面接ではたまに「キャリアプランはありますか?」と聞かれることがあります。
キャリアプランとは、その人が将来的にどうなりたいかを表す自分自身の理想像で、その人のポテンシャルを知る上で大切な質問でもあります。
明確できちんと計画立てられたキャリアプランを答えれば、潜在的能力の高さが伺えますが、一方でキャリアプランを決めていない人はやる気や向上心が感じられません。
いくら実績や経験が豊富な人材でも、キャリアプランがなければ人材としての魅力が半減してしまいます。
ではキャリアプランについて聞かれたときはどのように答えればいいのか。
そこで今回は、面接でキャリアプランについて質問される理由から、回答のポイント、キャリアプランがない場合の作り方、そして回答例について紹介していきます。
面接で「キャリアプランはありますか?」と聞かれる理由
面接で「キャリアプランはありますか?」と聞かれる理由は、応募者の将来的な理想像を自社で実現できるかを判断するためです。
仮にそのキャリアプランが自社で実現できるものなら、その応募者が長く働いてくれる可能性がありますし、逆に自社での実現が難しいプランなら、あらかじめ伝えておくことでミスマッチを回避できます。
たとえば、WEBマーケティングを行う企業でリスティング広告を行なっていないのにも関わらず、「リスティング広告を身につけて…」と回答されれば、ミスマッチなことがわかります。
特にひどい回答の場合は、企業のリサーチが甘く、情熱を持って求人に応募していないとも捉えられてもおかしくはないので注意が必要です。
とはいえ、的確できちんと考えられたキャリアプランであった場合は、企業としても採用後の人材活用や人材配置の参考材料にもなります。
キャリアプランについて回答する時の3つのポイント
キャリアプランについて解凍する時には以下3つのポイントに留意しましょう。
- 企業の方向性を把握して将来を予測しておく
- 具体的にどうなりたいのかを伝える
- 目標達成のために努力していることを伝える
ここからは、それぞれのポイントについてくわしく解説していきます。
企業の方向性を把握して将来を予測しておく
キャリアプランを聞かれた時のために、企業の方向性とその将来を予測しておくことが大切です。
企業の将来予測までを行なって立てたキャリアプランを答えれば、「きちんと調べた上で当社を志望しているんだ」と面接官から高く評価される可能性が高いです。
たとえば、システムエンジニアの求人でこれからAIが導入されることを予測し、以下のような回答をすれば先を見据えていると判断されます。
「システムの穴を把握・分析・解決してくれるAIの導入を進めて業務効率化を図り、AIには難しいデザイン・クリエイティブ系の業務に特化したエンジニアになりたいです」
このように、企業および業界の将来を予想して、その上で自分が理想とするキャリアを絡めて回答しましょう。
具体的にどうなりたいのかを伝える
具体的にどうなりたいのか伝えるのも、キャリアプランを回答する時のポイントの一つです。
キャリアプランに具体性がなければ、相手に適切に伝わらない場合があります。
「いつまでに」「なにを」「どうするか」の3つを最低限考え、キャリアプランに含めて回答することで、より現実味のあるものとなります。
たとえば、「2年以内に宅建の資格を取得し、仕事を任せられる立場から重要事項説明まで自身で行える立場になりたいと考えています。」とすると、どうなりたいのかが明確です。
仮に応募先の会社が一般募集の他に宅建士も募集している不動産業者の場合なら、宅建士を求めていることがわかるので、非常に後遺症を与えられるでしょう。
このように、キャリアプランには具体性を持たせ、企業の意図や将来的な理想も考えながら意識して回答することが大切です。
目標達成のために努力していることを伝える
キャリアプランは目標達成のために行なっている努力も同時に伝えるようにしましょう。
立派なキャリアプランでも、具体的に今どんな努力をしているのか面接官が聞いた時に「まだ何もしていません。」という回答なら、「口だけで行動しない人」と思われかねません。
逆に、すでに努力している場合は「自主的な努力・行動ができる人」として評価される可能性が高いです。
たとえば、宅建士の資格取得なら「1ヶ月前から1日2時間の勉強を徹底しています。」や、エンジニアなら「実際にアプリを開発してみました。」といった努力が必要です。
このように、目標のために努力していることはきちんと伝え、またそのために日頃から努力を心がけておきましょう。
キャリアプランを回答する時に注意すべきこと
キャリアプランに関する質問の回答には以下の2点に注意が必要です。
- 実現できないようなキャリアプランになっていないか
- キャリアプランを会社ありきで考えていないか
壮大なキャリアプランを描くことは大切ですが、壮大すぎて実現が不可能なキャリアプランは、現実的ではないためあまり評価されません。
たとえば、「将来的には私一人の力でGoogleやFacebookを超える企業を立ち上げるのが夢です」と語っても、理想としては素晴らしいのですが、面接の回答としてはあまり適切ではないといえます。
また、キャリアプラン形成を会社ありきで考えている場合には注意が必要です。
「御社でマーケティングを学び、将来的にはディレクション業務も身につけたいと考えています。」などと、会社で学ばせてもらう受け身の姿勢だと、企業のメリットを考えていないように聞こえてしまいます。
企業側にとってメリットがなければ人を雇う必要性はないため、応募者は面接で企業へのメリットを伝えることが大切です。
そのため、キャリアプランの質問に回答するときは、現実的なキャリアプランで、なおかつ自主的な努力をする姿勢を伝えるよう意識しましょう。
キャリアプランが特にない人はどうすればいい?
