フリーターから正社員として就職することを検討している場合、基本的には面接でスーツを着ることが必要になります。
スーツであればどんな種類のものでもいいという事ではなく、志望する業界や会社の特徴を意識した上で、自分に合ったものを選ぶ事が大切になります。
この記事では面接の合否に大きく影響する重要な要素や、フリーターの方が就職活動用のスーツを選ぶ際に注意したいポイント、そしてスーツを購入する場合に必要な費用について説明していきたいと思います。
これからスーツを購入する予定があるフリーターの方は、ぜひ参考にしてみてください。
面接は第一印象で決まる!?
フリーターから正社員として採用されるためには、必ずどの会社を受ける場合でも面接を突破する必要があります。
面接は履歴書などの応募書類では分からない事を確認する場でもあり、また会社によっては、書類選考は全員合格にして実際に面接で会って会話をした際に感じた印象を重要視したいというケースもあるため、採用活動の中でも特に重要度の高いものとして捉える必要があります。
ではその大切な面接を突破して、志望している会社から内定をもらうためには何が必要なのか。
面接で交わす話の内容よりも、実は「第一印象」で面接の合否はほぼ決まるとも言われています。
ちなみに転職エージェントのWORKPORTが、企業の採用担当者60人に対して面接の合否に見た目は関係あるかアンケートを取ったところ、約8割の採用担当者が「関係ある」と回答したそうです。
「人は見た目が9割」「人の印象は最初の7秒で決まる」という言葉もあるように、自分の印象を良くするためには第一印象がとても重要です。特に前述した身だしなみなどの視覚情報は印象に大きく影響します。例えば皆さんは、服装に清潔感のない人のことをもっと知りたいと思うでしょうか?髪の毛がぼさぼさの人の話を聞いてみたいと思うでしょうか?第一印象が悪ければ、その印象が後を引き、仮にとても魅力的なことを話したとしても本来の魅力が伝わらない可能性があります。
出典 採用担当者ホンネから考える、第一印象の重要性/WORKPORT
「第一印象が外れることはあまりないですね」
これは、とある人事の方がおっしゃっていた言葉です。採用が能力テストや保有資格で決まるのであれば面接は必要ありません。直接会って確かめる必要があるからこそ、面接が存在しています。
当然、第一印象が良ければ、そう考えた根拠を探し出します。逆に第一印象が悪ければ、同様にそう考えた根拠を考えることになります。印象だけで採用の是非が決まるわけではありませんが、印象だけで不採用になるケースは多々あり得ます。
出典 面接前からあなたの第一印象は決まっている/DIAMOND ONLINE
第一印象に影響する要素はたくさんありますが、その中でも服装は、自分の見た目の印象に特に大きな影響を与える大切なポイントと言えるため、スーツ選びはしっかりと行う必要があるといえます。
面接に私服でいくのはNG?
