夢を持って保育士になったはずなのに、結局その意欲はすっかり失われてしまって、結局保育士を辞める決断を下した…。
そんな、ある意味夢破れた保育士も珍しくありません。
保育士は同僚や先輩など、同じ職場で働く人との人間関係に問題が発生しがち。
さらに、保護者との有効的な関係を築くことも求められるなど、様々な方向性からストレスをかけられる場面があります。
ストレスフルな職場のなかで、保育士がもらえる給与は社会問題に発展するほど少ない。
これでは「保育士を辞めたい」と感じてしまってもしょうがない話です。
現在日本は転職という選択肢が一般的になった時代です。
保育士という仕事に限界を感じたなら、無理せず転職という道を選ぶのも良いでしょう。
しかし大切なのは、闇雲に保育士を辞めるのではなく、辞めた後の未来も考えながら転職活動を行う、ということです。
というのも、保育士の辞め方によっては、その後の未来に悪い影響が出る可能性があるからです。
長く働かずに保育士を辞める人も多い
保育士のなかには、あまり長く働かずに辞めてしまう人も多いです。
なんなら、1年ほど勤務したくらいで保育士を辞める決断を下す人も多いです。
厚生労働省の「社会福祉施設等調査」によると、常勤保育士の10人に1人が、1年で離職しているという結果が出ているほどです。
常勤でこれなら、非常勤の保育士はもっと早く辞めているのが予想できます。
理想とのギャップ
多くの保育士が、保育士という仕事に夢や希望を抱いて働き始めます。
しかしいざ働き始めると、その仕事の過酷さ、給与の安さなど働きにくさが露見して保育士は直面します。
「思っていた保育士の仕事とは違う」
という事実に。
そうした「期待していた事実との差」に苦しんで、多くの保育士が1年ほどで仕事を辞めてしまうのです。
保育士が正しく仕事を理解していなかったというよりも、働いてみないとわからないことが、保育士には多いのです。
保育士の転職は難しいのか?
保育士が、現在の仕事を辞めたとして、その後転職となるとその転職の難易度は高いのか低いのか。
辞めた保育士の未来を決める、保育士の転職難易度という観点から情報を洗っていきましょう。
保育士資格を活かせる仕事が少ない
保育士の仕事は、かなり業界に特化した超専門職です。
だからこそ、保育士の資格を活かして働こうと思うと、その条件ではかなり難しいことがほとんど。
保育士が辞めたいと考えて、いざ転職となると、まったくの未経験の業界に飛び込むことになるのです。
その時点で、転職の難易度はある程度高くなってしまいます。
極端に条件のいい転職は難しい
保育士の転職は、完全に別業界の別業種転職となるので、条件のいい仕事に転職するのが難しくなります。
保育士を辞めて転職を考えるときは、ある程度条件の悪い転職であることは覚悟しておいてください。
転職したいと思ったその理由を考えて、その理由と悩みを払拭できるような転職先を選んで、転職を行ってください。
保育士が転職する理由は?
保育士が転職を考えるのには、当然「理由」があります。
何もなく平穏な毎日だったとしたら、「保育士を辞めたい」なんて思い至らないはずなのです。
どうして、確固たる目的、確固たる夢をもってはいった保育士業界から「辞めたい」なんて気持ちになるのか。
保育士が「辞めたい」と考えて、転職に至るその理由まで考えていきましょう。
人によって、転職する理由は様々ですが、「状況を良くして人生の幸福度を上げたい」という理念は同じです。
転職理由1 保育士同士の人間関係の問題
保育士業界は完全に女社会です。
そんな世界で、上司部下、先輩後輩の関係性が複雑に絡み合う保育士業界は人間関係が難しい世界です。
保育士ごとに高いプライドがありそれぞれ強い保育論も持っています。
そんな職場で働くのは、意見の衝突が起こり得るストレスフルな環境です。
保育士同士の人間関係、十分に転職する理由になり得る問題です。
転職理由2 保護者とのトラブル
保護者と何らかの理由で対立してしまうと、その保護者とのトラブルが転職する理由になります。
保護者のなかには、保育園や保育士に対して文句ばかりのモンスターペアレントがいることも。
保育園の方針と、保護者が考える教育方針が違ったとしたら、その意見を保育園に伝えるかもしれません。
そんな煩わしい保護者とのトラブルは、保育士を辞めたいと思うきっかけに十分なりえます。
転職理由3 仕事内容に見合わない給与
世間のイメージ以上に、保育士の仕事はハードです。
男性が少ないこともあって、力仕事を任されることも多いです。
さらに、予期せぬトラブルで残業が発生することも多いですし、休みにくい仕事です。
有給休暇も取りにくく、何より給与が安いです。
何重苦だって環境で働いている保育士は、その仕事内容と見合わない給与で「辞めたい」と感じるとしても無理ありません。
職場環境は、働く従業員にとって基盤です。
基盤がボロボロの保育士業界は、ただただ勤務が辛くなるばかりです。
手取りで13万、14万なんてことも多い
サービス残業も多い保育士。
地域や施設にもよりけりですが、保育士は総支給で17万、そこから税金や保険がひかれて手取り14万なんてことも。
こんな手取りでは、一人暮らしなんてできません。
保育士をやめて、別のもっと給与の高い仕事に転職したいと思ったとしてもそれは無理ありません。
転職理由4 休めない
行事など、度々土日出勤がある保育士。
