外資系企業の平均年収はなぜ高い?業界別年収ランキングを紹介!
外資系企業と言えば、年収が高いが実力主義で厳しい世界、日系企業と企業文化が全く異なるなどというイメージがあります。
実際、外資系企業の平均年収は高い傾向がありますが、それはなぜなのでしょうか?
ここでは、外資系企業の平均年収ランキングや業界の違いによる平均年収の違い、そして、外資系企業はなぜ平均年収が高いのか?ということを実際の企業データをもとにご説明します。
年収アップのために転職先として外資系企業を狙っている方は、ぜひ参考にしてみてください。
また、下記の記事も合わせてどうぞ。
- 第二新卒やフリーターの転職に特化
- 経歴や学歴に自信がなくても求人を紹介してもらえる
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外資系企業の平均年収ランキング
早速、外資系企業の平均年収ランキングを見てみましょう。
もっとも、外資系企業と言ってもすべての企業が日本に広くマーケットを持っているとは限らず、日本にはなじみの薄い企業も数多く存在します。
ここでは、外資系企業の平均年収ランキングに登場する中でも、日本で中途採用を活発に行っている企業をピックアップしてご紹介します。
外資系企業平均年収ランキング1~10位
出典 http://rank.in.coocan.jp/salary/other/gaishi001.html
まずは、1位から10位までの平均年収ランキングです。
1位と2位は年収2,000万円を超えるあたり、さすが外資系企業という感じです。
1位のビンガム・マカッチェンは法律事務所で、日本でも翻訳スタッフや弁護士を採用しています。
7位のセールス・フォースはクラウドコンピューティングの分野において世界的な規模のIT企業で、セールス担当やエンジニアを日本でも広く募集しています。
IT系企業でアプリケーションソフトを開発、販売する日本でも知名度が高いアドビシステムズが、9位にランクインしています。
外資系企業平均年収ランキング11~20位
11~20位になっても、まだ平均年収1,000万円台が続きます。
11位のゴールドマンサックスと12位のボストンコンサルティング、15位のシスコシステムズは日本でも知名度が高く、日本人の中途採用者を数多く採用している企業です。
ゴールドマンサックスは証券会社、ボストンコンサルティングはコンサルティング会社、シスコシステムズはIT系企業で、それぞれ優秀な社員を集めており高年収を目指して転職したいと考える日本人は非常に多いです。
16位のイーベイは、インターネットオークション・通販・決済サービスを手掛ける企業で、日本でも採用を行っています。
18位のテキサス・インスツルメンツは日本各地に工場を持ち、環境、エネルギー、ヘルスケア、医療機器、セキュリティなどの分野で製品を開発、販売しており、日本での採用活動も盛んです。
外資系企業平均年収ランキング21~30位
21~30位になるとさすがに1,000万円は切りはじめましたが、900万円台の高収入が続きます。
27位のマイクロソフト社は日本に日本マイクロソフトを設立しており、国内の中途採用者を数多く採用しています。
30位のドリームワークスは世界的に人気が高いアニメーションを制作する会社です。
外資系企業は本当に日系企業よりも平均年収が高いのか?
上記で挙げた通り、年収が高い外資系企業は非常にたくさんあることがわかりました。
一方で、もちろん日本にも年収が高い企業が数多く存在するはずです。
実際のところ、本当に外資系企業は日系企業よりも年収が高いのでしょうか?
ここでは、日系企業と外資系企業の平均年収を比較してみたいと思います。
日本の企業の平均年収ランキングはどうなっているのか、日本の上場企業の平均年収ベスト30のデータを見てみましょう。
出典 http://toyokeizai.net/articles/-/202820?page=2
外資系企業と日系企業の平均年収ランキングを見比べてみると、トップ30の企業に関しては日系企業の方が若干年収が高いことがわかります。
外資系企業は23位から1,000万円を切りますが、日系企業は30位でもまだ1,000万円オーバーです。
日系企業にも、外資系企業に負けないくらい平均年収の高い企業が数多く存在するということがわかります。
外資系企業と日本企業では給与体系に違いがある
なぜ、外資系企業の平均年収は日本企業に比べ高い傾向にあるのでしょうか?
