不動産業界と言うと、男性は営業職でガツガツ働き・女性は内勤、なんてイメージを持つ人も多いのではないでしょうか?
そんな体育会系で男社会のイメージが強かった不動産業界ですが、最近では女性も営業職として活躍する人が増えてきています。
事実、最近の不動産業界は女性も活躍ができる環境が増えてきており、人気が高い業界です。
今回は、不動産業界で活躍する女性の実態や、なぜ女性からの人気が高くなってきている理由などを紹介していきます。
不動産業界で働く女性はどのくらい?
男性が働いているイメージが強い不動産業界ですが、従業員の男女比はどのくらいなのでしょうか?
総務省統計局が発表している不動産業界の雇用数を元にチェックしていきましょう。
不動産業界の男女比は年々同率になりつつある
不動産業界の雇用数を、2019年最新版とその5年前の2014年のデータで比較していきましょう。
【総務省統計局の規模別雇用数】
性別 | 総 数 | 1~29人 | 30人以上 | ||||
---|---|---|---|---|---|---|---|
総 数 | 30~99人 | 100~ | 500人 | ||||
2014 | 合計 | 107 | 45 | 55 | 13 | 17 | 25 |
男性 | 64 | 25 | 38 | 9 | 12 | 18 | |
女性 | 37 | 21 | 17 | 4 | 5 | 7 | |
2019 | 合計 | 115 | 48 | 65 | 15 | 19 | 30 |
男性 | 69 | 26 | 42 | 9 | 12 | 21 | |
女性 | 46 | 22 | 24 | 6 | 8 | 10 |
2014年の不動産業界の雇用数では、男性が63.4%、女性が36.6%とやはり男性の方が雇用数が多い結果となっています。
しかしその5年後の2019年最新のデータでは、男性が全体の60%、女性が40%とわずかながら男女比の差は縮まってきていることがわかります。
まだまだ同率までには長い道のりですが、不動産業界はここ数年で確実に女性の雇用数も増えてきていることがわかるでしょう。
従業員数が多いほど女性が少ない傾向
上記の総務統計局のデータでは、企業の規模数でも男女の雇用数が割り出されています。
上記の表をチェックしてみると、従業員数が30人以下の企業の男女比では約半数くらいであるのに対し、従業員数が30人以上の企業では男女比に開きが出ることがわかります。
つまり不動産業界のデータをチェックすると、従業員数が多くなるほど、女性の割合が少ないということがわかります。
大企業よりも中小規模の会社の方が女性が活躍しやすいということがわかります。
なぜ不動産を希望する女性が増えてきているのか?
総務省統計局のデータでもわかる通り、わずかながらでも不動産業界を希望する女性が増えてきていることがわかります。
それではなぜここ近年、不動産業界は女性の希望者が増えてきているのでしょうか。
その背景にはいくつかの理由があることがわかります。
POINT
- 営業は実力主義!性別関係なく結果で評価される
- 仲介営業の女性の需要が増えてきている
- 電話営業は女性の方が上手い
- 不動産事務は専門業務で女性も働きやすい
- 女性の視点が求められている
各ポイントを解説していきます。
営業は実力主義!性別関係なく結果で評価される
不動産業界は、いわゆる実力主義の社会。どれだけ家を売れたか・仲介をできたかの結果で評価がされます。
不動産営業のセンスがあればできる仕事のため、女性でも活躍できる環境があります。
給与もインセンティブ制のところが多く、頑張った分だけ自分に還元されます。バリバリ働いて稼ぎたい人にもおすすめの業種といえるでしょう。
女性の管理職の割合も高い
不動産業界は、女性の管理職の割合も高い傾向にあります。
帝国データバンクが調査した『女性登用に対する企業の意識調査(2019 年)』では、企業規模と業界ごとに女性の管理職の割合の調査結果を公表しています。
不動産業界は、女性の管理職の割合が高い業界の2位を誇っていることから、女性でもキャリアップしていきやすいということが伺えるでしょう。
そのため上昇志向が高い女性にもチャンスが多いことでも人気の一つの要因と言えます。
企業規模の観点から見ると、中小規模の企業であるほど女性の管理職の割合が多くなっていることがわかります。
総務省統計局のデータでも、大手になるほど女性の雇用数が少なくなってきていることから、業種に限らずまだまだ女性は肩身が狭い思いをしていることが現状と言えるでしょう。
こういったデータから、まずは中小規模の不動産業界に狙いを定めて転職を目指すのも一つ、有効的な施策と言えます。
出典:帝国データバンク-女性登用に対する企業の意識調査(2019 年)
仲介営業の女性の需要が増えてきている
不動産業界の中でも特に仲介業において、女性の需要が高まってきています。
特に女性の一人暮らしなど男性スタッフにはなかなか分かってもらいにくいところがあり、女性のスタッフに相談をしたいという利用者も増えています。
そういった背景から、男性スタッフだけで賄うのではなく、女性のお客様の気持ちもカバーできる女性のスタッフを求めている事業所も多い傾向にあります。
電話営業は女性の方が上手い
不動産業界の営業の中でも、不動産投資などは特に電話での営業が主となることがあります。
特に電話での連絡や営業の場合、男性であると初見は警戒されやすい傾向にあります。
一方女性は男性が対応する時と比較し電話対応でも物腰が柔らかい話し方がしやすいとされています。
コールセンターなども女性が対応しているイメージを持つ方も多いのではないでしょうか?
