舗装工事とは?工事の種類・手順をわかりやすく解説

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トンネル工事や河川工事、下水道工事など土木工事にはさまざまな種類がありますが、道路を整備する工事を舗装工事といいます。舗装工事は、道路の老朽化などに伴い、需要が大変高い職種です。

舗装工事をメインとする全国の建設会社3,071社の業績は堅調に売上を伸ばしており、2024年の業績は、売上高が2兆7,023億円(前年比1.4%増)、利益は1,036億円(同19.3%増)と前年から回復し、増収増益となっています。

増収は1,582社(構成比51.5%)と半数でしたが、2,465社(同80.2%)は黒字であり、公共事業関係費が利益の大半を占めています。

一方、人手不足や後継者不足が課題です。

厚生労働省が発表した一般職業紹介状況によると、令和7年3月時点での舗装工事を含んだ土木作業従事者の有効求人倍率は6.8倍と大変高い倍率でした。(引用:厚生労働省 一般職業紹介状況(令和7年3月分及び令和6年度分)について

需要が高く、今後も多くの活躍が期待できる舗装工事業界ですが、「どのような作業をするか詳しく知らない」「舗装工事の種類を把握していない」という方も多いのではないでしょうか。

本記事では、舗装工事の種類や手順について詳しく解説しています。舗装工事に興味があり、活躍の場を探している方はぜひ参考にしてください。

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舗装工事とは

舗装工事は、道路や歩道を通りやすいように安全に整える、私たちの暮らしに欠かせない工事です。

日本の舗装工事は、道路の老朽化を防ぐため定期的に行われています。国道などでは約5~10年ごとに点検し、状態に応じて補修や再舗装修繕が実施されます。

しかし、高度経済成長期に整備された路面は50年以上が経過し、ひび割れ・陥没・空洞などの劣化が進行中です。

老朽化が原因で、歩行者や自転車利用者が転倒・二次衝突を起こし、頭部や脚部の重傷を負う事故が少なくありません。

国土交通省がおこなった「道路の陥没発生件数とその要因」調査によると2022年度の全国の道路陥没発生件数は10,000件近くに上り早期の安全対策が求められています。

このため国土交通省や自治体は「予防保全型」舗装管理へ転換し、早期点検と補修を強化しています。 道路の安全を守るためには、老朽化の兆候を見逃さず、適時的確な舗装工事が重要です。

舗装工事に関して、以下のようなポイントでわかりやすく解説します。

舗装工事とは地盤面をアスファルトやコンクリートで舗装する建設工事

舗装工事とは、地面にアスファルトやコンクリートなどを敷いて、人や車が通りやすくするための工事です。

地面を舗装することで、雨が降ってもぬかるまず、車や人が安全に通行できる道路になります。

舗装工事は、私たちの身の回りの様々な場所で行われています。

舗装工事の対象

  • 国道や高速道路など、公共の道路
  • 歩道・歩行者通路
  • 駐車場
  • 広場・公園・施設などの周辺

舗装工事は、地面にアスファルトやコンクリートを敷いて、安全で快適に通れるようにする大切な工事です。

私たちの暮らしを支えるため、舗装工事はさまざまな場所で行われています。

安全性の向上や景観の改善が目的

舗装工事の主な目的は、安全性の向上と景観の改善です。

舗装されていない道路は、雨でぬかるんだり、凹凸によって転倒や事故の原因になります。

舗装されていない道路などに舗装工事をすると、以下のような効果があります。

舗装工事の効果

  • 歩行者の転倒や車の事故を防げる
  • 車の振動や騒音を減らせる
  • 雨水の排水性を高められる
  • 美しい街並みをつくれる

舗装工事は、単に道路などを作る工事ではなく、私たちの暮らしを安全・快適にするための重要な工事と言えるでしょう。

舗装工事の種類

舗装工事の種類

舗装工事にはいくつかの種類があり、それぞれ特徴や使用に適した用途があります。

舗装工事の中でも、代表的な3つの舗装方法を紹介します。

それぞれの舗装方法の特徴や使用例、メリット・デメリットなどを詳しく解説します。

アスファルト舗装

アスファルト舗装は最も広く使われている舗装方法で、道路や駐車場など、日常的に使う場所で多く採用されています。

世界的にみてもアスファルト舗装の市場規模は高く、2025年に25億2,000万米ドルに達すると推計され、2030年には32億2,000万米ドルまで上昇すると見込まれています。

