転職面接でよくある質問の1つに「将来の夢はなんですか?」というものがあります。
なんだか漠然としすぎて、どう答えて良いのか分からない人もいるのではないでしょうか?
小さい子供が「甘いものが好きだから、将来はケーキ屋さんになりたい!」と言うような、そんなレベルの回答でないことは分かるでしょう。
しかし、社会人としての「正しい将来の夢の答え方」について、ピンと来ない人は多いのではないでしょうか。
今回の記事では「将来の夢はなんですか?」と聞かれた時の正しい答え方について、回答例とともにポイントをご紹介します。
「将来の夢はなんですか?」と質問する意図とは?
転職面接時の質問には、必ず意図があります。
勿論「将来の夢はなんですか?」という質問に対しても、同様です。
面接官がこの質問をする意図は下記3点です。
- 仕事に対して、目的を持って取り組むことができるか?をチェックしている
- 自社に合う人物か?をチェックしている
- 物事の筋道を立てて考えることができるか?をチェックしている
1. 仕事に対して、目的を持って取り組むことができるか?をチェックしている
私は、新卒社員や若手社員の教育を任されることがよくあります。
その時に、大きく分けると「目的を持ち仕事に取り組む人」と「ただなんとなく仕事をしている人」に分けられます。
両者を比較すると、明らかに前者の方が仕事の飲み込みが早く、パフォーマンスも高いと感じます。
また「仕事に対して、目的を持って取り組むことができるか?」をチェックすることにより、下記についても判断されています。
自発的に行動できる人物か?
例えば「前の会社では指示が明確ではなかったので、今度は指示が明確な環境で働くのが夢です」という回答があれば、この人は指示待ち人間なのだなという印象を受けます。
しかし「〇〇の経験を活かし、御社の△△に合うような提案をしつつ、会社に貢献できる人物になるのが夢です」というような回答であれば、この人は自発的に行動してくれそうだという印象を受けます。
「指示待ち人間であれば、人間ではなくて【人工知能】で充分」という世の中になってきていますので、会社は「自発的に行動できる人物か?」を、以前にも増してチェックするようになっています。
応募者の視野の広さはどれくらいか?
将来の夢についての回答で、応募者の視野の広さを見ることができます。
会社としては、もちろん視野が広い人の方を好みます。
例えば人間関係においても、ある人物のことを「この人はこういう人だ!」と決めつける狭い視野だと、衝突することもあります。
しかし「この人はこういう一面も持ち合わせているけれど、実はこんな良い部分もある」と広い視野で見ることができれば、人間関係をうまく築くことができる可能性が高いです。
また業務においても、視野が狭いと1つのやり方しか思いつかないかもしれません。
しかし視野が広いと、複数のやり方を思いつく可能性が高く、その中からより効率の良い作業方法を見つけられるかもしれません。
このように、視野の広い人の方が、様々な可能性を秘めていると言えます。
2. 自社に合う人物か?をチェックしている
素晴らしい将来の夢を持っていても、自社に合う人物でないと「応募者」も「会社」もお互い幸せになれません。
応募者も自分の夢を叶えられて、会社もその人の夢を叶えつつ、進むたい方角に向かえることが、お互いに高めあって上に向かえると言えます。
その為に、応募者の将来の夢を通して、自社に合うか否かをチェックしています。
3. 物事の筋道を立てて考えることができるか?をチェックしている
将来の夢を質問することにより、それが現実的なものであるか否かを知ることができます。
現実的なものであれば「物事の筋道を立てて考えることができる人」だという印象を持ちます。
現実的ではない場合でも、なぜそう思うのかを順序だてて説明することができれば「物事の道筋を立てて考えることができる人」であると思われます。
しかし、現実的ではない夢をあげて、更に理由を明確に説明することができなければ、物事の筋道を立てて考えることができない印象を持たれます。
どんな仕事であっても「筋道を立てて考える能力」は必要とされるからです。
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将来の夢を回答するうえでのポイント
将来の夢を回答する際に、どんな夢でも良いかというと、そうではありません。
夢自体は素晴らしいものであっても、的外れな回答をすると、採用に至る可能性が低くなります。
転職面接で「将来の夢はなんですか?」と聞かれた場合には、下記のポイントを押さえる必要があります。
- 仕事には全く関係のない夢の話は避ける
- 会社が目指したい方向を想像し、自分の夢と重なる部分を回答する
- 夢を叶える為に、こう行動したい(もしくは行動している)ことを添える
1. 仕事には全く関係のない夢の話は避ける
仕事に全く関係のない夢の話は、避けた方が無難です。
例えば「海外のリゾート地で、悠々自適に暮らすこと」が夢だとします。
この場合、面接官にはこのように思われるかもしれません。
- うちは海外に拠点は無いし、この夢の場合、特にうちで叶えられる内容ではない
- 夢見がちで、現実逃避しがちな人なのかな
- ある程度稼いで貯金を貯めたら、辞められてしまうかもしれない
どんな夢を持とうと自由なのですが、転職面接で仕事に全く関係のない夢の話をすると、このようにマイナスに転じることが多いのです。
将来の夢について聞かれた場合には、仕事に関係する話をしましょう。
2. 会社が目指したい方向を想像し、自分の夢と重なる部分を回答する
会社にも夢があります。
それは「会社が目指したい方向」だとも言えます。
そう考えると、会社が転職面接を行うことは「会社の夢を一緒に叶えてくれる人を探している状態」と言い換えることができます。
つまり、転職面接で「将来の夢はなんですか?」と聞かれた場合、会社の夢も叶えてもらえるのでしょうか?という意味合いも含まれています。
会社が目指したい方向を想像し、自分の叶えたい夢と一致する部分を伝えることができれば、志望動機についても説得力が増します。
3. 夢を叶える為に、こう行動したい(もしくは行動している)ことを添える
夢を漠然と語っている人と、夢に向かってこのように行動したいと具体性を伴っている人がいたとします。
この場合、どちらの人の方が「会社に貢献してくれる」と思うでしょうか?
