建設業で独立して一人親方になるには?手続き・費用・資格について分かりやすく解説

建設業で一人親方として独立・開業する方法!手続き・資格・費用について分かりやすく解説 ガテン系の独立

建設業で経験を積み、そろそろ一人親方として独立したいと考えていても、なかなか思うように準備が進まないと悩んでいる方は多いのではないでしょうか。

2019年時点で一人親方の数は約51万人であり、建設技能者全体の15.6%を占めています。

一人親方の推計人数 国土交通省

引用:国土交通省
第1回 建設業の一人親方問題に関する検討会(一人親方の推計人数等)

また、全建総連東京都連合会の調査報告書によると、一人親方の賃金はおおむね右肩上がりとなっています。

2023年時点で、一人親方の給与を年収換算すると約546万円(材料持ちの場合)となり、日本の平均給与約460万円を大きく上回っています。

参考:全建総連東京都連合会
職人・一人親方の賃金推移 平均賃金

しかし、独立するためには、開業届の提出や労災保険の加入、資金の準備など、さまざまな手続きが必要です。

準備を怠ると開業後に資金繰りが厳しくなったり、仕事をスムーズに受注できなかったりするリスクがあります。

本記事では、一人親方として独立するために必要な公的手続きや事前準備について詳しく解説しますので参考にしてください。

なお開業届や青色申告の書類などは、国税庁のサイトからダウンロードが可能です。

この記事の結論
  • 建設業で一人親方として独立するには、資格取得や資金準備、開業届の提出、労災保険の加入などの公的手続きが必要
  • 事業用の口座やクレジットカードの作成、作業車のローン契約、人脈づくりも、独立後の安定した仕事獲得のために重要

関連記事:建設業の職人は独立すると儲かる・稼げる?一人親方の職種別平均年収ランキングを紹介

一人親方とは

一人親方とは、主に建設業などの業種で、会社に雇用されることなく個人で仕事を請け負う働き方を指します。

一人親方とは

職人として一定の経験を積んだ後に独立し、施主や元請け業者と直接契約を結びながら事業を展開するのが一般的です。

特に建設業界では、大工・左官・塗装・電気工事などの分野で一人親方として活躍するケースが多く、単独または家族とともに業務を行います。

一人親方は従業員を雇わずに仕事をするため、経営判断や業務管理をすべて自己責任で行う必要があります。

その一方で、自由度の高い働き方ができるため、自らのスキルや経験を活かしながら仕事の幅を広げていける点が魅力です。

個人事業主とは異なる

一人親方は広義では個人事業主に含まれますが、一般的な個人事業主とはいくつかの点で異なります。

個人事業主と一人親方の違い

  • 対象となる業種の範囲
  • 労災保険の適用
  • 従業員の雇用状況

まず、個人事業主は業種を問わず幅広い分野で事業を展開できますが、一人親方は建設業や運送業など特定の業種に限定されます。

また、労災保険の適用範囲も異なり、通常の個人事業主は労災保険に加入できませんが、一人親方が「特別加入制度」によって労災保険に加入することが可能です。

さらに、従業員の雇用に関しても違いがあり、個人事業主は自由に従業員を雇うことができますが、一人親方は基本的に労働者を雇用しません。

ただし、労災保険の特別加入においては、年間100日未満の雇用であれば一人親方としての扱いが継続される場合があります。

一人親方と個人事業主の違いは?労災保険や働き方の違いを解説

一人親方の年収は約546万円

2023年時点で、一人親方の給与は21,848円です。

年収換算すると約546万円(材料持ちの場合)となり、日本の平均給与約460万円と比較しても、一人親方の方が高年収っであることがわかります。

職人・一人親方の賃金推移 平均賃金 全建総連東京都連合会

引用:全建総連東京都連合会
職人・一人親方の賃金推移 平均賃金

建設業で独立した場合の年収は?職種ごとの年収や年収アップのコツを解説

建設業で独立して一人親方になるために必要な手続き

建設業の一人親方になるための手続き

建設業で一人親方として独立するためには、事前に公的な手続きをしっかりと済ませておくことが重要です。

独立後は事業の運営だけでなく、税務・社会保険・労災保険などの手続きも自己管理しなければなりません。

特に、開業届の提出や青色申告の申請、健康保険・年金の切り替え、労災保険の加入などは忘れずに行う必要があります。

ここでは、一人親方として独立する際に必要な具体的な手続きを詳しく解説します。

一人親方になるための手続き

  • 開業届を提出
  • 青色申告承認申請を提出
  • 「青色事業専従者給与に関する届」を提出(家族を従業員として雇う場合)
  • 「源泉所得税の納期の特例の承認届」を提出
  • 個人事業開始申告書を提出
  • 国民健康保険への切り替え手続き
  • 国民年金への変更手続き
  • 一人親方労災保険への加入手続き

