面接でよく聞かれる質問の中に「誇れる実績や成功体験はありますか?」というものがあります。
ただ誇れる実績や成功体験と言われると、なんだか自慢をしているように聞こえないかと、答え方に困ってしまう人もいるでしょう。
また、どのように答えたら面接官に好印象を持ってもらえるのか、イメージがつきにくいですよね。
そこで今回の記事では、面接で「誇れる実績や成功体験はありますか?」と聞く面接官の心の内と、聞かれた時の答え方を解説します。
具体的には、
- 誇れる実績や成功体験を聞かれる理由
- 誇れる実績や成功体験を聞かれた時の回答例
- 「誇れる実績や成功体験はありますか?」に対して答える際のポイント3つ
これらの内容を紹介していきますので、これから転職面接を控えている人は、ぜひ参考にしてみてくださいね。
「誇れる実績や成功体験はありますか?」と聞かれる理由
「誇れる実績や成功体験はありますか?」という質問に対し、好印象を与える回答をするためには、
- なぜ面接官がこの質問をしているのか
- この質問で何を知りたいのか
という部分を押さえておくことが重要です。
そこでまずは、なぜ面接で誇れる実績や成功体験を聞くのか、その理由について解説をしていきます。
成功するために「どのくらい努力ができるか」を知りたい
どんなことであれ「成功できた」ということは、それだけ努力を積み重ねてきたということ。
誇れる実績が難しければ難しいほど、その人が多くの努力をしてきたことの証明になります。
面接官が「誇れる実績や成功体験はありますか?」という質問をする意図の1つは、その成功体験や実績の難易度で、「その人が入社した後にどのくらい努力ができる人物か?」を知りたいのです。
もちろん成功体験の難易度は高いほうが良い
例えば、今までの成功体験が「英語検定3級の合格」だったとします。
少し極端ですが、これだと面接官の印象としては、「それくらいの努力しかして来ていない=入社後もそれくらいの努力しかできない」という判断になってしまうのはイメージがつきますよね。
逆に、いままでの実績が「大学を首席で卒業した」「100人のメンバーをまとめるプロジェクトを成功させた」などというものであれば、それを達成するのには、並々ならぬ苦労と努力が必要なのは、面接官も容易に想像できます。
このように、面接官が「誇れる実績や成功体験はありますか?」と質問をするのは、その人がどのくらい努力ができるのか、を知りたいという意図があるのです。
諦めずに最後までやり遂げる根気のある人物か?を知りたい
企業側が「誇れる実績や成功体験はありますか?」と質問をする理由の1つに、諦めずに最後までやり遂げる根気のある人物か?を見たいと思っている場合もあります。
仕事というものは、そう全てが簡単にできるわけもなく、やっていれば必ずどこかで壁にぶつかったり、努力が必要になったりするタイミングが来ます。
そんなときに、誇れる実績や成功体験がある人は、過去もその困難に打ち勝って乗り越えてきた経験があるので、同じように根気を持って最後までやる遂げることができるでしょう。
逆に言えば、この質問に対し答えられない人や、成功体験の内容が少々薄い人は、「最後まで努力をしていないのかな?」「根気よく努力を続けられない人物かもしれない」と、捉えられてしまうことも。
どんなことでも良いので努力して乗り越えた経験を話そう
企業側は与えられた仕事や責任に対して最後まで諦めずに努力し、完遂してくれる人材を探しています。
「誇れる実績や成功体験はありますか?」という質問の答えによって、企業に示された期待に対し、最後まで努力して成功できる人材かを確認をしたいと思っているのです。
前職がある人は、仕事上で何かしらの努力をし、その結果が成功体験としてあるでしょうし、学業でも部活でも、アルバイトでの経験でも構いません。
目標や困難に対して、根気よく努力して乗り越えたという成功体験や誇れる実績を、面接ではしっかりと答えられるようにしましょう。
考える力があるか?を知りたい
誇れる実績や成功体験がある人は、「考える力がある人材」といえます。
実績を出すためには、諦めずに努力することも大切ですが、自分の頭で考えてより良い方法を見つけ出す「思考力」も必要です。
成功をするまでのプロセスで「その人がどれだけ考えたか」を知ることで、その人にしっかりとした考える力が備わっているのかどうかをはかっているのです。
考える力がある人材は、入社後も与えられた仕事を淡々とこなすだけではなく、その会社に新たな付加価値や、進歩をもたらしてくれます。
それらのことは、会社にとってとても大きな財産になります。
面接官は単に誇れる実績を知りたいわけではない
面接官が知りたいのは、誇れる実績や成功体験だけではありません。
