正規雇用社員と非正規雇用社員で、働き方に大きく差があります。
言うまでもなく、社会で働く多くの人が「非正規雇用」として働いているのも事実です。
正規雇用者と非正規雇用社員のあいだで、どの程度の給与格差が生まれているのか理解しないと、非正規雇用者は今後の自分の働き方について考えるのが難しくなります。
自分の人生は自分で決めるものだし、自分の幸せは自分で勝ち取るものですが、自分と他者の違いをはっきりさせて初めて「自分の幸せ」もはっきりさせることができるのです。
非正規雇用のなるべく正確な平均年収、非正規雇用の人が今後正しく自分の年収をコントロールする方法など。
今非正規雇用で働くひとの賃金について、これから考えていきましょう。
非正規雇用で働く人の割合はどれくらい?
まずは、そもそも非正規雇用として働く人は、日本全体でみたときどれくらいの割合なのか?
非正規雇用の割合から調べていきましょう。
非正規雇用の割合はおよそ4割
総務省の調査によると、非正規雇用で働いている人の割合はなんと4割近くにものぼります。
非正規雇用の割合はここ10年ほど上に推移しており、今後も減るとは思えません。
社会はもはや非正規雇用なしでは回らないほどになっています。
働くことを強いられる高齢者が非正規雇用で働く
どうしてこれほど多くの非正規雇用者がいるのか。
そこには、高齢者の増加が関与しています。
現在すでに、働かないと生活できない老人の数が増えすぎて、非正規雇用の数がここ数年ずっと増えているというわけです。
ここ最近は、人材の売り手市場が続いていたことで、非正規雇用から正規雇用にシフトするのが以前ほど難しくなかった印象ですが…。
今回の新型コロナウイルス騒動で、失業者が増えて、「非正規雇用」として働くことを強いられる人が多くなることでしょう。
非正規雇用の平均年収は?
それでは今回の本題でもある、「非正規雇用の平均年収」についてこれから考えていきましょう。
平成26年段階のデータで非正規雇用の平均年収は男女合わせて「175万円」という結果に
民間給与実態統計調査によると、平成26年のデータで非正規雇用の平均年収は男女合わせて175万円ということでした。
非正規雇用は働く時間に制限をかけている人が多いです。
時給制で働く非正規雇用の特性上、収入に大きく格差が出てくるのは当然といえば当然かもしれません。
しかし200円を大きく割る結果になったのは、「少ないな」という印象を受けてしまいますね。
増えない年収
そして非正規雇用の多くで収入が上がりません。
パート・アルバイトの人の時給の上がりなんて微々たるものですし、派遣社員の時給の上がりもかなりゆるやかです。
そしてボーナスもつかないことがほとんどなので、総収入で考えるとかなり苦しいです。
ただでさえ少ない非正規雇用の年収は、がんばって働いても、年を重ねても上がりにくいのです。
溝が深い正規社員と非正規雇用の収入格差
正規雇用と非正規雇用の収入格差が歴然と出るのは、「生涯賃金」を考えた時です。
生涯を通してどれくらいのお金がもらえるのか?