フリーターの方はこれまで私服で面接を受けてきた方がほとんどだと思います。
そもそもなぜスーツで行かなければいけないのか、面接に私服で行くのはNGなのかと考える人も中にはいるかもしれません。
会社によっては「出来るだけリラックスできる格好でお越しください」という風に面接に案内する場合もあるかと思いますが、「スーツ不可」などの特別な指示がない限りは、スーツで行くほうが無難といえます。
クリエイティブな業界やアパレル業界など、自由さやセンスなどをウリにしている会社であれば、スーツではなく私服のほうが好まれる場合もありますが、ほとんどの会社は基本スーツで行く人が圧倒的に多いといえます。
もし仮に私服で行く場合にも、その仕事をするのにふさわしい格好かどうかを基準に、服装を選ぶことが大切です。
状況や相手に合わせて適切な服装ができるかどうかも、社会人として仕事をして行くうえで大切なポイントの一つになります。
面接がどういう場なのか、できる限り意識した服装をするように注意しましょう。
フリーターが就職活動用のスーツを選ぶ上で注意したい5つのポイントについて
フリーターの方が就活用のスーツを選ぶうえで知っておきたい、特に注意したいポイントを5つ紹介していきます。
①「リクルートスーツ」と「ビジネススーツ」の違いについて
就活用のスーツを探していると、通常のビジネススーツのほかにリクルートスーツというものもあり、就活を経験していないフリーターの方はそれぞれ何が違うのか判断に困ってしまう人もいるかと思います。
リクルートスーツは名前の通り、学生が就職活動で着用するためのスーツで、学生が購入しやすいようにリーズナブルな価格で販売されているスーツになります。
リクルートスーツは値段が安いことがメリットですが、ビジネススーツよりもバリエーションが少なく、就活生が着用するスーツというイメージが強いのが難点です。
一方、ビジネススーツは種類が豊富で、就職活動の時だけではなく実際に仕事をするようになっても着用できることがメリットです。
デメリットはリクルートスーツよりも値段が高いことで、スーツ以外にシャツやベルトなども別に購入する必要があります。
とにかく値段を抑えたいという場合はリクルートスーツを購入するのも一つですが、実際の仕事でも着られるというメリットがビジネススーツにはあります。
新卒ではない20代後半以上のフリーターの就職活動では、リクルートスーツは着用しない方がよいという意見もありますが、一番大切なのは着用した時に感じられる実際の印象です。
値段と相談しながら、自分の就職活動にとって一番最適なものを選ぶようにしましょう。
② 志望する業界や会社を意識した上でスーツを選ぶようにしよう
スーツを選ぶ際は、志望する業界や会社の特徴を意識する事も大切です。
●スーツの色や素材はどのように選べばよいのでしょうか?
男性のビジネススーツは業種ごとに異なります。具体的には金融系や商社は黒でまとめるほうがベター、または黒を指定してくる会社もあります。そこまで色指定に厳しくない会社であるなら、グレーや濃紺を選ぶと良いでしょう。
出典 ビジネスは第一印象が重要!好印象を得るための「着こなし」/キャリアカーバー
やりたいことがはっきりとしていて、自分が面接を受ける会社の業界がある程度定まっている場合は、その業界で働く人のテイストを把握して、それに合わせてスーツを選ぶようにしましょう。
応募先企業のホームページなどで紹介されている人達がどんなスーツを着用しているかチェックし、それになるべく近いものを購入するのも一つです。
信用や安心感といった要素を大切にしている会社の面接に派手な柄のスーツを着ていくのは避けたほうがいいですし、逆にオシャレへの感度も重要となるアパレル企業などの面接に、地味な印象のスーツを着ていくのもあまりよくないでしょう。
「ネイビー」で活発さをアピールする
正直に申し上げると、黒無地のリクルートスーツよりも圧倒的に好印象。「ああ、わかっているな」と思うことが多いですね。 / 広告代理店 Hさん
ネイビーは青が入っていることもあり、他の色のスーツよりも活発な印象が強くなります。
信頼や安心といった要素よりも、アクティブさや提案能力などが重視される会社を中心にうける場合はネイビーを検討してみてもいいかもしれません。
「グレー」で誠実さや落ち着きをアピールする
ここ数年、就活のスーツにはブラックが一般的となっていますが、ダーク系であればチャコールグレーも全く問題ありません。/ 大手アパレル Kさん
写真のようなグレーのスーツは落ち着いている印象が強くなるため、誠実さや勤勉さをアピールしたい場合に特に向いているといえます。
ちなみにより明るい色味のグレーだと、一気にカジュアルな印象になり雰囲気がガラッと変わるので注意しましょう。
幅広く色々な会社を受ける場合は「黒」を選ぶのが無難
昔の就職活動では濃紺かダークグレーが絶対だったので黒には抵抗がありましたが、今はもう一般的。守備範囲の広い、無難な選択と言えるでしょう。色よりも重要なのは、清潔感。サイズが合っていなかったり生地がくたびれていると、印象が悪くなりますね。/ 大手金融会社 Tさん