その理由は、各業界で給与体系が異なるということに、深くかかわっています。
一般的に、企業の給与は、
- ベース給(基本給)
- インセンティブ給(歩合給)
の二つから成り立っています。
ベース給は昇進・昇給と共に徐々に上がっていくのに対し、インセンティブ給は仕事の成果や会社の経営状態、市場環境によって変わります。
外資系企業はインセンティブ給の割合が高く、そのため実力主義の企業が多いと言われています。
一方で、日本企業はベース給の割合が高く、昇給・昇格により徐々にベース給が上がることで収入が上がる年功序列制度の企業が多いというのが現状です。
どの業界の外資系企業の平均年収が高い?業界ごとの勤務事情とは?
一口に外資系企業と言っても、金融系やコンサル系、IT系など業界によって企業文化や職場環境、そして年収額は大きく異なります。
ここでは、給与体系による平均年収の違いや職場環境の違いを、業界ごとに具体的な企業の事例を挙げながら詳しく紹介をしていきます。
金融業界の平均年収が最も高い
外資系企業の中で最も平均年収が高いと言われているのが、金融業界です。
外資系金融企業の具体的な企業や年収、給与体系、業界事情についてご紹介したいと思います。
外資系大手金融企業の平均年収
外資系金融企業では、給与に占めるインセンティブ給の割合が高いことが知られています。
金融業界は大きく分けると、「投資銀行部門」「マーケティング部門」「リサーチ部門」「アセットマネジメント部門」の4つの部門からなります。
最も給与水準が高いのが投資銀行部門で、ベース給の30~100%がインセンティブ給に設定されているのです。
具体的に、どれくらいの給与額になるのか、代表的な企業の例を挙げて見ていきましょう。
役職毎の平均年収
外資系金融企業では、以下のように役職ごとにベース給が設定されています。
- 新卒アナリスト:800~1,300万円
- アソシエイト:1,000~1,500万円
- ヴァイスプレジデント:1,500~2,000万円
- マネージングディレクター:2,500~4,000万円
インセンティブ給の割合が30~100%と高い設定になっている投資銀行部門なら、最もベース給が低い新卒アナリストでも1,000~1,600万円の年収を得られるということになります。
これは、かなり高い年収額と言えるでしょう。
それでは、具体的な外資系金融企業の年収を見てみましょう。
出典 https://www.onecareer.jp/articles/428
ゴールドマンサックスやシティグループ、UBSグループなどは軒並み高年収となっています。
そして、クレディ・スイス証券、バークレイズ、J.P.モルガン、メリルリンチ、ドイツ、モルガン・スタンレーなど、世界各国のトップクラスの金融企業が集まっています。
外資系金融業界の転職事情
次に、外資系金融業界の転職事情について、見てみましょう。
外資系金融企業の若手社員は稼いでいる
外資系企業では若いうちから高年収を獲得できるチャンスがあり、一方で、日系企業は若いうちは年収が低いが勤続年数を重ねると高年収になると言われています。
特に、外資系金融業界ではその傾向が顕著です。
それを示す、次のデータを見てみてください。
外資系金融企業と日系金融企業の、年代別平均年収を表したグラフです。
出典 http://www.antelope.co.jp/about_us/press_show.cfm?PRESS=85
このデータによると、確かに外資系企業の方が若いうちから高年収の人が多く、年齢が上がると日本企業の方が高年収という結果になっています。
具体的には、20代の外資系金融企業で働く人の平均年収は803万円9,130円、日系企業が607万1,577円です。
日系金融企業で働く20代の年収は、一般企業より少し高いぐらいでほとんどうま味がありません。
一方、30代になると外資系が1,000万7,407円、日系が980万6,311円となり、ほぼ同水準になります。
そして、40代では、外資系が1,497万1,429円、日系が1,590万5,000円と、日系企業が外資系企業を超えます。
このデータから、外資系金融企業では若い世代が中高年世代よりも稼いでいるということがわかります。
外資系金融企業に転職するなら、若いうちが良いということが言えるでしょう。
稼げるがストレスフルな環境でもある外資系金融業界
実力があれば若いうちからガンガン稼げる外資系金融業界ですが、問題点もあります。
