なんとなく転職しようかなーと考えている女性の中には、資格を持っていると転職でも有利になるのでは?と考えている人が多いかもしれません。
この記事では、まずは「資格は本当に転職する際に有利になるのか」ということや、「資格を取る際に注意したいこと」などについて整理しつつ、女性が転職する際に有利になるかもしれない11個の資格をまとめて紹介していきたいと思います。
転職を成功させるためには、資格ありきで転職を考えるのではなく、まずは自分がどうなりたいかということや、転職の目的をしっかりと整理したうえで転職活動をスタートすることが大切です。
これから本格的に転職することを考える場合は、このことを踏まえたうえで資格を活用していくように、注意しましょう。
資格と転職の関係性について
資格は本当に転職を有利にするのか
まず資格を持っていると転職する際に有利になるのか、ということですが、結論からいうと「有利になる」といえます。
しかし同時に「資格が必ず決定的なポイントになるわけではない」ともいえます。
もちろん、公認会計士や税理士などのように資格を持っていないと出来ない仕事や、TOEICや宅建士などのように仕事をする際に必ず必要になる資格というものもあります。
しかしそういったものは、ほんの一部で、実はそこまで多くありません。
ほとんどは、資格がなくてもできる仕事だったりします。
転職するために資格を取るのは実はあまりコスパがよくない
つまり何が言いたいかというと、「転職するために資格を取るのは、実はあまりコスパがよくない可能性が高い」ということです。
特にやりたい仕事が決まっていない状態から、転職のために資格を探すのは、結果として遠回りになってしまう可能性が高いといえます。
上でも説明したように、資格がなくてもできる仕事が多いですし、資格以外の部分が評価されて採用されるケースがほとんどです。
よって、資格を取るために勉強を頑張ることは、全体の中でそこまで配点が高くない科目の勉強を、一生懸命頑張るようなものです。
確かに資格は、ないよりあるほうが有利ですし、最終的に資格をもっていることが採用の決め手になるという可能性も多いにあります。
しかし、資格以外の経験や実績の部分でまずは判断されますし、それらが他の応募者よりも優れていれば、それだけで採用される可能性があります。
資格ありきではなく、転職を成功させるために資格を活用できるようにしよう!
資格ありきで転職を考えるのではなく、転職を成功させるための方法として、資格を取得することは本当に効果的なのかどうか、勉強を始める前に冷静に判断するように注意しましょう。
全部の資格が転職する際に無駄になるということではありませんが、本当にその資格が、自分の転職活動を成功させるために必要なものなのかどうか、事前に見極めることが必要です。
転職する際に有利になるかもしれない資格11選!
転職サイト上でより多くの会社に必要とされている資格や、持っていると手当てがもらえたり、有利になる可能性が高い女性向けの資格を11個ピックアップしてみました。
自分の興味と交わるものがないか、チェックしてみてください。
1. 宅地建物取引士
宅地建物取引士は宅建士とも呼ばれるもので、不動産などの高額商品を契約する際に、お客様に不利にならないようにしっかりと情報を提供できるようにするために必要な資格と言われています。
主に不動産業界へ転職する場合など、未経験でもこの資格を持っていれば採用される可能性が一気に高くなると言われていて、会社によっては宅地建物取引士の資格を取得するだけで月5万円の手当てがもらえる会社もあったりします。
【 試験のスケジュールや受講料等について】
- 試験は毎年1回、10月の第三日曜日に実施。受験料は7,000円
- 試験は4択のマークシート方式。ユーキャンのデータによると、平成27~28年の合格率は約15パーセント前後
- 申し込みの受付は、例年インターネットの場合は7月上旬~中旬まで、郵送の場合は7月上旬~末頃まで
2. FP(ファイナンシャルプランナー)
FPは、資産運用などお金のアドバイスを行うために必要なもので、金融業界を中心に、不動産や住宅メーカーなどの様々な業界で役に立つ資格と言われています。
転職やキャリアアップのために役立つだけではなく、自分の実生活にも直接役立つ資格なので、勉強しがいのある資格といえます。
ちなみに資格は1級~3級までありますが、履歴書などに書いてアピール材料になるのは2級以上という意見が多くなっています。
【 試験のスケジュールや受講料等について】
- 試験は年3回(1月/5月/9月)実施されている。受験料は学科試験が4,200円、実技試験は4,500円
- 試験の2ヶ月前くらいから、願書の受付を開始
- 試験は4択のマークシート方式で、合格のボーダーラインは6割前後とのこと