仕事内容にそこまでこだわりがなく、業界にこだわらず幅広く会社を受ける場合は、どんな業界を受ける場合にも合わせやすい黒色など、出来るだけ無難なデザインのスーツを購入するようにしましょう。
スーツだけではなくネクタイや髪型でも個性を出すことはできますので、そういった部分で印象を調整していくようにしましょう。
出典 面接官に聞いた! 就活スーツには何色を選ぶべき? | メンズノンノ ウェブ
③ 自分にぴったりのサイズを選ぶようにしよう
柄や色も大切なポイントですが、自分にぴったりなサイズのスーツを選ぶ事も、大切なポイントです。
スーツに限らず、洋服のサイズ感は印象を大きく左右する大切な要素です。
クリーニングしたばかりの清潔なスーツを着ていても、ズボンの丈が短すぎたりジャケットの袖が長すぎたりすると、それだけで間抜けな印象になってしまいます。
出典 ビジネスは第一印象が重要!好印象を得るための「着こなし」/キャリアカーバー
寸法をしっかりと行い、自分の体型にピッタリ合ったジャストサイズのものを購入するようにしましょう。
④ ネクタイの色やデザインにも注意しよう
出典 好印象を与える“色と柄”とは? ネクタイの選び方/AOKI就活magazine
スーツのデザインやサイズだけではなく、それに合わせるネクタイも、スーツと同じくらい大切なポイントです。
青い色は落ち着いた印象を与える、赤い色は情熱的な印象を与えるなど、色は人に与える印象に大きく影響する要素ですが、ネクタイはスーツ全体の中で色の自由度が一番高いパーツになり、自分の第一印象に分かりやすく影響をあたえます。
スーツ上下に比べるとネクタイは購入しやすい価格になるため、受ける会社のテイストによって使い分けができるように数本用意しておくといいでしょう。
たとえば、誠実さを伝えたければ「青」、個性的な部分をアピールしたければ「黄色」、やる気をアピールしたいときは「赤」。「赤」と言っても少しエンジが掛かった、少し暗めの赤がお勧めです。目上の人に会うときなどシンプルにまとめたい場合には、色柄は控えめにしたほうがよいでしょう。具体的には、柄はレジメン(ストライプ)、色はネイビーやグレー、エンジをおススメします。
出典 ビジネスは第一印象が重要!好印象を得るための「着こなし」/キャリアカーバー
ちなみにネクタイを結ぶ際は、ベルトにかかるくらいの長さがベストと言われています。
事前に何回か練習しておいて、うまく結ぶコツをつかんでおきましょう。
⑤ ネットではなく実際にお店に足を運んで購入しよう
スーツを購入する際は、ネットの通販ではなく実際にお店に足を運んで購入しましょう。
スーツをよりよく着るためのアドバイスも貰うことができるのはもちろんですが、実際にお店に足を運べばスーツの生地の質感も確認できますし、しっかりと寸法をとって自分にぴったり合ったサイズのスーツを購入できます。
インターネットでの購入は便利ですが、実際にサイズを正確に測って購入する事も、試着した印象を確認する事もできません。
初めて購入する場合は失敗する可能性も高くなり、失敗するとその分のお金を無駄にしてしまう事になります。
スーツを購入する場合に必要な費用について
フリーターの方が就職活動のためにスーツを購入する場合、だいたいどれくらいの金額が必要になるのか、気になる人は多いかと思います。
スーツや礼服を中心に扱う有名店の「 AOKI 」では、リクルートスーツに加えてワイシャツやネクタイ、そして靴やベルトなど就職活動に必要なものが全てセットになった就活8点セットというものがあり、29,000円で一式全てを購入できるようになっています。
一方でビジネススーツの方は、スーツ単品のみで約2万円前後の値段から購入できるようになっています。
ビジネススーツの場合は選べる種類が多いという利点がありますが、別でワイシャツやネクタイなども購入する必要があるため、やはりリクルートスーツの場合に比べるとある程度負担する金額が多くなります。
ちなみに他の「SUIT SELECT」や「コナカ」などの他のお店をチェックして見ても、ビジネススーツの最安価格は先程のAOKIと同じく約2万円前後となっています。
リクルートスーツの就活セットについても、値段はどのお店でも大きく差はないため、スーツなどの面接に必要なアイテム一式を購入するために必要な費用は約3万円~5万円前後くらいになると思われます。
スーツを購入する場合、こだわればこだわるほどお金が必要になりキリがありません。
自分の予算と相談しながらその中でベストなものを購入するようにしましょう。
いいスーツを着ていれば面接に合格できるわけではなく、あくまでもスーツを着た時の印象が面接の合否に影響をあたえることになります。
就職活動で好印象をあたえる身だしなみについて
面接では、誰しも自分を良く見せようとする意識が働いてしまうため、面接官もなるべき意識が届きにくい細部に目を向けて志望者のことを判断するとも言われています。
就職活動を成功させるためには、スーツなどの服装はもちろんですが、それも含めた自分の見た目全てに注意を向けることが大切です。
寝癖のある髪や汚れた靴で面接に行くと、せっかく綺麗に整えられたスーツを着用していても印象が悪くなってしまい損をしてしまいます。
スーツのしわやワイシャツの汚れに注意!