2025年4月時点では、新材アスファルト合材の需給はやや緩和され、価格は前年比0.25%とやや上昇しており、今後も利用頻度の高い資材として活用されるでしょう。

出典:主要建設資材需給・価格動向調査(令和6年4月1~5日現在)の結果|国土交通省

アスファルト舗装
特徴 アスファルト(石油由来の粘着物質)と骨材(砂や砕石)を混ぜたものを、加熱して敷きならし、ローラーで締め固めて作る舗装方法
使用例 一般道路・幹線道路・高速道路
自転車道・歩道
駐車場
メリット 施工が早い
工事費用が安い
衝撃吸収性が高い
部分的な補修が可能
デメリット 耐久性が低い
高温で軟化し、変形が起きやすい
メンテナンス頻度が多い

アスファルト舗装は、アスファルト(石油由来の粘着物質)に石や砂を混ぜて、平らに敷き詰め冷やして固めます。

アスファルト舗装は工事が短期間に終わるので、交通量の多い道路でも、夜間工事などで素早く工事が可能です。

ただし、耐久性が低いので、数年ごとにメンテナンスや再舗装が必要となります。

コンクリート舗装

コンクリート舗装とは、セメントと砂や砂利、水を混ぜて硬化させる舗装方法です。

コンクリート舗装は耐久性に優れているので、長期間に渡ってメンテナンスをせずに利用できます。

耐久性に優れているので、空港の滑走路や大型トラックが頻繁に通る工場の敷地などに使われています。

一方、生コンクリートの出荷量は年々減少し、平成2年と比較すると約4割に減少しています。

減少している要因には、公共事業の大幅削減や建設労働者不足や人手不足により工事の遅延などが挙げられます。

加えて、輸送コストや原材料費(セメント・砂利)の高騰により、平成10年12,000円であったコンクリートの価格は令和2年には14,300円まで上昇し、コストの高さから需要が低迷しているのが現実です。

鉄骨造やプレキャスト部材など、従来のコンクリート意外への建築シフトも進んでおり、生コンの需要自体が縮小しています。

コンクリート舗装の特徴や使用するメリット・デメリットを以下にまとめています。

コンクリート舗装
特徴 セメント・砂・砂利・水を混ぜて作ったコンクリートを路面に敷き固める舗装方法
使用例 空港の滑走路
工場などの構内道路
バス専用レーン
メリット 耐久性が高い
維持・管理費が抑えられる
路面温度が上がりにくい
車両の燃料消費が軽減する
デメリット 工事費用が高い
振動や音が大きくなりやすい
部分的な補修が難しい
施工に時間がかかる

特殊舗装

アスファルトやコンクリートでは対応しきれない機能やデザインを持たせた舗装を、特殊舗装と呼びます。

特殊舗装市場は、環境ニーズ・景観重視・技術進化に支えられ拡大中です。例えば透水性舗装の市場規模は、2023年〜2028年にかけて年平均成長率4.5%の 42.9億米ドル増加が予測されています。

出典:世界の舗装市場規模・予測(2024-2028):欧州、北米、APAC、南米、中東・アフリカ – 米国、中国、ドイツ、カナダ、ベルギー

以下では、特殊舗装の特徴やメリット・デメリットをまとめました。

特殊舗装
特徴 アスファルトやコンクリートとは異なる性能やデザインを持たせた舗装方法の総称
使用例 横断歩道前や坂道などのすべり止め舗装
住宅地周囲の道路などの防音舗装
遊歩道などのゴムチップ舗装
メリット 目的に合わせて、機能性や景観が実現できる
すべり止め機能など、安全性・快適性の向上
用途に応じて、耐久性を高め、メンテナンス頻度を少なくできる
デメリット コストが高い
施工に専門的な知識や技術が必要
使用場所や目的が限られる

特殊舗装は、材料や施工方法が多様で、様々な機能を持ちます。

特殊舗装の主な種類

  • 透水性舗装:水たまりができにくい
  • 排水性舗装:雨水を素早く排水できる
  • カラー舗装:着色を施した舗装
  • 樹脂系舗装:アクリル樹脂などを使い、耐久性や美観、すべり止めなどの効果がある
  • 凍結抑制舗装:凍結しにくい材料や構造を使用
  • ゴムチップ舗装:リサイクルゴムやウレタンを使用し、柔らかく吸収性が高い

特殊舗装は、様々な機能や景観への配慮を目的として使用されますが費用が高く、施工にも知識や技術が必要です。

今後は、導入のハードル低減と、多様な用途ニーズへ柔軟に対応する機能が求められます。

舗装工事の手順

舗装工事の手順

舗装工事はアスファルトなどを敷いて終わりのようなイメージを持つ方もいるでしょうが、実際には複数の工程で工事が進められます。

それぞれの舗装工事の工程を丁寧に実施することで、耐久性の高い道路などが完成します。

各工程について詳しく解説するので、舗装工事の理解を深めるための参考にしてください。

舗装工事の手順1:現場の測量と設計図の作成

舗装工事は、測量と設計図の作成から始まります。

測量から設計図作成の流れ

  • 現地調査:設計の元となる現地情報を、測量機器を使って正確に測定
  • 測量データの図面化:測量した情報をもとに、CADソフトなどで現況図を作成
  • 設計条件の検討:現況図をもとに、舗装の構造や材料、勾配などの設計方針を検討する
  • 設計図の作成:設計条件を図面い落とし込んで、実際に工事に使用する設計図を作成

