不動産の販売や仲介業など、年々人気を集めている不動産業界ですが、未経験でも利用できるのかが気になるところ。
結論から申しますと、未経験でも挑戦ができる環境です。
しかし、それは不動産業界の中でも職種や年齢によっても大きく異なるところがあります。
今回は、不動産業界は未経験でも転職が可能なのか?また年齢ごとの不動産業界への転職の難易度は・未経験でもおすすめの職種や、転職活動時にあると良いスキルなどを網羅的に解説していきます。
不動産業界は未経験でも転職がしやすい!
結論から言うと、不動産業界は未経験でも転職が可能です。
専門的なスキルがなかったとしても、本人のやる気やポテンシャル次第でどうにでもできる仕事と言えるでしょう。
異業種からの転職でも挑戦がしやすく、近年人気の業種と言えます。
なぜ未経験でも転職しやすいのか
それではなぜ、不動産業界は、未経験でも転職がしやすいのでしょうか?
その理由には、大きく分けて2つのポイントが影響していると言えます。
POINT
- 学歴やスキルは関係ない!本人のポテンシャルが評価される
- 若いうちから稼げる・昇進できる
各ポイントをそれぞれ解説していきます。
学歴やスキルは関係ない!本人のポテンシャルが評価される
不動産業界では、スキルや学歴がなくても、挑戦しやすい環境が整っています。
基本的に不動産を売る・貸借の仲介をするなど、営業の要素が強くなります。
不動産業界の経験やスキルがなかったとしても、営業や接客経験や、やりたいという気持ちがあれば挑戦できる環境ともいえます。
そのため本人のやる気やポテンシャルなどで評価が行われるため、業界未経験でも大丈夫という訳です。
若いうちから稼げる・昇進できる
不動産業界は実力・結果主義の業界でもあります。
給与形態も歩合給で、頑張った分だけ自分に還元があるため、同年代の中でも比較的に高給を期待できる職種と言えるでしょう。
年控序列のように、結果を出しても正当に評価されない…ということがありません。
本人の頑張り次第で昇給・昇進のチャンスが転がっているため、早くから昇進できる環境があります。
このように実力主義の社会であるため、未経験でもフラットな状態で挑戦できることも理由と言えるでしょう。
不動産業界への年代ごとのハードルとは?
不動産業界は未経験でも挑戦がしやすい環境であるということがわかりました。
しかし、未経験でも挑戦がしやすいとしても、年代によってまたハードルが少しずつ異なってくるのも事実。
それでは年代ごとのハードルでは、転職の難易度にどのような違いがあるのでしょうか。
20代は第二新卒枠もOK!若年層は引く手あまた
不動産業界に限らず、20代は転職しやすい時期。引く手あまたと言えるでしょう。
未経験での転職のハードルも比較的に低い傾向にあります。
企業としては、20代で人件費が安いうちに研修を行い、長期的に活躍してくれる人を求める傾向があります。
そのため、特に若年層を好む傾向にあるのです。
また経験が浅い分、本人のポテンシャルなどを評価するため、具体的なスキルが無かったとしても転職がしやすい傾向にもあります。
30代
30代は20代と違い、即戦力となるケースが多いです。
これまでの経験やスキルを活かして、すぐに活躍できるような人材が好まれます。
そのため不動産業界の未経験となる場合、それに代わる特筆したスキルや経験がないと、なかなか厳しい…と感じることもあります。
20代のようにポテンシャルや元気さだけで、内定を勝ち取るのは難しいでしょう。
転職を成功させるためにも、最低限、宅建は取得しておいたり、志望理由などを明確にすることが大切です。
40代・50代
40・50代での未経験での転職はとても難しくなってきます。
これまでの経験をいかした役職やポジションでの転職など、しっかりと計画的に行う必要があるでしょう。
また50代業界未経験で販売や仲介は難しかったとしても、不動産管理会社などであれば募集がされていることもあります。いずれにせよ、転職を決めた理由と、自分の強みなどを明確にする必要があると言えるでしょう。
不動産業界が未経験におススメの職種
一括りに不動産業界といっても、その職種は多岐に渡ります。
業界未経験の場合、どの職種がおすすめでなのかも気になるところ。
そこでここでは不動産業界の職種を解説をし、その中で業界未経験におすすめの職種を解説していきます。
不動産業界の職種は?