しかも、働くスタッフに穴を開けられないので気軽に有給休暇を取ることもできません。
厳しい勤務と休めない条件、それなのに給与は低く、方方から文句を言われるようでは「辞めたい」と思うのが自然です。
もはやここまで来ると保育士という仕事は「働きにくい仕事」ということになってしまいます。
保育士を辞める時の注意点
いざ保育士を辞めると決めた後も、保育士の辞め方で注意が必要です。
退職する時期に気をつける
保育士を辞める時期は、年度末の3月がおすすめです。
担任を持っているならなおさら、年度が切り替わるタイミングで辞めるのが一番スムーズです。
とはいえ、本当にこれ以上長く働けない、という人は今すぐ辞める判断を下すべきだと思います。
周囲への影響、子どもたちへの迷惑など、色々考えれば考えるほど辞めるのが難しくなりますが、自分あっての仕事です。
無理そうなら少しでも早めに退職の意思を上司に伝えてください。
転職する理由の伝え方
転職する際延長に退職理由を伝えることになると思います。
その際保育士を辞めるあなたが考えるべきなのは、正直に退職理由を伝えることと、過度に敵対心むき出しの理由は言わないようにするということです。
有給消化できないことがある
一般企業の場合は、退職してから一定期間は有給消化の時期に利用することができますが、保育園ではできないことがほとんど。
辞めた時点で有給が数十日残っていたとしても、実際に利用できる日数はそれに満たないことがほとんど。
保育士は休みにくい仕事なので、退職前に少しずつ有給消化しておくことをおすすめします。
保育士として培った能力は別の仕事でも活かせる
さて、保育士を辞めて、別業界の別業種に転職しようと考えている方のための話に移ります。
誰しも、保育士から転職しようと思ったときでも、保育士時代に培った技術や経験を活かしながら転職したいと思うはず。
そんな時間がるのが、「保育士の経験」は転職で役にたつのかということ。
記事の最初で、保育士の資格は転職で有利になりにくいとは伝えましたが、保育士時代培った経験は別です。
保育士となるための適正や、保育士時代の経験は、違う業界でもしっかり活かして働くことができます。
その経験は、お金では買えない、とても貴重なものなのです。
保育士が転職先に選ぶべき業界
保育士が、その経験を活かして働くことができる業界を考えてみましょう。
やはり超専門職である保育士は、どこでもその知識と経験が活きる…とはいかないみたいです。
介護
介護業界も、保育士業界と同じく人手の足りてない業界です。
関わる相手、お世話する相手が子供からお年寄りになったという大きな変化はありますが、その他気を使う部分は共通点も多いです。
保育士として働いたその経験は、きっと介護士として働いたときにも役立つはずです。
事務
事務仕事と保育士は全然違うように思いますが、保育士もパソコンを使って仕事することが多いですし、事務職とも共通点があるので問題なく勤務できるはず。
何より、保育士と違い、働き方に自由がきく事務職は、かなりストレスフリーな職場を実感できるはず。
とはいえ、正社員の事務求人はかなり人気なので、採用されるまでにはかなり多くの関門を突破しないといけません。
まずは働きやすい派遣の事務求人から探してみても良いかもしれません。
サービス業
ショップ店員やその他サービス業で働くのも、保育士時代の経験を活かせるかもしれません。
サービス業では「お客様第一主義」です。
お客様が何を考えて、何を求めているのか察知して、そのニーズを叶えるのが仕事です。
その仕事でも、保育士時代に培った「相手が何を求めているか」を考えるスキルが役立ってくるのです。
自分にあった仕事を見つけたいなら「転職エージェント」を利用
自分にあった仕事がどこかわからない方、典型的な「何がしたいかわからない」方には、転職エージェントの活用をすすめたいです。
転職エージェントには、利用者一人ひとりにキャリアコンサルタントが割り当てられて、キャリアコンサルタントと相談しながら転職活動を進めることができます。
悩める保育士一人ひとりの転職活動を、キャリアコンサルタントという心強い味方が助けてくれるのです。
あなたがこれからどうすればいいのかわからないとしても、キャリアコンサルタントと話し合うなかでその答えが見えてくるはずです。
リクルートエージェント
まずおすすめしたいのは、転職エージェント最大手「リクルートエージェント」です。
リクルートエージェントが優れているのは何より求人数。
他より圧倒的に求人数が多いので、きっと未経験の保育士でもぴったりの転職先を見つけることができるはずです。
ハタラクティブ
ハタラクティブは、20代など若者向けに作られた転職エージェント。
若者向けの転職エージェントということで、それ以前の職歴に関係なく応募できる「未経験可」の求人が多く集まっています。
さらに、ハタラクティブ在籍のキャリアコンサルタントは、職歴やスキルの乏しい若者の転職サポートを得意としています。
何をどうすれば、転職活動がうまくいくか、すべて把握してくれているのです。
保育士 転職理由まとめ
いかがだったでしょうか。
保育士を辞めたいと考えている方のために、保育士を辞める時の注意点、保育士が転職を考える転職理由をご紹介しました。
働くなかで辛いと思うことも多い保育士という仕事。
転職するときには、しっかり未来の展開へ予想を立てながら動きましょう。
何の考えもなく、動き出して成功するほど転職活動は甘くありません。