そういった背景から、電話営業が中心となる不動産投資の仕事も、女性の需要が高まっているのです。
特に不動産投資は、1回の利益もとても多きことから、バリバリ稼ぎたい女性にもピッタリの仕事であると言えるでしょう。
不動産事務は専門業務で女性も働きやすい
不動産事務とは、契約に必要な書類の作成や、宅建士の資格を生かした契約時の重要事項の説明などを行う専門的な仕事です。
ライフプランなどで産休・育休を取った後でも復帰がしやすいことから、女性にも注目の職種と言えるでしょう。
人気の一般事務職などと比べて、資格を生かした専門的な業務となるものの、一度取得した宅建士の資格を生かして、一生涯働くことができます。
また不動産業界では、事業所に一定数の宅建士を置いておかなければならない決まりがあります。
宅建士の資格を取得しているだけで転職活動時に有利になることも多く、もちろん資格手当も支給してもらうことが可能です。
「営業はちょっと難しいけど、将来的なことも考慮して、手に職をつけたい」という人にもピッタリな職種と言えるでしょう。
女性ならではの視点が求められている
いかに家を売るか・契約させるかといったように、アグレッシブなイメージが強い不動産業界ですが、今後はさらにサービスも多様化してくでしょう。
中には女性をターゲットにした事業展開も多く行われることから、女性も活躍できる環境が拡大していくとされています。
単に営業をすることだけでなく、女性ならではの視点を生かした仕事も増えてくるでしょう。
女性が不動産業界を目指す際にチェックしておきたいポイント
今後さらに女性の活躍の場が広がりそうな不動産業界ですが、転職を目指す際にはいくつかチェックしておきたいポイントがあります。
ここからは女性が不動産業界を目指す際に注意をしておきたいポイントを、一つずつ解説をしていきます。
POINT
- 会社の規模や女性の比率をチェック
- 給与体系やインセンティブの有無
- 年間休日数
- 産休・育休の有無を確認
- キャリアプランを明確にしておく
- 未経験なら研修や資格取得の支援制度もチェック
会社の規模や女性の比率をチェック
まずは応募を検討している企業の規模・従業員数・女性社員の比率をチェックしていきましょう。
記事の前半で解説もしていますが、総務省統計局の調査によると、中小規模になればなるほど女性の割合が増え、働きやすい環境であるということがわかっています。
明らかに女性の比率が少ないと、女性が働きにくい労働環境であったり、制度が整っていないケースも多いです。
また男女雇用機会均等法があるものの、やはりまだまだ大手では女性が参入しづらいところがあると言えるでしょう。
POINT
- 男女比の差が少ない
- 女性の管理職の割合が増える
より働きやすい・採用されやすさを重視するのであれば、中小規模の企業や、女性の従業真数が多い企業を狙って転職活動を進めることをおすすめします。
給与体系やインセンティブの有無
転職活動時には、希望する企業の給与体系もしっかりとチェックをしておきましょう。
特に給与体系において、インセンティブの割合が大きいと、営業ノルマなども厳しく設定されていることが多いです。
気になる求人があれば同じような条件でも、いくつか比較しておくと良いでしょう。
年間休日数
年間休日数や休日もチェックしておきましょう。
特に不動産業界では、火曜・水曜が休みになることが多いです。また中には休みが固定ではなく、シフト制で進めらるところも多いでしょう。
入社する企業によって決まりが異なるため、休日の制度もしっかりとチェックをしておきましょう。
不動産業界をやめる人の理由には、「家族や友達と休日が被らない」ということが原因で離職を決めてしまう人も多いとされています。
そのためいざ働き始めたときに、そのワークスタイルが自分に合っているかをしっかりとイメージをしておくことが大切でしょう。
産休・育休の有無を確認
女性も働きやすい環境であることを確認する際には、従業員数の男女比だけでなく、産休や育休の制度の充実度もしっかりとチェックをしておきましょう。
制度自体が整っていないと、いざ入職した際に働きづらさを感じてしまうこともあります。
キャリアプランを明確にしておく
転職活動が本格化していく前に、キャリアプランも明確にしておきましょう。
キャリアアップを目指していくのか、将来的に結婚をして出産をする予定はあるのかなど、自分の中で大体の予定を決めておくと、転職活動もスムーズに進めていくことができます。
