介護士の年収はなぜ低い?年収を上げるには?
厚生労働省『令和3年度介護従事者処遇状況等調査結果』によると、介護士(月給・常勤)の平均給与額は、令和3年9月時点で33万4,510円です。
1年前よりも平均給与が6,010円増加しています。
この給料を単純に12ヶ月で計算すると、介護士の平均年収は、約401万4,120円です。
しかし国税庁『令和3年分 民間給与実態統計調査』によると、1年を通じて勤務した日本の給与所得者の平均年収は443万円です。
介護士は資格が求められる職業にも関わらず、年収が高い職業とは言い難く、「介護士の給料は安すぎる」と言われることもあります。
今回は介護士の平均年収の実態を、詳しく見ていきましょう。
この記事の結論
- 介護士の平均年収は、約401万4,120円(平均給与額を元に計算)
- 介護士の平均年収は昔より上がっている。しかし介護の仕事全般の年収は、全産業の中でも低め
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介護士の賃金は労働に見合ってない
介護士の業務は、単なる肉体労働だけでなく多岐にわたる専門能力が必要です。
複数の業務を同時にこなすための適応能力はもちろんのこと、看護師とともにチームとして活動をしていくための協調性が必要不可欠です。
介護を利用するユーザーとのコミュニケーション力や、連絡事項や日誌等を効率的に処理するための文書能力も重要です。
介護職を日々遂行するための日程管理力や、各種イベントやレクリエーションを運営する企画力も必要ですが、これらの対価となる賃金が総労働時間に見合っていないという実態が明らかになっています。
介護士の平均給与
冒頭でもお伝えした通り、厚生労働省『令和3年度介護従事者処遇状況等調査結果』によると、介護士(月給・常勤)の平均給与額は、令和3年9月時点で33万4,510円です。
この給料を単純に12ヶ月分で計算すると、介護士の平均年収は、約401万4,120円です。
その給与水準は全産業の平均以下
厚生労働省が発表している「賃金構造基本統計調査」によると、平成29年度の介護系職種の給与水準は、性別問わず全産業の平均よりも下回っています。
月給に換算すると、約10万円程度低いことが明らかになっています。
公定価格で介護士の年収上限が決まっている
介護士の給与水準は、性別に関係なく30代以降横ばいで推移していることから、勤続年数に伴う昇給があまり見られないのが特徴です。
他産業に比べて平均勤続年数が短いことも要因の一つですが、介護職の賃金は公定価格である介護報酬から賄われていることが根底にあります。
介護サービスによって介護報酬が定められており、付随して介護事務所の売上が決定するため、介護士に支払われる給与に年収上限を引き起こしているのが現状です。
介護士の給与は上がらず、結婚、出産もままならない
内閣府が公表している「結婚・家族形成に関する調査報告書(平成22年度)」によると、20代・30代男性の既婚率は年収300万以上で約26パーセントという結果です。
年収300万円を切ると既婚率が急激に減少していくことから、給与があまり上がらない介護士の場合、結婚に躊躇するケースを多く見かけます。
子育てについても、限られた収入の中から費用を捻出する必要があることや、育児のため一時的に休職することで収入が途絶えてしまうため、出産に踏み切れないケースもあります。
介護士と看護師の給与にどうして差があるか
医療現場において、介護士と看護師が同じ職場で働くことがありますが、給与面では大きな差があります。
同じ現場で働いているとはいえ、業務内容には明確な違いがあるのが理由の一つです。
介護士は主に生活面のケアを行うため身体を使った業務が多い反面、看護師は医療面でサポートを行い、健康管理も業務範囲に含まれるため、身体だけでなく頭もフル回転させているからです。
医療と福祉の差が給与にも表れています。
介護福祉士の月給が8万円上がる?
2017年12月8日、勤務年数が10年以上の介護福祉士に対して給与を月額8万円程度賃上げすることが閣議決定されました。
「1億総活躍社会」の一環で、「介護離職ゼロ」を目指した取り組みの一つとして挙げられています。
ただし、厚生労働省が発表した「介護従事者処遇状況等調査結果(平成29年度)」によると、常勤介護職員の勤続年数は平均7.1年であり、適用可能な人材の確保が大きな課題の一つです。
政府が「人づくり革命」
政府が進めている「働き方改革」のひとつに「人づくり革命」があります。日本が直面する「少子高齢化」により労働力人口の減少が進み、日本経済の低下が叫ばれている中で、「人材への投資」を目的とした経済政策を打ち出しています。
人材への生きた投資として「教育の充実」が挙げられていますが、若年層から高年齢層に至るまでが元気に活躍し続けられる社会を築き上げていくには、「質の高い教育」が必要という考え方が根底にあります。
教育の中には、幼児教育や高等教育だけでなく生涯学習も含まれており、介護現場でも活躍できるような環境に向けて法整備を検討しています。
労働改善のためにも「転職」がおすすめ
少子高齢化の影響で、労働者人口が減少している実態から、様々な企業で人材不足が顕在化しています。
厚生労働省が発表した「一般職業紹介状況」によると、2016年の有効求人倍率は約1.4倍という結果が得られており、売り手市場が形成されています。
介護士現場に不満を感じている場合、労働条件を改善するためには思い切って転職にチャレンジすることが大切です。
介護士を専門とする転職サイトなどを活用して、積極的に転職活動に取り組んでいくことが新たな道を切り開くためのポイントです。
まとめ
人生の中で、働いている期間は短くありません。
今の仕事は、自身の人生設計に大きな影響を与える大切な要素です。
職場の悩みを抱えて苦しんでいるのであれば、介護士の転職サイトを活用した転職活動を検討しましょう。