開業届を提出

一人親方として独立する際、まず提出が必要なのが「開業届(正式名称:個人事業の開業・廃業等届出書)」です。

開業届は税務署に対して、「これから個人事業を始めます」という意思を示すための書類で、事業開始から1か月以内に提出するのが原則です。(所得税法第229条によって定められています。)

開業届を提出することで、屋号付きの銀行口座を開設したり、融資の女性金の申請に使ったりすることができます。

また、青色申告の申請と一緒に提出すれば、最大65万円の所得控除などの税制メリットを受ける準備も整います。

書類は税務署の窓口または国税庁のホームページから入手でき、提出は持参・郵送・e-Taxのいずれでも可能です。

開業届の出し方

  1. 開業から一ヶ月以内に、書類を作成する
  2. 管轄区域の税務署に提出する

開業届を提出しなくても罰則はありませんが、税金や助成金などの面でデメリットが多いので、提出しておくことをおすすめします。

事業用の銀行口座を開設する際に開業届の控えが必要になる場合がありますので、税務署で提出した際には、必ず控えを受け取って保管しておきましょう。

青色申告承認申請を提出

節税メリットを活かすためには、「青色申告承認申請書」も提出しましょう。

青色申告とは確定申告の方法の一つで、正しい帳簿をつけることで税制上の優遇を受けられる制度です。

最大65万円の「青色申告特別控除」や、赤字の3年間繰越、家族への給与を経費にできるなど、一人親方にとっては経営の安定化に直結する制度です。

青色申告を利用するためには、「青色申告承認申請書」を提出期限までに提出する必要があります。

[提出時期]
青色申告書による申告をしようとする年の3月15日まで(その年の1月16日以後、新たに事業を開始したり不動産の貸付けをした場合には、その事業開始等の日(非居住者の場合には事業を国内において開始した日)から2月以内。)に提出してください。

引用:国税庁A1-8 所得税の青色申告承認申請手続

提出方法は開業届と同じく、税務署への持参・郵送・e-Taxのいずれかで対応できます。

「青色事業専従者給与に関する届」を提出(家族を従業員として雇う場合)

一人親方として事業を行いながら、配偶者や子どもなど家族を従業員として雇う場合、「青色事業専従者給与に関する届」の提出をしましょう。

「青色事業専従者給与に関する届」を出すことで、家族に支払う給与を事業経費として計上でき、結果として課税所得を抑えることが可能になります。

たとえば年間300万円の給与を家族に支払えば、その分を丸ごと経費とすることができるため、節税効果は非常に大きいです。

ただしこの制度を利用するには、家族が6か月以上かつ原則として専従で事業に従事している必要があります。

また届出には提出期限がありますので、忘れずに対応しましょう。

[提出時期]
青色事業専従者給与額を必要経費に算入しようとする年の3月15日まで(その年の1月16日以後に開業した人や新たに専従者がいることとなった人は、その開業の日や専従者がいることとなった日から2月以内)に提出してください。