未経験なら研修や資格取得の支援制度もチェック
未経験での不動産業界を目指す場合、研修や資格取得の制度が整っていることもチェックしておきたいポイントです。
研修支援の制度が整っていない場合、未経験での挑戦となると、OJTなどで自分で勉強を進めていく必要が出て生きてしまい、自分の中でのハードルが高くなってしまいかねません。
できれば会社の中で支援体制が整っているかどうかをチェックしておきましょう。
不動産業界を目指す女性にもおすすめの転職サービス
不動産業界への転職を目指すのであれば、不動産業界に強い転サービスを利用することが大切です。
希望する業界や自分の属性にあっているサービスを利用しないと、スムーズに転職活動を進めていくことができません。自分に合ったサービスを利用していきましょう。
ここでは不動産業界をめざす人にもおすすめの転職サービスをご紹介していきます。
POINT
- パソナキャリア
- doda
- アルヒキャリア
各サービスのおすすめポイントを解説していきます。
女性の転職支援にも強いパソナキャリア
- 求人数:約10万件
- 非公開求人数:全体の8割
- 対応地域:全国
- 運営会社:株式会社パソナ
パソナキャリアは、人材派遣のパソナが提供している転職サービスです。
派遣事業で培った支援実績を生かしたサポートを受けることができます。サポートの評判も高い傾向にあります。
またパソナキャリアは特に女性の転職支援に強い傾向にあります。
運営会社のパソナ自体が女性の活躍推進に力を入れているため、キャリアアップしたい女性や女性特有のキャリアプランに併せた支援を受けることができるでしょう。
サポートが手厚いと評判のdoda
- 求人数:9万6000件
- 非公開求人数:全体の8~9割
- 対応地域:全国
- 運営会社:株式会社パーソルキャリア
コンサルタントからのサポートの手厚さや、求人の質も両方譲れない…!という人には、dodaが提供するエージェントサービスもおススメです。
転職サイトのイメージが強いdodaですが、エージェントサービスも行っています。
他にもdodaでは転職に役立つコンテンツが充実しています。
自分の市場価値を図ることができる年収診断や、項目を入力を行うことで簡単に提出書類を作成することができるレジュメビルダ―なども充実しています。
転職活動の開始時には、是非登録をしておきたいサービスと言えるでしょう。
業界特化型のエージェントもおすすめ
転職エージェントには、dodaやパソナキャリアのような大手人材会社が提供する総合転職エージェントの他にも、業界特化型のエージェントも存在します。
業界特化型のエージェントの場合、取り扱い求人は不動産業界に特化しているだけでなく、求人紹介などを行うコンサルタントも業界に精通しているコンサルタントが在籍しています。
総合型の転職エージェントの場合、業界ごとの担当はいるものの複数の業界を担当しているため手が空いていないことも。
その点不動産業界に特化しているサービスは在籍しているコンサルタント全員が不動産業界に精通しているため、安心して転職活動に打ち込むことができるでしょう。
不動産業界に強いアルヒキャリア
- 求人数:約200件
- 非公開求人数:約9割
- 対応地域:全国
- 運営会社:アルヒキャリア株式会社
不動産業界に特化した転職エージェントの中でも特にアルヒキャリアはおすすめのサービスです。
住宅ローンが国内最大手のアルヒが提供しています。
そのためもともと不動産の事業に強い企業のノウハウはもちろんのこと、コンサルタントも全員が不動産業界の経験者のため、安心して任せられますね。
またアルヒでは、アルヒキャリアで内定・入社が決まったひと向けに宅建士合格に向けた講座を受けることができます。
宅建士を取得しているだけで資格手当が増えるため、不動産業界を目指す女性であれば持っておきたい資格と言えるでしょう。
不動産業界は女性でも活躍できる!
不動産業界は、性別に関わらず活躍・稼げる環境が整っている業界です。
女性の管理職の割合も多く、キャリアアップを目指す女性にもピッタリの業界でしょう、
しかし転職を成功させるためには、転職時に気を付けておきたいポイントを把握して、転職活動に取り組むことが大切です。
しっかりと準備をして、万全な状態で臨みましょう。