介護士の仕事、特に夜勤は肉体的・精神的に辛いと耳にした方もいるのではないでしょうか?
しかし、具体的にどのような労働環境なのかを知らなければ就職・転職先として検討することは難しくなります。
そこで今回は、介護士の夜勤に関する実態や仕事内容などを紹介します。
介護現場の夜勤実態
介護現場では、日勤に比べて夜勤の方が人員が少なくなっています。
具体的には、25名の利用者に対して1人の介護士が夜勤として入ります。
主な仕事内容として、利用者が就寝するまでは食事の介護や就寝前の準備、就寝後は施設内の巡回等です。
さらに、利用者の呼び出しがあれば、緊急的に対応する必要があります。
また、施設の規模にもよりますが、小規模な施設の場合は一人で全ての業務を行うワンオペ(ワンオペレーション)というケースが存在します。
3交代夜勤
3交代夜勤は介護施設で働く介護士を3つの時間に分けて、交代で業務にあたるシフト制です。
例えば、早番・遅番・夜勤というように業務時間を分けたとき、下記のような時間帯になります。
- 早番:6:00~14:00
- 遅番:14:00~22:00
- 夜勤:22:00~翌6:00
それぞれ、休憩時間を1時間とった場合、労働時間は一人あたり7時間です。
この勤務形態は介護士の負担が軽く、肉体的・精神的にもダメージが少ない働き方となっています。
2交代夜勤
2交代夜勤の勤務形態は、下記のように介護士の働く時間を2つに分ける働き方です。
- 日勤:9:00~17:00
- 夜勤:17:00~翌9:00
この勤務形態の特徴は、介護士が利用者の就寝時・起床時の状態を把握しながら介護できることです。
利用者の状態を把握しておくことで、後の介護で必要なモノを準備したり、もしものときに対応しやすくなっています。
2交代夜勤で働く介護士の悲鳴
2交代夜勤の場合、勤務時間が約16時間となるケースが多くあります。
さらに、長時間の労働に加えて少人数で仕事をするということもあって、一人あたりの負担が大きく、精神的・身体的に大変だと感じている介護士の方がいます。
また、勤務時間が夜なので生活リズムの乱れが辛い、といった声もあります。
夜勤の辛さを少しでも改善するためには、上手に気分転換を行ったり、普段から運動をして身体を丈夫にしておくことが大切です。
夜勤中の仕事
具体的な夜勤の仕事には、利用者の夕食~朝食の介助や就寝・起床時の着替えの介助、おむつ交換等があります。
さらに、利用者の中には何かしらの疾患を抱えている方もいます。
そのため、深夜に利用者から呼び出しがかかり、対応することもあります。
また、これらの利用者への対応以外にも、翌日の業務で必要なモノの準備や記録をつける、といった仕事も行います。
ワンオペの夜勤は苦痛
夜勤をワンオペで行うということは、夜勤における業務を全て一人でこなす必要があります。
利用者が寝静まった深夜の時間帯であっても、数時間に何度か排泄・寝返りの介助やおむつ交換を行います。
さらに、一人で業務にあたっているため、上手く休憩や仮眠を取れず肉体的な負担が大きくなることもあります。
ワンオペの夜勤は体を壊さないための体調管理や、短い期間で何度も夜勤を行わないよう上司と相談することが大切です。
仮眠室の有無
夜勤の勤務で重要なことが仮眠室の有無です。
複数人で夜勤を行っている場合、介護士の負担を軽減させるため仮眠を取りますが、仮眠室がなければそれは難しくなります。
しかし、日本医療労働組合連合会が発表しているデータでは特別養護老人ホームやグループホーム等、計6種類の介護施設における仮眠室の有無は有りが約60%、無しが40%という結果です。
中でも、介護老人保健施設では約81%の施設で仮眠室を設置しており、介護士の負担が軽減されています。
夜勤中のトラブルでストレス
利用者の容態が急変するというのは、夜勤中に起こるトラブルとして介護士が大きなストレスを感じるケースの一つです。
例えば、日中であれば医師や看護師が常駐していても、夜勤ではいないという施設が存在します。
このような場合、利用者の容態が急変したときは病院へ運ぶまで介護士のみで対応します。
最悪のケースを避けるためにも応急処置を続け、事態が落ち着くまで気持ちが治まることはありません。
このタイプのトラブルは肉体的な負担もありますが、長い時間緊張状態が続くことで精神的な負担が大きく、ストレスに繋がる恐れがあります。
このようなトラブルに遭遇してもストレスを溜めないためには、気持ちを落ち着かせて対応できるよう緊急時に関する知識や、あらかじめ事態を想定しておくことが大切です。
夜勤のメリットも
夜勤の大きなメリットとして、夜勤手当が就くことが挙げられます。
具体的な額は施設により異なりますが、一回の夜勤で3,000円~10,000円が相場となっています。
さらに、夜勤が16時間の場合は翌日に公休を取ることができます。
この公休は勤務扱いとなるため給料が発生します。
そのため、連休が取りやすくなったり、プライベートを充実させることもできます。
まとめ:働きやすい夜勤環境で働きましょう
夜勤における労働環境は施設によって様々です。
多くの施設では介護士の負担が少ないよう配慮されていますが、中には施設の設備や人員の関係で厳しいところもあります。
施設によっては、働く前にどんな環境かを見学させてもらえるところも存在します。
このような施設側のサービス等を利用しながら自身のライフスタイルに合う施設を見つけ、働きやすい環境で働きましょう。