国税庁A1-11 青色事業専従者給与に関する届出手続

「源泉所得税の納期の特例の承認届」を提出

家族を従業員として雇用する場合、給与を支払う際には「源泉所得税」の納付義務が発生します。

通常は毎月税務署へ納付する必要がありますが、「源泉所得税の納期の特例の承認届」を提出すれば、年2回(7月と1月)の納付にまとめることができます。

たとえば、給与を支払うたびに毎月源泉税を納付するのは非常に手間がかかりますが、特例を受ければ事務負担が大幅に軽減されます。

提出期限はありませんが、原則として、提出した日の翌月に支払う給与等から適用されます。

開業後に落ち着いてからでも問題はありませんが、できるだけ早めに提出しておくのが望ましいです。

申請は税務署の窓口か郵送、e-Taxで行うことができ、届出後の翌月以降に支払う給与から特例が適用されます。

個人事業開始申告書を提出

「個人事業開始申告書」とは、都道府県税事務所に対して提出する書類で、個人で事業を開始したことを地方自治体に通知する目的で提出します。

開業届が国税に関する届出であるのに対し、個人事業開始申告書は地方税に関する届出である点が異なります。

また開業届とは異なり都道府県への届け出になりますが、提出は義務化されていない地域もあります。

ただし、多くの自治体では提出を推奨しており、提出しておくことで住民税や事業税の課税処理がスムーズに行われます。

地域によって書式や提出期限が異なるため、開業前後にお住まいの自治体の公式サイトで確認しましょう。

たとえば東京都では、開業日から15日以内の提出が推奨されており、申告書は窓口か郵送、もしくは電子申告で提出可能です。

国民健康保険への切り替え手続き

一人親方として独立すると、会社員時代に加入していた社会保険(健康保険・厚生年金)から、国民健康保険・国民年金への切り替えが必要になります。

国民健康保険への加入手続きは、退職後14日以内に居住地の市区町村役場で行わなければなりません。

国民健康保険の手続きに必要なもの

  • 退職証明書
  • 健康保険資格喪失証明書
  • 本人確認書類(運転免許証・マイナンバーカード)など

国民年金への変更手続き

また、国民年金の手続きも忘れてはいけません。国民年金の保険料は一律で、2024年度の場合、月額16,980円です(前納割引あり)。

国民年金保険料の金額は、1カ月あたり16,980円です(令和6年度)。
なお、まとめて前払い(前納)すると、割引が適用されるのでおトクです。

引用:日本年金機構国民年金保険料の金額

なお、収入が不安定になる可能性がある場合は、国民年金の「免除申請」や「国民年金基金」などの制度を活用することも検討しましょう。

健康保険と年金の切り替えを怠ると、医療費の全額負担や老後の年金受給額の減少につながるため、早めに手続きを済ませることが大切です。

一人親方労災保険への加入手続き

建設業の現場では、事故やケガのリスクが高いため、一人親方として独立する際には「一人親方労災保険」に加入することが推奨されます。

通常、労災保険は雇用されている労働者のみが対象ですが、一人親方の場合は「特別加入制度」を利用することで、業務中の災害に対する補償を受けることが可能です。

加入手続きは、「一人親方労災保険組合」などの団体を通じて行うのが一般的で、保険料は年齢や給付基礎日額に応じて決まります。

たとえば、給付基礎日額を10,000円に設定した場合、年間の保険料は約98,000円程度(2024年度基準)となります。

特に家族を養っている方は、万が一の事故や病気に備え、労災保険だけでなく民間の所得補償保険なども併せて検討すると、より安心して業務を行うことができます。

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労災保険未加入だと現場入場を制限されることもある【体験談あり】

国土交通省により「社会保険加入に関する下請指導ガイドライン」が作られ、平成29年度以降は、社会保険未加入の作業員は現場入場を認めない取扱いが求められています。

現場によっては労災保険の加入が必須条件となっていることも多くなり、未加入だと仕事を受けられないケースもあります。

【労災保険未加入の一人親方の現場の声・体験談】

やっと仕事を受注できると思いきや、保険に加入していないと現場に入れないといわれた。急いで加入手続きすることになりました。

元請に労災保険番号を早く提出するように言われました。提出できなければ仕事を失ってしまいます。ここまで大事になるとは思いませんでした。

手続きはしているものの、労災保険番号がないと現場に入ることができません。先に番号だけでも教えてくれると助かるのですが…

労災保険の手続きをしてから労災保険番号を受け取るまでにはラグがあります。

建設業の一人親方として独立を決めたら、早めに労災保険の加入手続きを進めておくようにしましょう。

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建設業で独立して一人親方になるための事前準備

建設業で一人親方として独立するには、単に技術力があるだけでは成功しません。

独立後に安定した収入を得るためには、資格の取得や資金の準備、信用を高めるための対策が必要です。

特に、専任技術者の資格を取得しておくことで、請け負える仕事の幅が広がり、より高単価な案件を獲得しやすくなります。

また、事業用の銀行口座やクレジットカードの作成、作業車のローン契約を済ませておくと、事業運営をスムーズに進められます。

独立前にすべきこと

  • 仕事に必要な道具・初期費用の準備
  • 専任技術者の資格を取得
  • 事業用の口座やクレジットカードを作る
  • 作業車などのローン契約をしておく
  • 人脈を広げる