キャリアプランの質問に回答するポイントについて紹介してきましたが、そもそもキャリアプランについてあまりピンときていない人は少ないかと思います。
キャリアプランが特にない人は以下の方法で見つけることができます。
- 過去の経歴を整理する
- 自分が将来どうなっていたいのかを考える
- いろんなことにチャレンジする
回答として「キャリアプランがない」というのはNGです。
計画性や目標がなく、自主的な努力ができない人として判断され、基本的に採用されにくくなるためです。
ここから、それぞれの方法について簡単に説明していくのでぜひ参考にしてください。
過去の経歴を整理する
まずは過去の経歴を整理しましょう。
これまでの職歴を年別で振り返り、好きなことや嫌いなこと、得意なこと、不得意なこと、また楽しかったことなどを列挙していきます。
嫌いなことや不得意なことを除き、その中で自分がチャレンジしてみたいことを一つの目標として掲げ、キャリアプランとして計画立てましょう。
自分が将来どうなっていたいのかを考える
続いて自分が将来どうなっていたいのかを考えましょう。
仕事のほか経済的な面から健康面、また家族構成など、理想とする自分をイメージすることが大切です。
たとえば、「10年後の35歳になるまでには年収400万円を超えたい!」と決めれば、次はそのために何が必要なのかを考えます。
そこで、「宅建の資格を取れば年収400万円を超えられる!」と導き出せれば、宅建士になることが一つのキャリアプランとなります。
いろんなことにチャレンジする
それでもキャリアプランが思いつかないときは、いろんなことにチャレンジすることをオススメします。
キャリアプランをはじめ、やりたいことが見つからないのは自分の見ている世界が狭いからです。
たとえば、野球を知らない村の子どもは「将来プロ野球選手になりたい!」と言わないように、自分の経験していないことや知らないことをキャリアプランにすることはできません。
これまで経験のないことにチャレンジし、自分の視野を広げることによって、やりたいことやキャリアプランが見えてきます。
そのため、キャリアプランが特にない人はいろんなことにチャレンジしてみるのもオススメです。
面接で「キャリアプランはありますか」と聞かれた時の正しい回答例
【回答例】
私は将来的に宅建の資格を取得し、御社の宅建士として勤め、顧客獲得および売上に貢献したいと考えています。御社では宅建士の求人も募集されているとのことで、きっと御社に力になれる人材だと思っております。宅建の資格取得のための勉強はすでにはじめており、1日1〜2時間程度ではありますが、継続しております。このままいけば1〜2年以内には宅建の資格を取得できると考えております。また、ゆくゆくは10〜15年年後をめどに御社で培ったノウハウを武器に、自身で不動産会社の立ち上げを予定しております。
【解説】
キャリアプランについて聞かれたときは、企業の方向性を予測し、自分が役に立てるポジションを明確にしましょう。
例のように、具体的にいつまでに宅建士になりたいのかを伝えることによって、そのキャリアプランに現実味を持たせています。
また、宅建士として働くことがゴールとなってしまうと、キャリアプランとしてはややインパクトが弱いので、十数年後の独立を考えていることを伝えると、向上心が伺えます。
まとめ
面接でたまに聞かれるキャリアプランですが、質問されるされないの以前に、転職時には自分の中でキャリアプランを持っておくことが望ましいです。
そして、キャリアプランは漠然としたものではなく、きちんと言語化し、いつまでにどうなっていたいのか明確にさせておきましょう。
特にキャリアプランがない人は、以下3つの方法で作ることができます。
- 過去の経歴を整理する
- 自分が将来どうなっていたいのかを考える
- いろんなことにチャレンジする
キャリアプランの回答によって面接での印象が変わるので、自分の将来のためにも目標とするものを考えておきましょう。