稼げるようになる可能性が高いです。

ただし「従業員でいるより稼げるから」と安易に独立すると、失敗する可能性があります。

技術力を磨くことはもちろんですが、仕事の取り方も先輩から教わったうえで独立することをおすすめします。

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厚生労働省事業者届出番号 51-募-000945

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