仕事に必要な道具・初期費用の準備

一人親方として独立する際には、事業運営に必要な道具や設備、事務所の確保など、初期費用の準備が欠かせません。

たとえば、建設業であれば電動工具や作業車、資材を運搬するトラックなどが必要になることが多く、その購入費用は数十万円から数百万円に及ぶこともあります。

建設業で独立するために主に必要な費用

  • 会社の設立費用
  • 設備資金:車両や工具、事務機器の購入など
  • 事務所の賃貸のための賃料
  • 運転資金:材料費など

さらに、開業から売上が発生するまでの運転資金も確保しておくことが重要です。

一般的に、建設業では請負契約から入金までに2〜3か月のタイムラグがあるため、最低でも6か月分の生活費と運転資金を準備しておくと安心です。

また、事務作業を円滑に進めるために、パソコン・プリンター・業務用ソフトなどの導入も考えておきましょう。

事務所を構える場合には、賃貸契約にかかる敷金や礼金、家賃なども考慮し、無理のない範囲での開業準備を進めることが大切です。

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建設業許可の取得

建設業の許可の解説 国土交通省

引用:国土交通省技術者制度の概要

一人親方として活動する際、請負金額が「500万円以上(建築一式工事は1,500万円以上)」の工事を受ける場合には、建設業許可が必要です。

許可がないと大きな工事を受注できないだけでなく、元請けから信頼を得るうえでも不利になるケースがあります。

建設業許可取得の要件には「建設業務の管理責任者がいること」「専任技術者の配置」「安定した財産を保有している」などが挙げられます。

建設業許可を取得することで、公共工事への参入やより高単価な案件への挑戦が可能になり、収益拡大のチャンスが広がります。

そのため、将来の成長を見据えるなら、早い段階で許可取得を目指すことが非常に重要です。

専任技術者の資格を取得

建設業で一人親方として独立する際、請負金額が500万円以上(建築一式工事の場合は1,500万円以上)の工事を受注するには、建設業許可が必要になります。

建設業許可を取得するためには、営業所ごとに「専任技術者」を配置することが義務付けられています。

専任技術者になるためには、以下のいずれかの条件を満たす必要があります。

専任技術者になる条件(いずれか一つ)