それは、かなりストレスフルな環境にあるということです。
特に、最も稼げる投資銀行部門では、ブラック企業も逃げ出すほどのブラックな環境にあると言われています。
毎日3時間しか睡眠がとれないほどの激務を強いられる、仕事で扱うお金の額が大きすぎて責任が重くストレスが溜まる、激務でプライベートを楽しむ余裕が全くないなどのストレスフルな環境に置かれることは覚悟しなければならないでしょう。
そして、最悪の場合、メンタルを壊してうつ病にかかってしまう可能性もあります。
そんな過酷な環境で働き続けるためには、タフなメンタルと強靭な体力が必要になるでしょう。
コンサル業界も平均年収が高め
外資系企業の中でも年収が高めなのが、コンサルティング業界です。
金融業界程ではありませんがインセンティブ給の割合が高めで、活躍次第では若くても高給取りになれるチャンスがあります。
外資系コンサル企業の平均年収紹介
コンサル業界の役職ごとのベース給は以下のようになっています。
- アナリスト:400~800万円
- アソシエイト:800~1,500万円
- プロジェクトマネージャー:1,500~2,000万円
- プリンシパル:2,000~3,000万円
- パートナー:3,000~5,000万円
外資系金融業界と異なる点は、入社直後の若い頃はベース給が低く、出世すると急激に高くなっていくということです。
若い頃の給料は、他企業よりも安い水準になっています。
では、具体的な外資系コンサル企業の年収を見てみましょう。
出典 https://www.onecareer.jp/articles/428
マッキンゼー・アンド・カンパニーやボストンコンサルティンググループなど、日本でも良く知られているコンサル企業は軒並み高年収になっています。
しかし、最初の役職の年収はそこまで高くなく、経験や実績を積まなければ高年収を得られないことがわかります。
良い顧客をつかみ、利益を上げることができるコンサルティングを成し遂げることができれば、それだけ年収は上がるということです。
外資系コンサル業界への転職事情
早く実力をつけて高収入を得たい人に適した業界
外資系コンサル業界は若い頃こそ年収が低いですが、実力をつけて上顧客を獲得することで一気に年収が上がるチャンスがあります。
それは、なぜなのでしょうか?
自分自身の顧客を持てるかどうかで年収に差が出る
コンサル業界は、企業から依頼を受けて経営改善や業務改善などのコンサルティングを行う仕事をします。
特に外資系コンサル企業では、若いうちから顧客を任され責任ある仕事ができます。
そこでしっかりと結果を残し、良い顧客を獲得してつなぎとめることができれば、一気に高収入になることができるのです。
また、早い段階から責任あるポストを任されるため、早く実力をつけることもできます。
そのため、若いうちから高収入を得たい、日系企業では実力があっていくら実績を残しても上の世代の年収に届かない、若いと責任あるポジションに付けないから実力もつけられない、などという不満を持っている若い世代におすすめと言えるでしょう。
そして、外資系コンサル企業は高い年収を提示して優秀な人材を集めており、ヘッドハンターが数多く出没する業界でもあります。
実力があるのに日系企業で上の世代に押さえつけられて不遇な思いをしている多くの若手社員が、外資系コンサル企業にヘッドハンティングされているのです。
激務でストレスフルな職場が多く長く働く業界ではない
コンサル職は実力次第で高収入を見込める一方で、激務でストレスフルな職場が多いというデメリットもあります。
もともと、激務だが高収入の外資系コンサル業界は、長く働く業界ではないとも言われています。
コンサルタントの仕事は、企業の経営上や業務上の問題点を解決することになります。
企業が解決できなかった課題を、問題解決のプロとして解決しなければなりません。
つまり、もともと企業内では解決ができなかった、正解のない問題に日々取り組むという種類の仕事なのです。
そのため、解決策が思いつかない、顧客が望む成果を出せないと、悩む人も多くなっています。
その結果、解決策を見つけるために毎日残業をする、顧客から早く解決しろとせっつかれるということになり、ストレスが溜まりやすい業界なのです。
そのため、若く元気に働けるうちに稼いでおいて、年を取ってからはその実績を活かして穏やかに働ける日系コンサル企業や関連する業界に転職するという人が多くなっています。
外資系メーカーはインセンティブ幅が狭く安定志向
