建設業は、需要が高い業界として知られています。
厚生労働省が発表した一般職業紹介状況によると、令和7年3月時点での建設業界の有効求人倍率は、5.11倍と大変高いです。(引用:厚生労働省 一般職業紹介状況(令和7年3月分及び令和6年度分)について)
建設工事で現場の指揮をする仕事として、施工管理があります。
建設工事を予定通りに進める上で、施工管理は欠かせません。
しかし、施工管理と聞いても、詳しい仕事内容がわからない方も多いですよね。
本記事では、施工管理の仕事内容について詳しく解説します。
施工管理の年収や向いている人の特徴も紹介するので、興味のある方は最後まで読んでください。
本記事の内容
- 施工管理の詳細な情報
- 施工管理の仕事内容の解説
- 施工管理に向いている人の特徴を紹介
施工管理とは
工事現場を円滑に動かすためには、様々な要素を適切に管理する施工管理の仕事は欠かせません。
施工管理の仕事について、以下の3つのポイントで詳しく解説します。
施工管理とは
- 施工管理とは工事が計画通り進行するよう管理する仕事
- 施工管理と現場監督の違いは業務範囲の広さ
- 施工管理の平均年収は約600万円〜650万円
施工管理とは工事が計画通り進行するよう管理する仕事
施工管理とは、工事を計画通りに、事故なく、しっかりとした仕上がりで完成させるために全体を管理する仕事です。
建設現場には、大工さんや電気工事士など、さまざまな職人が出入りしますが、それぞれがバラバラに動いてしまっては工事がスムーズに進みません。
そこで施工管理者が登場して、工事全体が計画通りにスムーズに動くように、工期・安全・品質などを管理します。
つまり、施工管理は現場の指揮官とも言える重要なポジションです。
施工管理と現場監督の違いは業務範囲の広さ
施工管理と似た仕事に、現場監督があります。
どちらも現場を管理する役割ですが、現場監督は現場で直接的に指揮する立場なのに対して、施工管理はより広い範囲で全体をマネジメントする仕事です。
施工管理 | 現場監督 | |
---|---|---|
業務範囲 | 工事全体の計画・調整・管理 | 現場での作業監督、職人への直接指示 |
主な仕事場所 | 事務所+現場 | 現場 |
役割 | プロジェクト全体のマネジメント | 現場作業の実行指揮 |
事務作業 | 書類作成や発注、予算管理などデスクワークが多い | デスクワークは比較的少ない |
施工管理と現場監督は、どちらも工事に欠かせない存在であり、規模が大きい現場では両方の役割が明確に分けられる場合が多いです。
施工管理の平均年収は約600万円〜650万円
施工管理の平均年収は、約600万円〜650万円になります。
職種 | 平均年収 |
---|---|
建築施工管理技術者 | 641.6万円 |
土木施工管理技術者 | 596.6万円 |
厚生労働省が運営する職業提供サイトjob tagによると、建築施工管理技術者の平均年収が641.6万円、土木施工管理技術者の平均年収が596.6万円でした。
日本全体の平均年収が460万円であるため、施工管理者の平均年収は約130万円〜180万円高いです。
施工管理は、高度な知識や判断力が求められるため、平均年収も高い傾向にあると考えられます。
施工管理は大変な仕事ではありますが、しっかりとした収入が期待できる職種と言えるでしょう。
施工管理の仕事内容
施工管理とは、工事現場の指揮官のような存在です。
工事をスムーズに進めるために、施工管理は複数の業務を同時にこなしています。
施工管理には主に4つの管理業務があります。
施工管理の仕事内容
- 工程管理
- 安全管理
- 品質管理
- 原価管理
施工管理の4つの仕事内容について詳しく解説します。
工程管理
工程管理とは、決められたスケジュール通りに工事を終わらせるための仕事です。
建設工事には、仕事を仕上げるまでに数多くの工程があります。
それぞれの工程に関わる職人の人数や日数、作業順序が少しでもずれると、全体のスケジュールに大きな遅れがでてしまうでしょう。
決められたスケジュール通りに建設工事を終わらせるために、施工管理者は以下のような業務を実施します。