  1. 10年以上の実務経験を持つこと
  2.  建築士、施工管理技士(1級・2級)などの国家資格を取得すること

たとえば、「1級建築施工管理技士」を取得すれば、大規模な建築工事にも関与でき、より高収入を得られる可能性が高まります。

今後、大規模な工事を請け負いたい場合は、専任技術者の資格取得を検討しましょう。

事業用の口座やクレジットカードを作る

独立後の資金管理をスムーズに行うために、事業用の銀行口座やクレジットカードを用意しておくことが重要です。

個人の口座と事業用口座を分けることで、収支の管理がしやすくなり、確定申告や経理作業の負担を軽減できます。

また、クレジットカードは、建設資材の購入やオンライン決済に便利であり、手元資金が不足している場合でも支払いをスムーズに行えます。

独立直後は信用力が低いため、クレジットカードの審査に通りにくくなることが多いです。会社員のうちに事業用のクレジットカードを作成しておくのも方法です。

屋号付きの銀行口座を開設することで、取引先からの信頼も得やすくなるため、可能であれば法人用の銀行口座も検討するとよいでしょう。

作業車などのローン契約をしておく

建設業で一人親方として活動する場合、現場へ移動するための作業車や資材の運搬に使うトラックが必要になることが多いです。

作業車を購入する際はローンを利用することが一般的ですが、独立後は審査が厳しくなるため、会社員のうちにローン契約を済ませておくと安心です。

たとえば、新車の軽トラックは約100万円~150万円、ダンプやトラックの場合は300万円以上かかることもあります。

独立直後に一括で購入するのは負担が大きいため、長期的な資金計画を立てたうえでローンを組むことをおすすめします。

また、リース契約を活用すれば、初期費用を抑えつつ、メンテナンス費用も含めた契約ができるため、資金に余裕がない場合は検討してみましょう。

人脈を広げる

一人親方として安定して仕事を受注するためには、事前に人脈を築いておくことが不可欠です。

特に、元請け業者や同業者との関係を構築しておけば、仕事の紹介を受けやすくなり、閑散期でも安定した収入を得やすくなります。

人脈を広げる方法の例

  • 異業種交流会への参加
  • 建設業関連のセミナーへの参加
  • SNSを活用したネットワークづくり

また、現在勤めている会社の上司や同僚と良好な関係を築いておくことで、独立後に仕事を依頼される可能性も高まります。

独立前から積極的に人とのつながりを意識し、将来的に仕事の依頼を受けやすい環境を整えておきましょう。

建設業で独立して一人親方になるメリット

建設業界で一定の経験やスキルを積んだ職人が、次のステップとして「一人親方」として独立する選択をするケースは少なくありません。

一人親方とは、会社に雇用されるのではなく、個人で元請けや下請けから仕事を受け、自ら現場で作業を行うスタイルの働き方です。

給与制の会社員とは異なり、努力や技術に応じて収入を大きく伸ばすことができるほか、働く時間や休みも自分で決められるという自由度の高さが魅力です。

また、法人化しない限り従業員の雇用義務がなく、人材管理の手間も抑えられる点もメリットです。

以下では、一人親方として独立することの主なメリットを3つの観点から詳しく解説していきます。

建設業で独立して一人親方になるメリット

  • 年収アップを目指せる
  • 働き方の自由度が高くなる
  • 従業員を管理する必要がない

年収アップを目指せる

一人親方として独立する最大のメリットは、自分の頑張り次第で年収を大幅に伸ばせることです。

会社員として働く場合は、毎月の給料が一定で、どれだけ現場で働いても収入が急激に増えることはほとんどありません。

一方一人親方であれば、高単価の案件を受注したり稼働時間を増やすなど、自分次第で会社員時代よりも高収入を狙うことができます。

実際、令和5年の調査では、建設業全体の平均賃金は34万9,400円/月、年収換算ではおおよそ419万円です。

厚生労働省:令和5年賃金構造基本統計調査 建設業の年収

厚生労働省令和5年賃金構造基本統計調査「第5-1表 産業、年齢階級別賃金及び対前年増減率」

一方、同じく令和5年の調査にて、一人親方の平均日当は21,677円(材料持ちの場合)であり、年収換算すると約533万円※になります。

※1年間の労働日数を246日とした場合の計算(令和7年の平日日数)