一般的な「実力主義の世界」「結果を出せないとストレスがひどい」と言われる外資系企業とは少し違うのが、外資系メーカーです。
外資系メーカーは、インセンティブ給が占める割合が低いのが特徴です。
また、仕事の成果を出して大きく年収を挙げることはあまりできませんが昇進スピードが早く、長い目で見ると高給取りになれる職場と言えます。
外資系メーカーの平均年収紹介
外資系メーカーは日系メーカーと比べると高年収になっています。それを表すデータを次に挙げます。
出典 https://www.onecareer.jp/articles/428
外資系金融業界やコンサル業界とは異なり、1,000万円を超える高年収をいきなり若いうちから得られるということはほとんどありません。
しかし、30代を超えてマネージャーに昇格することで1,000万円を超える社員もいます。
徐々に年収が上がるため、長く勤めれば高年収を維持できる業界と言えるでしょう。
外資系メーカー業界への転職事情
企業の本社所在地によって異なる社風
同じ外資系メーカーと言っても、本社所在地がどこかによって社風は全く異なります。
外資系メーカーへの転職を考えている場合は、本社の所在地の違いによる社風の違いも考慮に入れると良いでしょう。
外資系企業らしい厳しい実力主義という社風の企業が多いのが、アメリカです。
P&G、ジョンソン&ジョンソン、スリーエムなどのアメリカに本社を置く企業は、ザ・実力主義の外資系メーカーです。
仕事の実績は数字できっちりと評価され、結果さえ出せれば勤続年数は関係ない、基本ハードワークだが高い給料を得られるという社風の企業が多いのが、アメリカ企業です。
一方で、安定志向なのがヨーロッパの企業です。
ユニリーバ、ネスレ、ロレアルなどのヨーロッパに本社を置く企業は、効率良く働いて早く帰ることが奨励されています。
仕事の結果はもちろん重視されますが、同じように家族や本人のプライベートを大事にする風潮があります。
アメリカ企業と比べて昇給・昇進スピードは遅いですが、無理なく長く働けるのがヨーロッパ企業と言えるでしょう。
所属部署によって異なる職場環境やキャリアパス
外資系メーカーは、所属する部署によっても職場環境やキャリアパスが大きく異なります。
営業やマーケティングの部門では、激務の職場が多く、売り上げや顧客獲得数などの実績次第では早く出世することも可能です。
一方で、ノルマや結果を求められるため、ストレスフルな職場環境にある企業も多く存在します。
商品開発部門や管理部門、人事・総務部門などでは、長期のスパンでじっくりとキャリア形成を行うことができます。
仕事の実績を出してすぐに出世とはいきませんが、商品開発や管理手腕をじっくりと身に着けることで確実に出世していくことで高年収を得ることができます。
男女差がほとんどなく女性が活躍しやすい業界
外資系企業はもともと男女差が無いと言われていますが、外資系メーカーは特に男女平等の意識が浸透しています。
そのため、女性も男性と同じ実力を持っていれば同じように出世でき、女性が活躍しやすい業界です。
外資系IT業界は専門性によって年収が大きく変わる
外資系のIT企業の年収や職場環境はどうなっているのでしょうか?
高給取り、実力主義と言われる外資系IT企業について、詳しく見ていきましょう。
外資系IT企業の平均年収紹介
外資系IT企業の給与体系は、ベース給にほとんど変化が無いという大きな特徴があります。
新卒時の平均年収は400~600万円で、そこからベース給に大きな変化はありません。
そして、インセンティブ給の全体に占める割合が非常に高く、完全なる実力主義、実力主義ということができます。
ですから、人によって年収額の幅が大きく、30代になっても年収が400万円という人もいれば、1,000万円を超える人もいると言われています。
具体的な外資系IT企業の平均年収を見てみましょう。
出典 https://www.onecareer.jp/articles/428
世界的なIT企業であるグーグルの平均年収が最も高く、インセンティブ給込みで1,000万円を超えています。
昇進する機会があまりないと言われている外資系IT企業の中でも、グーグルは昇進するチャンスが多い珍しい外資系IT企業と言われています。
一方、オラクルの平均年収は500万円で、ベース給は高額ですが昇進の機会はほとんどなく、30代になっても年収はそのままです。
外資系IT業界への転職事情
徹底した実力主義