不動産業界の中の職種は、デベロッパー・不動産売買・不動産仲介・不動産管理と、大きく分けて4つに分かれます。
各職種の仕事内容をもう少し詳しくチェックしてみましょう。
業種 | 事業内容 | 主な会社 |
---|---|---|
不動産デベロッパー(開発)・売買 | マンション・アパート・商業施設や都市開発など、不動産の建設・販売・貸し出しなどを行う。土地の仕入れから建設まで行うため、莫大な資金をカバーできる大手企業であるケースが多いです。 |
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不動産仲介業 | 不動産の売買や賃貸などの仲介など、不動産の流通を担う業態。不動産と言えば仲介業というように代表とも言える。売買を仲介するのか、賃貸の仲介なのか、その内容はより細分化されている |
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不動産管理業 | 不動産の持ち主(大家・オーナー)などから委託を受けて管理を行う。不動産の他にも土地や駐車場など、その種類は多岐に渡る。管理会社単体のケースもあれば、仲介業の一部で行っている企業なども存在する。 |
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未経験でも挑戦しやすいのは不動産仲介
業界未経験者であれば、不動産仲介業が一番挑戦しやすいと言えるでしょう。
アパマンショップやホームメイトといった大手企業の仲介会社から中小企業や個人が運営している店舗など、求人が多いのも特徴的です。
また基本的に個人への貸借であることが多く、営業や接客経験者であればそこまでハードルが高くないのも魅力の一つです。
給与も実力主義で、歩合給であるケースがほとんどのため、稼ぎたいという人でも挑戦ができます。
業界未経験者であれば、まずは不動産仲介を目指すと良いでしょう。
稼ぎたいなら不動産販売もおすすめ
もっと大きな仕事をしたい・稼ぎたいという人は、不動産販売やデベロッパーもおススメです。
基本的には法人向けとなるため、1つ当たりの単価も高く、やりがいも大きいのが特徴的と言えるでしょう。
ただ不動産販売・デベロッパーとなってくると、事業も大きいため企業も大手がほとんど。
ポテンシャルだけでなく、学歴や特筆されるような強みがないと難しいとされるのが現状ですが、稼げるという観点では一番オススメの職種です。
不動産業界が未経験でも優遇されるスキル・経験
業界未経験でも挑戦がしやすい不動産ですが、どのようなスキルがあると、より転職がしやすくなると言えるでしょうか。
ここでは不動産業界への転職時にあるとプラスになりやすいスキル・経験をご紹介していきます。
- 営業経験
- 接客経験
- 法律・金融に関する専門的なスキル
営業経験
営業経験があると、不動産業界でも役に立ちます。
基本的には不動産の売買・貸借の顧客獲得となるため、営業スキルは必須と言えるでしょう。
不動産が未経験であっても、営業の経験があるのであれば、ベースはできているので仕事も取っかかりやすいでしょう。営業職が苦で無いのであれば、不動産業界も向いていると言えます。
接客経験
営業経験と同じくらい大切なのは、接客経験です。
不動産業界はお客様を始め大家や管理会社、仲介業者など、多くの人とのコミュニケーションが肝とも言えます。
そのためコミュニケーションスキルはもちろんのこと、接客経験があると、業界未経験であっても、仕事に取り掛かりやすいと言えるでしょう。
法律・金融に関する専門的なスキル
営業・接客経験の他にも、法律や専門的なスキルがあると尚よいです。
未経験では始められるものの、いざ働きだしたら多くの専門知識が必要となってきます。場合によっては、入社後に宅建士の取得を課されることもあるでしょう。
特にデベロッパーや売買などは大きなお金が動くため、不動産や金融に関する知識は必要不可欠となります。
たとえ一部分であったとしても、スキルの有無は転職活動時にも大きな影響を及ぼすでしょう。
不動産業界の内情とは
不動産業界というと、稼げるイメージがある反面、ブラックなイメージや男社会と想像する人も多いです。
実際のところ、そういった内情はどのような状態であるのでしょうか?
ここでは不動産業界についてよくある質問や気になるポイントをまとめたので、解説していきます。
POINT
- やはりとてもブラック・激務なのか
- 女性は働きづらいのか?
