「この仕事には何が大切だと思いますか?」
転職や就職面接で聞かれたことがある人も多いのではないでしょうか。
ただその時の答えが正解だったのか、もし聞かれたらどう答えたら正解なのか、分かりづらい質問でもあります。
「この仕事には何が大切だと思いますか?」という質問、実は面接の成否を左右する可能性が高い、とても大切な質問なのです。
そこでこの記事では、「この仕事には何が大切だと思いますか?」と聞かれたときの回答例を面接官の質問意図も併せてご紹介をしていきます。
具体的には、
- 「この仕事には何が大切だと思いますか?」と面接官が聞く意図
- 「この仕事には何が大切だと思いますか?」と聞かれたときの回答例とポイント
- 「この仕事には何が大切だと思いますか?」の回答を考える3つの方法
といった内容を書いていきます。
3分ほどで読めて、「この仕事には何が大切だと思いますか?」への答え方がわかってすっきりする記事になっていますので、ぜひ最後まで読んでくださいね。
「この仕事には何が大切だと思いますか?」と面接官が聞く2つの意図
「この仕事には何が大切だと思いますか?」への適切な回答例を考えるために、面接官の質問意図を理解することから始めましょう。
相面接を成功させるためには相手を知ることが大切ですし、また質問意図を把握しておくことで、どんな仕事や面接へも応用が利きます。
【早期退職を防ぐ】仕事への理解の深さを知りたい
面接官が「この仕事には何が大切だと思いますか?」と聞く意図として、仕事への理解の深さを知りたい、というものがあります。
応募者の中には、求人を見て「給料が良いから」「会社が安定しているから」などという理由で、あまりその仕事のビジネスモデルや職種のことを調べずに応募してくる人がいます。
そうすると入社してから「こんな仕事だと思わなかった」「大変すぎてイメージと違う」などというギャップを感じることになります。
このギャップがあると、早期退職になってしまう可能性が非常に高まります。
早期退職は会社にとって大きな損失
早期退職となってしまうと会社にとっては大きな損失。
早期で離職されるということは、その人材が戦力になっていないうちに辞めてしまうということです。
経費を割いて研修をして、戦力化できずにその経費の回収ができないまま辞められると、ただただお金をかけたのみになってしまいます。
また入社する上で、保険関係の加入手続きや備品の用意など様々な労力がかかっていますので、それも全て無駄になります。
さらに、求人を出して一から採用活動をしなければいけません。
これらの損失を蒙りたくないために、面接官は「この仕事には何が大切だと思いますか?」と聞いて、しっかり仕事に対して理解をした上で応募しているのかを確認したいのです。
【内定辞退を防ぐ】求人にどれだけ真剣に応募しているか知りたい
面接官が「この仕事には何が大切だと思いますか?」と質問をするもう1つの意図は、求人にどれだけ真剣に応募しているかを知りたいから、です。
前出の「仕事への理解度」が早期離職の防止を目的としているのに対し、「求人への真剣度」は内定辞退の防止を目的としています。
「この会社に入りたい」と思っている応募者なら、その仕事や求人を事前にしっかり調べて理解しているはず。
「この仕事には何が大切だと思いますか?」に的確に答えられない応募者は、「そんなに入社したいと思っていないな」「滑り止め程度に考えて応募しているかもしれない」などと捉えられる可能性があるのです。
入社意思の弱い応募者は、内定を出しても辞退になりやすく会社からするとリスクがあるため採用を出したくないのです。
内定辞退になるとまた一から採用活動をしないといけない
会社が内定辞退を嫌う理由は、一から採用活動をしないといけないからです。
採用活動は、実は1円も利益になっていない仕事。
未来への投資のために、会社は採用活動をしています。
その投資とは、求人サイトへの掲載費用、面接や書類選考にかける時間、人材紹介会社を利用している場合は紹介料など、採用活動のために多くの投資をしています。