IT業界はもともとIT知識や技術がなければ仕事ができない業界なので、能力主義・実力主義の世界です。
特に、外資系IT業界では、徹底した実力主義が貫かれています。
仕事ができて結果を出した人には手厚いインセンティブ給が支払われ、仕事ができない人にはベース給だけしか支払われません。
前述した通り、外資系IT企業はベース給が上がることがあまりなく、仕事ができなければ入社時と同じ給料のままです。
ですから、新しい知識や高度な技術、取得困難な資格を取得するなどの努力をし、利益率の高い案件を手掛けたり上顧客を獲得したりしなければ、年収が上がることはありません。
他業界に比べ、実力のある若手が活躍しやすい
一方で、徹底した実力主義の世界ということは、若くても実績さえ出せば高給取りになれるチャンスがあるということです。
特に、IT業界は積み上げてきた能力や実績がものを言う世界です。
多くのベンダー資格を持ち、システム開発経験やITコンサルティング経験が豊富なシステムエンジニアなら、活躍次第で若くても高収入を得られる可能性が高いでしょう。
一般的な外資系企業ではよくあることですが、外資系IT業界でも優秀な人材を獲得するためヘッドハンターによって他社から引き抜きが行われています。
高額な年収を提示して優秀な人材を集めている外資系IT企業は非常に多くなっています。
ということは、年収の高さを求めて外資系IT企業に転職したものの、実績を出せなければ他の優秀な人材にとって代わられてしまうということです。
徹底した実力主義の外資系IT企業で生き残るためには、常に自分の能力の向上と実績を出し続けることが求められていると言えるでしょう。
若い優秀なエンジニアの外資系IT企業への流入が続く
実力主義の外資系IT企業とは違い、日本のIT企業は新卒社員を自社の社風になじむように育て上げ、定年まで長く働いてもらうというスタンスです。
そのため、実力が無くても会社に居続けられるぬるま湯の環境である企業も多く、優秀な人材が育たない原因になっています。
また、前述したように、勤続年数だけを重ねて利益を上げられない中高年の社員の方が給料が高く、最も活躍しているはずの若い世代の給料が低いという逆転現象も見られます。
そ
んな、若い世代がむくわれない日本のIT企業で安月給で働くよりは、実力を認めて若くても高収入を得られる外資系の方が良いと、日系IT企業から外資系IT企業へ優秀な人材が流出する現象も起こっています。
激務が多く過労・ストレスにより休職者も多い
日本のIT企業でも同じことが言えますが、外資系IT企業はストレスフルな職場環境です。
徹底した実力主義のため、与えられたノルマや作業量をこなすために残業量が多く、給料が上がれば上がるほど責任は重くなります。
そんな身体的、精神的ストレスが重くのしかかるため、外資系IT企業ではうつ病や過労により休職する人がとても多くなっています。
特に、IT業界は突然のシステムトラブルで呼び出される、納期間際には毎日朝まで残業で家に帰れない日が続くなどという過酷な労働状況が当たり前、という世界です。
そのため、他業界に比べて、特に過労によって体を壊す人が多い業界です。
日本企業ほど福利厚生が整備されていない
その点日本のIT企業なら、職務のために体を壊した場合でも休職制度が存在するので安心な面もあります。
休職中にも何割かの給与の支払いがあり、産業医の対応や復帰後のポストが用意されるなど、休職者への支援制度が整っている日本企業は多いのです。
しかし、外資系企業の場合、福利厚生制度が全く整っておらずその分高い年収で賄われるという仕組みになっています。
休職制度もなく、体を壊して仕事ができなくなったら仕事を辞めざるを得ないというケースもあるのです。
特に、うつ病や過労で求職する人が多いIT業界では、このような求職者の救済制度が無い場合何かあった時に困るでしょう。
精神的にも肉体的にもタフで、過酷な実力主義の世界を生き抜いていける自信が無ければ、外資系IT業界に転職するのはおすすめできません。
外資系企業の平均年収が高くなる理由・仕組みとは?
日本で転職できる外資系企業は平均年収が高いということがわかりました。
では、なぜ外資系企業の平均年収は高いのでしょうか?
その理由を探ってみたいと思います。
強い商品力や技術力、シェアを持ち資金力がある
外資系企業には平均年収が高い企業が多いですが、冒頭でご紹介した通り、日本企業にも平均年収が高い企業は数多く存在します。
それなのに、なぜ外資系企業の方が平均年収は高いと言われるのでしょうか?