仮に「私の誇れる実績は、常に営業成績がトップだったことです。」とだけ、答えが帰ってきたら、面接官はどう思うでしょうか。
確かに素晴らしい実績かもしれませんが、どのように達成したかがわかりませんよね。
そこで面接官が「どのように達成させたのですか?」と聞いたとして、「購入いただけるまであきらめず、熱意を伝えました」と答えらどうでしょうか。
熱意があるのはとてもよいことですが、少し単純で短絡的な印象をもたれるかもしれません。
誇れる実績と成功体験と言われればそのとおりですし、上記のような答え方でも悪いことはありませんが、より面接に良い印象を残すためにはどれだけ「考えて」、その成功体験や誇れる実績を得たか?が重要になってくるのです。
その経験から何を学んだか=常に成長していけるか?を知りたい
誇れる実績や成功体験があるのは素晴らしいことですが、それだけで満足している人はそれ以上の成長はできないでしょう。
その経験から何を学び、次にどう活かしていくかという考えがある人は、今後もさらに成長をし続けている人材です。
そういう人材は言うまでもなく、会社の発展に大きく貢献してくれることでしょう。
つまり面接官は、「誇れる実績や成功体験はありますか?」という質問をすることで、その人が「常に成長していける人材か」の確認をしたいと思っているのです。
過去の栄光にすがりつくのはNG
成功体験や誇れる実績があるからと言って、その栄光にすがりつくのはNGです。
成功したことでも、何かしら改善できることもあるでしょうし、反省するべきこともたくさんあるはずです。
それを謙虚に受け止め、余計なプライドをもったり、過去の栄光にすがったりすることなく、学びを得られる人は常に成長できる人材と言えます。
また、採用が決まり仕事を始めたあとも、トラブルや困難に見舞われることもあるでしょう。
「誇れる実績や成功体験はありますか?」に対しての答え方で、その時にどのような対応ができる人材なのか、それを糧にして成長していける人材なのかというイメージがわきやすくなります。
経験から多くを学び、それを生かすことができる人は、会社に貢献してくれる貴重な人材なのです。
「誇れる実績や成功体験はありますか?」と聞かれた時の回答例
それでは、誇れる実績や成功体験を聞かれた時の、具体的な回答例を紹介していきます。
お客様から満足いただけた成功体験の回答例
私の成功体験は、前職で賃貸営業をしていた時に、お客さまから感謝のお手紙をいただけたことです。
以前、賃貸営業で仲介営業をしていたころのお話ですが、当時の私の課題は、お客様と商談をする際、ご希望を聞きすぎてしまうことにありました。
お客さまの要望をすべて叶えようとすると、紹介できるお部屋がなくなり、手詰まりになってしまったんですね。
そこでお客さまの求めていることの中でも『一番のお悩み』を特に聞くようにし、絶対に住みたくないお部屋を聞くことに専念することにしました。
そこで私は『お客さまカード』というものを作り、お客さまからの要望は、すべて記載をしておくようにしました。
そうすることでお客様の要望を可視化し、共有することで、絶対住みたくない家をお互い明確化できるようになりました。
再来をいただけるときも、必ずそのお客さまカードを確認し、同じことをお客さまに絶対に言わせないことで信頼関係の構築と、効率化を図りました。
お部屋が決まったとき「いろいろなお店に行ったけど、あなたと話すのが一番楽しかった」と言われたときはとても嬉しかったです。
結果、お客さまから感謝のお手紙を1年間に3回いただき、社長賞をいただけました。
お客さまから知り合いをご紹介いただける回数も増え、売り上げも伸ばすことができ、社内売上で半期1位を取ることもできました。
御社に入社させていただけた際は、この実績で学んだような『お客様満足をすること』を常に実行し、利益に貢献していきたいと考えています。
業務でリーダーシップを取った成功体験の回答例
私の成功体験は、前職の新規プロジェクトでリーダーを務め、成功させたことです。
このプロジェクトは事業拡大のため、競合他社に後れをとらないよう新店舗を見つけ、オープンさせるプロジェクトでした。
その時は、初めての他県へのオープンだったため、手探りで始めることばかりでした。
メンバーは私を含め6人おりまして、市場調査を行い新店舗ができた際のターゲットや、輸送管理、黒字化するための事業計画など、一からすべてを行いました。
会社から与えられた期間は3カ月と、時間があまりない中でメンバー内の苛立ちもありましたが、その中で私が心がけたのは、『メンバーの話を聞き、それに対し否定をせずにできるだけ受け入れることで、とにかくやる気を継続させること』でした。
結果、なんとか3カ月以内にオープンすることができ、その後も店舗の売上は、オープン以降一度も赤字になることなく、現在も運営できております。