きっと、後者だと思う人が多いでしょう。
当然、転職面接の「将来の夢はなんですか?」という質問に対して、夢に向かってこう行動したい(もしくは行動している)と言える人の方が、採用選考率は高くなります。
「将来の夢はなんですか?」という質問の後に、セットで「それでは、その夢を叶える為にどうしたいですか?」と質問されることもあるので、きちんと回答できるように準備すると良いでしょう。
将来の夢に対しての回答例3つ
それでは、面接で「将来の夢はなんですか?」と聞かれた時の回答例を3つご紹介します。
【ケース1】 業界が好きであり、プライベートにも結びつく夢ということをアピール
「面接官質問例」
将来の夢はありますか?それは、わが社で働くことにより叶えられそうですか?
「回答例」
私はファッションに興味があるのは勿論なのですが、服の素材や質感に人一倍こだわりがありました。
独学で素材の勉強も行い、様々なブランドの服飾店を訪れることも多いです。
一般的には、値段が高いというだけで、良い素材・質感のものは二の次にされることも多いかと思います。
しかし、どう良くてお客様にメリットがあるのかをしっかりと伝えられれば、きっと多少値段が高くても、欲しいと思ってくださるお客様は増えると思います。
そして、私の将来の夢は「良い素材・質感の服が世の中に増え、人間に必要な【衣食住】の【衣】がもっと深く楽しめる世の中になること」です。
御社のファッションブランドは、企業理念として「良い素材・質感のものを」をテーマとして揚げていると思います。
私の夢と重なるので、是非御社のブランドの営業として働き、世の中に「服で幸せになれること」を広めていきたいと思っております。
◆解説◆
転職面接をしていると「御社の業界に興味があるので」という回答は多いですが、それだけでは面接官を納得する材料にはなりません。
この例では、業界に興味があることはもちろんのこととし、プラスアルファで、この企業にしかない「良い素材・質感のものを」を引き合いに出しています。
これにより、業界の中でもなぜこの会社に応募したかの説明がつきます。
更に、独学で「素材の勉強を行ってきたこと」や「様々なブランドの服飾店を訪れたこと」にも触れ、プライベートと会社の夢を重ねてアピールすることができています。
【ケース2】 自分の性格と企業の特徴を重ねあわせ、なりたい自分をアピール
「面接官質問例」
5年後、10年後になりたい自分の姿を教えて下さい。
「回答例」
私は、物心ついた時から「自分で考えて、一から物を作ったり、考えたりすることが好きだ」と思っていました。
レールがないところを、自分で作り上げて、周囲にそのレールの上を走ってもらうことに喜びを感じるタイプなのです。
御社は、勢いのあるベンチャー企業かと思います。
募集要項にも「基盤を一緒に作ってくれる方だと尚良い」と記載がありましたが、私の性格と非常にマッチするのではないかと思っております。
もしご縁があり御社の総務として働かせていただける場合、5年後には総務内での基盤造りをチーム内で行わせていただきたいと思っております。
更に10年後には、他チームとも共同で基盤を作れるような、そんな頼れる総務の一員になれたら良いなと思っております。
その為には、御社の主力商品であるソフトのことは勿論、総務の枠を超えて、社内のインフラ関係についてもしっかりと勉強したいと思っております。
◆解説◆
応募先企業が勢いのあるベンチャー企業なので、ベンチャー気質な自分の性格と照らし合わせながらアピールすることができました。
段階を踏んで、5年後・10年後の自分を想像できているので、筋道を立てて考えられることもアピールできています。
また、応募職種である総務の垣根をこえて、システム関連の勉強もしたいと伝えており、かなり勉強熱心であることを伝えられています。
【ケース3】 向上心を見せ、前向きな将来を見据えていることをアピール
「面接官質問例」
将来、どのような人になりたいですか?
「回答例」
私は、クレームを笑顔で対応できる「スーパーカスタマー」になりたいと思っております。
クレームを言ってくるお客様は、当然ながら基本的にみんな怒っています。
そのクレームを受ける、会社のカスタマーセンターの担当者も、渋い顔をしていることも多いと思います。
しかし、私は今までカスタマーセンターでクレーム処理を行い「クレームを言うお客様に、最後は気持ち良く自社のファンになってもらいたい」と常に思っていました。
渋い顔をしていては、お客様も怒りで終わることも多いと思いますが、笑顔で対応できれば、最後にはお客様も笑顔になれると信じています。
御社の経営理念として「社員もお客様も、みんな笑顔に」というものがありますが、カスタマーセンターのクレーム対応からも、この理念に近づけたいという夢を持っています。
日々、向上心を持つことを心掛け、人の心理についても勉強しております。
また、笑顔の練習は朝晩必ず行っています。
◆解説◆
今回の例では、職種的にマイナスになりがちな「クレーム対応」についても、プラスに見ていることで「前向きさ」をアピールできています。
更に、人間の心理を学んだり、笑顔の練習をしているなど「向上心」もアピールすることに成功しています。
また、最初に「スーパーカスタマーになりたい」と言い切っていることにより、この仕事への熱意や憧れも伝えることができています。
まとめ
今回の記事では「将来の夢はなんですか?」と聞かれた時の正しい回答について、回答例とともにポイントもご紹介しました。
夢といっても、会社に関係ある夢を答えることが分かりましたね。
的外れな回答をしないように心がけ、記事を参考にポイントを押さえれば、あなたなりの正しい回答を導きだすことができるでしょう。
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