その理由の一つに、日本に進出している外資系企業には資金力がある企業が多いということが挙げられると思います。
日本で外資系企業に転職しようとすると、ほとんどの場合海を越えて日本にまで進出している外資系企業しか選択肢に入りません。
そのため、日本に進出できる外資系企業=資金力がある企業という図式が生まれ、日本に存在する外資系企業は平均年収が高い傾向にあると考えられます。
国外(日本)へ進出できるだけの資金力を持っている
つまり、日本企業にも平均年収が高い企業はたくさんあるが、年収が低い企業も多い、一方で、日本で転職できる外資系企業には資金力がある企業が多く、そのため外資系企業は平均年収が高いと考えられているということになります。
強力な商品力や技術力、資金力を持ち、海を越えて日本に来た「黒船」である外資系企業だからこそ、高い年収を提示できるのです。
この後にも、外資系企業の年収が高い様々な理由をご説明しますが、やはり資金力が高くなければ社員に高収入を約束することができません。
結局のところ、外資系企業の経営状態が良い、業界の景気が良いということが、外資系企業の年収が高い最も大きな理由になっているのです。
インセンティブ給の割合が大きい給与体系だから
外資系企業の平均年収が高い理由には、根本的な給与体系の違いが挙げられます。
これまでにも何度がご説明してきた通り、外資系企業が日系企業と異なる点は、全体に占めるインセンティブ給の割合が大きいということです。
どんな仕事ぶりでも必ず支給されるのがベース給で、仕事の実績や成果が出ると歩合で増えるのがインセンティブ給です。
このベース給の割合が小さくインセンティブ給の割合が大きいため、全く仕事の成果を出せなかった年は給料が激減し、大きな仕事の成果を出せば給料は大きく増えるという仕組みです。
外資系企業がいわゆる実力主義と言われるのは、この給与体系によるところが大きいと言えます。
「年功序列」制度が残る日本企業
一方、日本企業はベース給が占める割合が多く、若い頃はベース給が低いですが勤続年数を重ねると着実に上がっていきます。
いわゆる、年功序列制度という日本企業が古くから取り入れてきた制度です。
インセンティブ給という名前の制度がたとえあったとしても、結局インセンティブ給を決めるのは上司の判断のみで、実際の実力主義とは程遠いという日本企業もいまだに多く存在します。
そのため、日系企業では若い頃はとても給料が低いですが、会社に忠誠を誓い長年勤めあげれば自然と年収は上がります。
その結果、若いうちは外資系企業の方が高年収だが、年齢を重ねると日本企業の年収が外資系を超えるという現象が起きています。
外資or日本企業における給与体系のメリット&デメリット
外資系企業と日本企業には、給与体系の違いによるメリット・デメリットがそれぞれ存在します。
外資系の給与体系
外資系企業では、若いうちに実力を発揮すれば高年収を得られる一方で、年齢を重ねると仕事ができなくなり会社のお荷物になって給料が下がります。
元気に働けるうちに稼いで貯蓄をしておけば、中高年になって仕事をセーブして悠々自適の生活ができるかもしれません。
しかし、計画性が無いと、老後に苦労することになります。
日本企業の給与体系
一方、日系企業は最初のうちは年収が低く苦しいですが、長年勤めることで若い頃の苦労が報われ豊かな生活が送ることができます。
しかし、弊害もあります。
元気で仕事ができるのが若い世代なのに苦しい生活を強いられて報われず、中高年の社員たちは仕事ができないのに利益を上げている若い世代よりも多くの年収を得るという、不公平が起きてしまうのです。
もちろん、実力を伴った中高年社員も存在しますが、年功序列で大した仕事ができなくても高給をもらえるとなれば、仕事をしなくなるのは当然のことです。
そして、若い人はいくら仕事を頑張っても報われず、中高年社員は若い人の稼ぎで大して仕事をしなくても高給取りというケースも、日本企業には存在するのです。
特に、体力勝負の営業職や、新しいIT技術が必要なIT業界など若い世代がメインで活躍している職場では、不公平感が顕著です。
優秀な社員を集めるため高い年収を設定している
外資系企業は、利益第一主義で優秀な社員を中途採用で数多く集めようとします。
実力があれば、外から来る人間でも時には競合他社の社員でも、受け入れる文化があります。
ここも、日本企業と全く異なるところです。