- 2級以上を受ける場合、日本FP協会が認定するAFP認定研修を修了している、3級FP技能検定に合格している必要がある、FP業務の実務経験が2年以上あるなど、様々な条件がある
3. 日商簿記検定
経理関連など、お金を扱う仕事をする人向けの資格で、お金の流れを記録する帳簿というものを作成するのに役立つ資格と言われています。
ちなみに資格は、先ほどのFPと同じく、1級~3級まであり、資格取得のLECなどでは2級を持っていると転職の書類選考の際に有利になる可能性があり、1級を持っていると年収アップにもつながると言われています。
ちなみに転職サイトのマイナビ転職では、数ある資格の中でも日商簿記検定の資格を求める求人が一番多くなっています。
【 試験のスケジュールや受講料等について】
- 試験は年3回(2月/6月/11月の日曜日)実施されている。受験料は2,800円。
- 受験資格などは特になく、中学生以上の場合、テストを受験する際に身分証を持参する必要がある
- ユーキャンの調査によれば、合格率は約40パーセント前後とのこと
4. TOEIC
TOEICも転職する際に有利になる可能性があります。
求められるスコアのレベルは志望する会社によっても異なりますが、TOEICが必要になる職種は、求人要項に具体的なスコアが記載されていて対策がしやすいともいえます。
また他の資格とは違い、特定の業界だけではなくどの業界でも活用できるものということも特徴のひとつです。
【 試験のスケジュールや受講料等について】
- 試験は年10回実施されている(1月/3月/4月/5月/6月/7月/9月/10月/11月/12月)。
- 受験資格はなく、誰でも受験することが可能。受験料は5,000円ほど
5. 社会福祉士
社会福祉士は、高齢者や障害者の方などに助言したりサポートを行う仕事をする際に役立つもので、今後、超高齢化社会に突入していく日本において、より重宝される可能性が高い資格といえます。
転職サイトのマイナビ転職でも、社会福祉士を歓迎する資格として求人要項に掲載している会社が比較的多くあり、民間企業だけに限らず、行政機関など幅広い職場で活かすことができる資格といえます。
【 試験のスケジュールや受講料等について】
- 試験は2月に実施され、合格発表は3月中旬に行われる。願書の受付は9月上旬~10月上旬まで
- 試験は5択のマークシート方式で、合格ラインの点数は60パーセント程度と言われている( H28年度の合格率は約25パーセント)
- 大学で指定科目を学んでいたか、社会福祉士「一般養成施設・短期養成施設」を卒業したかなど、受験資格に細い指定があるため、受験前にしっかりと確認する必要がある
6. 保育士
保育士の資格も、女性に人気のある資格の一つです。
保育士は資格を持っていなくてもなれる職業ですが、資格を持っていないと採用されない施設があったり、資格を持っているだけで面接まで進めることを保障してくれる会社もあります。
そして何より、資格を持っていると保育士以外の仕事にも携わることができるため、実際に資格を持っているだけで自分の選択肢が広がることになります。
【 試験のスケジュールや受講料等について】
- 前期:4月は筆記 / 7月は実技試験、後期:10月は筆記 / 12月は実技試験
- 保育士のテストはマークシート方式になっており、一度合格した科目については、3年間有効になる仕組みもある
7. 医療事務
病院で受付や会計などを行う医療事務の仕事は、求人数が多く景気にも左右されない仕事になるため、こちらも女性に人気がある資格の一つになっています。
病院は日本全国どこにいってもあるので、家族の仕事の都合などで急に転勤することになった場合でも資格を活かしやすいことが大きな特徴といえます。
ちなみに先程の保育士の仕事と同じく、仕事をするために必ず必要になる資格ではありません。
しかし、出来るだけ即戦力になれる人を求めている場合や未経験者の応募者が多くなった場合には、資格を持っていると有利になる可能性があります。
【 試験のスケジュールや受講料等について】
- 試験は年12回、毎月実施している
- 試験はマークシート方式で、自宅でテキストを見ながら受験することが可能
8. 調剤薬局事務
上の医療事務と同じく、こちらの調剤薬局事務も女性に人気の資格で、全国各地、場所を問わず活かすことができる資格の一つです。
ちなみに医療事務とは違って、薬剤だけの分野だけからテストが出題されるため、勉強もしやすいとも言われています。
【 試験のスケジュールや受講料等について】
- 試験は年6回(1月/3月/5月/7月/9月/11月)実施している。受験料は税込みで6,500円
- 試験はマークシート方式の学科試験と、実際の業務のようにレセプトを作成する実技試験の2つ。医療事務と同じで、どちらもテキストを見ながら受験することが可能