内定辞退されると、その投資がすべて水の泡になってしまうことになるのです。
また一人を採用することは、同時にその人以外の応募者を不採用にしているということ。
せっかくの応募者を不採用にしてあなたを採用したのに、辞退になってしまったらまた一から採用活動をしないといけません。
採用率を高めるためもそうですが、面接を受ける際のマナーとしてもその仕事や会社のことをしっかり調べてから面接に望むようにしましょう。
職種別・「この仕事には何が大切だと思いますか?」と聞かれたときの回答例
この章では、職種別に「この仕事には何が大切だと思いますか?」と聞かれたときの正しい回答例を、そのポイントも併せてご紹介していきたいと思います。
すべての職種を網羅するのは難しいので、全職種に使える回答例も載せておきます。
以下を基本として、あとは業界やその会社のビジネスモデルに合わせて、微調整をしてみてください。
全職種向け・チームワークやコミュニケーションが大切
私が思うこの仕事で大切なことは、チームワークです。
職場で効率的に仕事をしたり、成果を出したりするためには、1人では難しいと思います。
職場の人とコミュニケーションを密に取ることで、信頼関係を築き、知識や情報をチームで共有したり、仕事の引き継ぎをスムーズに行ったりできることで、より効率的な仕事ができて、成果にも直結することと思います
回答のポイント
1人で完結する仕事はありません。
会社に属す場合は特に、周囲とのコミュニケーションやチームワークがとても大切になってきます。
そのためこの回答例は、どの仕事・どの会社の面接でも使えるでしょう。
営業職向け・売上と利益で会社に貢献することが大切
私が思う営業職で大切なことは、売上と利益をしっかり出して会社に貢献すること、です。
営業はお客様との信頼関係構築や、プレゼン力が大切と言われますが、それはすべて売上と利益を出すための手段です。
商品をご購入いただき利益を出さないことには、会社は成り立ちませんし、社員の給料も払えません。
そのため営業として仕事をする上で最も大切なことは、売上目標を達成し利益を出して、会社に貢献することだと考えています
回答のポイント
営業職は売ってなんぼです。
それはどの会社でもどの業界でも変わりません。
売上を上げることは、つまり会社に利益をもたらすこと。
この利益が会社を大きくし、かつ社員の給料を払う原資になります。
営業職に応募する上で、このことは最も大切なこととして認識しておく必要があるでしょう。
接客職向け・お客様満足を高めることが大切
私が考えるこの仕事で大切なことは、お客様満足を高めることです。
お客様に満足していただける接客をすることで、信頼を獲得し会社のファンになっていただくことができれば、またお店をご利用いただけると思います。
リピーターが増えることで、お客様単価の向上や売上向上につながります。
お客様にリピーターになっていただくために、お客様のニーズの一歩先を行くような接客をして、お客様満足を高めていくことが最も大切なことだと考えています
回答のポイント
接客・サービス業で最も大切なのは、お客様の満足を高めることです。
お客様に満足していただくためには、言われたことをマニュアル通りにこなすだけでは難しいでしょう。
お客様から言われたこと以上の接客やサービスを提供することで、はじめてお客様満足度を高められ、リピーター獲得につながります。
それが最終的には会社の売上や利益に貢献することになるのです。
事務職・正確性と効率性を高めることが大切
私がこの仕事で大切だと思うことは、正確性と効率性を常に高めていくことです。
事務業務は直接会社へ利益を生み出す仕事ではありません。
そのためいかに時間をかけずに、確実に仕事を進められるかが鍵になってくると考えています。
仕事の効率を上げるための仕組み化や、必要なスキル習得など、常に業務の質を高めていくことが最も大切だと思います
回答のポイント
事務職はいわゆる間接部門であり、ビジネスをする上で直接利益を生み出さないことがほとんどです。
そのため他の仕事よりも、効率的にかつ正確に業務を行うことが必要とされます。