スーツにしわがついていないか、着ていくワイシャツの袖や襟などに汚れが残っていないかなど、面接の前日にしっかりと確認するようにしましょう。
面接が続くと、気付かない内にしわや汚れがついてしまっていたりします。
特に志望度の高い大事な面接の場合は事前にクリーニングに出したり、もしくはアイロンをかけて新品同様の綺麗なスーツを着ていくようにしましょう。
清潔感のある髪型に整えよう!
髪型も自分の印象に影響する大事なポイントの一つです。
短髪で爽やかさを感じられる髪型でなければダメという事ではありませんが、伸びっぱなしのまま何も手入れされていない髪型だと、いくら綺麗なスーツを着ていてもだらしなく見えてしまいます。
面接の前に髪をカットしたり、面接当日はスタイリング剤などもうまくつかって清潔感の感じられる髪型になるように整えましょう。
ひげは綺麗に剃っていくほうが無難
綺麗に整えていればOKとする会社もあるかもしれませんが、基本ひげは綺麗に剃って面接に行く方が無難といえます。
剃り残しがないよう、当日の朝にしっかりと剃って面接に向かうようにしましょう。
ヒゲとあわせて、ツメも綺麗に切っておくことも忘れずに!
靴やカバンの汚れは意外と目立つので注意しよう!
スーツを着る際に履く革靴は、全身の中でも特に傷や汚れが目立ちやすい箇所になります。
こちらもスーツと同じで、面接で色々な会社をまわっていると、知らない間に汚れてしまっているものです。
土がついた靴でオフィスに入るのは、身だしなみの問題以前に会社に対して失礼な行動にもなってしまい印象もよくないです。
面接前日はよごれをしっかりと落としたり、オイルやクリームを塗って磨いておくなど、メンテナンスをしっかり行うようにしましょう。
また面接の際に持ち歩くカバンも、汚れが目立つものになるため、面接の前日までにしっかりと綺麗な状態にしておきましょう。
まとめ
フリーターから正社員になるための就職活動をはじめる際に、スーツはほぼ必ず必要になるものです。
リクルートスーツとビジネススーツの違いから、スーツを選ぶ上でのポイント、スーツを購入する際に必要となる費用などについても説明してきましたが、面接において第一印象はとても重要なポイントになり、その第一印象で失敗をしないために、スーツなどの身だしなみはとても重要なものになります。
面接で話す内容やコミュニケーションスキルなどについては、フリーター生活の中でどんな経験をしてきたかなど、人によっても変わってきます。
しかし、スーツなどの身だしなみに関しては、努力さえすれば誰にでも出来る事です。
そして、その誰でもできる事が実はおろそかにされがちだったり、面接の合否を決める上でとても重要な第一印象に影響するわけですから、手を抜かずにしっかりと準備する必要があるといえます。