看護師を募集している求人は多いため、いつでも転職できるという強みがありますが、より有利かつ安定して転職をしたい場合には時期を見極める必要があります。
今回は看護師の転職にベストな時期や転職の難易度について解説します。
転職は看護師のニーズが高くなるころに行うのがおすすめ
看護師が転職するのはいつでもいいのではないかと思われがちですが、実は時期によって看護師のニーズがより高くなったり、安定するタイミングがあります。
そのため、転職するのであれば、できる限り看護師のニーズが高くなる時期を狙った方が良い条件の求人の数も多くなるため、自分の希望に沿った転職先を見つけやすいですし、ある程度経験がない人でも転職に成功しやすくなるでしょう。
では、実際にどのような時期がベストなのかというと、以下の6つの時期に分かれています。
病院の採用が活発になる4月の転職
4月は年度の変わり目であり、学校の卒業に合わせて新人の看護師が多く市場に出回ります。
そのため、病院を始めとした看護師を募集している企業や施設では、新卒向けに大量の求人案件を公開しますし、新卒だけではなく即戦力となる中途採用の募集も活発になります。
このように、4月は病院や施設側としてもある程度人材採用に投資する余裕があるため、転職するにはベストな時期と言えます。
ちなみに大手の病院であれば新卒向けの研修も設けられているので、ブランクがある人はこの時期を狙うと安心して仕事がしやすくなっています。
職場の異動が行われる10月
一般的に病院や施設の運営や企業経営は前期と後期に分かれており、9月や10月はちょうど期の変わり目に差し掛かっている時期です。
この時期に入ると後期の運営をしていくために職場内や同じ系列内での異動が始まるので、人員確保の強化のために求人情報を公開する医療機関が増えてきます。
特に即戦力となる中途採用者を希望するところが多く、新人看護師の指導もある程度行われていたり、異動に伴って指導を受ける人も多い時期だとされています。
そのため、新人や異動してきた人たちと一緒に指導を受けながら、徐々に職場に慣れていける環境が整っているところが魅力になります。
ボーナスが出て落ち着いた1月もおすすめ
看護師以外の職種でもボーナスが出た後は転職や退職を検討する人が多く、特に12月後半から1月にかけた時期は退職希望者が続出する時期だと言われています。
医療機関や介護施設も例外ではなく、年末を区切りとして大量の退職希望者が出てくる時期なので、それに合わせて求人情報を公開するところが増えてくる傾向があるようです。
この時期の特徴はすぐに採用したいというところだけではなく、退職した看護師が4月に入職することを見込んで求人情報を公開しているところが多い点です。
そのため、すぐに転職するつもりはないけれどゆっくり仕事を探したいという人や少し落ち着いてから働きたいという人にはベストな時期だと言えます。
7月もボーナス後で転職に最適
同じような理由でおすすめされているベストな時期が、夏のボーナスが支給された後の7月です。
ボーナスを受け取ってから辞めたい人を中心に大量の退職者が出る時期なので、医療機関や介護施設側としても退職者分の穴を埋めるために大量の求人情報を公開しています。
ただし、こちらの時期の特徴は冬のボーナス後と違ってすぐに仕事をしたいと考えている人が多い点で、病院などの採用する側もすぐに入職できる人や遅くても1か月ないし2か月以内に入職できる人を募集しています。
そのため、こちらの時期は退職後にすぐに入職したいなど空白期間を作りたくない人におすすめです。
9月の異動シーズンを視野に入れた転職もおすすめ
10月は期の変わり目に伴って求人情報が増える時期のため、転職活動を始めるにはうってつけですが、その前である9月も転職するのにベストな時期だと考えられています。
9月はそこまで求人情報が多いわけではないものの、10月ごろに向けて徐々に求人が増えてきます。
その上で異動シーズンを視野に入れて転職すれば、異動してきた人たちとともに10月以上にスムーズに入職できるところがメリットです。
丁度半期になるのでボーナスの計算なども含めるとタイミングとしてはベストですし、職場に早くなじみたいという人にもベストな時期と言えます。
11月は求人数が多いが転職後のフォローに期待できない
看護師の求人案件の数が最も豊富なのは、実は11月だと言われています。
そのため、様々な求人情報を比較しながら希望する転職先を見つけたいという人や色々な選択肢の中からゆっくり情報を探したいという人の場合は、11月から転職活動を始めるのがベストです。
ただし、年末に入ってしまうと一気に求人情報が減少してしまうので、転職活動をするのであれば11月中に入職を決めるのがおすすめです。
注意点としては、11月の場合は採用する側が単純な人員補填としか考えていない可能性がある点です。
入職後に研修もフォローもない場合があるため、転職後のフォローを希望する場合は別の時期を検討した方が良いでしょう。
看護師の経験年数で転職の難易度が変わる
このように、看護師が転職するのであればある程度時期を見極めて活動するのが大切です。
ただ、転職に関する難易度は時期だけではなく看護師の経験年数によっても異なっていて、実際の求人情報の中にも経験年数による、経験により優遇すると記載しているものもあります。
そのため、転職を検討する際には自分の看護師としての経験年数も考える必要があるでしょう。
3年目の看護師から転職難易度が下がる
看護師は看護技術を身につけるのはもちろん、患者とのコミュニケーション能力を身につけておく必要があります。
そして、何よりも経験や観察力によって患者の様子の良し悪しや違和感を見つけられる能力が重要視されており、これらを身につけるためには最低でも3年間は看護師として臨床経験が必要だろうと言われているのです。
そのため、1年目や2年目の看護師が転職するよりも、3年目以降の看護師の方が比較的転職の難易度は低くなりやすい傾向があります。
3年目以降であれば、改めて研修などを利用して教育する時間や手間もそこまでかかりませんし、即戦力として期待できるという点も難易度を下げている要因です。
5年目の看護師が転職にもっとも最適
実際に転職を検討する場合、経験年数はどの程度がベストなのかというと、5年目以降が最も適していると考えられています。
5年目以降の看護師であれば経験豊富と判断され、採用する側としては即戦力として入職してもらえる点が大きな魅力となっています。
採用される看護師側としても経験を高く評価してもらえるので基本給に経験加算がしてもらえるなど、給料が上がりやすい傾向があり、待遇改善を期待しやすいのです。
経験年数が短くても転職そのものは可能ですが、より自分を有利に売り込みたいのであれば5年目以降に検討するのがおすすめです。
まとめ
看護師の転職にはベストとされている時期がいくつかあるほか、経験年数によっても難易度が異なります。
中でも転職する時期はタイミングを外すと条件のいい求人を逃してしまったり、ライバルが多すぎてなかなか転職活動がうまくいかない可能性が出てきます。
そのため、転職を検討するのであればベストな時期に入職できるように早めに行動することが大切になり、自分の経験年数を踏まえて転職するかどうかを検討することも必要です。