9. マイクロソフト系認定資格
ワードやエクセルなど、マイクロソフトのPCソフトに関する資格は、汎用性が高いことが特徴といえます。
他の資格と同じように、これを持っていれば必ず就職・転職できる資格というわけではありませんが、今、どんな仕事でもパソコンを使わないものはほとんどありませんし、PCスキルは実際の事務作業を行う際にもすぐに活かすことができます。
特にパソコンが苦手という人は、勉強するためのきっかけとしてこのような資格を利用するのもひとつです。
【 試験のスケジュールや受講料等について】
- 全国で一斉に毎月1回~2回のペースで行われている試験。筆記試験はなく、試験会場のパソコンを使って回答する試験になっている
- スペシャリスト(一般)とエキスパート(上級)の2種類の試験がある
10. インテリアコーディネーター
インテリアコーディネーターも、マイナビ転職というサイト上で、比較的多く言及されている資格の一つです。
ちなみに、インテリアコーディネーターの有資格者大歓迎という求人もあったりします。
インテリアなどは個人のセンスに依存する部分が大きかったり、客観性などの点でお客さんへ説明する際に不安を感じることも多くなるかと思うので、自分の仕事に自信を持つという意味でも有効な資格といえます。
【 試験のスケジュールや受講料等について】
- 試験は1次試験と2次試験にわかれており、1次は例年10月上旬の日曜日、2次は例年12月上旬の日曜日に実施されている。受験料は1次と2次どちらも込みで14,400円
- 1次試験はマークシート方式の筆記試験で、2次試験は論文や図面を作成するプレゼンテーション試験
- ユーキャンによると、合格率は例年25パーセント前後とのこと
11. 中小企業診断士
中小企業診断士は経営コンサルタントのための国家資格です。
「経営」は会社にとってどの業界にとっても共通の大事なテーマとなり、幅広い業種のビジネスパーソンから支持されている人気資格の一つです。
取得することが難しい資格なので、持っていると「目標に対して長期的な視点で計画的に努力が出来る人」というアピールにはなりますが、持っているだけで転職などに大きく有利になる資格ではないと言われています。
【 試験のスケジュールや受講料等について】
- 試験は1次試験と2次試験に別れている。1次はマークシート方式で8月上旬の2日間、2次は筆記式・口述式の試験で、10月下旬と12月中旬に行われることになっている
- 受験料は1次試験が13,000円 / 2次試験は17,200円で、試験会場は札幌/仙台/東京/名古屋/大阪/広島/福岡のいずれかから選ぶ
- 1次試験の申し込みの受付は、5月上旬~5月下旬ごろまでの間に行われる
転職する際に資格より大切なもの
仕事で得た経験や実績
当たり前ですが、ほとんどの場合、採用で資格よりも重視されるものは、それまでの仕事で得た「経験」や「実績」です。
中小企業診断士の資格は持っているけれど、経営コンサルタントとして成果をあげた実績はまったくない人と、中小企業診断士の資格は持っていないが、これまでにコンサルタントとしてたくさん経営状況を改善してきた実績がある人ならば、後者の人のほうが採用される可能性は高くなるはずです。
当然ですが、資格よりも過去の経験や実績のほうが、転職先でも結果を出せると判断しやすいからです。
自分の経歴などをしっかりと整理する
転職を成功させるためには、自分の経験や実績をしっかりと伝えることが大切になります。
そしてそのためには、まずは自分のそれまでの経歴や仕事内容について、しっかりと整理することが必要になります。
売り上げ規模などの分かりやすい結果だけではなく、自分はチームの中でどのような役割を担っていたのかということや、困難や壁をどのようにして解決してきたのかなど、仕事に取り組むプロセスなどについても、様々な視点で整理することが大切といえます。
自分の転職する目的や軸と、過去の経歴や実績とのつながり、そしてそれらを未来にどうつなげていきたいかという希望を、分かりやすく整理できると転職活動が進めやすくなるはずです。
まとめ
資格を持っていれば仕事に困ることがないというのは、ある意味で間違いではありませんが、必ずしも全ての仕事にあてはまるわけではありません。
女性の場合は特に、より安心できるようにという考えから、資格を取ることを検討する人も多いかと思いますが、ここまで説明してきたように、仕事によっては、資格を持っていることが何の意味をなさないものも多くあります。
自分が取ろうと考えている資格が、本当に自分にとって意味のあるものなのか、資格の勉強を始める前に冷静に判断できるように注意しましょう。
その資格を取ることが、転職成功のためだけではなく、将来の仕事にとってどれくらい意味のあることなのか、資格のために割く時間とお金の費用対効果を意識することが大切です。