面接でよく聞かれる質問の1つに「転職することに、ご家族は賛成していますか?」というものがあります。
仕事の内容ならともかく、家族が賛成か反対かを聞かれても、どう答えたら良いかわからず不安になりますよね。
そこでこの記事では、「転職することに、ご家族は賛成していますか?」と聞かれた時の正しい回答例とNGな回答例を、聞かれる理由も併せて解説していきます。
具体的には、
- 面接で「転職することに、ご家族は賛成していますか?」と聞かれる理由
- 「転職することに、ご家族は賛成していますか?」の正しい回答例とポイント
- 「転職することに、ご家族は賛成していますか?」のNGな回答例
以上の内容でご説明していきます。
3分ほどで読めて、「転職することに、ご家族は賛成していますか?」と聞かれたときの答え方が明確にわかると思いますので、ぜひ最後まで読んでいただければと思います。
面接で「転職することに、ご家族は賛成していますか?」と聞かれる理由
まずは面接で転職することに家族が賛成しているか否かを聞かれる理由を理解していきましょう。
面接官の質問の意図を知ることで適切な答え方が出来るようになるので、不安が取り除かれると思うので、しっかり把握しておいてください。
内定辞退されないか不安だから
転職面接で「転職することに、ご家族は賛成していますか?」と面接官が聞いてくるのは、家族に反対されたことによる「内定辞退を避けるため」に他なりません。
なぜなら会社側からすると、内定辞退は損失が大きいことだからです。
5割のミドル層が家族の反対で内定辞退の経験があると回答
ミドル層に限った調査ではありますが、2018年にエン・ジャパン株式会社が運営するミドル向けの転職サイト「ミドルの転職」にて、35歳以上のユーザーを対象に家族の反対による内定辞退率が明らかになりました。
この調査によると、「約5割のミドルが「家族に転職を反対され内定辞退したことがある」と答えています。
つまりミドル層の転職では、企業は約半分の内定者に家族の反対を理由に辞退される、ということです。
このことからも企業側が「家族の反対による内定辞退」に対して、高いリスクを感じている理由が伺い知れるでしょう。
引用:エン・ジャパン株式会社「ミドルに聞く「家族の転職反対」実態調査 」
採用活動には多くの経費がかかる
企業の採用活動は、多くの経費がかかるもの。
求人サイトに出稿する費用は数十万かかりますし、書類選考や面接に使った時間はそのまま経費になります。
さらに人材を採用しようとする時、多くの場合「欠員補充」か「事業拡大」が目的。
もし採用できるはずの人材に内定辞退された場合は、前者の場合は「現場が回らない」状態になり予期せぬ退職が増えるかもしれません。
後者の場合は「事業拡大のチャンスロス」になるわけです。
内定辞退されたら一から採用活動をしなければならない
会社はあなたに内定を出した時、同時に他の応募者に不採用を通知しているでしょう。
その後で家族の反対で内定辞退をされたら、もしあなたがいなければ採用しようとしていた人材がいたとしても、他の会社への入社を決めているかもしれませんし、気持ち的にも冷めてしまっているかもしれません。
そのため1人を採用するということは、会社はせっかく集めたその他の応募者を手放す決断を同時にしていることになるため、また一から採用活動を再開しなければいけなくなるのです。
もしあなたが採用する側だったら、内定辞退されるリスクが高い人と低い人、どちらを採用しますか?