「働いている時間は会社にとって経費」「1つのミスが経費増につながる」という意識が高く、常に効率的に仕事を行う視点をもち、努力をしている人材を会社は好むでしょう。
「この仕事には何が大切だと思いますか?」の回答を考える3つの方法
「この仕事には何が大切だと思いますか?」の回答例をご紹介してきましたが、例示した職種以外の求人に応募する時もあるでしょう。
また会社や業界に応じて、回答を調整する必要もでてくるはずです。
そのときのために、答え方を考える方法を3つお教えしたいと思います。
求人企業のホームページ等で情報収集をする
「この仕事には何が大切だと思いますか?」と面接官が聞く意図として、「仕事への理解度」と「応募の真剣度」がありました。
それをどちらも網羅するためには事前に求人企業のホームページや、求人サイトでの情報をしっかり調べておくことが大切です。
その仕事がどんな仕事かを調べることで、「その仕事をする上で大切なこと」が見えてきます。
また企業研究や仕事研究をする副産物として、入社後のギャップを減らすことができ「せっかく入ったのにすぐ転職活動をしなければならない」状況を回避することが出来ます。
そのためにも、事前に求人企業のホームページや、求人サイトには隈なく目を通しておくようにしましょう。
転職エージェントで仕事の理解を深める
その仕事に大切なことを考える上で、仕事理解はとても重要です。
といっても、自分だけで情報収集するのは限界があるのも事実。
そんなときは、転職エージェントがとても便利です。
転職エージェントは転職希望者に仕事を紹介し、入社してもらうことでビジネスをしているいわば「仕事のプロ」。
様々な仕事や業界のリアルな情報を熟知しているので、あらゆる仕事における「大切なこと」を教えてもらうことができ、仕事の理解をより一層深められます。
さらに模擬面接や選考書類の添削など、転職・就職をするための様々なサポートを受けられるのも転職エージェントのメリット。
サービスはすべて無料ですし、最終的にそのエージェントで仕事を決めなくても問題ありませんので、一度利用してみることをおすすめします。
信頼できる人に相談する
その仕事への理解を深めるためには、その仕事をしている人に聞くのが一番手っ取り早く確実です。
そのため信頼できる友人や先輩などに、すでにその仕事をしている人がいるのであれば、その人に「この仕事で大切なことってなんですか?」と相談するのが良いでしょう。
もし周囲にその仕事をしている人がいない場合でも、社会人経験の長い人や年長者であれば、自分よりはその仕事のことを知っている可能性が高いはず。
信頼できる人への相談は、仕事で大切なことを考える上で多くの収穫があるでしょう。
まとめ
ここまで「この仕事には何が大切だと思いますか?」への正しい回答例やポイント、回答を考える方法をご紹介してきました。
最後にまとめておきましょう。
職種 | 仕事をする上で大切なこと |
---|---|
全職種 | チームワークやコミュニケーション |
営業職 | 売上と利益で会社に貢献すること |
接客職 | お客様満足を高めること |
事務職 | 正確性と効率性を高めること |
- 「この仕事には何が大切だと思いますか?」と面接官が聞く意図は、「仕事への理解度(早期退職の防止)」「応募の真剣度(内定辞退の防止)」を知りたいから
- 「この仕事には何が大切だと思いますか?」の回答を考えるためには、仕事を理解することが前提
- 仕事理解を深めるには、「求人企業のホームページ等で情報収集をする」「転職エージェントで聞く」「信頼できる人に相談する」の3つの方法がある
繰り返しになりますが「この仕事には何が大切だと思いますか?」という質問で面接官に好印象を持ってもらうためには、「どれだけその仕事を理解しているか」が肝心です。
事前の情報収集をしっかりすることで、その仕事や会社の理解が深まり、「仕事をする上で大切なこと」が見えてきます。
その仕事理解を基礎にして、回答例を参考にしつつその会社や業界に合わせて回答を微調整することで、より適切な回答を導きせるでしょう。