職人・一人親方の賃金推移 平均賃金 全建総連東京都連合会

引用:全建総連東京都連合会
職人・一人親方の賃金推移 平均賃金

建設業の平均賃金約419万円に対し、一人親方の平均年収は約533万円なので、建設業の一人親方として独立することで年収アップできる可能性が高いことがわかります。

とくに優良な元請け企業との関係を築ければ、安定的に高単価の仕事を受注することができ、継続的な年収アップにつながります。

働き方の自由度が高くなる

一人親方になると、働く曜日や時間、休日の取り方をすべて自分で決められるようになります。

たとえば、平日に休みを取りたい、長期休暇を自分で設定したいという場合も、スケジュール調整さえできれば実現可能です。

また、家族の都合や健康状態に合わせて仕事の量を調整することもでき、プライベートとのバランスを取りやすくなります。

会社員のように上司や同僚に気を遣う必要がないため、自分のペースで働ける環境が手に入るのは大きな魅力です。

とくに子育て中の職人や、セミリタイアを視野に入れている人には、時間的な自由度の高さが大きなメリットとなるでしょう。

従業員を管理する必要がない

法人化せずに一人親方として活動する場合、従業員を雇う必要がないため、人材管理にかかる負担が大幅に軽減されます。

従業員を雇うと、給与計算、社会保険手続き、労務トラブルへの対応など、現場以外の業務が一気に増えてしまいます。

一人親方であれば、基本的に自分の技術と体ひとつで仕事をこなすため、余計なマネジメント業務をしなくて済みます。

結果的に現場に集中できる時間が増え、品質の高い仕事を提供することにもつながります。

また、確定申告や帳簿管理などの事務作業も比較的シンプルで済むため、開業当初から負担を抑えた形での独立が可能です。

建設業で独立して一人親方になるうえでの注意点

一人親方として建設業で独立することには多くのメリットがありますが、同時に注意すべき点もいくつかあります。

事前の準備不足や制度への理解が不十分だと、開業後に思わぬトラブルや損失につながることがあります。

特に、建設業許可の有無や税務申告、信用に関わる契約タイミングなどは、収入や仕事の幅に直結する重要なポイントです。

これから一人親方としてスタートを切る方は、自由な働き方を実現するためにも、リスクを避けるための注意点を押さえておきましょう。

以下では、独立時に見落としやすい3つの注意点について解説します。

建設業で独立して一人親方になるうえでの注意点

  • 建設業許可がないと受注できる仕事が限定される
  • 開業届を出さないと税務上のデメリットが大きい
  • クレジットカードやローンの契約は独立前がおすすめ

建設業許可がないと受注できる仕事が限定される

建設業で独立して仕事を受ける場合、1件あたりの請負金額が「500万円以上(建築一式工事は1,500万円以上)」になると、建設業許可が必要になります。

建設業許可がないと、大規模な案件を受注することができず、仕事の内容が小規模工事に限られてしまいます。

安定的に仕事を確保したい場合や、将来的に売上を拡大したい場合は、早い段階で建設業許可の取得を検討すべきです。

なお、建設業許可の取得には「専任技術者の配置」「一定以上の実務経験」「自己資本が500万円以上」などの要件を満たす必要があるため、事前準備も重要となります。

開業届を出さないと税務上のデメリットが大きい

一人親方として独立したら、原則として事業開始から1ヶ月以内に税務署へ「個人事業の開業届」を提出する必要があります。

提出しないこと自体に罰則はありませんが、税務上の大きなメリットを受けられなくなるリスクがあります。

たとえば、「青色申告」が使えなくなり、65万円の特別控除や赤字の繰越といった節税効果を受けることができません。

また、屋号名義で銀行口座を開設する場合や、助成金・融資の申請をする際にも、開業届の控えが必要になるケースがあります。

今後の資金調達や事業運営をスムーズに行うためにも、独立と同時に開業届をきちんと提出しておきましょう。

クレジットカードやローンの契約は独立前がおすすめ

一人親方として開業後は、安定した収入実績が確立されるまで、クレジットカードやローンの審査に通りにくくなる可能性があります。

金融機関やクレジット会社は「継続的な収入があるか」「信用情報に問題がないか」を重視しており、開業直後の個人事業主は審査のハードルが高くなりがちです。

たとえば、事業用の作業車や工具をローンで購入したい場合でも、独立前に会社員としての信用があるうちに契約を済ませておく方がスムーズです。

また、事業用クレジットカードを持っておけば、経費の管理がしやすく、キャッシュフローの調整にも役立ちます。

将来的な資金繰りを安定させるためにも、開業前に必要な契約を済ませておくことをおすすめします。

建設業の一人親方としての独立準備にはGATEN職がおすすめ

一人親方として建設業で独立を成功させるためには、資格の取得や資金の確保、必要な届出の提出等の事前準備が必要です。

一人親方になるための手続き

  • 開業届を提出
  • 青色申告承認申請を提出
  • 「青色事業専従者給与に関する届」を提出(家族を従業員として雇う場合)
  • 「源泉所得税の納期の特例の承認届」を提出
  • 個人事業開始申告書を提出
  • 国民健康保険への切り替え手続き
  • 国民年金への変更手続き
  • 一人親方労災保険への加入手続き

    準備を怠ると、開業後に資金繰りが厳しくなったり仕事をスムーズに受注できないといった思わぬトラブルに直面するリスクがあります。

    また、事業用の口座やクレジットカードの作成、人脈づくりなども安定した仕事を得るために重要です。

    独立が成功すれば、収入が増える可能性があるだけでなく、自分らしく自由に働きやすくなります。

    しかし、建設業の一人親方として独立するためには独立後に困らないレベルの専門的な知識やスキルを身につけている必要があります。

    まずは働きながら一人親方として独立できるまで腕を磨く、今よりスキルアップを目指せる職場へ転職するというのも、独立を成功させるための方法の一つです。

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