日本企業には、一度新卒で採用した社員は自社の社風に染め上げて会社に忠誠を誓うように育て、定年まで働いてもらうという文化が存在します。
そのため、外資系企業と日本企業の中途採用者の採用に対する考え方は、全く異なるのです。
スキルの高い日本企業の社員に対し、高年収を武器にヘッドハンティング
外資系企業は優秀な社員を集めるために、高年収を設定します。
若い頃から会社に育ててくれた恩義があり、そこまで高い年収でなくても働き続けている、などという日本企業の優秀な社員に、高い年収を提示してスカウトしようとするのです。
「あなたの高い技術と豊富な実績、マネジメント経験があれば、今以上の年収をもらうことができます。」「今の年収で働き続けるのはもったいない。うちなら、もっと出すことができますよ。」などと、スカウト活動をして優秀な人材を引き抜こうとします。
特に、コンサル業界や金融業界、IT業界などでは、スキルや知識、実績を持っていればどの企業に行っても活躍することができます。
外資系企業は、高いスキルや業界内の人脈、豊富な顧客を持っている社員を引き抜くことで、自社の利益を上げることができると考えます。
自社内で社員を教育し、高いスキルや経験を身に着けさせるためには莫大なコストがかかります。
それに対し、高い年収を用意する必要はありますが、何年も社員教育にコストを費やすよりは安いものです。
優秀な社員に高い年収を用意して引き抜く方が、コストパフォーマンスは高いでしょう。
徹底した利益主義のもと、外資系企業は高収入を用意して中途採用で優秀な社員を獲得し続けるのです。
日本企業のような福利厚生制度が無い
外資系企業の大きな特徴として、ほとんどの日本企業に存在する福利厚生制度が無いという点があります。
福利厚生が充実していることが当たり前の日本企業
日本企業では、新卒で入社した社員を育て、定年まで働いてもらうのが普通です。
そのために、社員の配偶者や子供、親を扶養するための扶養手当、住宅の購入を援助する住宅手当、老後の資金を用意する退職金、そして、終身雇用制度が用意されています。
プライベートで社員とその家族が安く利用できる保養所やカフェテリアプランなどもあります。
このように社員に対する待遇を厚くしているのは、世界でも日本だけではないでしょうか。
外資系企業の年収には「福利厚生」が含まれている
しかし、外資系企業にはこのような福利厚生制度は一切ない、ということがほとんどです。
扶養手当や住宅手当、退職金などが全て、年収に入っています。
そのため、外資系企業の年収は高額なのです。
ということは、扶養家族を養い住宅を購入し、老後の資金を貯めるなどということは、全て自分で計画的に行わなければなりません。
中には、外資系企業だが日本支社は日本人向けにカスタマイズされているというケースもあります。
仕事内容は本社と同じだが、福利厚生制度などは日本人向けになっているのです。
ですから、日本人向けにカスタマイズされた外資系企業かどうかを、転職する際に確認する必要があるでしょう。
ただ、外資系企業の有給休暇制度はしっかりしています。
仕事に支障をきたさず、受け持った仕事を終わらせることができるのであれば、いくら休んでも良いという考え方です。
日本企業のように早く帰るのは周りの人に申し訳ない、長い有給休暇を取ってバカンスを楽しむなどということは周りの目が気になってなかなかできない、などという概念はありません。
与えられた有給休暇は社員の権利ですから、取らなければならないという考え方です。
外資系企業に転職するなら転職サイト・転職エージェントを利用するのがおすすめ
外資系企業に転職するならハイクラス転職ができる転職サイト・転職エージェントを利用するのがおすすめです。
具体的には以下の転職サイト・転職エージェントを利用しましょう。
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まとめ
いかがでしたか?
外資系企業の平均年収は、確かに高いということがわかっていただけたか思います。
外資系企業の年収が高いのは、インセンティブ給の割合が大きいことや優秀な社員を集めるために高年収を設定しているなどという理由もあります。
しかし、最も大きい理由は外資系企業が強い商品力や技術力、シェアを持ち、資金力があるということが言えるでしょう。
- 第二新卒やフリーターの転職に特化
- 経歴や学歴に自信がなくても求人を紹介してもらえる
- キャリアアドバイザーのサポートが手厚い