建設工事が予定通りに終わるかは、施工管理者の手腕にかかっています。
施工管理者は、現場の時間管理者として働かなければなりません。
安全管理
建設工事で最も大切な安全管理も、施工管理の重要な仕事です。
工事現場は高所作業や重機の使用など、危険が多い場所になります。
建設工事で事故が起こらないように、施工管理者は以下のような業務を実施します。
施工管理者は日頃から建設現場に危険がないかをチェックし、作業員の安全意識を高めるなど、事故ゼロに近づける努力をしなくてはいけません。
品質管理
品質管理とは、建設工事をしている建物などが図面通りに仕上がっているかを確認する作業です。
建物には、強度・断熱性・防水性・美観など、多くの品質基準があります。
品質基準をクリアするためにも、施工管理者は以下のような業務を実施します。
品質管理は、プロとしての責任感と細やかな観察力が問われる重要な仕事です。
原価管理
原価管理とは、工事にかかるお金をコントロールし、予算内で建設工事を完了させる業務です。
建設工事では、材料費や人件費、機械のレンタル費用など、多くのお金がかかります。
予算オーバーにならないように、施工管理者は以下のような原価管理業務を実施します。
施工管理の原価管理は、限られた資金の中で、高品質な工事をするために不可欠な業務です。
施工管理の仕事が向いている人の特徴
施工管理の仕事は、現場全体を見渡してスムーズに工事を進めることが求められます。
多くの職人や業者に関わる必要があるので、施工管理の仕事が向いている人には共通した特徴があります。
施工管理の仕事が向いている人の特徴
- コミュニケーション能力がある
- リーダーシップがある
- スケジュール管理ができる
施工管理の仕事に向いている人の特徴を詳しく解説するので、仕事選びの参考にしてください。
コミュニケーション能力がある
施工管理の仕事には、高いコミュニケーション能力が求められます。
施工管理の仕事はモノづくりであると同時に、人づくり・関係づくりの仕事です。
図面通りに建物を完成させるためには、職人・関係者・クライアントとのやり取りを正確かつ円滑に進めるコミュニケーション能力が不可欠です。
技術だけでなく、「話す力」「聞く力」「伝える力」が、施工管理には強く求められます。
リーダーシップがある
施工管理には、チームをまとめるリーダーシップが非常に重視されます。
施工管理は、現場全体のスケジュールや品質、安全を自分が中心となって管理する役割です。
つまり、工事の手順や注意点などを判断して、指示を出す立場にあります。
ただし、ただ命令口調で指示するだけでは、現場はまとまりません。
施工管理には、次のようなリーダーシップが求められます。
施工管理には、信頼される人間力と対話力を持って、冷静に現場をまとめられるリーダーシップが欠かせません。
リーダーシップのある施工管理者は、良い現場を作り、良い建物を完成させる中心人物になれるでしょう。
スケジュール管理ができる
段取りよく、スケジュール通りに物事を進められる人は、施工管理に向いています。
建設現場では、1つの作業が遅れると作業全体がずれてしまうので、「どの作業を、誰が、いつまでにやるか」を常に考えてスケジュール管理する力が必要です。
施工管理のスケジュール管理には、次のようなポイントがあります。
施工管理のスケジュール管理は、計画と調整が最重要の業務です。
施工管理者は、先を読みながら常に準備を進め、関係者と情報を共有し、スムーズに現場運営をリードする能力が求められます。
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施工管理は、計画通りに、安全に工事を進めるために欠かせない仕事です。
工事全体の計画・調整・管理をする仕事なので、施工管理は責任が重大で、建設業の知識だけではなく様々な能力が求められます。
しかし、チームを一つにまとめあげて、大きなものを作り上げる達成感は、施工管理の大きな魅力と言えるでしょう。
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