採用率を高めるためには、会社側の「家族の反対で内定辞退されるかも」という不安を払拭してあげることが大切なのです。
「転職することに、ご家族は賛成していますか?」の正しい回答例とポイント
この章では、「転職することに、ご家族は賛成していますか?」という質問に対しての正しい回答例と、答えるときのポイントを解説していきます。
「転職することに、ご家族は賛成していますか?」に答えるときのポイント
面接でこの質問に答える際のポイントは2つあります。
事前に相談し賛成してもらっていることを伝える
1つは、「事前に相談していることを伝えた上で、賛成してもらっている」旨を伝えることです。
「家族は自分の仕事に口出しをしてくるタイプではないので大丈夫」などと思っていても、会社側はその真偽を確認することはできません。
会社側のことを考えて、不安を取り除くような答え方をしてあげるのがマナーでしょう。
相談するべき家族を網羅していること
もう1つのポイントは、相談するべきキーマンとなる家族を網羅しているかです。
つまり、相談する家族(面接官に相談したと伝える家族)は、妻(配偶者)だけではいけませんし、同時に親だけでもいけません。
会社側からすると、「嫁には賛成してもらったけど、親から反対されて内定辞退になる」という可能性が払拭できないからです。
転職活動をする前に、必ず「キーマンとなる家族」に相談して「賛成をもらっておく」ようにしましょう。
「転職することに、ご家族は賛成していますか?」への正しい回答例
はい、妻・両親ともに応援をしてくれています。
転職するにあたって、事前に相談をしていたのですが、両親からは私の意思に任せると言ってくれました。
妻からは、子供がまだ小さいこともあり収入面の不安からあまり前向きではありませんでしたが、それでも自分がやりたいと思ったこと、転職しないと後悔する思っていることを伝え、いまは快く転職を応援してくれています。
理解してくれた家族のためにも、転職後はより一層仕事に尽力し、成果を出していきたいと考えています。
「転職することに、ご家族は賛成していますか?」のNGな回答例
この章では、「転職することに、ご家族は賛成していますか?」に答える時、よくやってしまいがちなNGな回答例をご紹介してます。
「相談していません。たぶん賛成してくれると思います」
転職するか否かを自分一人で決められると思っている人は家族に、事前に相談せず、面接で「相談していません。」と正直に答えてしまう人がいますが、これはNGです。
あなただけの人生ではありません。
ふだんは何も言わない妻や親でも、自分と家族の人生がかかっていると思うと反対をしてくる可能性は十分あります。
この答えでは会社としてもリスクが残ったままとなりますので、内定を出すのに二の足を踏むことになるでしょう。
「賛成してくれています」だけではNG
家族からの賛成を得ていたとしても、面接で「賛成してくれています」とだけ答えるのでは、説得力に欠けます。
正しい回答例でご紹介したように、家族の反応を具体的に伝えることで信憑性が増し、面接官も安心することができるでしょう。
会社から「家族の反対で内定辞退されそう」と思われないためにするべきこと
この章では、会社から「家族の反対で内定辞退されそう」と思われないために、事前にしておくべきことをピックアップしていきます。
嫁ブロック!「妻から反対されて内定辞退」を防ぐ
結婚している方は、妻から反対されて辞退になるケースも多くあります。
いわゆる嫁ブロックというものですね。
前述のエン・ジャパンによる調査でも、転職を反対された家族は「妻」が76%と最多であり、その理由は「年収が下がる」からだという結果が出ています。
大手企業や高年収などで働いている配偶者を持つ人は、転職・退職されると家族にとっては収入面で大きなリスク。
大きな不安を抱えるのも無理はありません。
そのため事前に、妻(配偶者)には相談し、説明した上、理解を得ておくことが重要です。
親ブロック!「両親から反対されて内定辞退」を防ぐ
両親のどちらか一方、もしくは両親ともに教育熱心で、現職に就職するときも口出ししてきたような方は、両親の賛成を得られずに内定辞退になるケースもあります。
前述のエン・ジャパンの調査でも、転職を反対された家族として妻に続いて多く、親から賛成を得られなかったことから内定辞退をしたという結果がでています。
転職がいまほど普通でなかった世代の親からすると、せっかく就職した会社を退職するのは、「もったいない」「将来が不安」という思いを持つのも理解できます。
両親に理解してもらうために、時代のトレンドを伝えつつ、了承を得ておくことをおすすめします。
このように家族からの反対は、あなたのキャリアに大きな影響を与える可能性があります。
迷ったときは、あなたは何をしたいのか?に重点を置いて考えましょう。
まとめ
面接でよく聞かれる「転職することに、ご家族は賛成していますか?」への正しい回答例やそのポイントについて解説してきました。
最後におさらいしておきましょう。
- 面接官が「転職することに、ご家族は賛成していますか?」と聞く理由は、内定辞退されると困るから
- 正しい答え方のポイントは、「事前に相談し賛成してもらっていることを伝える」「相談するべき家族を網羅していること」の2つ
- 「相談していません。
たぶん賛成してくれると思います」はもってのほか。
「賛成してくれています」だけでもNG
嫁ブロックと親ブロックを防ぐために、必ず事前相談して理解を得ておこう
会社にとって、内定辞退されるのは大きな損失。
家族の反対を理由とした辞退の可能性が無いことを、面接でしっかり伝えられれば企業は安心してあなたを採用できます。
採用率を上げるためにも「転職することに、ご家族は賛成していますか?」への答え方のポイントをしっかり把握しておきましょう。
また転職しようとする時は、妻や親に事前に相談して理解を得ておきましょう。