- 宅建士を取れば転職しやすくなるってホント?
一つずつ解説していきます。
やはりブラック体質・激務なのか
不動産というとやはり『稼げる分、ブラック企業が多い』『めちゃめちゃ忙しく、激務で体調不良者が続出』なんて声もあり、気になるところ。
しかし実際には、働く企業によって異なると言えるでしょう。
確かに不動産業界は他の業種と比較しても、激務の傾向があります。その理由には、不動産業界の体質が関係しているといえます。
POINT
- 実力・結果主義で評価が決まるため、結果として労働時間が長時間になりやすい
- ノルマ・インセンティブが厳しく、休みも取り辛い
ハードなノルマ達成のため、労働時間が長時間化してしまい、結果として激務とな感じるケースも多いでしょう。
しかしその結果として、インセンティブとして自分に返ってきやすい環境でもあります。
しっかり成果を出せばOK!という企業も多い
基本的に実力・成果主義の社会であるため、定められたノルマをクリアしていればしっかり休める、という企業も多いです。
そのため個人の能力によっても異なりますし、一概にブラックとも言い切れません。
大手だからホワイト・中小だからブラックというわけでは無い
「大手は組織体制がしっかりとしているからホワイト」
「中小は常に人が足りないからブラックが多い」
なんてイメージを持つ人も多いですが、必ずしもそうとは限りません。
大手企業の場合、店舗によっても教育が異なることも多く、一概にホワイト・ブラックだとも言い切れません。実際のところ配属される事業所によって異なります。
女性は働きづらいのか?
きついノルマで体力勝負のようなイメージから、男社会のイメージを持たれることもあります。
少し前までは男性が営業・女性は窓口や一般事務での雇用が一般的でありましたが、現在は女性でも不動産営業で活躍している人も増えてきています。
不動産業界は、実力・成果主義の社会。
男女での差がほとんどなく、女性でも結果を出せば評価がされる環境が整っているため、挑戦する女性が増えているのです。
また特に仲介業などは、女性の利用者も多く、女性スタッフを希望するお客様も少なくありません。
安直な言い方にはなってしまいますが、セキュリティ面などは男性に相談しづらかったり、女性の方がこちらの希望をくみ取って貰いやすいこともあります。
女性だからといって敬遠されることはなく、未経験でも挑戦しやすいと言えるでしょう。
宅建士を取れば転職しやすくなるってホント?
不動産業界の転職時によく耳にするのが、宅建士の資格ですね。
職種によっても異なりますが、宅建士を持っていると転職時に優遇されることが多いです。
また資格手当がつくことも多く、取っておきたい資格の一つとも言えるでしょう。
不動産業界に転職はどんな人のおすすめ?
未経験で不動産業界を目指すとしても、本当に自分に合っているか不安…
ここでは不動産業界への転職はどんな人にオススメなのかを解説していきます。
POINT
- コミュニケーション能力が高い
- 常にアンテナを張れる人
- ガッツがある・根気よく取り組める
- ストレス耐性が高い
- キャリアアップ意欲がある・上昇志向が高い
一つずつ解説していきます。
コミュニケーション能力が高い
営業・接客経験が生きるように、コミュニケーション能力が高い人にはとても有利な仕事と言えるでしょう。
仲介業者の務めた場合、利用者や大家との仲介はもちろん、管理会社や保証会社など多くの人との仲介が必要となり、コミュニケーション能力は不可欠と言えます。
仮に営業や接客経験がなかったとしても、マネジメントやリーダーなど、それに代わる経験があれば問題ないでしょう。
常にアンテナを張れる人
不動産においても、常にアンテナを張って最新の情報を追える人には向いている業界です。
不動産は、人の流れが大きくかかわっているとも言えます。
ビルや施設だけでなく、新しいお店ができたなどでも、人の流れが変わります。
そういった情報を常に追っていることで、各会社やオーナーとのやりとりもスムーズに進めることができるでしょう。
ガッツがある・根気よく取り組める
不動産業界は、実力・結果主義の社会です。
頑張った分だけ自分にも還元されるものの、時にはなかなかノルマに達せずに苦しい思いをすることもあるでしょう。
他にも不動産仲介であれば物件周りがあったり、残業が続いてしまうと、体力的にも厳しいこともあります。