それを考えることで、正規と非正規雇用の差がくっきり見えてくるのです。
非正規雇用の平均年収は上で解説した175万円。
そして正規雇用の平均年収は415万円ほど。
どちらも「44年働いた」としたら、どれくらいの生涯賃金なのかを割り出してみましょう。
まず、非正規雇用の生涯賃金は「7700万円」ほど。
対して正規雇用の生涯賃金は「1億8260万円」ほどにもなります。
毎日の生活では、正規雇用と非正規雇用の差があまり見えないですが、生涯賃金ベースで考えれば収入の格差が広いのがわかりますね。
その差は1億円以上にも
非正規雇用と正規雇用で、生涯賃金の格差が1億円にもなるのは驚きですね。
1億円あれば何が買えるか考えるまでもありません。
基本的になんでも買えるからです。
生涯を通した生きやすさは、正規雇用のほうがかなり生きやすいはずです。
なにか理由があれば、非正規雇用で働き続けることもできるかもしれませんが、非正規雇用のまま一生働くのは苦しいかもしれません。
「収入」の面で考えると非正規雇用のほうが生きにくい
「生きやすさ」「幸せ」の定義は人それぞれです。
人生においてどこに幸せの起点を置くかで、人生の幸福度は変わるでしょう。
しかし間違いなく、人生でもらえる収入で考えると、正規雇用のほうが幸せに生きられることでしょう。
正規雇用と非正規雇用では収入以外の格差も大きい
正規雇用と非正規雇用では、収入ベースで差が出ることはお伝えしました。
しかしよく調べてみると、非正規雇用と正規雇用では、収入以外でも格差が出てくるのです。
受けられる保証も少ない
非正規雇用では、受けられる保証も少なくなります。
それもあって、非正規雇用は正規雇用と比べて解雇されやすくなります。
会社とのつながりが薄いので、非正規雇用が「安定しない」のはそのためです。
福利厚生の差もある
非正規雇用では受けられない福利厚生も多いです。
様々な細々した手当、特別休暇など、正規雇用でないと受けられない福利厚生も多いです。
正規か非正規かで、日々の生活の質が変わってきますね。
非正規雇用のこれからの働き方を考える
現在非正規雇用として働いている人は、これからの自分の生き方を真剣に考える必要があります。
これからの働き方ということはつまり、これからの自分の生き方を考えるのと同義です。
今後自分がどのように生きていきたいのか?
それによって考えるべき働き方も変わってきます。
不安定さを許容して「自由な生き方」を選ぶか?
非正規雇用として働くのは、かなり不安定さを共用される生き方です。
ですからもし、「人生において大切なのは「安定さ」と考えている方は非正規雇用として働くべきではないのです。
再三説明したように、非正規雇用は年収も少なく、不安定な働き方です。
非正規雇用でこれからも働き続けるなら、「今後の見通しが立てづらい」という不安定さ、先読みの難しさを受け入れなければならないのです。
就職活動をがんばって正規雇用として働くか?
現在非正規で働いているとしても、やはり「安定さ」は重要だとして、ここから就職活動をがんばって正規雇用として働くのを目指すのも良いでしょう。
非正規雇用から正規雇用を目指すための人材サポートサービスは種類が多いです。
自分にあったもの。
そして時代にあったものを選んで利用してください。
例えば「未経験可」の求人が多く揃っているハタラクティブなんかだと、非正規雇用から切り替えるのにうってつけです。
非正規雇用で一生働いていくことは可能か?
中には、「自分は非正規雇用として気楽に働き続ける」と考える方もおられるでしょう。
非正規雇用として働くのは、「時間の成約を受ける」「先の見通しが立たない」など、続けるのがむずかしい理由があります。
私は「気楽に成約を受けずに働きたい」という人は、自分で事業を起こしてフリーで働くべきだと思います。
生活に見通しが立たない時点で、「自由に働く」のとは程遠い気がしてしまいます。
コロナショック等災害時に保障が大きいのは「正規雇用」
今回のコロナウイルス騒動で一番被害が大きかったのも、「非正規雇用」です。
非正規雇用は会社からの保証が十分ではないのは言ったとおりです。
ということは、今回のような災害時には会社から守ってもらうのも難しくなるのです。
正規雇用のほうが、社会的になにか事件が起きた時、会社から守ってもらいやすくなります。
非正規雇用ではテレワークできなかった人も
非正規雇用として働く派遣社員の中には、正社員がテレワークに切り替えて家で仕事する中、強制的に出社を強いられている人もいました。
このように、「非正規雇用の扱い」に関しては長年問題になっています。
テレワークなど、正規雇用の社員と同じ働き方をするには、非正規雇用では少し立場が弱くなってしまいます。
非正規雇用の年収 まとめ
非正規雇用の年収は、正規雇用の年収と比べるとかなり低いです。
生涯賃金にすると、1億円もの差が出る非正規雇用と正規雇用。
それに保証のない非正規雇用では、生涯通して働くことができるかも怪しいです。