この成功体験で得たのは、一致団結し取り組むことの大切さです。
メンバーの内、誰か一人が欠けいたら、同じ結果を出せたとは思えません。
一人一人の意見を出しやすい環境を作り、それを否定せずに吸い上げ、さらに良くするための話し合いを続けたことが成功につながったと思っています。
もし御社でご採用いただけた際は、この成功体験から得たチームワークを大切にすること、よい人間関係は聞くことで築けるとことを忘れずに、貢献していきたいと思っています。
「誇れる実績や成功体験はありますか?」に対して答える際のポイント3つ
ここまで具体的な回答例をご紹介してきましたが、実際に面接で答える際は、自分の誇れる実績や成功体験に置き換えると思います。
この章では、自分の体験に置き換える際に気をつけるべきポイントを解説しておきますので、参考にしてください。
エピソードはできるだけ具体的に
「誇れる実績や成功体験はありますか?」という質問に対しての回答を考える際は、基本的にエピソードを話すことになるでしょう。
そのエピソードを話す時の注意点は、できるだけ具体的に話すことです。
「あまり具体的に話してもわからないだろう」などと思う必要はありません。
もし仮にわからなかったら聞いてくるでしょうし、逆に抽象的に話してしまうと、面接官がイメージできず、心に刺さらない内容になってしまうからです。
そのため、エピソードを話す際は、できるだけ実際の内容を具体的に話すようにしましょう。
話が長くなりすぎないように注意
回答例で示したような内容は、回答をする際のMAXの長さだと思ってください。
回答は長すぎると、話す側も緊張してしまいますし、聞く側の面接官も疲れてきてしまいます。
また回答が長いということは、話す内容が端的にまとまっていない、つまり説明力が弱いと判断されてしまうことも。
できるだけ結論を始めに答え、続いてその理由と具体例を1つずつ添え、最後にもう一度結論を話す、いわゆる『PREP法』を意識すると良いです。
約1分~2分くらいの時間内で収められるように、回答を考えておきましょう。
数字で表す
具体的に話すことが大切と言いましたが、具体性をさらに増すために必要なのが「数字で表す」こと。
特に、営業職や販売職など数字を追う職種で働いてきた、または応募している場合は、数字で表すことが、とても重要になってきます。
回答例でも、「メンバーは私を含めて6人」「お客さまから感謝のお手紙を1年間に3回」など、数字で表していることがわかると思います。
数字で表現することで、面接官がその実績が凄いのかどうかという判断を明確に判断する(応募者側からするとアピールする)ことができます。
そのため、誇れる実績や成功体験を話すときは、「数字で表して」説明することを心がけましょう。
答え方に自信が持てなかったら転職エージェントに確認してもらおう
面接での質問に対しての答えは、自分一人で考えていてもなかなか自信が持てませんよね。
そんなときは、第三者に確認してもらうのが効果的ですが、その中でも転職のプロである転職エージェントに相談するのがおすすめです。
転職エージェントは、「誇れる実績や成功体験はありますか?」という質問の他にも、面接で聞かれがちな質問に対して、答えを考える際のアドバイスをしてくれます。
今まで何人もの転職希望者を成功に導いているプロだからこその目線で、的確に助言してくれるので、自分だけで考えるより数倍良いものができるでしょう。
さらに転職エージェントは、選考書類の添削や、面接日の調整など転職するにあたって必要なことすべてを「無料」でサポートしてくれます。
転職をしようとしているなら、転職エージェントは使わない手は無いでしょう。
「誇れる実績や成功体験はありますか?」と聞かれた時の答え方・まとめ
誇れる実績や成功体験を聞かれた時の答え方について解説をしてきました。
最後にポイントの確認です。
- 成功体験を聞く理由は最後まで努力ができるか、考える力があるか、常に成長しているかを知りたい
- エピソードを話す際は、具体的にかつ数字で表現する
- 回答は長くならないように、1分~2分でPREP法を用いて話す
誇れる実績や成功体験は、転職面接の合否に深くかかわるはずです。
嘘のエピソードを作ることは当然よくありませんが、少しくらいは誇張してもOK。
ただ、面接官におかしいと感じられないように、質問されて答えられるように事前にしっかり考え、準備しておくことが不可欠です。
転職エージェントを活用するなどして、自分の実績を思い出しながら考えておきましょう。
この記事を「誇れる実績や成功体験はありますか?」という質問に対しての答えるときの参考にしていただき、あなたの転職成功への一助となれば幸いです。