設計図があることで、現場の作業員は同じ認識で工事が進められるので、施工ミスや手戻りを防げます。

測量や設計図の作成は、舗装工事の品質を左右する重要なステップです。

舗装工事の手順2:路床工事

路床工事とは、舗装の最下層にあたる路床を整備・強化する工事です。

路床工事の流れ

  • 切土・盛土:地面の高い部分を削ったり(切土)、低い部分に土を足したり(盛土)して、高さを整える
  • 整地:地面の表面を平らに整える
  • 転圧:ローラーなどで圧迫して、地面の表面を平らに整える
  • 路床検査:地盤の強さが基準を満たしているかを検査する
  • 路床安定処理(必要に応じて):地盤が弱い場合、セメントなどを流して地盤を強化する

路床をしっかりと整えると、上に乗る舗装が長持ちし、道路などが沈んだり、ひび割れたりするのを防いでくれます。

路床工事は、舗装の土台づくりに当たる、非常に重要な工程です。

舗装工事の手順3:路盤工事

路盤工事とは、路床の上に砕石などの材料を敷いて締め固めて、路盤を作る工事です。

路盤とは、アスファルトやコンクリートなどの舗装面の下に当たる層で、上層から伝わる荷重を受け止め、路床に力を分散させる役割があります。

路盤工事の流れ

  • 路盤材の敷設:路盤材となる採石などを路床の上に敷き詰める
  • 転圧:振動ローラーなどで締め固める
  • 路盤検査:設計通りの強度・厚み・勾配になっているかを検査する

路盤工事には、道路の強度を支えたり、舗装面を平らにするなどの役割があります。

路盤工事は、道路などの寿命や快適な仕上がりを左右する重要な工程です。

舗装工事の手順4:基層工事

基層工事とは、路盤の上にアスファルト混合物を敷き、基層を作る工事です。

基層とは、舗装の最上部のすぐ下に位置し、道路の耐久性や安全性を高める重要な役割を担っています。

基層工事の流れ

  • アスファルト混合物の敷き均し:アスファルトフィニッシャーという専用の重機で、アスファルト混合物を均一な厚さに敷き詰める
  • 転圧:ローラーを使用して、しっかり押し固める
  • 基層検査:基層が設計通りの厚み・形・勾配かを確認する

基層工事に使われるアスファルトは、表面用のものより粗めで耐久性を重視した仕様となっています。

基層工事は重みに耐えられる強い道路にするために、正確な施工が求められる工程です。

舗装工事の手順5:表層工事

表層工事とは、私たちが普段目にする舗装の一番上の層を仕上げる工事です。

表層工事の流れ

  • タックコート(接着剤)の散布:基層と表層の付着を良くするため、アスファルト乳剤(タックコート)を散布
  • アスファルト混合物の敷き均し:アスファルトフィニッシャーという専用の重機で、アスファルト混合物を敷き詰める
  • 転圧:ローラーを使って、アスファルト押し固め、表面を滑らかにする
  • 表層検査:表面の滑らかさ・厚み・傾き・密度などを確認する

基層のアスファルト混合物が粗めで耐久性重視なのに対して、表層のアスファルト混合物は細かく、滑らかで美しい仕上がりになるよう設計されています。

表層が滑らかに仕上がっていないと、人や車が通行しにくく、転倒やスリップ、水たまりなどの原因になるでしょう。

表層工事は見た目の美しさだけでなく、離床者の快適さを左右する大事な工程になります。

舗装工事の仕事探しにはGATEN職がおすすめ

舗装工事は、私たちの暮らしに欠かせない道路や歩道などを、安心・安全に使えるように整備する工事です。

毎日何気なく通っている道も、多くの工程を丁寧に積み重ねてつくられています。

舗装工事は私たちの暮らしに直結する、大変意義のある仕事と言えるでしょう。

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GATEN職

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未経験
雇用形態 正社員、契約社員、アルバイト、業務委託
特徴 会員登録なしで求人に応募可能
住所 〒541-0052
大阪府大阪市中央区安土町2-3-13 大阪国際ビルディング5F
厚生労働省事業者届出番号 51-募-000945
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