そのため、よりガッツがある人・根気よく取り組める人ほど、不動産業界に向いていると言えるでしょう。
ストレス耐性が高い
ノルマ・成果主義、実力主義社会のため、ストレス耐性の有無も重要でしょう。
キャリアアップ意欲がある・上昇志向が高い
キャリアアップしていきたい・上昇志向が高い人にはとても向いている業界と言えるでしょう。
頑張った分だけ評価されますし、年功序列のように阻害されることが無いため、早くから昇進できる環境があります。
未経験で不動産業界に挑戦した人の体験談
もともとメーカー営業職として従事しており、不動産は未経験での入社だったのでした。
結構放任とういうか、自分でみて学べ!みたいな感じなのかな、と勝手にイメージしていましたが、最初にしっかりと研修があったので良かったです。先輩の下について学ぶことができたので、とても勉強になりました。
社内も上昇志向が高い人が多く、変にギスギスしていなかったので個人的には満足しています。
ただ同業界で働いている知人に聞くと、「ほぼOJTで自分で調べるしかなかったから、研修制度があるのが羨ましい」といわれたので、企業によって違うのだなと感じました。
(20代・不動産売買)
コンサルから転職をしました。
ガッツリした営業職ではなかったものの、最初にしっかり研修があったので未経験だからと言ってきつかった、というようなことは感じなかった。
女性の管理職もいたので、性別特有の働きづらさなどは無かった。実力で評価されるので、しっかり結果を出せばキャリアアップもできる環境でした。
ただやはり根性で乗り切れ!という文化なので、体力的には厳しいと感じることもあります。きつい時は毎日終電で帰宅、なんてこともザラです。うまく進めばもちろん休みも取れるけど、繁忙期やお客様の都合で変わることも多いです。
女性も評価される環境は整っているけど、体力的に持たなくて(もしくはライフプラン的に離脱せざるを得なくて)やめる人が多かったですね。
(20代・不動産仲介)
営業未経験で入社しました。
インセンティブがつくので、しっかりと結果を出したらその分給与に反映されるため、そこに不満はありませんでした。
しかしなかなかノルマが厳しく、営業が未経験の自分としては苦戦していました。とくに同時期に入社した中途組が営業経験者どんどん売り上げを出していくので、その状況もつらかったです。ガッツで乗り切っていましたが、当時若かったからできたことだと思います。
(30代・不動産仲介)
仕事はきつかったですが、評価が明確で頑張ればちゃんとポジションがもらえるのでとても良い環境でした。
風通しも良かったので、新しいこともすぐに始められるの良いです。
ただえ営業ができるというか、元気がないと厳しいだろうなとは感じます。逆に少し荒っぽかったとしても、はきはきと元気にやっていれば何とかなる感じ。そこが難しい人はなかなか定着しませんでしたね。
(30代・不動産仲介)
不動産業界未経験ならプロの力を借りよう
業界未経験で新たに転職を考えているのであれば、力を借りて転職活動を進めることも大切。
特に業界未経験の場合、本人のポテンシャル面で採用が決まると言っても過言ではありません。
そのためアピールすべきポイントをしっかりと抑えて、志望動機や自己PRをしっかりと組む必要があるでしょう。
転職エージェントでは、求人紹介だけでなく企業に提出する書類の添削指導や、面接の実技練習などもしっかりとサポートしてもらえます。
また業界に精通しているスタッフが在籍しているため、未経験で挑戦する人でも安心して転職活動をスタートさせることができますね。
不動産業界に転職をするのであれば、業界に特化したサービスを活用していきましょう。
不動産業界が未経験でも転職はできる!
不動産業界は、未経験でも挑戦できる業界と言えます。
しかし年代によっても難易度が異なってくるのも事実。
未経験での転職を成功させるためには、そもそも自分は本当に不動産業界に向いているのか・不動産業界のどの職種を目指すのかなど、しっかりと考える必要があるでしょう。
自分でも目指すところや希望する職種などを明確にして、転職活動を取り組みましょう。
またより転職成功の確率を高めるためには、エージェントなどのプロの力を借りることも大切。納得のいく転職となるように、しっかりと進めていきましょう。