IT土方として働いていると仕事に苦しみがちですが、脱出することは可能です。
転職はたった一つの解決策ですが、さえたやり方を選ばないと脱出先でまた苦労することになりかねません。
基本的な点を押さえた上で転職に臨みましょう。
そもそもIT土方とは
エンジニアはしばしば自分がIT土方かどうかがわかっていないこともあります。
IT土方とはIT業界の階層構造の中で底辺に当たるエンジニアを指しているものであり、主に下流工程を言われるがままに迅速にこなすことを求められている立場のエンジニアです。
システムエンジニアが考えた要件をただ実装するだけの単純労働者として働いているのがIT土方と言えます。
自分がもし該当してしまっているのならその境遇は理想的なものとは限らないという認識を持ちましょう。
デスマーチがエンジニアを苦しめる
IT土方が問題視されているのはデスマーチに苛まれやすいからです。
IT業界ではデスマーチによってうつ病になるエンジニアも少なくありません。
過密スケジュールで物理的に不可能とも思えるような要求を突きつけられ、日夜も平日休日も問わずに働くのを余儀なくされます。
それだけ努力をしているのに先行きが見えない状況に陥り、ただ不安に苦しみながら仕事もし続けなければならない状況に陥るのです。
IT土方にはこのような状況に置かれている人が多くなっています。
IT土方から転職する
既にデスマーチに苦しんでいる人も、まだ幸いにも状況が悪化していない環境で働けている人も、早期にIT土方から脱出するのが精神衛生上賢明です。
唯一の手段は転職によって異なる働き方をすることでしょう。
その選択肢として有力なものを三つ検討してみるのが大切です。
システム開発の上流工程へ転職
システム開発の下流工程を担っていると土方になりやすい傾向があります。
上流工程を担える職場に転職することで土方から脱出できます。
クライアントへの対応や要件定義などを行うためのスキルが要求されるため、職場でスキルが身につかないのなら独力で学ばなければなりません。
コンサルタントのように上流工程を専門として働ける仕事もあるので検討してみると良いでしょう。
IT業界以外のエンジニアに転職
IT業界ではデスマーチに苛まれる傾向が強いのは確かであり、IT業界以外で働くのも考慮してみるのが大切です。
ITの活用はどの企業でも必須になってきていて社内エンジニアを抱える企業は多くなってきました。
IT業界以外で社内エンジニアになると土方として働くことはありません。
専門家として働けるのが少数になるので、開発をする場合にも全員が上流工程から下流工程までを担うのが一般的です。
日常的な業務は社内システムの管理や運用、IT関係のヘルプデスクといったものが典型的なものであり、最前線の開発現場で働くのとは大きく異なる環境があります。
フリーランスエンジニアに転職
独立してフリーランスエンジニアになるのも転職の方向性として考えておくと良いものです。
フリーランスエンジニアになると自分で仕事を獲得し、その成果に応じた報酬も受け取って稼ぐことになります。
個人事業主として企業と対等な立場で仕事の契約を結べるため、不当な面があれば契約を破棄することも訴えることも可能です。
やりたい仕事を自分で選べるのもメリットであり、IT土方としてスキルを磨いてきた人にとって魅力的な働き方になります。
IT土方から抜け出す時考えること
IT土方として厳しい条件で働かされてきたエンジニアは脱出のときには注意点があります。
今までの状況があまりに悪かったので、少しだけ改善されるとそれで十分と考えてしまいがちです。
しかし、それで安易に転職してしまうと後悔するリスクがあるので、典型的な失敗例を知って対策できるようにしましょう。
抜け出した先は「客先常駐」「特定派遣」の会社ではないか
転職先で失敗したという例で多いのが客先常駐で特定派遣の会社を選んだパターンです。
この場合には見た目では全般的に待遇が良さそうな派遣での働き方になりますが、実際には待遇が劣悪化していくリスクがあります。
派遣では通常は派遣先からの指示を受けることはないですが、特定派遣の場合には派遣先からの直接の指示に従って働かなければなりません。
結果としてデスマーチがやってきてしまうリスクがある働き方なのです。
年収が極端に下がらないか
年収が下がってしまうのはIT土方から抜け出したときによくある問題です。
残業などの手当が減る可能性も考慮して年収が問題のない水準になるかを考慮して転職するのは重要になります。
労働条件が良好になるから年収が下がっても良いと考えるのは構わないですが、それが原因で生活が苦しくなるほどになってしまうと後悔することになりかねません。
まとめ
IT土方として働くのはデスマーチに苛まれるリスクが高く、自分がその状況にあると感じたら早期に転職して脱出するのが賢明です。
上流工程の担い手となるか、一般企業の社内エンジニアとなるか、フリーランスエンジニアとなるかが主な解決策です。
人によって得手不得手があるのでどれが自分に適しているかを考えて選ぶようにしましょう。
転職後の働き方についてはよく考え、同じような厳しい環境で働かなくて済むように心がけるのが転職をする上で必須です。